公開日:2023年8月17日
賃貸契約の際に、火災保険の加入が入居の条件となっているケースは多いもの。一方、持ち家ではなく「賃貸」の場合でも、火災保険に加入する必要はあるのでしょうか。今回は、賃貸(一人暮らし)の火災保険の概要や必要性などについてご紹介します。
火災保険は、火災によるものだけではなく、落雷や風災などの自然災害や盗難、偶発的な事故(破損など)などによって、建物や家財などに生じる損害を補償する保険です。
火災保険の補償の対象は「建物」と「家財」の2つに分けられます。火災保険では、補償の対象ごとに加入し、保険金額(※1)を設定する仕組みになっています。
たとえば、建物のみが補償の対象となる火災保険に加入し(家財が補償の対象となる火災保険には未加入)、火災で建物が全焼した場合、建物のみ補償を受けることができます(家財は補償を受けられません)。家具や家電、日用品などの家財の損害について補償を受けるためには、家財が補償の対象となる火災保険(家財保険)に加入する必要があります。
また、保険会社によって詳細は異なりますが、火災保険では、火災によるものだけではなく、落雷や風災などの自然災害や盗難、偶発的な事故(破損など)などによる損害も補償の範囲に含まれています。
※1 保険金額
保険契約において設定する契約金額のことで、保険事故が発生した場合に保険会社が支払う保険金の限度額のことになります。
一般的に、地震による建物や家財の損害については、火災保険では補償されません。地震による建物や家財の損害に備えたい場合は、火災保険とあわせて地震保険に加入する必要があります。
賃貸の場合、火災保険の加入が義務付けられているわけではなく、火災保険は任意での加入となっています。しかし、賃貸契約時に不動産会社が火災保険の加入を勧めることも多く、火災保険の加入が入居の条件となっている場合もあります。
火災保険に加入しない場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。考えられる主なリスクについて確認しましょう。
大家さんの多くは、建物が補償の対象となる火災保険には加入していますが、家財が補償の対象となる火災保険(家財保険)には加入していません。そのため、火災や自然災害などによって、所有している家具や家電などの家財に損害が発生した場合は、日常生活に最低限必要な家具や家電、日用品などは自己の資金で再調達する必要があります。家財保険に加入することで家財の再調達に必要な多大な出費(急な出費)などのリスクに備えることができます。
入居者(賃借人)は、賃貸契約終了時に借りていた部屋を入居時と同じ状態に戻す「原状回復義務」を負っています。通常損耗や経年変化によるものについては、原状回復義務は負いませんが、故意や不注意、手入れ不足などにより賃貸物件に損害が発生した場合は、修繕にかかる費用は入居者(賃借人)が負担する必要があります。
大家さんに対して賠償責任を負ったときに補償を受けられる借家人賠償責任保険に加入することで、損害賠償金などのリスクに備えることができます。
大家さんに対して賠償責任を負ったときに補償を受けることができる保険です。
ストーブを消し忘れて壁の一部が焦げてしまった、蛇口の締め忘れで床が水浸しになり床に損害が発生したといった場合、入居者(賃借人)が原状回復の義務を負っていることから、修繕にかかる費用を入居者(賃借人)が負担することになります。壁や床などの修繕にかかる費用は高額になるケースも多いため、借家人賠償責任保険に加入することで経済的なリスクに備えることができます。
※保険商品により補償範囲は異なります。
借家人賠償責任保険は、一般的に単体での契約ができないため火災保険(家財保険)とあわせて加入します。賃貸物件によっては、借家人賠償責任保険への加入を義務付けているものも多いです。
日常生活で「自分や家族が他人にケガを負わせた」「物を破損させた」など、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償を受けることができる保険です。
たとえば、水漏れによって下階の部屋の家財に損害が発生した場合、高額な損害賠償責任を負うことになるケースもあります。個人賠償責任保険に加入することで、こうした経済的なリスクに備えることができます。
個人賠償責任保険は、火災保険(家財保険)とあわせて加入することもできますが、既に他の保険で加入している場合もあります。その場合は補償内容が重複することになりますので、他の保険の補償内容を確認しましょう。
保険会社や補償内容、保険金額などによって保険料は異なるため、保険料の相場を断定することは難しいですが、賃貸(一人暮らし)の火災保険(家財保険)の年間保険料は、数千円から1万円以上になる場合もあります。
保険料の目安として、チューリッヒの家財(賃貸)保険を例にご紹介します。
保険金額:300万円
保険料の目安:4,770円
補償の対象となる家財:化粧品などの生活用品や楽器などの趣味のモノ、キッチン用品・食器、衣類・小物
保険金額:400万円
保険料の目安:5,350円
補償の対象となる家財:パソコンやプリンターなどのテレワーク用品、趣味のモノ、キッチン用品・食器、衣類・小物
賃貸(一人暮らし)の場合、引っ越し時の火災保険の手続きに注意が必要です。引っ越しのタイミング別に確認しましょう。
【賃貸契約更新時に引越し】
賃貸契約更新時に火災保険の契約期間も終了することが一般的です。したがって、転居のタイミングで旧居の火災保険の契約も終了するケースがほとんどといえます。また、新居の火災保険の契約については、新居の賃貸契約の際に新規で契約することになります。
【賃貸契約中に引越し】
一般的に、現在契約中の火災保険を解約して、新居の賃貸契約の際に新規で契約することになります。現在契約している火災保険を解約する際に、解約返戻金が戻ってくる場合もありますので、解約返戻金の有無を保険会社に確認するようにしましょう。なお、現在契約中の火災保険を解約せずに契約内容の変更手続きを行うことで契約を継続できる場合もあります。
賃貸物件であっても、火災保険(家財保険)に加入することで、家財の損害リスクなどに備えることができます。万が一の事故やトラブルに備えたい場合は、火災保険(家財保険)に加入しておくことで安心を得ることができるでしょう。
火災保険に任意で加入する場合、火災保険の加入が入居の条件となっている場合を問わず、補償内容や保険金額、保険料などが自分に合った火災保険なのかを確認するようにしましょう。
チューリッヒ少額短期保険の「ミニケア賃貸保険(賃貸家財総合保険)」は
を入力するだけで、簡単に保険料の見積りをとることが可能です。
アパートやマンションなどの賃貸物件を探す際は、月々の家賃や初期費用を予算として把握するだけでなく、自身で火災保険(家財保険)を選択するなど、賢く部屋探しを行いましょう。
チューリッヒ少額短期保険「ミニケア賃貸保険(賃貸家財総合保険)」についてはこちら」
※2023年2月28日執筆現在の記事です。
※本記事でご紹介した内容は一般的な家財保険の補償範囲の一例であり、チューリッヒ少額短期保険株式会社の「ミニケア賃貸保険」と異なります。「ミニケア賃貸保険」をご検討いただく場合はパンフレット・重要事項説明書を必ずご確認ください。
中田FP事務所代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ正会員/株式会社ユーキャンファイナンシャルプランナー(FP)講座講師/日本FP協会くらしとお金のFP相談室相談員(2020年)/日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月認定)/元システムエンジニア・プログラマー
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンでしたが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、生活に身近なお金・終活・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。