ISOFIX（アイソフィックス）とは？チャイルドシートの種類や基準

6歳未満の子どもが車に乗る際は、チャイルドシートの使用が法律により義務付けられています。子どもの命を守るには、安全性の高いチャイルドシートを正しく取付けることが重要です。

最近ではISOFIX（アイソフィックス）型のチャイルドシートが従来のシートベルト型よりも安全と評判です。ISOFIX型のチャイルドシートとはどのようなものなのかご説明します。

ISOFIX（アイソフィックス）とはコネクターでチャイルドシートを固定する方式の国際標準規格のことです。従来のシートベルトで固定するチャイルドシートは、取り付けに手間がかかり、しっかりと固定されない場合が多いという問題点がありました。

警察庁とJAFが行った「チャイルドシート使用状況全国調査」ではチャイルドシート利用者の30.2％が取り付け方に不備があるとの調査結果があり、チャイルドシートの取り付けが不十分なために起こった痛ましい事故も多数報告されています。

チャイルドシートが正しく取り付けられていなかったり、正しい姿勢で座らせていないと、事故時に本来の安全機能が十分に発揮されず、重大な危険につながる可能性があります。

※出典：2024年チャイルドシート取り付け状況調査　警察庁・JAF合同調査

こうしたことから車の座席にチャイルドシートを簡単、確実に固定できる国際標準基準、ISOFIXが日本で採用され、チャイルドシートの安全性が高められるようになったのです。

ISOFIXは専用のコネクターを座席の取り付け金具にカチッとはめ込むだけと取り付けが簡単なので、取り付けミスが起こりにくいという特長があります。またシートベルト型のように装着後に緩んでくることも無いので、安定感を保つことができ、シートベルト型よりも安全といえるのです。

なお、2012年以降発売の車はISOFIXへの対応が義務化されています。ISOFIX対応チャイルドシートを購入する際は、メーカーの車種適合表を必ず確認する必要があります。

ISOFIX（アイソフィックス）対応のチャイルドシートはシートベルト型のチャイルドシート同様、さまざまな種類のものがありますが、大きくは年齢別に3種類に分かれます。

まずは0歳から1歳前後の新生児・乳幼児専用の「ベビーシート」で、首の据わっていない新生児の安全のために進行方向に対し後ろ向きに寝かせるタイプのものです。次に生後9か月ごろから4歳児用の「チャイルドシート」で、首が据わったころから使用し前向きに座ります。そして4歳以上の子どもが使用する「ジュニアシート」で製品によっては12歳頃まで使用することができます。

また0歳から4歳までが使用できる「乳児・幼児兼用シート」、1歳から10歳まで使用できる「幼児・学童兼用シート」、0歳から10歳まで使用できる「乳児・幼児・学童兼用シート」もあります。兼用シートは特に人気の高い商品で乳児期はベビーシートとして後ろ向きで使用し、以後は前向きで使用する2WAYタイプや乳児期は後ろ向きやベッド型、以後は前向きで使用する3WAYタイプのものがあります。

他にも新生児・乳幼児の乗せおろしに便利な座席回転式のものや、ベビーカーと兼用できるトラベルシステム対応型のものもあります。

チャイルドシートを選ぶ際は金額にとらわれずに、買い替えのタイミングや使い勝手などを考慮して購入することをおすすめします。

ISOFIX（アイソフィックス）対応のチャイルドシートはコネクターで簡単に固定できるのが特徴です。しかし正しく取り付けないと事故の原因にもなりますので、説明書などでしっかりと確認しながら正しく設置してください。ここでは代表的なISOFIX対応チャイルドシートの取り付け方を説明します。

ISOFIX（アイソフィックス）対応のチャイルドシートは、シートベルトを使わず、チャイルドシートを車の専用固定金具に連結するだけでガッチリ固定できます。

1. チャイルドシートのコネクターを車両シートにある専用の取り付け金具に差して、カチッと音がするまでしっかりと押し込みます
2. チャイルドシートにぐらつきがなく、固定されたことを確認します。

ISOFIX対応のチャイルドシートの多くは、正しく接続固定されるとインジケーターの色が変わり、目視でも確認できます。

• チャイルドシートを取り付けるときは、チャイルドシートと座席の間やコネクターと座席の取り付け金具の間に異物がないように注意してください。またレッグがしっかりと床に固定できるように、床は事前に掃除し異物をはさまないように注意してください。
• チャイルドシートを取り付けたときは、チャイルドシートを押し込んだり左右に揺らしたりして、確実に固定されたかを必ず確認するようにしてください。
• チャイルドシートを取り付ける際にコネクターや座席の取り付け金具に手をはさみ、手を傷つけないよう気をつけてください。

警察庁と日本自動車連盟（JAF）の合同調査（2024年）では6歳未満のチャイルドシート使用状況は約78.2％です。固定が不十分などのミスユースも見られました。^※1
また、警察庁発表（2024年）の6歳未満の子どもの自動車同乗中のチャイルドシート使用の有無別致死率をみると、チャイルドシート不使用者の致死率は適正使用者の約4.7倍です。^※2
チャイルドシートの使用率は年齢が上がるにつれて低下しており、特に5歳児の使用率（57.9％）は他の年齢層（1歳未満：91.7％、1〜4歳：80.7％）に比べて顕著に低い状況です。^※2

6歳未満の子どもが車に乗る際は、チャイルドシートの使用が法律により義務付けられています。子どもの命を守るために、安全性の高いISOFIX対応チャイルドシートを正しく取付けましょう。

※1 出典：チャイルドシート使用状況調査（2024年調査結果）警察庁・JAF合同調査
※2 出典：警察庁 子供を守るチャイルドシート

チャイルドシート選びはお子さまへの安全面を考えて、ISOFIX（アイソフィックス）対応チャイルドシートがおすすめです。しかし最も大切なのは車の事故を起こさないことです。安全運転で、お子さまと素敵なドライブをお楽しみください。

最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。

※2025年5月執筆時点