
わが国のカージャンルの中で、ミニバンと並んで人気が高いのがSUVです。SUVとは、スポーツ・ユーティリティー・ビークル(Sport Utility Vehicle)の略です。
スポーツやレジャーに適した装備を持った利便性の高い車両で、ふだん使いからレジャーまで幅広く使えるスポーツ車(多目的スポーツ車)として販売されています。
本記事では人気のSUVの特徴について主にお話しします。
アウトドア用途から街乗りまで、多様な用途に人気のSUV
このSUVというジャンル、実はセダンやミニバンのように、はっきりした定義はありません。多様で、モデルごとの特徴が大きく異なっています。
機能の特徴としては、ロード・クリアランス(最低地上高)が高く、悪路の踏破性能が高められている車や、荷室が比較的大きくてレジャー用品が積み込みやすくなっている車などが多いようです。
キャンプやサーフィン、スキー、スノーボードや釣りなどさまざまなアウトドアレジャー、アクティビティに使え、街乗りにも便利、ということになります。
歴史的にみると、SUVの発祥は1960年代のアメリカでピックアップトラックの派生として誕生し、ジープやダッジなどのクロスカントリー車(オフロード向け四輪駆動車)として発展してきたとされています。
日本においては、輸出用のピックアップトラックのトヨタ・ハイラックスサーフやテラノなどから始まり、クロスカントリーのランドクルーザーや三菱パジェロなどへ発展してきました。特にハイラックスサーフは1980年代に大きなヒットとなり、現在のSUV人気のはじまりといえる成功を収めました。
その後しばらくの間、サイズが大きく運転しづらい、燃費やその他維持費がかかるなどの理由でクロスカントリーSUVが敬遠された時期がありましたが、1990年代のトヨタ・RAV4の大ヒット以降、燃費が普通乗用車と遜色のない車種が登場し、次々と派生モデルを生み出して現在の人気ジャンルへと成長してきました。
構造上の観点から見ると、従来のトラック譲りの頑丈で車高が高く重いラダーフレーム構造※のパジェロやハイラックスサーフから、ボディとフレームが一体となり、軽量なモノコック構造※をもつ、乗用車と同様な構造のRAV4が登場し、クロスオーバーSUVの幕が開き、さらにトヨタ・ハリアーが高級SUVの市場を開拓しました。
用途上の観点から見ると、あくまでオフロードを走行する目的で作られているクロスカントリー(四輪駆動車)から街乗り中心の、乗用車ベースのクロスオーバーSUVへと移ってきました。
ラダーという言葉のとおり、はしごの足掛けの形状をしたフレーム
フロアなどの板状の部材とピラーなどの棒状の部材を組み合わせた構造
それではSUVの種類についてもう少し細かく見てみましょう。
SUVというジャンルは広義的で多様性があると述べましたが、明確な定義がないため、メディア、辞書、専門家でも意見が分かれるところです。ここでは3つのパターンで考えてみましょう。
構造的に考えると大きく3つに分類することができます。
最近では、これにセダンやコンパクトカーなどのボディを大きく高めに設計しただけの車種もSUVに参入してきています。
大まかに4種類ほどに分かれます。
排気量660cc以下の軽自動車。車体が軽量、コンパクトの割に車内が意外と広く多目的に使え、燃費、税金等維持費の安さも魅力で、軽自動車でもSUVは人気です。
スズキ・ジムニー、三菱・eKクロスなど。
排気量660cc以上の車体が小ぶりなモデルで、最近増え始めているクロスオーバーSUVの中心でもあり、家庭への普及率が高いサイズです。軽快なハンドリングで、乗用車として日常での使い勝手の良さが人気です。
ホンダ・ヴェゼル、トヨタC-HR、スバル・XV、マツダ・CX-3など。
こちらもクロスオーバー系のモデルが多く、コンパクトSUVより、安定した走行性を実現しています。
トヨタ・ハリアー、日産・エクストレイル、レクサス・RX、マツダ・CX-5など。
本来のSUVの4輪駆動やクロスカントリー仕様車の、高い悪路走行性能を発揮するモデルがある一方、高級車の路線を狙い、ステイタスのあるモデルも存在しています。
トヨタ・ランドクルーザー、三菱・パジェロ(2019年8月国内向け生産終了)、マツダ・CX-8、レクサス・LXなど。
SUVのメリットといわれているのは、以下のような点です。
メリットの裏返しであるものが多いのですが、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
そこでこのデメリットを解消すべく登場し、発展してきたのが前述のクロスオーバーSUVなのです。
クロスオーバーSUVは、SUVのメリットを維持しつつ、デメリットを減らすことに成功しています。セダンやステーションワゴンなど、従来の乗用車のスタイルは人気がなくなる一方、スペースユーティリティーにすぐれるミニバンやSUVの人気は、もうしばらく続くでしょう。
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