教習所を利用して運転免許を取得するうえで、避けては通れないのが卒業検定です。
教習所卒業前に必ず課されるため、合格しなければ卒業することができません。
教習所の卒業検定とは、具体的にどのような内容なのでしょうか。
本記事では、受験までの流れや落ちた場合など、卒業検定についてご説明します。
卒業検定とは、教習所を卒業する前に合格が必要な実技試験です。
助手席に試験官が乗り、運転の技術を採点します。
卒業検定は、教習所に入所していればいつでも受けられるわけではありません。
入所から卒業検定の受験までは、以下のように進みます。
入所から卒業検定までの流れ(普通免許の場合)
教習所の卒業検定は、おおむね以下の内容で進みます。
卒業検定は、路上と場内(教習所敷地内の練習コース)の2ヵ所で行われます。
コースは教習所によって異なり、試験官の指示に従って走行します。
所要時間は路上が20分から25分、場内が5分程度です。路上と場内はどちらか一方ではなく、両方走行することになります。
なお卒業検定で走行するコースは、間違っても減点にはなりません。
しかし、焦って運転ミスをしてしまうと減点対象になります。
卒業検定は100点からの減点方式で採点され、試験終了時に70点残っていれば合格となります。
どのようなときに減点されるかは基準が用意されており、具体的には以下のような行為が減点対象です。
点数 | 項目 |
---|---|
5点減点 | 発進合図(合図しないなど) 踏切内変速 駐停車方法違反(場内) 駐車措置違反 右左折方法違反 |
10点減点 | 進路変更禁止違反(場内) 軌動敷内違反 通行帯違反 脱輪(小・場内) ふらつき(小) |
20点減点 | 側方間隔不保持 障害物への接触(場内・小) 路側帯進入 進路変更禁止違反(路上) 徐行違反(路上・場内) |
危険行為(試験中止) | 一時不停止 信号無視(赤・黄色) 後続車妨害 逆行(大) 踏切不停止 試験官補助(ブレーキ等) 指示違反 |
卒業検定に合格したからといって、即運転免許が発行されるわけではありません。
免許の取得には、卒業検定に合格した後に免許センターなどで行われる学科試験に合格する必要があります。
卒業検定(技能)・学科の両方にパスしなければ、運転免許は取得できません。
卒業検定に落ちてしまう大きな理由の一つは、心理的な緊張です。
普段の教習だと問題なくできていた課題も、検定ではクリアできないといったケースがあります。
検定試験を受けるうえで、大切なのは過剰に緊張しないことです。
卒業検定の内容はそれまでの教習で教わった内容ばかりなので、本来の力を出し切れれば合格できます。
全く緊張しないのは難しいかもしれませんが、なるべくリラックスしていつも通りの運転をしましょう。
卒業検定は運転技術をチェックする技能試験のみで、学科試験は存在しません。
卒業時には学科試験は課されない代わりに、卒業後の本免許試験(本免)で受験する必要があります。
つまり、卒業検定で技能を、本免で学科をそれぞれ受験します。
卒業検定の合格率は、70%以上です。
2019年の警察庁の調べによると仮免許で80.4%、卒業検定で75.1%です。
合格点は70点のため、70点以上の方が70%以上を占めているということになります。
比較的高い合格率だといえます。
では、卒業検定に落ちた場合は、どのようになるのでしょうか。
もちろん、教習を延長して再び挑戦できます。
ただし全過程を修了した日から3ヵ月以内に、卒業検定を合格しなくてはなりません。
卒業検定の結果が不合格だった場合は、一時限以上の「補習教習」を受けたうえで再チャレンジ可能です。
落ちた直後に再受験してもまた落ちてしまうかもしれないため、落ちた場合は補習教習の受講が必須となっています。
確実に合格するために、何が悪かったのか聞いてしっかり復習しましょう。
教習スケジュールを延長する場合、教習や検定などにかかる費用が別途かかることがあります。
一例を挙げると、追加の支払いが発生するのは以下のような項目です。
なお、教習所によっては、追加費用が発生しない「安心プラン」「保証プラン」と呼ばれるパックを用意しているところもあります。
一度で卒業検定に合格できる自信がない場合、延長分が保証されているプランの利用を検討してもよいでしょう。
卒業検定は合格率が高いですが、不合格になり教習が延長になるケースも見られます。
卒業検定で問われる技術は、すべて教習所で教わることができるものばかりです。
日々の教習を大切にし、万全の備えで卒業検定に挑むようにしましょう。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2020年6月時点の内容です。
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