高速道路などで運転をしていると、渋滞に遭遇することがあります。渋滞はなぜ発生するのでしょうか。
渋滞は、事故や道路工事が原因となることもありますが、実はそれ以上に、ドライバーの運転によって引き起こされています。
渋滞の定義やメカニズム、個人でできる渋滞時の回避方法や事故対策、高速道路が進めている渋滞対策などについてご説明します。
日本道路交通情報センターでは、一般道路に関しては時速10km以下で走行している状態、高速道路では時速40km以下で走行している状態を渋滞としています。
しかし、道路管理者によって渋滞に対する定義には多少の違いがあり、NEXCO東日本では、時速40km以下での低速走行や停止や発進を繰り返す車列が、1km以上かつ15分以上継続した状態を指します。
こうした渋滞が起きる原因は、大きく「交通集中渋滞」「工事渋滞」「事故渋滞」の3つに分かれます。
このうち、工事渋滞や事故渋滞についてはイメージしやすいのではないでしょうか。
工事や事故により道路区間の一部が通行できなくなるため、渋滞が発生するというメカニズムです。
一方、工事や事故を原因としない「交通集中渋滞」が起きるメカニズムについては、あまりよくわからない人も多いでしょう。
しかし、NEXCO東日本管内の調査によると、2022年に発生した渋滞のうち約73%が交通集中渋滞でした。
この理由は、渋滞の「先頭」に着目すると見えてきます。
渋滞が起きる原因は、渋滞の先頭から把握することができます。
交通集中渋滞が特に起きやすいとされている、以下の箇所から渋滞が始まっているケースが多いのです。
サグ部とは、下り坂から上り坂に変わる凹状の箇所を指します。
上り坂やサグ部では、無意識に速度が低下しがちです。
そのため、「前の車の速度が低下した」と判断し、後続車が次々とブレーキを踏みます。
これにより、渋滞がどんどん後ろに伸びてしまいます。
高速道路と一般道をつなぐ接続道路でも渋滞が起きがちです。
たとえば、高速道路の本線から一般道に出る地点に信号がある場合、青信号の間に車が一般道に出きらず、これが本線まで伸びて渋滞が発生することがあります。
高速道路と一般道路との出入り口として設置されているインターチェンジの合流部は渋滞が多発するポイントです。
こちらは、車両の流入にともなって車線を変更したり、速度を落としたりする車が多くなるため、後続車の速度も低下し渋滞となってしまいます。
トンネルの入り口は、急に暗くなり、圧迫感を感じることから、知らず知らずのうちにスピードが落ちてしまい、渋滞の原因になることがあります。
渋滞のメカニズムを理解したら、次に渋滞を回避する対策を考えてみましょう。
以下のとおり、個人でも可能な対策は少なくありません。
高速道路を運転するときは、事前に渋滞情報を把握し、渋滞が予測される道路を避けることが大切です。
日本道路交通情報センターや、NEXCOのウェブサイトから渋滞情報や渋滞予測をチェックすることができるので、運転の出発前に確認しておくとよいでしょう。
また、渋滞情報をリアルタイムで知らせてくれるアプリなども活用し、迂回路を使えばスムーズに運転できることもあります。
車列の先頭を走っている、車間が大きく開いている、といった場合には、上り坂やサグ部、トンネルでの速度低下に気づきにくいものです。
高速道路の走行中はスピードメーターをこまめに見て、速度の低下がないかチェックするとよいでしょう。
もし著しくスピードが遅くなっていたら前の車との車間距離に注意しつつアクセルを踏み、法定速度まで回復できるようにしましょう。
ETCを利用することで、高速道路の料金の支払いが自動化でき、混雑緩和につながります。
さらに、次世代のシステムが導入されている「ETC2.0」に対応する機器を使えば、自動料金支払いだけでなく、交通に関するさまざまな情報を得ることができます。
渋滞情報もその主たるサービスのひとつで、サグ部など渋滞の発生しやすい場所や、混雑している車線を事前に知らせてくれるので、安全かつ快適な運転が可能となるでしょう。
高速道路では、渋滞緩和のための施策を行っています。
代表的なものは、車線の増設やETCの整備ですが、その他にもあまり知られていない渋滞対策が取り入れられているため、一部ご紹介します。
上り坂など、速度低下による渋滞が発生しやすい箇所に看板が設置されています。
もしこの看板を見かけたとき、車列の先頭を走っていたり、前の車との車間距離が空いていたりするなら、アクセルを踏んで法定速度まで回復させるようにしましょう。
道路の脇に設置される防音壁などに見られる、水平方向に引かれたライン。
これは、上り坂を走行していることを意識させる対策として設置されているものです。
繰り返しますが、上り坂になると無意識に速度を落としがちになるため、スピードが落ちないように注意しましょう。
トンネル内などを中心に、側壁上に一定間隔で連続的に点滅灯が設置されていることがあります。
この点滅灯が、エスコートライト(速度回復誘導灯)と呼ばれるものです。
エスコートライトは、生物が光刺激に反応して移動する性質に着目したもので、光が流れるように連続的に点灯させることで、ドライバーが速度を落とさないように支援する役割を果たします。
交通渋滞の発生にはさまざまな要因がありますが、渋滞でイライラしながら運転すると思わぬ事故を起こす可能性も考えられます。
渋滞の発生時には渋滞の最後尾の車に追突する事故が発生しやすくなります。適正な速度と車間距離を保ち、前方の渋滞に気がついたら、ハザードランプを点滅させ後続車へ合図するなど、追突事故防止を心がけましょう。
そして、渋滞のメカニズムを理解し、出発前には日本道路交通情報センターのウェブサイトなどで渋滞情報を確認し、余裕をもって出かけることも大切です。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2024年2月時点の内容です。
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