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車のマフラーとは。構造や触媒、消音の役割。排気漏れ・異音・白煙などの故障。車検規定について

車やバイクにはマフラーがついており、さまざまな役割を果たしています。
また、マフラーはカスタマイズなどもできるため、車のドレスアップにもつながります。

しかし、マフラーは法律により規定があるため、ルールを守って取り付けなければなりません。

本記事では、マフラーの役割や法律による規程、故障についてご説明します。

マフラーの役割

マフラーの役割は、音の低減と排出ガスを抑制することです。
また、もともとマフラーには音を「包み込む」「鈍くする」という意味があります。

私たちが目にする車やバイクのマフラーは、排出口にある部品ですが、有害な排出ガスを無害なガスにするため、排気口に至るまでさまざまな部品で構成されています。

マフラーの役割である音の低減についても、消音方式には、膨張式、吸音式、共鳴式の3種類があります。

道路運送車両法のマフラーに関する規定

道路運送車両法では、車の長さや幅、高さ、座席などについて細かな保安基準が定められています。

保安基準は、車の構造や装置が運行に耐えられるかどうかを定めた保安基準に適合しているかどうかを自動車検査(車検)で証明することになります。

マフラーについても保安基準が定められています。
特にマフラーをカスタマイズしたり純正以外のものにしたりするときは注意してください。

マフラーに関しては、以下の保管基準に気を付けるようにしましょう。

出典;道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】〈第二節〉第 85 条道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2016.06.18】別添20道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2019.10.15】〈第1節〉第 40 条

なお、「JASMA」の認定プレートがあるマフラーは、保安基準をクリアしている製品です。

JASMAは日本自動車スポーツマフラー協会のことであり、保安基準を遵守したスポーツマフラーの普及を目指している組織です。

JASMAの基準はいくつかあり、「A-003」は「最低地上高に関する基準」、「A-007」は「スポーツマフラーの騒音試験方法」など、基準体系を確認することが可能です。

安全な走行のためにもJASMAの認定証明書が発行されたJASMA認定プレートがあるマフラーをおすすめします。

出典:日本自動車スポーツマフラー協会(略称:JASMA)

マフラーの構造としくみ

マフラーの故障や交換に際し適切な対処ができるよう、マフラーの構造やしくみについてご説明します。

車の排気システムとは

エンジンから出される排出ガスは非常に高温で高圧力なため、大気に触れると急激に膨張し、その結果、空気を震わせて大きな音を発生させます。

車の排気システムでは、膨張と干渉を段階的に繰り返すことで、圧力と温度を低下させています。

部品にはキャタライザー、メインパイプ、サイレンサーなどがあり、音の低減や有害なガスの無害化などのはたらきをしています。

マフラーから水がでる理由

ときどきマフラーから水がでていることはないでしょうか。
マフラーから水や湯気がでていると、故障を疑いますが特に問題はありません。

マフラーから水がでているのは、ガソリンの燃焼によるものです。
エンジン内ではガソリンと空気を混ぜた混合気に点火し爆発させ、エネルギーをつくりだしています。

ガソリンに含まれている水素や酸素が、爆発により結びついて水となります。

触媒(キャタライザー)のはたらき

車の排気システムでは、キャタライザーと呼ばれる部品が役割を果たしています。

キャタライザーはフィルターのようなはたらきがあり、排気ガスの浄化装置となっています。

エンジンから排出された一酸化炭素や炭化水素、窒素酸化物などをろ過し、害の少ない成分に変換します。

サブサイレンサーやメインサイレンサーのはたらき

キャタライザーと同様、サイレンサーも排気システムを構成する部品です。

サイレンサーはサブとメインの2つがあり、エンジンからの排気による騒音をおさえます。

また、騒音を消すだけではなく、エキゾーストサウンド※のチューニングもします。

サイレンサーはエンジンの特性に応じて構造が違う場合もあります。

なお、触媒やサイレンサーのない「直管マフラー」も存在します。

サイレンサーがないため騒音が大きくなる可能性がありますので、保安基準を満たすかどうか確認して取り付けるようにしましょう。

※マフラーから聞こえるエンジン排気音

マフラーの故障

マフラーの故障には3つの症状があります。

排気漏れ

排気漏れの原因は、部品の間から排気が漏れていたり、マフラー自体に傷が入っていたりすることが考えられます。

異音がする

マフラーから異音がする場合、マフラーの腐食や破損が起こっている可能性があります。

エンジンの回転をあげたときにバラバラとこもった感じの音がするときは、マフラーの故障を疑ってみてください。

白煙が出る

白煙がマフラーから出たときは、エンジンに深刻なダメージがある場合も考えられるので注意が必要です。

マフラーから白煙がでる症状は、シリンダーヘッドガスケットという部品の破損が考えられます。
特に高速道路の走行など、大きな負荷がエンジンにかかるときに、シリンダーヘッドガスケットの破損が起きやすいです。

高速道路の走行中は前方へ注意がいくため、症状を悪化させるケースも多くなっています。

マフラーの異変を感じたら、早期に修理をして安全な状態に戻すことが大事です。

マフラーに異常が出た場合の対処法

前述のようなマフラーの故障や異変があった場合は、早期に自動車整備工場などに持っていきましょう。

特にシリンダーガスケットの破損は、オーバーヒートを起こす可能性があり、走行中の危険を伴います。

シリンダーガスケットの破損にはさまざまな原因が考えられますが、マフラーから白煙が出た場合は、安全な場所に停車し、ロードサービスの利用も検討してください。

また、マフラーから排気漏れや異音が発生するときも早期に整備工場で点検してもらい、修理するようにしましょう。

故障の原因により修理内容は変わりますが、マフラー内部に異常がある場合は、交換することになります。

なお、排気漏れの場合は、マフラー専用のシールを貼ったりマフラーパテで穴を塞いだりして修理することもあります。

いずれにしても、作業に慣れていないとうまく修理できない可能性が高いため、自動車修理の専門業者に依頼しましょう。

マフラーの騒音(音量)規制について

前述のとおり、マフラーの騒音については保安基準で定めた規定があります。

騒音についての保安基準を満たさないと車検に通らないだけではなく、罰金刑や懲役刑が適用される場合もあります。

騒音規定には、いくつかありますが通常、車検の際は「近接排気騒音」を計測します。

以下に近接排気騒音の騒音規制値を示しますので、参考にしてください。

種別・項目 近接排気騒音値(平成11年規制)
定員10人以下の乗用車で普通・小型・軽自動車(二輪車・側車付二輪車を除く) 後部エンジン 100
後部エンジン以外 96
二輪車 小型 99
94
※単位:dB(デシベル)

以上の騒音値を参考に、愛車が基準を満たすかどうか注意しましょう。

まとめ

車やバイクのマフラーは、音の低減や排出ガスを抑制します。
また、取り付けるマフラーや騒音については保安基準もあります。

安全に走行するために、保安基準を守り異変を感じたら修理をするようにしてください。

最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をぜひご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。

※記載の情報は、2020年8月時点の内容です。

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