道路は、車道や中央帯、路肩などによって構成され、自動車などがスムーズに走行できるように、車道などの幅員や車線数などが定められています。
また、道路の一般的技術基準を定めた道路構造令により、その基準が規定されています。
本記事では、道路構造令による車道の幅員や車線数、中央帯、路肩の幅員基準、さらには中央線、車道外側線の意味についてご説明します。
道路構造令では、車道とは自動車などの車両が通行するために設けられた空間と規定しています。
車道は車線により区分され、道路の種類、交通量、設計速度などから車線の幅員は決定されます。
車線の幅員は、安全・円滑な自動車交通に大きな影響を与えます。
そのため、すれ違いや追い越しなどの交通実験を経て余裕幅をもって規定されており、幅員は一般国道、高速道路ともに3.5メートル程度となっています。
区分 | 車線の幅員(単位 メートル) | ||
---|---|---|---|
第一種 | 第一級 | 3.5(3.75) | |
第二級 | 3.5(3.75又は3.25) | ||
第三級 | 普通道路 | 3.5 | |
小型道路 | 3.25(3) | ||
第四級 | 普通道路 | 3.25 | |
小型道路 | 3 | ||
第二種 | 第一級 | 普通道路 | 3.5(3.25) |
小型道路 | 3.25(3) | ||
第二級 | 普通道路 | 3.25 | |
小型道路 | 3 | ||
第三種 | 第一級 | 普通道路 | 3.5 |
小型道路 | 3 | ||
第二級 | 普通道路 | 3.25(3.5) | |
小型道路 | 2.75 | ||
第三級 | 普通道路 | 3 | |
小型道路 | 2.75 | ||
第四級 | 2.75 | ||
第四種 | 第一級 | 普通道路 | 3.25(3.5) |
小型道路 | 2.75 | ||
第二級及び第三級 | 普通道路 | 3 | |
小型道路 | 2.75 | ||
●第一種(地方部の高速自動車国道及び自動車専用道路)、第二種(都市部の高速自動車国道及び自動車専用道路)、第三種(地方部のそのほかの道路、第四種(都市部のそのほかの道路)●地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は()内の値も可。 |
車線数は、車線幅員を決定するための重要な条件です。
「道路構造令第5条2項、3項」の規定により、道路の区分や地形、設計基準交通量と日単位の計画交通量によって決まります。
車線数が2の車道の条件は以下になります。
車線数が2の場合 | |||
---|---|---|---|
区分 | 地形 | 設計基準交通量(単位 一日につき台) | |
第一種 | 第二級 | 平地部 | 14,000 |
第三級 | 平地部 | 14,000 | |
山地部 | 10,000 | ||
第四級 | 平地部 | 13,000 | |
山地部 | 9,000 | ||
第三種 | 第二級 | 平地部 | 9,000 |
第三級 | 平地部 | 8,000 | |
山地部 | 6,000 | ||
第四級 | 平地部 | 8,000 | |
山地部 | 6,000 | ||
第四種 | 第一級 | 12,000 | |
第二級 | 10,000 | ||
第三級 | 9,000 | ||
交差点の多い第四種の道路については、この表の設計基準交通量に0.8を乗じた値を設計基準交通量とする。 |
車線数が4以上の車道の条件は以下になります。
車線数が4以上の場合 | |||
---|---|---|---|
区分 | 地形 | 一車線当たりの設計基準交通量(単位 一日につき台) | |
第一種 | 第一級 | 平地部 | 12,000 |
第二級 | 平地部 | 12,000 | |
山地部 | 9,000 | ||
第三級 | 平地部 | 11,000 | |
山地部 | 8,000 | ||
第四級 | 平地部 | 11,000 | |
山地部 | 8,000 | ||
第二種 | 第一級 | 18,000 | |
第二級 | 17,000 | ||
第三種 | 第一級 | 平地部 | 11,000 |
第二級 | 平地部 | 9,000 | |
山地部 | 7,000 | ||
第三級 | 平地部 | 8,000 | |
山地部 | 6,000 | ||
第四級 | 山地部 | 5,000 | |
第四種 | 第一級 | 12,000 | |
第二級 | 10,000 | ||
第三級 | 10,000 | ||
交差点の多い第四種の道路については、この表の一車線当たりの設計基準交通量に0.6を乗じた値を一車線当たりの設計基準交通量とする。 |
中央帯とは、道路を往復の方向別に分離するために設けられた帯状の部分のことをいいます。車線を往復の方向別に分ける必要があるときは、中央帯を設置しなくてはいけません。
道路構造令では、中央帯の両端に側帯を設置することが規定され、さらに側帯以外のスペース(分離帯)に「さく」や「縁石」などの工作物を設置することも規定しています。
区分 | 中央帯の幅員(単位 メートル) | 中央帯に設ける側帯の幅員(単位 メートル) | |||
---|---|---|---|---|---|
規定値 | 特例値 | 規定値 | 特例値 | ||
第一種 | 第一級 | 4.5 | 2 | 0.75 | 0.25 |
第二級 | |||||
第三級 | 3 | 1.5 | 0.5 | ||
第四級 | |||||
第二種 | 第一級 | 2.25 | 1.5 | 0.5 | 0.25 |
第二級 | 1.75 | 1.25 | |||
第三種 | 1.75 | 1 | 0.25 | ||
第四種 | 1 | 0.25 |
路肩とは、歩道が接している車道左路端に設置されるスペースで、道路の構造物を保護したり、故障車の待機スペースなどの役割を担っています。
路肩の幅員は、道路構造令により道路の機能に応じて、以下の表にある幅員以上で設置されることが定められています。
車道の左側に設ける路肩の幅員(メートル) | 車道の右側に設ける路肩の幅員(メートル) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第一種 | 第一級及び第二級 | 普通道路 | 2.5 | 1.75 | 第一種 | 第一級及び第二級 | 普通道路 | 1.25 |
小型道路 | 1.25 | 小型道路 | 0.75 | |||||
第三級及び第四級 | 普通道路 | 1.75 | 1.25 | 第三級及び第四級 | 普通道路 | 0.75 | ||
小型道路 | 1 | 小型道路 | 0.5 | |||||
第二種 | 普通道路 | 1.25 | 第二種 | 普通道路 | 0.75 | |||
小型道路 | 1 | 小型道路 | 0.5 | |||||
第三種 | 第一級 | 普通道路 | 1.25 | 0.75 | 第三種 | 0.5 | ||
小型道路 | 0.75 | |||||||
第二級から第四級まで | 普通道路 | 0.75 | 0.5 | |||||
小型道路 | 0.5 | |||||||
第五級 | 0.5 | |||||||
第四種 | 0.5 | 第四種 | 0.5 |
路肩と車道との境界は、白い車道外側線で区分されます。車道外側線は、道路の左側に歩道がある場合、歩道の縁石よりも車道側に引かれている白い実線です。
道路が歩道と接していない場合は、車道外側線の外側は路側帯となり歩行者専用スペースとなります。
車道の中央線は、対向車線との間に引かれた線のことです。
中央分離帯が設置されている道路では、中央分離帯がセンターラインの役割をします。
中央線には以下の3種類があります。
中央線をはみ出して前の車を追い越すことが可能です。
中央線をはみ出して前の車を追い越すことは禁止です。ただし片道の幅が6m以上の場合、中央線をはみ出さなければ追い越し可能です。
追い越しのために中央線をはみ出すことは禁止されています。
しかし、工事や駐車車両などの障害物は車線をはみ出して追い越すことが可能です。
また、中央線に白の破線と黄色の実線が組み合わさった場合は、進行方向内側に白の破線がある場合は黄色の実線をはみ出して前の車を追い越すことが可能です。
道路は、車道、中央帯、路肩などの構成要素によって成り立っています。
また、各要素の幅員や車線数などが、安全な道路交通を目的として、道路構造令の基準により定められています。
安全で円滑な自動車交通の運行に役立っている道路のしくみを知り、快適なカーライフを楽しみましょう
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※記載の情報は、2020年4月時点の内容です。
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