自動車と同じく、原動機付自転車やバイクも自賠責保険の加入義務があることをご存じでしょうか?250cc以下のバイクと原付には車検がないため、自賠責保険の期限が切れたまま更新を忘れるリスクがあるので要注意です。
今回は、バイクと原付の自賠責保険の基本的なルールや、更新手続きの方法などをお伝えします。
自動車損害賠償保障法によりバイクを含むすべての自動車は、自賠責保険に加入しなくてはなりません。そのため、バイクを購入する際に販売店などで自賠責保険の手続きをすることになります。
それでは、なぜ自賠責保険に加入する義務があるのでしょうか?自賠責保険には、事故を起こしたときに「相手方の被害を救済する」「交通事故の加害者になってしまった場合の経済的負担を補う」という目的があるからです。そのため、自賠責保険の対象となる事故は、被害者がケガをした場合か、死亡したケースが該当します。
自賠責保険は交通事故の被害者の救済を目的としています。しかしたとえ事故を起こさなかったとしても自賠責保険に未加入で運行した場合は、自動車損害賠償保障法第86条の3および道路交通法施行令別表第2の1により以下の罰則が科せられます。
罰則:1年以下の懲役または50万円以下の罰金
違反点数:6点(免許停止処分)
事故を起こしてしまった場合は多額の賠償金を負うことになります。
しかし、自賠責保険にきちんと加入していれば、通行人をはねてしまいケガをさせてしまったときや、車に後ろから追突をして相手にケガをさせてしまった場合に、以下の表のとおり一定の保険金が支払われることになるのです。ですが、交通事故を起こしたときには多くの場合、自賠責保険の補償内容だけでは不十分です。任意のバイク保険に加入して万が一に備えておくと安心です。
事故の区分 | 損害の範囲 | 支払限度額 |
---|---|---|
傷害による損害 (死亡するまでの傷害による損害を含む) |
治療関係費・文書料・休業損害・慰謝料 | 最高 120万円 |
後遺障害による損害 | 逸失利益・慰謝料など |
|
死亡による損害 | 葬儀費・逸失利益・慰謝料(本人および遺族) | 最高 3,000万円 |
次にバイクの自賠責保険の保険料を見ておきましょう。次の表のとおり、排気量や契約期間に応じて保険料は変動しますので、保険料を抑えるには、契約月数を長くすることが有効です。
たとえば125cc以下のバイクの場合、12ヵ月(1年)で契約をすると7,500円ですが、60ヵ月で加入すると16,990円ですから、1年あたり3,398円まで抑えることができます。
契約月数 | 総排気量 | ||
---|---|---|---|
125cc以下 | 125cc超250cc以下 | 250cc超 | |
12ヵ月 | 7,500円 | 8,650円 | 8,290円 |
13ヵ月 | - | - | 8,560円 |
24ヵ月 | 9,950円 | 12,220円 | 11,520円 |
25ヵ月 | - | - | 11,780円 |
36ヵ月 | 12,340円 | 15,720円 | 14,690円 |
37ヵ月 | - | - | 14,950円 |
48ヵ月 | 14,690円 | 19,140円 | - |
60ヵ月 | 16,990円 | 22,510円 | - |
※この保険料は、平成29年4月1日以降始期のご契約に適用されるものです。
250cc超のバイクであれば、車検の際に自賠責保険も更新するようにしておけば、更新切れを防ぐことができるでしょう。ところが、250cc以下のバイクや原付の場合、そもそも車検を受けることがありませんから、自賠責保険の更新を忘れてしまう危険性があります。
もし自賠責保険に加入せずに事故を起こしてしまった場合、相手の治療費などの多額の損害賠償を自ら負担する必要が生じます。また、強制加入である自賠責保険に加入せず運転をしたことが明らかになると、自動車損害賠償保障法第5条に違反し、同法86条の3第1号により「1年以下の懲役、または50万円以下の罰金」が科せられます。また、無保険での運転は交通違反となり、違反点数6点が付され、即座に免許停止処分となりますから、更新手続きは必ずしておきましょう。
更新忘れを防ぐには、契約期間をできるだけ長くしておくことも有効です。たとえ、自賠責保険の期間を残した状態で解約することになっても、解約手続きの日から残り期間が1ヵ月以上あると解約に伴う返還保険料があります。詳細は加入している保険会社に確認してください。
また、自賠責保険の期限はステッカーで確認することができますので、スケジュールに期限を残しておくなどして、更新忘れを防ぐようにしておくと安心です。任意のバイク保険に加入しているのであれば、1年に1度の更新手続きのときに自賠責保険の有効期限を確認するとよいでしょう。
次に自賠責保険の加入手続きについて説明します。
この手続きは、バイク購入のときに行われることが一般的ですが、自分で手続きをすることも可能です。その場合、バイクの販売店や保険会社の支店、郵便局でも手続きをすることができますが、実は大手のコンビニでも、軽二輪自動車(126cc〜250cc)や原動機付自転車(125cc以下の原付1種、原付2種)であれば、店内に設置されているマルチコピー機や複合端末を使用して、契約の更新を行うことができます。
コンビニで手続きをする場合、自宅や職場の近くで行えますし、24時間対応してもらえるため便利です。即日で自賠責保険証明書とステッカー(保険標章)も発行されます。
ただし、ほとんどのコンビニが現金でしか対応していませんので、クレジットカード決済を希望する方は、使えるかどうかを確認しておく必要があります。また、手続きをする際に次の情報が必要になりますので、メモして準備しましょう。
セブンイレブンの場合は、事前に自賠責保険の手続きを予約できるサービスを行っています。
事前にご自宅などのパソコンで必要情報を登録しておけば、コンビニでの手続きが簡素化され、入力ミスの防止にもつながるでしょう。ただし、すべての手続きがインターネット上で完結するわけではなく、店頭に行く必要がありますので、ご注意ください。
自賠責保険加入にあたっては以下の書類を確認するようにしましょう。
バイクの種類 | 必要書類 |
---|---|
原動機付自動車 |
|
125cc超250cc以下のバイク |
|
250cc超のバイク |
|
今回の記事では、自賠責保険のルールや加入手続きを説明しました。
手続きの方法はさまざまですが、ご自身にとって便利な方法を選び、未加入の状態にならないように注意してください。そして手続きが終わった場合は、自賠責保険のステッカー(保険標章)や自賠責保険証明書(自動車損害賠償責任保険証明書)を確実に受け取り、ステッカーの貼替え忘れにも注意しましょう。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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