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vol.7 もう免許は要らない?レベル5の「完全自動運転」で変わる私たちの未来

高根英幸の“先進!”カーテクノロジー講座

このところクルマ関連のニュースをにぎわせている自動運転という技術、これはクルマに革命的な技術革新を促すことになるのは、いうまでもありません。自動車メーカーによっては2020年にも完全自動運転のクルマを発売する、と技術力をアピールしているところすら出てきています。けれども、自動車メーカーがアナウンスする導入時期が、クルマの転換期になるかは、まだわからないというのが現状です。

このコラムを読んでくださっているあなたは、いつ頃自動運転が可能なクルマが市販され、自分が利用できるようになると思っていますか?私は技術的には2025年あたりには可能になるだろうと思いつつも、そう簡単には市販化へとたどり着けないのでは、という見方もしています。

※自動運転システム・自動運転レベルの定義については、国土交通省「自動運転に関する主な政府方針等」を参照。

完全自動運転はいつ実現するの? 完全自動運転はいつ実現するの?

現時点では完全運転を実現するには、技術的にもクリアしなければならない課題がたくさんあります。しかし、それがいつ解決して完全自動運転が実現するかは、読み切れない部分も多いにあるのです。なぜなら、エンジニアが懸命に試行錯誤を繰り返すことによってようやく実現する小さな進歩は、関連する技術に波及効果を及ぼすことによって全体として急速な進化を実現することになるからです。

確実に、そして急速にやってくる未来について、ここでお話していきましょう。果たして、クルマの未来は今よりも魅力的で楽しいモノになるのでしょうか。

レベル5の完全自動運転になったら、免許は要らない?

レベル5の完全自動運転になれば、運転操作は必要ないのでドライバー(この表現も何だか変ですね)は運転免許を取得する必要がなくなるのでは、という考えも出てきています。無人タクシーを利用するのに運転免許証が必要ないのと同じように考えればそう思うのも当然なのかもしれません。

自動運転のイメージ

けれども、そう単純なものではないのが乗り物の運転というものでしょう。たとえば航空機は自動操縦を50年以上前から導入(実際にはクルマのように段階的に実現し、現在も離陸時の操縦はパイロットが行っています)していますが、パイロットは航空機の免許を当然持っていますよね。旅客機はタクシーやバスのように乗客を乗せて料金をもらっていることもありますし、航空機はクルマと比べて高度な操縦技術が要求されるので免許が必要という考えもあるでしょうが、それだけでなく万が一の際には自動操縦ではなく、ほぼ手動で操縦する必要があるからでしょう。

コンピューターはそのしくみ上、いつハングアップして操作不能になるかわからないという危険性を完全には排除できません。今でも高級車などはECU(Electronic Control Unit)がハングアップしても対応出来るよう、二重三重のシステムを組んでバックアップしています。しかしこの先、さらに電子制御が複雑になってくると、それでもトラブルが起こらないとは言い切れないのです。

※ECU(Electronic Control Unit)
エンジンコントロールユニットの略。エンジンや運転支援システムなどを電子制御するクルマの性能向上にかかせないコンピューターのこと。

あるときからクルマの運転免許は不要になるかも? あるときからクルマの運転免許は不要になるかも?

それでもあるときから、クルマの運転免許は不要になるかもしれませんね。そうなると、マイカーを所有する必要性を感じにくくなりそうです。

けれども、マイカーはいつでも乗っていける自分専用のクルマというだけがメリットでしょうか? 以前も書いたように、クルマは自分の可能性を広げてくれる乗り物です。運転から解放されることで移動中に仕事をしたり、助手席や後席の乗員たちと同じようにリラックスして会話や飲食を楽しむこともできるかもしれません。

車でリラックスする男性のイメージ

しかしながらクルマを操ることを楽しみとしている人にとっては、自分で運転して目的地へと向かうことが楽しみだったり、運転による疲労が達成感を感じさせる要素だったりもするのです。クルマは自分で意のままに操るからいいのであって、単にクルマにある場所に連れていってもらうことが楽しいのか、と思う人もいます(私もその一人です)。実はクルマを開発するエンジニアのなかでも、このあたりに疑問を抱きながら開発している人も決して少なくないのです。

レベル3の自動運転を導入するか、メーカーによって異なる姿勢

クルマが好きな人が多いこともありますが企業はそれぞれに理念や思想をもっており、すべての自動車メーカー、半導体メーカーが同じ方向に向かって開発しているというわけではありません。

ボルボ車の場合

レベル3は安全性に懸念? レベル4の自動運転の実現を目指す。

自動運転に関してもレベル3はより高度になる反面、まだまだ不完全な部分も多い技術であり、運転に自信がない人を助ける自動運転システムとは言い切れないのです。そのためレベル4が完成するまで自動運転システムを搭載しないと明言している自動車メーカーもあります。それはスウェーデンのボルボです。

同社は、運転支援システムとして自動ブレーキやACC(定速走行・車間距離制御装置)の実用化はどこよりも積極的ですが、ドライバーからECUに運転の主権が移るレベル3以上の自動運転に関しては非常に慎重な姿勢をとっています。レベル4の自動運転技術に関しても、かなり開発が進んでいるようで、現在は自動運転中もドライバーが違和感のない動きとなるにはどうすべきかを研究中だといいます。

ここでちょっと考えなくてはいけないのは、完全自動運転は誰のためのものなのか、ということです。そもそも運転することが難しい身体障がい者や高齢者にとっては、音声やボタン操作だけで目的地へ連れていってくれるクルマがあれば、便利この上ないことでしょう。

シニアが車に乗っているイメージ

そういった意味では必要な技術ではあることは確かです。技術の進歩は素晴らしいことですが、クルマとドライバーの関わりが希薄になってしまうことは、果たして進歩と言っていいものなのか難しいところです。ただ、運転しなくてもドライバーとクルマの関わりを密にする術はあります。それがAI、ディープラーニングと呼ばれる分野の技術です。

最近、IT企業がこぞって発売しているものにAIスピーカーというモノがあります。これは従来、スマホやパソコンでウェブサイトを見ながら検索して物事を調べたり、商品を購入したり、音楽を聞いたり、メールや書籍を読んだり…という行為をスピーカーだけで実現できるものです。

ウィンドウショッピングのように画面上で見比べて楽しんだり、価格や内容を比較したりすることはできませんが、絞り込み検索をすることで効率のいい選び方は可能です。ここで注目すべきは、音声で入力するだけではなく対話ができるようになる、ということです。クルマもドライバーの操作として音声入力に加えて、対話できるようになるのは安全面や利便性などさまざまな要素に影響を与えるでしょう。

AIスピーカーで音声を認識しているイメージ

これは前回お話したコネクテッドカーが実現する分野ですが、たとえばクルマからの呼びかけに対し、ドライバーの反応が鈍かったり、声自体に異常が見つかれば、即座に病院を手配して連れていくようなことも可能になります。目的地や利用するルート、お店選びなどをクルマに相談しながら決めるようなこともできるでしょう。こうなると、運転はしなくても、クルマとドライバーは相棒として一体感を得られるのかもしれません。

ともあれ私たちは、便利で快適な生活を維持してクルマを楽しむためにはより環境に配慮した乗り物へとクルマを進化させていく必要があります。そのために自動車メーカーやパーツのサプライヤーのエンジニアは、日夜研究開発を続けているのです。

次回は、このところにわかに注目度を高めているEVとガソリンエンジン車の違いについて、お伝えしたいと思います。2040年までにエンジン車は無くなってしまうのか、EVの問題点とは何か、を考えてみましょう。

※ 本記事は著者個人の見解・意見によるものです。

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※1 大手損害保険会社(3社)から切替えた当社ご契約者アンケートより算出。(回答数:1,829件/集計期間:2018年1月-2018年8月)お客さまの申告による、加入中の保険会社から提示された継続保険料と当社契約保険料の差額であり、当社商品・補償内容が前契約保険会社と異なるケースも含まれます。

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※1 大手損害保険会社(3社)から切替えた当社ご契約者アンケートより算出。(回答数:1,829件/集計期間:2018年1月-2018年8月)お客さまの申告による、加入中の保険会社から提示された継続保険料と当社契約保険料の差額であり、当社商品・補償内容が前契約保険会社と異なるケースも含まれます。

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