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雨天時の事故発生率は5倍…タイヤのコンディション確認が重要なワケ

岡崎五朗の” 知ってトクする ”最新クルマ事情

雨天時の事故発生率は5倍…タイヤのコンディション確認が重要なワケ

Vo1.01 雨天時の事故発生率は5倍…タイヤのコンディション確認が重要なワケ

雨の日の運転は苦手、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。JAF(日本自動車連盟)によると、雨天時の事故発生率は晴天時の約5倍。視界の悪化や、路面の滑りやすさが原因です。当然、ドライバーには速度を抑えた安全運転が求められるわけですが、それにしても「5倍」という数字に対し、本当に? と感じた方も多いかもしれません。

実際、雨の日に運転しても、ハンドルを切ればクルマは自然に曲がってくれるし、ブレーキを踏めば自然に止まってくれるので、普通に走っているかぎりでは滑りやすさは感じません。それなのになぜ事故が5倍にもなるのだろう? というのがドライバーの皆さんの実感でしょう。

急ブレーキをかけたときに初めて気づく、雨の日のタイヤの滑りやすさ

急ブレーキをかけたときに初めて気づく、雨の日のタイヤの滑りやすさ

実はここに雨のドライブの落とし穴があります。厄介なのは、実際にタイヤが滑りはじめるまで、ドライバーは滑りやすさを感じ取ることができないという点です。ちょっと飛ばす、ちょっと強めのブレーキを踏む程度ではハンドルの手応えやクルマの動きが晴天時と変わらないため、ついつい滑りやすいことを忘れてしまいがちです。しかし実際は、タイヤが滑りはじめるまでの猶予は確実に減っているのです。
摩擦係数というものをご存知でしょうか。摩擦係数は「滑りにくさ」を示す数値で、大きくなればなるほど滑りにくいことを示します。乾燥した舗装路と一般的な乗用車用タイヤの摩擦係数は0.8µ(ミュー)程度(レース用の高性能タイヤは1を超えます)ですが、路面が濡れるとおよそ半分の0.4〜0.6µまで低下してしまいます。つまり、雨の日にいつもと同じような運転をするというのは、知らず知らずのうちに「崖っぷち」を歩いているようなものなのです。いざ危険が迫って急ブレーキを踏んだとき、「ああ滑りやすかったんだ」と気付いても後の祭り。路面が濡れていたらいつも以上に速度を落とし、車間距離を大きめにとることを心がけることが大切です。

ゲリラ豪雨の季節、ハイドロプレーニング現象の危険性は身近に

ゲリラ豪雨の季節、ハイドロプレーニング現象の危険性は身近に

もうひとつ、雨の日の事故リスクを低減する決め手となるのがタイヤです。「走る、止まる、曲がる」というクルマの三大要素はすべてタイヤを介して行われるわけですから、いくらクルマの性能が高くても、すり減ったタイヤや古くなったタイヤ、空気圧が低くなってしまったタイヤではその性能を十分に引き出すことはできません。乗り心地や騒音の増加は我慢できたとしても、タイヤのせいで避けられる事故を避けられないようでは困ります。

先日、タイヤ性能の大切さを思い知らされる場面に出くわしました。テレビのロケで箱根に行った帰りのこと。途中までは弱い雨が降ったりやんだりの天候でしたが、厚木のあたりでバケツをひっくり返したような豪雨になりました。最近よく聞くゲリラ豪雨です。視界も悪化しましたが、それ以上に危険を感じたのが路面を覆う分厚い水膜でした。高速道路は水はけをよくするためにわずかな傾斜を付けていますが、それでも排水が間に合わず雨水が路面全体を覆う状態に。窪みのある部分の水深は10cmを超えていたでしょう。そんなところに高速で突っ込んでいったら、あっという間にハイドロプレーニング現象が起きてしまいます。

ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水膜ができてグリップが失われた状態のこと。ハンドルもブレーキも効かなくなり、最悪の場合はスピンしてガードレールや他車に衝突してしまいます。

ハイドロプレーニング現象 ハイドロプレーニング現象

ハイドロプレーニング現象を防ぐ方法は二つあります。速度を落とすことと、しっかりしたタイヤを履くことです。しかし、多少速度を落としても、溝のすり減ったタイヤではハイドロプレーニング現象があっけなく起こります。そこで重要になってくるのがタイヤの残り溝です。子供の頃、レーシングカーのタイヤに溝がないことを見て、あんなツルツルのタイヤなのにどうして速く走れるんだろう?と子供心に驚いた記憶があります。タイヤのグリップはゴムと路面の摩擦が生みだすものであり、乾いた路面なら溝がないほうが接地面積が広くなってグリップが上がる、というのを知ったのは少し経ってからでした。しかし前述したように、雨が降ると、溝のないタイヤは水膜に乗って簡単に滑ってしまうため、雨天用のレーシングタイヤや一般の乗用車用タイヤには水を逃がす溝があります。この溝がすり減って浅くなると、雨水を上手く排水できないためハイドロプレーニング現象が起きやすくなるのです。

タイヤのコンディションはドライバーが自分で確認

タイヤのコンディション 残り溝が2mmを切ったタイヤは危険

では、具体的にどの程度の溝を残しているのが望ましいのでしょうか。法令上はスリップサインの出る1.6mmまでは使用していいことになっているので、それ以上残っていれば合法ですし、車検も通ります。
しかし、残り溝が2mmを切ったようなタイヤで雨の日に運転するのは大変危険です。なぜなら、残り溝が新品のときのおよそ半分の4mm以下になると雨天時の性能が急速に低下していくからです。スリップサイン(残り溝1.6mm)が出そうになってからでは、遅すぎるのです。
安全を考えれば、残り溝が新品の半分の4mm程度、最低でも3mmになったら履き替えるようにしましょう。

また、タイヤのゴムは紫外線の影響などで自然劣化するので、残り溝が十分に残っていても性能が低下してしまっている場合があります。保管状態にもよりますが、目安としては3年が寿命と考えておくといいでしょう。また、タイヤの空気は自然に抜けていくため、少なくとも1ヶ月に1回は空気圧をチェックし、足りなければその車種ごとに決められた指定空気圧(通常は運転席側のドアを開けたところにステッカーが貼ってあります)にセットしておくことが必要です。

昔はガソリンスタンドの店員さんが給油時にタイヤやタイヤ空気圧のチェックをしてくれましたが、いまはセルフサービス店が増えてきたので自分でチェックをしなくてはいけません。ちょっと面倒かもしれませんが、タイヤはクルマの性能を支える最重要パーツです。安全で快適なドライブのためにも、日頃からチェックをしっかり行うようにしましょう。 次回は、最近増えてきたエコタイヤについて書きます。

※ 本記事は著者個人の見解・意見によるものです。

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