ドライバーの皆さんは、三角表示板を見たことがある方も多いと思います。三角表示板とは、高速道路の事故などで自動車が緊急停止する際に必要となる停止表示器材の一種です。交通事故現場で見たことがある方もいると思いますが、実際に持っているという方は少ないかもしれません。
本記事では、三角表示板を使うタイミングや、表示義務について解説していきます。
三角表示板とは、高速道路でやむを得ず緊急停止する際に、後方からの追突を防ぐために設置する表示板のことで、視認性に優れた自立式の赤い三角形の枠になります。
運転免許取得の際に、教習所で習っているはずですが、緊急停止時以外では使用する機会がないため、実際に使ったことがあるという方は少ないかもしれません。
三角表示板の規格については、道路交通法施行規則によって規定があり、以下のように定められています。
道路交通法施行規則第2章の6
停止表示器材の基準
(夜間用停止表示器材)
第9条の17 第二十七条の六第一号の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
一 板状の停止表示器材(次条において「停止表示板」という。)にあつては、次に該当するものであること。
イ 別記様式第五の五に定める様式の中空の正立正三角形の反射部若しくは蛍光反射部を有するもの又は別記様式第五の六に定める様式の中空の正立正三角形の反射部を有するものであること。
ロ 夜間、二百メートルの距離から前照灯で照射した場合にその反射光を照射位置から容易に確認できるものであること。
ハ 反射光の色は、赤色であること。
二 路面上に垂直に設置できるものであること。
簡単にまとめると以下の条件を満たしていることが必要です。
一般道路では表示の義務はありませんが、高速自動車国道(高速道路)および、自動車専用道路上で自動車を停止させる場合は、停止表示器材の表示義務があります。
道路交通法第75条の11
故障等の場合の措置
自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。
時速100km近い速度で車が走行している高速道路上では、車を停止させるということは非常に危険なことです。後続車からの衝突事故など、重大な事故につながることを避けるため、後方には車が停止していることを伝える必要があります。
前述のとおり、高速道路上で車を緊急停止させる際には、後続の自動車から見える場所に三角表示板を置かないといけません。表示義務を怠った場合「故障車両表示義務違反」となります。反則金と違反点数は以下のとおりです。
反則金 | 違反点数 | |
---|---|---|
大型車 | 7,000円 | 1点※ |
普通車 | 6,000円 | |
二輪車 | 6,000円 | |
小型特殊車 | 5,000円 | |
原付車 | - |
違反に該当するのは、あくまでも「表示」に違反があった場合です。高速道路などを走っていて事故や故障で動かなくなったときに、後方に三角表示板を置いていなかった場合に「故障車両表示義務違反」となります。
あくまでも表示義務があるのみですから、三角表示板を携行せずに高速道路を通行しても、道路上で駐停止しない限りは、違反に問われることはありません。
高速道路で自動車を駐停車しなければならないとき、後続車への注意喚起をして三角表示板を設置しなければならないことを説明しました。
高速道路での停車中の事故を防ぐために重要な三角表示板ですが、車の標準装備ではありません。標準装備となっているのは発炎筒だけです。
国内で販売されているほとんどの車には三角表示板は搭載されていませんので、ドライバーは別途購入して、準備しておく必要があります。
現在では、カーショップや通販サイトなどでも購入することができ、値段も1,000〜2,000円程度です。
標準装備されているのだろうと確認を怠って、三角表示版を装備しないまま走行した場合、万一高速道路上で事故やトラブルがあったときに、非常に危険です。安全を確保するために、ふだんから備え付けておきましょう。
2017年8月25日の徳島道での事故はまだ記憶に新しいでしょう。路肩に停車していたマイクロバスにトラックが追突し、16人が死傷したこの事故は、マイクロバスの後方に三角表示板が設置されていなかったことが判明しました。
高速道路では、車両故障や事故などで本線車道または路肩に停止した自動車や、路上に降り立った人に後続車が衝突する事故も多く発生します。
政府広報オンラインでも、ドライバーには三角停止表示板など「停止表示器材」の表示が義務付けられているにもかかわらず、これらの事故のほとんどで停止表示器材が表示されていなかったと警鐘しています。
前述したとおり、三角表示板は車の標準装備ではありません。 しかし、三角表示板は高速道路上での二次災害を防ぐためにも、必ず備えておくべきものなのです。
本記事では、高速道路でトラブルや事故にあったときに必要な三角表示板の使い方や表示義務について解説してきました。
事故や故障でやむを得ず路肩に停車する場合、慌てずに安全を確保してから、救援依頼を行うことが必要です。
三角表示板については、50m以上後方に設置することが望ましいとされています。発炎筒、非常信号灯などを併用して、二次災害を防ぐことが大切です。
本記事を参考に、ご自身の車が三角表示板を搭載しているか確認し、備え付けていないのであれば購入し、必要なときにすぐに取り出せるよう、ラゲッジルームに入れておきましょう。
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