違法な路上駐車は、交通渋滞の要因になるだけではありません。駐車している車への衝突事故や駐車車両によって危険を察知しづらくなり、交通事故の要因となるなど、道路交通への大きな障害となります。
反となる路上駐車(路駐)の定義や、駐車禁止場所、時間、罰金などについて、ご説明します。
路上駐車とは道路上(公道)で以下の状態にあることをいいます。
警察庁の資料によれば、2018年、東京都特別区における瞬間路上駐車台数は約5万2,700台(前年比約2.2%増加)、路上駐車台数は減少しているものの、違反駐車の割合は80%強と依然として高い割合を示しています。
この統計を見ていただくとおわかりになると思いますが、すべての路上駐車が違反になるというわけではありません。
駐車違反になるのは
①放置駐車違反の場合
駐車禁止場所において、運転者がその車から離れていて、すぐに運転できない状態で放置していると「放置駐車違反」を問われる可能性があります。
このような車を、警察官や駐車監視員が発見すると「放置車両確認標章」という黄色いステッカーが貼り付けられ、その車の運転者は警察署に出頭しなければなりません。
放置駐車違反は、停止時間の長短、車から離れた距離の遠近、エンジンを止めているか否か、ハザードランプをつけているか否かということは関係ありません。
「ほんの5分だけ」と思ってコンビニにいっているうちに放置車両確認標章を貼られれば、放置駐車違反を問われることとなります。
②駐車禁止場所に駐車している
つまり、路上駐車における駐車違反は、「駐車違反の場所に駐車している」ということが前提となっています。
路上駐車が違法であるかを確認するには、駐車違反の場所を知る必要があります。
まずは駐車違反となる場所を道路交通法で確認しておきましょう。
駐車禁止の標識や標示などがある場所はもちろん、他にも駐車違反となる場所がありますので、それぞれ確認しておきましょう。
なお、警察署長により駐車の許可を得た場合はこの限りではありません。
なお、以下のとおり、停車禁止の場所もあります。これらの場所は停車すら禁止のため、駐車は当然交通違反となります。
時間制限駐車区間の標識が設けられている場所であれば、パーキング・メーターやパーキングチケットの指定どおりに作動させ、設定時間内であれば路上駐車することが可能です。
たとえば上のような標識があれば「8時から翌日の1時」までがパーキング・メーターが作動する時間帯であり、駐車できる制限時間は60分ということです。
時間制限駐車区間に車を停める際の注意点は、こちらの記事を参考にしてください。
また、自動車の保管場所の確保等に関する法律 第11条により、駐車禁止場所でなくても長時間駐車は禁止です。
放置駐車違反 | 違反点数 | 反則金額 | |||
---|---|---|---|---|---|
大型車等 | 普通車 | 二輪車 | 原付 | ||
駐停車禁止場所等 | 3点 | 25,000円 | 18,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
駐車禁止場所等 | 2点 | 21,000円 | 15,000円 | 9,000円 | 9,000円 |
なお、車両が高齢者や妊婦などの専用駐車区間である「高齢者等制限区間」に駐車した場合は、上記の金額に2,000円が加算されます。
出典:埼玉県警察 交通違反の点数・反則金等の一覧表
また、道路交通法第51条3項により、現場に当該運転者その他当該車両の管理について責任がある者がいないために、移動を命令することができないときは、レッカー車により移動されることがあります。
そして、車の移動・保管などに要した費用は車の運転者、使用者、所有者の負担です(同第51条15項)。
たとえば自宅の車庫から車を出そうとしたら路上駐車の車があって出すことができない、など迷惑を被ったときは、警察官に通報をして対応をしてもらうことになります。
このときのポイントは以下のとおりです。
駐車違反を警察官に通報する際、「最寄りの交番に相談する」「最寄りの警察署に連絡する」「110番通報」という方法を取ることになります。
直接交番などに出向いて通報することも、電話で通報することも可能です。
ただし、交番は警察官がパトロールに出て不在の可能性があります。
まず伝えるべきは、駐車違反をしている場所です。
警察官に駐車違反の場所を理解してもらえなければ対応してもらえないため、きちんと伝える必要があります。
住所や通りの名前、付近の建物などの情報があると、特定しやすいでしょう。
駐車違反している車の車種やナンバー、駐車違反の状況を伝えることも大切です。
たとえば駐車違反により別の車が通行できなくなっていたり、事故が起こりそうな状態だったり、緊急性が高い場合はその状況を伝えます。
路上駐車(路駐)についてご説明してきました。
路上駐車が原因となって交通の流れが阻害されたり、事故の原因になったりすることがあります。
駐車違反になる場所を理解し、違法な路上駐車とならないよう一人ひとりが心がけることが大切です。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2020年4月時点の内容です。
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