自動車リサイクル券は新車・中古車にかかわらず自動車を購入したときに必ず受け取る書面です。中古車として車を売却するときや廃車に出す際に必ず必要になる書面ですが、自動車リサイクル券とはどういうものなのでしょうか。ここでは自動車リサイクル券の他に、関連するリサイクル預託金、そして自動車リサイクル法に関して解説します。
新車・中古車にかかわらず自動車を購入するときの支払代金の中には、必ずリサイクル預託金というものが含まれています。自動車リサイクル券は、このリサイクル預託金を支払った証明書となるものです。
リサイクル預託金は車ごとに紐づいている料金です。車の所有者は車を購入したときにリサイクル預託金を支払い、支払った証明書として自動車リサイクル券を受け取ります。そして車を中古車として売却する際に車検証と一緒に自動車リサイクル券を提出すれば、車両売却料金とともに購入時に支払ったリサイクル預託金相当分の金額が返却されます。
リサイクル預託金の制度は自動車リサイクル法に基づいています。
日本では毎年約350万台※もの車が廃車になっていますが、最終処分場の減少やカーエアコンなどフロン類の地球環境に与える悪影響、さらには専門技術を要するエアバッグ類の処理費用など車のリサイクルに関してはさまざまな問題が噴出していました。自動車リサイクル法はこうした問題を解決するために2005年に施行されました。
自動車リサイクル法では自動車メーカー・輸入業者、引取業者、フロン類回収業者、解体業者など関係業者はもちろん、自動車のユーザーにもリサイクルのための一定の負担を求めています。
自動車のユーザーに求められる負担は
の3項目で、これらの準備金となるのがリサイクル預託金なのです。
自動車リサイクル券は1枚の書面ですがAからDまでの4つの証明書や受領書、控えからできています。
【A券】預託証明書(リサイクル券) | リサイクル料金を委託したことを証明する文書 リサイクル料金の内訳
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【B券】使用済自動車引取証明書 | 廃車になる際に引き取り業者に渡す書面 |
【C券】資産管理料金受領書 | (財)自動車リサイクル促進センターがリサイクル料金を預かり、管理・運用する際にかかる費用の受領書 |
【D券】料金通知書兼発行者控 | リサイクル料金の総額を記載。リサイクル券を発行した事業者が控えとして所持 |
リサイクル料金は車に使用されている素材によって決まるので、正式なリサイクル料金は車種ごとに違ってきますが、種類別ではおおよそ下記の金額になります。
自動車の種類 | リサイクル料金の合計額の水準 |
---|---|
軽・小型乗用車(コンパクトカー) エアバッグ類4個、エアコン有り |
7千円〜1万6千円程度 |
普通乗用車 エアバッグ類4個、エアコン有り |
1万円〜1万8千円程度 |
中・大型トラック エアバッグ類2個、エアコン有り |
1万円〜1万6千円程度 |
大型バス エアバッグ類2個、エアコン有り |
4万円〜6万5千円程度 |
経済産業省ウェブサイトをもとに作成
リサイクル預託金はあくまでも預託金です。支払ったリサイクル預託金は (財)自動車リサイクル促進センターで車が廃車になるまで預託され、廃車になるときに、その処理費用として使われます。
車が廃車になるまではリサイクル預託金が使われることはないので、車を中古車として売却した際はリサイクル預託金は返却され、次の所有者がリサイクル預託金を支払うことになります。そして車を廃車に出した所有者が最終的なリサイクル料金を支払うことになります。
つまり、リサイクル料は車の最終所有者が支払うということになっているのです。
自動車リサイクル券は、自動車を売却したり廃車したりする際に、リサイクル預託金を支払った証明書となりますので、大切に保管しておきましょう。
車を長く所有していたり、何台も買い替えたりしているとついつい自動車リサイクル券を紛失してしまうこともあります。でも決してあわてる必要はありません。
自動車リサイクル券は紛失しても再発行はできません。というよりも再発行の必要はないのです。
自動車リサイクル券を紛失しても、リサイクル預託金を支払った証明ができれば何の問題もありません。
自動車リサイクル券を紛失したり破損したりした場合は、自動車リサイクルシステムのウェブサイト「自動車ユーザーの方/リサイクル料金検索」(ご利用時間帯:7:00〜24:00)から「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷して預託証明書の代わりとすることができます。
自動車リサイクル券は自動車を購入したときに支払うリサイクル預託金の支払証明書で、中古車として売却したり、廃車時に必要になります。車検時にも提出する必要がないので、長く車を所有していると、どこにしまったかわからなくなってしまうことも考えられます。既述のように万が一紛失や破損しても自動車リサイクルシステムのウェブサイトから支払証明が可能ですが、必要なときのために車検証と一緒に大切に保管するようにしましょう。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
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