
「車のエンジンがかからなくなってしまった」
「エンジンはなんとか動いたけど、かかりが悪い気がする」
こんな経験はないでしょうか? 車のエンジンがかからなくなってしまったり、かかりにくいという状態になってしまったりする原因はさまざまです。今回はエンジンのかかり具合に関するトラブルのよくある原因と、その対処法についてご紹介します。
最もよくある原因は、何といっても「ガス欠」です。ガス欠とは、ガソリン車が燃料切れになってしまい、走行できなくなってしまうことをいいます。
電気自動車の場合は、ガソリンではなく電気が車を動かすエネルギー源になります。こちらも充電されている電気が尽きるとガス欠と同様、車を動かせなくなってしまいます。
また、ガソリンの量が十分でも品質が低下しているために走行できなくなってしまうこともあります。ガソリンは経年劣化するため、長い間乗らなかった車にある日突然乗ろうとするとエンジンがかからなくなってしまうことがあるのです。

ガス欠以外によくある原因としては、バッテリー関連のトラブルが考えられます。ここでいうバッテリーとは、電気自動車で使われる「走行用の電気が蓄えられたもの」のことではなく、ガソリン車などにも積まれている「セルモーター(エンジン始動用のモーター)や電装品を動かすためのもの」のことを指します。
車のエンジンを始動するために必要なのが電気です。電気は他にもカーステレオ、パワーウィンドウ、ライトなどの電装品を動かすためにも使われています。これらの電気は普段バッテリーに蓄えられており、エンジンの停止中など必要なタイミングでセルモーターや電装品に供給されています。
もし、必要とされる電気の量が、バッテリーに蓄えられた電気の量を上回ってしまったとしたらどうなるでしょうか? そのような状態のことを「バッテリーが上がった(上がっている)」といいます。バッテリーが上がってしまうとエンジンがかからなくなったり、かかりにくくなったりするので要注意です。
バッテリーは普段、バッテリー液と呼ばれる専用の液体で満たされています。しかし、経年劣化や液の入れ過ぎによってときどきこのバッテリー液が外部に流出する「液漏れ」が生じる場合があります。
液漏れが起きると、「ターミナル」といわれるバッテリー上部の突起が腐食し、それが原因となって接触不良が起きてしまうことがあります。バッテリーが接触不良になると電気が流れない、あるいは流れにくい状態になってしまうので、エンジンのかかり具合が悪くなってしまいます。
バッテリー液は、液漏れだけでなく「量の不足」にも注意が必要です。バッテリー液は充電に伴い一部が気化して量が減ってしまいます。定められた液量よりも不足してしまうとバッテリーが性能を保てなくなり、エンジンがかかりにくくなってしまうでしょう。
バッテリーの寿命は一般的に2〜3年といわれています。寿命を迎えるころに交換すれば問題はありませんが、古いバッテリーを使い続けていると、ある日突然エンジンがかからなくなってしまうことがあります。
寒冷地や冬に気温が低い場合、バッテリーの放電が正常に行えなくなってしまうことがあります。このように、気温が原因でバッテリーが役割を果たせず、エンジンがかからなくなることもあるのです。

車にはバッテリー以外にもさまざまな部品があります。ガス欠やバッテリートラブルの可能性が低い場合は、その他の部品が故障している可能性も考慮してください。
セルモーターとは、エンジンを始動する際に使われるモーターです。そのためセルモーター自体が故障しているとエンジンを動かすことはできません。
オルタネーターとは、車の中でも「発電機」の役割を果たす部品です。バッテリーに蓄えられる電気もオルタネーターから生み出されます。オルタネーターが故障すると、走行に必要な電気を作り出せなくなってしまうため、エンジンがかからなくなってしまいます。
車のエンジン自体が故障してしまうと、当然ながらエンジンはかかりません。エンジンが故障する理由として多いものは「エンジンのオイル切れ」、冷却装置の水切れによる「オーバーヒート(エンジンの焼き付き)」などがあります。他にも、エンジンに燃料を供給する部品の劣化や、スパークプラグ(点火装置)の劣化などが原因にあるパターンもありえるでしょう。
何らかの原因で車内の電気系統に過剰な電流が流れると、部品を守るためにヒューズと呼ばれる装置が働きます。ヒューズは断線することで部品の身代わりとなり、過剰な電流から車を守るのです。このヒューズの断線が起こると電装品が動かなくなったり、エンジンがかからなくなったりする場合があります。

意外に「ヒューマンエラー」もエンジンがかからない・かかりにくくなる主要な原因のひとつです。どれも注意していれば簡単に防げることなので覚えておきましょう。
車は基本的にギアをパーキング(AT車)に入れていないとエンジンはかかりません。
盗難防止のため、エンジンがかかっていない状態でハンドルを動かそうとするとハンドルロック機能が起動しキーが回らない状態になります。このハンドルロック機能は「ハンドルを左右どちらかに回しながら、エンジンキーを回す」ことで解除できます。
車のエンジンがうまくかからなくなったら、まずは原因を特定しその後原因に合わせた適切な対処法を行うのが肝心です。次に紹介する手順に従ってチェックを進めれば、原因と適切な対処法をスムーズに見つけられます。
@人為的なミスがないかを確認する
次のリストの項目を順番にチェックしてください。
エンジンがかからない原因がこれらの人為的なミスであれば、それぞれ正しい操作を行うことで対処できます。
Aエンジンキーを挿して状態を確認する

人為的なミスが原因でないなら、車のどの機能に異常があるのかキーを挿して状態をチェックしましょう。エンジンキーを挿してACC(もしくはONの位置)まで回してください。
この状態で、「ライトが点灯」し、「パワーウィンドウが動く」場合、原因はバッテリー以外にある可能性が高いです。もしライトやパワーウィンドウが動かなければバッテリートラブルを疑ってください。
Bエンジンキーが回るか、2〜3回試してみる
そのままエンジンキーを回し、モーター音を耳で聞いて確認します。モーター音がしない場合は「セルモーターの故障、もしくはバッテリー上がり」が原因だと考えられます。
モーター音はするがエンジンはかからないという場合は、気温が低い場所にいるなら寒さが原因である可能性があります。そうでないなら、バッテリー以外の部品が故障しているのかもしれません。
Cバッテリー上がりの対処を試す
A、Bのチェックでバッテリー上がりの可能性が高いと思われる場合は、バッテリーが上がった際の対処法を試しましょう。バッテリー上がりの対処法はジャンピングスタートやジャンプスターター・カー用バッテリーを使う方法などがあります。これらの方法でエンジンを始動できないか試みてください。
見事エンジンを始動できたなら、速やかに最寄りの自動車整備工場に向かってください。
Dロードサービスや自動車整備工場へ連絡

これら一連の対処を行っても状況が改善しないようなら、自力で対処するのは難しいといえるでしょう。これ以上の対処は専門知識がないと不可能なので、ロードサービスや近くの自動車ディーラー、自動車整備工場などに連絡しプロの助けを借りてください。
車のエンジンがかからなくなってしまったときは、落ち着いて状況を確認し、自力での対処法が難しそうなら無理をせずプロに任せましょう。自動車保険に加入している場合、付帯のロードサービスによっては無料で対応してくれる場合があるので、確認してみてはいかがでしょうか。
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