ドライバーが危険を感じてから、ブレーキを踏み、そして実際に車が停止するまでには、かなりの距離を要します。運転免許証を取得するときに教習所でも習った制動距離、空走距離、停止距離についてご説明します。
ブレーキングのことを制動といいます。
そして、制動距離とはブレーキが利き始めてから車が停まるまでに走行する距離を指します。
運転者が危険を感じてから(障害物の認知)、ブレーキを踏み、ブレーキが実際に利き始めるまでの間に車が走る距離のことです。
運転者が危ないと思ってからブレーキをかけるまでには、多少のタイムラグがあります。
その間にも車は実際進んでいきます。
その距離のことを空走距離といいます。
大分県警が公開している実験データによれば、一般道を走行する車が危険を認識してアクセルからブレーキに踏み替え、ブレーキが利きはじめるまでの時間は、早くて0.6秒、通常は1.5秒以内です。
時速 | 1.5秒で進む距離 |
---|---|
40km/h | 約16.7m |
50km/h | 約20.9m |
60km/h | 約25.1m |
運転者が疲労していて運転操作への反応が遅くなると、空走距離が長くなります。
先述したように、ブレーキが作動してから車が停まるまでに走行する距離のことです。
そして実際ブレーキをかけると、かけた地点で車がピタッと停止するわけではありません。
ブレーキをかけてから完全に停止するまでの距離を、制動距離といいます。
制動距離はブレーキの踏み方に一番影響されます。強く踏めば踏むほど短くなります。
同じく大分県警が公開している実験データによれば、
60km/hで一般道を走行する車の、ブレーキの利き始めから停止するまでの時間は1.3秒以内ということです。
制動距離は、路面の状態、車両の重量、乗客数、積荷、タイヤの状態などで異なります。
雨の日は、晴れの日に比べて制動距離が延びることもしっかり覚えておきましょう。
障害物認知から、自動車が実際に停止するまでの距離のことです。
つまり運転者が危ないと感じてから車がピタッと停まるまでの距離、これを停止距離といいます。
停止距離=空走距離+制動距離となります。
時速 | 停止するまでの距離の目安 |
---|---|
20km | 9m |
30km | 14m |
40km | 22m |
50km | 32m |
60km | 44m |
70km | 58m |
80km | 76m |
90km | 93m |
100km | 112m |
この図は普通自動車で、路面が乾燥し、タイヤの状態がよい場合を想定したものです。
空走距離+制動距離=停止距離、この計算方法を押さえておいてください。
空走距離というのは車の速さに比例します。
速さが2倍になれば空走距離も2倍、速さが3倍になれば空走距離も3倍になります。
一方の制動距離は、車の速さの2乗に比例します。
速さが2倍になれば制動距離は4倍、速さが3倍になれば制動距離は9倍、速さが4倍になれば制動距離は16倍になります。
空走距離は速さに比例
制動距離は速さの2乗に比例
停止距離は空走距離と制動距離の和
こちらをポイントとして覚えておきましょう。
上の表の50km/hを使って確認していきます。
50km/hで走っている車の空走距離は14m、制動距離は18mです。
車の速さが2倍の100km/hになった場合、
空走距離は速さに比例しますので14m×2=28m
制動距離は速さの2乗に比例しますので18m×22(2×2)=72m
停止距離は28m+72m=100m
と計算できます。
しかし、実際は
つまり、速度が速ければ速いほど、車間距離を十分に保つことが大切になってきます。
運転者が危険を察知してから実際に車がピタリと停止するまでの、空走距離、制動距離、停止距離という関係性とその特徴についてご説明してきました。
危険を認知してから車が停止するまでの停止距離は、速度が速くなればなるほど長くなり、路面やタイヤ、運転者の状態にも影響されることがおわかりいただけたと思います。
スピードに応じた十分な車間距離をとっていないと、追突事故などにつながります。
特に雨天の場合や道路状況が悪い日は、ブレーキから停止までの制動距離が長くなりやすいので、普段よりも車間距離を長めにとることを意識して運転しましょう。
そしてとっさの場合でも、安全に停止できる速度を心がけてください。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
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