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低燃費タイヤにも違いがある!タイヤ選びの基礎知識

岡崎五朗の” 知ってトクする ”最新クルマ事情

低燃費タイヤにも違いがある!タイヤ選びの基礎知識

Vo1.02 低燃費タイヤにも違いがある!タイヤ選びの基礎知識

今回も引き続きタイヤにまつわる話題です。前回は、雨天時に多発する事故のリスクを減らすには早めのタイヤ交換と空気圧のチェックが大切だという話をしました。そこで今回は、実際にタイヤを履き替える際、どのような点に注意すべきか、どんなタイヤがおすすめなのかを解説していきましょう。

タイヤを履き替える方法は大きく分けて二つあります。ひとつは購入したディーラーで交換してもらう方法。もうひとつが、タイヤ専門店やガソリンスタンド、カー用品量販店といったディーラー以外で交換してもらう方法です。

ディーラーでタイヤ交換するメリットは、愛車とタイヤの相性のよさ

ディーラーでタイヤ交換するメリットは、愛車とタイヤの相性のよさ

まずはディーラーでのタイヤ交換について、一番のメリットは愛車と相性のいい“可能性が高い”タイヤを供給してもらえることです。これはあまり知られていませんが、多くのクルマには、新車として工場から出荷される際は「純正装着タイヤ」と呼ばれる専用に開発されたタイヤが装着されています。メーカー、ブランド名、サイズが同じでも、タイヤショップや量販店で購入できるタイヤと、純正装着タイヤは、中身が微妙に違っているのです。

僕は職業上、新車の開発を担当する現場のエンジニアやテストドライバーと話す機会が多いのですが、彼らは少しでもクルマをよくするため、テストコースを走り込みながら、タイヤメーカーと共同でゴムの性質や内部の構造といった細部をクルマに合わせて最適化していくそうです。つまり、ディーラーで交換するタイヤは、そのクルマのために開発されたオーダーメイド。その分、クルマとの相性は“多くの場合”良好です。

純正装着タイヤなのに質が低い!?

純正装着タイヤなのに質が低い!?

一方、デメリットとしては、タイヤショップや量販店と比べて値引き率が低いため、交換費用が高価になりがちな点です。また、上述で“可能性が高い”、“多くの場合”と付け加えたように、車種によってはあまり好ましい性能や特性を備えていないこともあります。とくに価格の安いクルマや燃費性能を最重視したクルマの場合はその可能性が高まります。

というのも、本来は個々のクルマに最適になるよう作られた純正装着タイヤですが、安いクルマの場合、コストを抑えるために安いタイヤを選択されることもあります。また、燃費重視のクルマは、乗り心地や静粛性、ウェット性能よりも、転がり抵抗を抑える=燃費がよくなるタイヤを選択する可能性があります。経験上、150万円以下のクルマ、クラストップもしくはトップレベルの燃費を謳っているクルマ、同じ車種でも低燃費を売りにしているグレードなどの純正装着タイヤは、コストや燃費で無理をしている場合が多いので、純正装着ではないタイヤに履き替えると走りの質が向上することも考えられるのです。

だしそれは、タイヤ選びを間違えなければ、という前提付き。では、ディーラー以外のタイヤショップなどでタイヤを選ぶ際、どんな点を重視すればいいのでしょうか。

自分でタイヤを選ぶなら、性能にこだわりたい

自分でタイヤを選ぶなら、性能にこだわりたい

たとえば高級車やミニバンにスポーツカー用のタイヤを履かせても、バランスが崩れるだけでいいことはありません。重要なのは自分のクルマに合ったタイヤを選ぶこと。そのうえで、燃費を重視したいのか、ドライグリップを重視したいのか、乗り心地を重視したいのか、濡れた路面でのグリップ=ウェットグリップを重視したいのかなど、ご自分が望む性能をより高めてくれるタイヤを選ぶのが基本です。僕の場合、要求性能の最上位に据えるのがウェットグリップ。理由は前回のコラムを読めばご理解いただけるはずです。次に重視するのが静粛性と乗り心地。もちろん、低燃費性能も重要な点です。逆に、サーキットを走るわけではないので、ドライグリップはそこそこあればOKと考えています。

そんななか、最近注目を集めているのが低燃費タイヤです。タイヤが転がるときに発生する抵抗を、専門用語で「転がり抵抗」と呼びます。この転がり抵抗を小さくすれば、走行中にエンジンにかかる負担が減り、燃費が向上します。では、転がり抵抗は具体的に燃費にどれぐらいの影響を与えるのでしょうか?

日本自動車タイヤ協会(JATMA)のデータによると、タイヤの燃費への寄与率は条件にもよりますが7%〜最大25%。控えめに見積もって平均10%としても、タイヤの転がり抵抗を20%削減すれば愛車の燃費は約2%向上します。後述しますが、転がり抵抗がもっとも小さいAAAグレードの最新低燃費タイヤを履けば、約4%の燃費向上が見込めます。年間のガソリン代が15万円なら、年間6,000円、3年で1万8,000円の節約です。もちろん、ガソリン消費量の削減は二酸化炭素排出量削減にも直結するので、地球環境への貢献にもつながります。

「いいタイヤ」を見つけるにはコツがある

運転していて、クルマがスーッと軽く気持ちよく走るようになるのも、低燃費タイヤを履く隠れたメリットです。ただし、転がり抵抗の小さいタイヤを作るためには走行中の変形が小さいゴム=固いゴムを使わざるを得ないため、ウェットグリップが落ちてしまう傾向があります。いくら燃費がよくても、雨の日に安心して走れないようでは本末転倒ですよね。そこでタイヤメーカーはゴムの特性に工夫を凝らし、低転がり抵抗と高ウェットグリップの両立を目指しています。つまり、転がり抵抗が小さいのにウェットグリップが高いタイヤが、二律背反事項を高次元で両立した最新の「いいタイヤ」というわけです。

では、その両立具合を我々ユーザーはどうやって知ればいいのか? そのためにあるのがタイヤの「ラベリング制度」です。タイヤを一定条件で試験し、転がり抵抗が小さい順にAAA/AA/A/B/Cの5段階、ウェットグリップ性能が高い順にa/b/c/dの4段階で評価されます。それをわかりやすい図表でタイヤに表示しているため、購入を検討しているタイヤの低燃費性能とウェットグリップ性能がひと目でわかります。

なかでも転がり抵抗がA以上、かつウェットグリップ性能がa〜dの範囲にあるタイヤを「低燃費タイヤ」と呼びます。理想の選択は、両方の性能が最高ランクの「AAA-a」ですが、まだまだ選択肢が少なく、選べるサイズも限定され、なおかつ価格も高め。予算のなかでタイヤ選びに迷ったら、僕なら安全性を重視したいので転がり抵抗よりもウェットグリップを重視します。たとえば「AAA-c」と「A-b」の2銘柄だったら、転がり抵抗は多少大きめでもウェットグリップの高い後者をオススメしたいということです。

前回も書きましたが、雨が降ると事故率は5倍に跳ね上がります。しかも日本は雨の多い国だけに、安全性とウェットグリップ性能は切っても切れない関係にあります。ウェットグリップを犠牲にせず、いかに転がり抵抗を引き下げるか。この部分こそ、タイヤメーカーの腕の見せ所であり、また我々ユーザーがタイヤを選ぶ際にもっとも注目すべき点なのです。

※ 本記事は著者個人の見解・意見によるものです。

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