ロータリーというと、駅前の車が周回するエリアを想起する方も少なくないでしょう。ところが最近では駅前のロータリーの他に、ロータリー交差点というものがつくられています。
交差点における車両交通の安全や円滑化に役立てられているのが、このロータリー交差点です。ロータリー交差点の特長や通行のルール、設置されている道路標識などについてご説明します。
まず、「ロータリー」と聞いて浮かぶのは、駅前のバスや車が走っているエリアです。
大辞林第三版によると、「ロータリー」は「大通りなどの交差点の中央に設けた円形地帯」と書かれています。
駅前にはバスやタクシーの乗客が乗降する円形地帯があり、一周すると車両は円形地帯から出ていきます。
駅前のロータリーでは、通行人や自転車の事故も少なくありません。
たとえばロータリー内を人が横切ったり、人が予期せず転倒したために車両が急ブレーキをかけることができず、事故が起こるケースがあります。
ロータリー内での運転は、充分注意する必要があります。次に、「ロータリー交差点」の意味や特長についてご説明します。
ロータリー交差点とは、交差点の中央に円形地帯を設け、車が環状部分に沿って進むことで、進行方向を変えられるようにした交差点のことをいいます。
次にロータリー交差点の特長や利点を、環状交差点(ラウンドアバウト)との比較でご説明します。
十字路などの交差点は、複数の道路が交差点の中心に向けて交わっています。多くの場合、信号機や交通標識で車の流れを制御しなければなりません。
ロータリー交差点の場合、周辺に標識や信号がついています。
それらに従って、車を走らせます。
そのため特に走行に規定はないですが、道路交通法第36条第1項第1号の「車両である場合、その通行している道路と交差する道路を左方から進行してくる車両の進行妨害をしてはならない」
という点に気をつけなくてはなりません。
これに対して、環状交差点(ラウンドアバウト)では円形の通行不可部分を中央に設け、車がその周囲を回りながら通行することで、各車両の進入、離脱を停めることなく交通の流れを制御できます。
このため、停止と発進を指示する信号機が不要となるのです。
環状交差点の設置には交通の円滑化のみならず、交差点の整備コストの削減や景観維持、停電時でも交通を維持できるなどのメリットがあると考えられます。
これまで規制がなかった環状交差点ですが、2014年9月に施行された道路交通法の改正により、「環状交差点」の名称で関連する法律が整備されました。
道路交通法第37条の2 では「車両等は、環状交差点においては、当該環状交差点内を通行する車両等の進行妨害をしてはならない」とあります。
また道路交通法第4条第3項では、この「環状交差点」について「車両の通行の用に供する部分が環状の交差点であって、道路標識等により車両が当該部分を右回りに通行すべきことが指定されているもの」と定義しています。
標識 | 通行方法 | 道路交通法の規定 | |
---|---|---|---|
ロータリー交差点 | 警戒標識:あり | 周辺の信号や交通標識に従う | 規定はない。ただし、道路交通法第36条第1項第1号「車両である場合、その通行している道路と交差する道路を左方から進行してくる車両の進行妨害をしてはならない」 |
環状交差点(ラウンドアバウト) | 規制標識:環状の交差点における右回り通行 | 環状交差点(ラウンドアバウト)を周回している車に従い、進行妨害をしてはならない | 道路交通法第37条の2「環状交差点(ラウンドアバウト)においては、第36条第1項(略)の規定にかかわらず、環状交差点内を通行する車両の進行妨害をしてはならない」 |
ここでは、ロータリー交差点に設置されている標識についてご説明します。
黄色の地色で、3つの矢印が回転している標識は、「ロータリーあり」という警戒標識です。
警戒標識は、道路上の危険や注意しなければならない状況を知らせ、注意を促すために道路管理者が設置した標識です。
「ロータリーあり」の警戒標識は、文字通り前方にロータリーがあることを示しています。
前述の通り、ロータリーの周囲には信号や交通標識がついているため、それに従って車を走行してください。
今回はロータリー交差点について、その特長や通行する際の注意点などをご説明しました。
ロータリー交差点は環状部分で随時進入と離脱ができ、信号や標識による発進・停止の指示がある交差点です。
それらに従って、安全運転で走行しましょう。
※記載の情報は、2024年9月時点の内容です。
インターネットから申し込むと、
初年度最大21,000円割引
DD200831-4