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フロントガラスの傷の原因と線傷消しなど補修方法

車のフロントガラスは運転中の視界を確保し、事故の際の衝撃から守るなどの重要な役割も担っています。しかし同時に、フロントガラスは走行中の飛び石などにより最も傷つきやすい部分でもあります。
フロントガラスの構造や傷の原因、防止策、補修方法をご説明します。

フロントガラスの傷の原因は?

フロントガラスは線傷などの細かい傷をはじめ、大小さまざまな傷が気付かないうちに付きやすい箇所です。

傷の原因を知り、できるだけ傷がつかないよう気をつけましょう。

フロントガラスの構造

一般的な車のフロントガラスには、「合わせガラス」が使用されています。

「合わせガラス」とは2枚のガラスの間に特殊樹脂フィルムを挟んだガラスのことです。
三層構造になっているため事故の衝撃を受けてガラスが割れても飛び散らないなど、安全性が高いことが特長です。

飛び石が当たったからといって、フロントガラスに大きくダメージを受けることはまれかもしれません。

しかし、傷の大きさや位置によっては、運転中に目で見たときの情報の認識のしやすさを妨げることになります。
フロントガラスの傷には十分注意する必要があります。

フロントガラスの傷の原因

飛び石

フロントガラスの傷の原因として最も多くあげられるのが運転中の飛び石です。

前方車が撒き上げた小石などがフロントガラスに当たって傷ついたり、場合によりひびが入ったりすることがあります。

ワイパー傷

ワイパーが原因で、フロントガラスに線のような傷が付くこともあります。

ワイパーブレードには砂やほこりが溜まりやすく、ワイパーを動かすとフロントガラスをきれいにするどころか、逆に傷つけてしまうことがあるのです。

また、ワイパーは経年劣化するとゴム自体が劣化しフロントガラスを傷つけることもあります。

傷がつかないようにするには

飛び石によるフロントガラスの傷を防止するためには、前方の車との車間距離を十分にあけ、法定速度を守るなど安全運転を心がけることです。
特に砂利道は注意が必要です。

ワイパーゴムによる傷に関してはワイパーゴムを定期的にメンテナンスし、経年劣化している場合は交換することをおすすめします。

ワイパーの傷対策としても効果的です。
洗車の際は、線傷がつかないように強い水流でフロントガラスに付いた砂ぼこりなどを十分に洗い流しましょう。

またスポンジは柔らかい素材のものを使用しましょう。

フロントガラスの傷は放置しないこと

飛び石やワイパーなどでできたフロントガラスの傷は小さいため、つい放置しがちです。
傷が大きくならないうちに、早めに対処することが大切です。

放置するとどうなるのか

フロントガラスの傷を放置しておくと徐々に傷が広がる場合があり、とても危険です。

運転中の振動で傷に力が加わったり、車外と車内との温度差で傷が大きくなり、ひび割れを起こしてしまうことがあるのです。

傷が大きくなると汚れが入り込み、補修が難しくなることもあります。

車検では「損傷した場合にも運転者の視野が確保できること」「容易に貫通されないこと」というチェック項目があり、条件が満たされていないと車検に通りません。

フロントガラスの傷は必ず小さなうちに補修をしましょう。

まずは応急処置を

フロントガラスの傷は、基本的に専門業者に補修を依頼する必要があります。
すぐに専門業者に依頼ができない場合は、以下の方法で応急処置をしましょう。

保護シールを貼る

ひびなどに保護シールを貼ることで、傷が広がったり汚れが入ったりすることを防止することができます。
シールを貼るだけなので誰でも簡単に応急処置ができます。

樹脂製の充填剤をひびにしみこませる

傷の内部にレジン液を注入し固めます。
傷にしっかりとレジン液を注入するなど注意深く行う必要があります。
※硬化樹脂液

フロントガラスの補修方法

フロントガラスの傷は応急処置を施したら、早めに自動車修理、板金塗装、ディーラーなどの専門業者に補修を依頼しましょう。

専門業者がどのような方法でフロントガラスの補修を行うのか、事前に確認しておくこともおすすめします。

専門業者の補修方法

前述のとおり、フロントガラスには2枚のガラスの間に特殊樹脂フィルムを挟んだ合わせガラスが使用されています。

もし表側のフロントガラスに深い傷がついてしまうと、そこから表側のガラスと特殊樹脂フィルムの間に空気が入り込んでしまいます。
このため傷が大きくなりひび割れなどを起こしてしまうのです。

そこで専門業者は専門機器を使いガラスと特殊樹脂フィルムの間の空気を抜き取り、そこにガラスリペア剤を注入します。

さらに補修箇所に紫外線を当てて、ガラスリペア剤を固めてしまいます。

補修をしても傷は完全にはなくならない

フロントガラスの傷は専門業者で補修をしてもらっても、完全になくなるわけではありません。

しかし確かな技術を持つ専門業者で補修してもらうと傷が目立たなかったり、そこから傷が広がることを防止できたりするため、専門業者で補修してもらうことが大切なのです。

場合によってはフロントガラスの交換を

傷の大きさや傷の場所によっては傷消しもできず、直らない場合もあります。

その場合はフロントガラスの交換が必要になります。

傷の深さがフロントガラスの3層ガラスの1層目までの場合、傷を直せるが、真ん中の層まで傷が達している場合直らない

また傷がフロントガラスの端のほうにある場合も、ガラス交換が必要です。
傷がガラスの端のほうにあると、補修作業ができない場合があるためです。

車種によっても違いがあるので、傷が端のほうにある場合は必ず専門業者に相談しましょう。

車両保険を使う場合の注意点

フロントガラスの交換には車両保険を利用することも可能です。
しかし車両保険を利用する際は、免責と等級に留意をしたうえで利用しましょう。

免責とは「損害の一部について保険会社が負担する義務を負わない分」のことです。

フロントガラス交換で車両保険を利用した場合、フロントガラス交換にかかった経費から、免責分を差し引いた金額が保険金額として支払われます。

なおチューリッヒのスーパー自動車保険における免責金額は

  • 1回目の車両事故:7〜20等級の場合50,000円、1〜6等級の場合70,000円
  • 2回目以降の車両事故:100,000円

(「車両事故免責金額ゼロ特約」を契約されている7〜20等級のご契約者は1回目の車両事故の場合、免責金額はなく全額が車両保険から支払われます)
です。

また車両保険を利用すると、翌年度の等級が変更され保険料が高くなります。

専門業者から見積りを取ったうえで、翌年度以降の保険料も考慮して、車両保険を利用するか検討しましょう。

修理費用の見積りも準備したうえで、ご契約の保険会社に相談することをおすすめします。

傷が小さなうちに補修しましょう

フロントガラスは、前方車からの飛び石やワイパーによって傷つく場合があります。

たとえ小さな傷でも、そこから傷が大きく広がることもあります。
フロントガラスの傷は小さなうちに適切に補修するようにしましょう。

またフロントガラスの修理や交換を行う場合は、車両保険を利用したほうが望ましいか保険会社に相談して検討しましょう。

  • 記載の情報は、2024年9月時点の内容です。

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