「原付」と言われる50cc以下のバイクに対して原付二種というカテゴリーがあるのをご存じでしょうか。原付二種のメリットや、原付一種と原付二種はどう違うのかなどをご説明します。
そもそも「原付」とは、正しくは「原動機付自転車」のことです。排気量50cc以下を原付一種、50cc超125cc以下を原付二種と区分けされています。
原付一種と原付二種は一見同じ様な車格に見えるものが存在しますが、エンジン排気量が異なります。それによって法定速度も原付一種は30km/h以下、原付二種の法定速度は60km/h以下と異なります。
原付一種と原付二種は、一見では判断しかねる場合もありますが、以下のようなわかりやすい識別方法があります。
まず識別方法としては、50cc以下の原付一種はナンバープレートが白地であるということです。そして50cc超90cc以下の原付二種は黄色地、90cc超125cc以下がピンクの地色となっています。
分類 | 排気量 | プレートの形状と色 | |
---|---|---|---|
原付 | 一種 | 50cc以下 |
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二種 | 50cc超 90cc以下 |
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90cc超 125cc以下 |
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軽二輪 | 125cc超 250cc以下 |
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|
小型二輪 | 250cc超 |
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さらに標識としては、原付二種の車両の前輪泥除け先端に白い帯が、後輪泥除け後端に白の三角が示され、判別が容易になっています。
ただし、この表示は関係省庁からの通達に日本のメーカーが自主的に行っているものなので、表示がないからといって交通違反になることはありません。規定寸法に合わせ、自分で白テープなどで作成しても構いません。この標識があることで、多通行帯の交差点での原付(50cc)の取締りの誤認を減らすことができます。
交通量と交通事故の増加などに伴い、運転免許が不要だった届出許可制から1960年より排気量50ccまでの原付と50cc超125cc以下の原付二種免許が設定されました。それから現在までの間に免許区分に変化はありましたが、排気量50cc以下の原付は自転車の発展型として、実技試験がなく、最短1日で比較的容易に免許が取得できるシステムになっています。
普通自動車免許を取った場合に運転することが許されているバイクは、この50cc以下の車両となります。
50cc超125cc以下の原付二種を運転するには2024年4月時点の免許区分では排気量400cc以下の普通二輪のなかに属す「小型限定普通二輪免許」が必要となります。さらにそのなかには125cc以下のスクーターなどのオートマチックトランスミッション(AT)車のみに乗ることができる小型限定普通二輪の「AT限定免許」も設定されています。
原付二種に乗るための小型限定普通二輪免許の取り方をご案内します。
まず受験資格が得られるのは満16歳以上です。適性検査を受け、学科試験、技能試験が必要となります。学科試験は四輪の免許を持っている場合は免除となります。
学科試験は各都道府県の運転免許試験場(以下試験場)で受験します。
技能試験に関しては2つの方法があります。試験場で直接技能試験を受ける方法と教習を受けてから試験場で技能試験を受ける方法です。どちらも最終的に身に付けなくてはいけない技術は同じですが、メリット、デメリットがあるので参考にしてください。
試験場に直接行き、適性検査を受けてから合格した後、試験の予約などの諸手続きを行います。その後、指定の日に定められた試験コースを走行し、技能試験を受けます。
採点は運転免許試験官として公安委員会より指定を受けた巡査部長以上の警察官または、それに相当する警察職員によって厳格に行われます。
受験にかかる手数料は以下です。
6,100円(受験料2,600円、試験車使用料1,450円、免許証交付料2,050円)
・再試験の場合は、その都度受験料、試験車使用料がかかります。
・別途取得時講習受講料(大自二16,650円、普自二16,200円)が必要となります。
※出典:警視庁公式サイト「二輪免許試験(直接試験場で受験される方)」
※2024年6月執筆現在
しかし、教習所と違い、試験をする場所なので、試験途中で不合格となった場合は補習のような教習はありません。
もうひとつは、教習所に通い、技能教習を受けてから卒業検定を受け、卒業検定の合格により免許を取得する方法です。ここで注意が必要なのは、教習所にも種類があるということです。
教習所は大きく分けて公認と非公認に分けられます。具体的には都道府県公安委員会公認の指定自動車教習所と、特定届出自動車教習所と届出自動車教習所という非公認の教習所があります。
日本では、公安委員会指定の自動車教習所であれば、卒業検定に合格したのち、卒業証明書を受け取り、各都道府県の試験場に証明書を提出することで技能試験が免除され、学科試験の合格のみで免許が取得できます。
前述のように、すでに普通自動車の免許を取得している場合は学科試験も免除されるため、試験場では一切試験を受けずに免許の取得が可能となります。
非公認の教習所は教官によって各項目の技能教習が行われ、技術を習得し、技能試験を試験場に受けに行くというシステムです。都道府県公安委員会の公認がないので、教習所を卒業しても技能試験が免除にはなりません。
その分、教習費用が安いため、教習所に入所する前に必ず、どういう位置づけの教習所なのかを確認しましょう。
小型限定普通二輪免許に必要な教習項目とそれにかかる時間は、学科教習が26時間、技能教習が12時間となっています。普通自動車の免許を持っている場合は学科試験は免除されますが、学科教習は1時間、技能教習は10時間受けなければなりません。AT限定免許であれば学科教習は同じ1時間ですが、技能教習に関しては8時間とさらに短縮され、土日を使って2日で修了できる可能性もあります。
ただし、教習費用は各教習所、地域によって価格差があります。これまで免許がなく原付免許だけの場合、おおよそ15万〜20万円程、普通車の免許を持っている場合でおおよそ8万〜12万円位です。AT限定の場合はいずれも1万〜2万円下がる傾向にあります。
試験場での受験との価格差は大きくありますが、教習所の場合、受験者の合格を促すための教習を行ってくれるので合格への道のりが見えやすいメリットがあります。
幹線道路を意識して見てみると黄色やピンクのナンバープレートを付けた原付二種も多く走っています。
原付二種は、50ccと同じくらいの大きさで、軽量/コンパクトな車体なため、取扱いが楽なのが魅力です。また、法定速度や右折方法などでクルマや大きなバイクと同条件で一般道を走行できるのもメリットといえるでしょう。
軽自動車税も90ccまでの原付二種では50cc以下の原付1種と同額です。さらに125cc以上のバイクと比較すると車両1台ごとに加入する任意保険にファミリーバイク特約を付帯することで、125cc以下の原付車両であれば台数に限りなくその特約補償を受けることができるのは大きな経済メリットとなります。
高速道路の利用はできませんが、一般道を走るには十分な走行性能をもち、快適で経済的な移動手段となります。
そうした経済的なメリット以外にも、原付二種はバイクの魅力を十分に伝えてくれる乗り物です。小型限定普通二輪免許でしっかりと技術を身に付け、他の交通手段と安全に共存していけば快適なバイクライフを楽しめます。
最後に、バイクを所有されている方は、チューリッヒのバイク保険をぜひご検討ください。
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