“読む気候変動対策”メディア、
Green
Timesについて
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記事を“読む”だけで森林保全活動の支援につながります
- チューリッヒ保険会社は企業としての排出CO2削減などはもちろん行った上で、気候変動という全人的な問題へ対応するには一人ひとりの理解と参加も重要であると考え、多くの人が気候変動についてよりよく知り参加できる“きっかけ”作りを始めました。
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高層ビルに囲まれた大都市で、土を耕し、野菜や果物を育てる。「アーバンファーミング(都市型農業)」とは、空き地や歩道の脇、ビルの屋上などを活用し、都心で農業をする取組み。ニューヨークやベルリン、ロンドンなどでも実践されており、SDGsや食糧危機が世の中の課題として認知されると、より注目を集めるようになった。
東京の中でもとりわけヒトもモノも溢れる渋谷という街で、2018年からアーバンファーミングを実践してきたのが編集者の小倉崇さんだ。NPO法人「アーバンファーマーズクラブ」を立ち上げ、現在は850名を超えるメンバーたちと活動を続けている。なぜ渋谷で野菜作りなのか?その想いを聞いた。
INDEX
[連載概要]
気候変動は、私たちの暮らしや自然環境に深く影響を与える課題です。
チューリッヒ保険会社は、気候変動に対し、より多くの人々とともに考え、行動するきっかけをつくりたいと考えています。
本連載は、その想いをもとに、YouTubeチャンネル『チューリッヒ保険会社のGreen
Music』で公開される作品の背景にある自然環境やその土地の取組みを掘り下げ、持続可能な未来につながる手がかりになればと考え生まれました。作品では伝えきれないストーリーをお届けしていきます。
まだ少し肌寒い3月中旬。廃材をリユースしたコンテナの中に、淡い白色の花をつけた青菜が元気に育っていた。「かわいいでしょう? 渋谷ルッコラという品種です」と小倉さん。ここは渋谷駅新南口に整備された「渋谷リバーストリート」から続く遊歩道の一角。駅から歩いて5分。すぐそこに地上35階建ての商業施設「SHIBUYA STREAM」がそびえるような環境だが、コンテナの外にもこぼれ種から芽を出した一本がしっかりと育っている。「花も食べられるんですよ」と小倉さん。手渡されて口に運ぶと、ルッコラ特有のゴマに似た香りが広がる。オーガニックで育てた野菜特有の濃く、力強い味わいだ。
渋谷リバーストリートに設置したコンパクトな畑。底上げしてあるので作業がしやすい。
こぼれ種から芽を出した渋谷ルッコラ。「たくましい!」と嬉しそうに眺める小倉さん。
小倉さんが野菜作りを始めたきっかけは東日本大震災。以前から「いつかやってみたい」とは思っていたが、地震をきっかけに「今、やろう」と決意が固まった。
「あの時、東京の街は何もかもが品切れ。人は食べる物がないと生きていけないのに、これだけ大勢の人が集まる都市に“食べ物を作る”という機能がほとんどないことが明らかになった瞬間でした。それで自分で野菜を作ってみようと思ったのですが、ただ、深刻な気持ちだけではじめたわけではなくて、純粋に育てることを楽しんでみたかった。野菜作りが趣味になったらいいなと思ったんです」
すぐに行動を起こした小倉さんは、神奈川県相模原市で農業を営む友人を週末毎に訪ねるように。やがて、同じように興味を持ち始めた友人も連れて行くようになり、輪が広がって、「ウィークエンドファーマーズ」という活動をスタート。これが発展し、NPO法人「アーバンファーマーズクラブ」が誕生した。現在は恵比寿ガーデンプレイスや東急プラザ表参道原宿など、渋谷周辺の4箇所に畑や田んぼを設置。メンバーたちは土を耕し、育てた野菜をシェアしながら、そこで生まれる人との繋がりを楽しんでいる。
コンポストで堆肥作りも行っている。生ごみが微生物によって分解され、ふかふかの土になる過程は、野菜作りに通ずる面白さがある。
東日本大震災後に始まった活動は今年で14年目。アーバンファーミングへの想いに変化はあるか?と尋ねると、「それが、何も変わっていないんですよ」と小倉さん。
「みんなで育てて、みんなで食べることを広めたい。それに尽きます。僕らはこれを“グリーンインフラ”と呼んでいて、そうしたことが当たり前になる社会を作りたいと思って活動を続けてきました」
ただ、この十数年で社会が変化し、受取り方がより多様になったという側面はあるだろう。例えば、気候変動が広く認知されるようになり、ベランダ菜園を都市の緑化のひとつと捉えたり、コンポストを単に生ごみの削減というだけでなく、CO2削減量に置き換えて考えたりする視点が広まった。小倉さんたちは活動当初からそうした価値を感じていたが、社会からもその重要性が認知されるようになってきている。
「僕らのコンポストには地域住民の方々や他県からも生ごみの持ち込みがあるんです。渋谷リバーストリートに設置したコンポストには、8ヵ月で2tもの生ごみが持ち込まれました。つまり2t分のごみの容積を減少させたことに。それを計算すると、CO2の排出量を1t近く削減したことになるんです」
今、アーバンファーミングへの関心が高まっているのにはこうした理由もある。“自給自足”といったイメージを超え、地球環境や社会のあり方を変える力が期待されている。
植物園を拠点とした新たな取組み
小倉さんにはもうひとつの活動場所がある。それが、2023年より園長を務める「渋谷区ふれあい植物センター」。渋谷区から受託し、「アーバンファーマーズクラブ」が施設を運営している。“日本一小さな植物園”として2005年に開園した「渋谷区ふれあい植物センター」は、2023年にリニューアル。「育てて食べる」をテーマとした食と農の発信拠点として生まれ変わった。
「ここへ来ると食べ物への印象が変わるはず。例えば、バナナ。バナナって大きな葉が1枚、また1枚と育って、40枚ほどの葉が開いた後に花が咲き、その奥から房状の実が出てくるんです」
覗き込むと、巨大なバナナの房の奥に小指ほどの小さな実がぎっしりと並んでいる。この実もこれから次々と育つそう。写真では見たことがあったが、実物を前にするとバナナの生命力に圧倒される。
「面白いですよね。身近な野菜や果実のことで知らないことって山ほどある。それを知ることで、食べることの意識も自ずと変わっていくと思います」
現代人が直面している食にまつわる問題は多岐に渡る。日本ならば、食品ロスは年間約472万t*1。その一方で貧困に苦しむ子どもは約9人に1人*2と言われている。そんな状況下で“食べることへの意識を変えよう”と聞くと、堅苦しい印象を持つかもしれない。だが、小倉さんの活動のベースにあるのは楽しむ気持ち。軽やかで、ワクワクすること。育てること、食べることとは、本来そうあるべきで、その思いが伝わるからか、館内は子ども連れの家族や休日を楽しむ若者で溢れていた。
渋谷区ふれあい植物センターの温室。バナナやパイナップル、マンゴーなど食べられる果実が育つ。ここで育った野菜や果実は館内のカフェで味わうことができる。
実をつけたバナナ。垂れ下がった花の大きさに驚く。太い茎の脇には、小ぶりの新たな茎が育ち始めていた。
イベント時に開放される植物園の屋上。今は、明治時代に渋谷で栽培されていたという幻の銘茶「渋谷茶」の苗木を育てている。
未来にどんな種を蒔くか
「アーバンファーマーズクラブ」は、“カルティベート・ザ・フューチャー(未来を耕そう!)”のキャッチフレーズを掲げている。近年、取り組んでいる保育園での食育も重要な活動のひとつだ。
「子どもたちのうちの僅かでも、大人になった時に“そういえば昔、メガネのおじさんが渋谷で野菜を作っていたな”と思い出してくれたら嬉しいですよね。中には、都市でも野菜が作れるということを次の世代に伝えてくれる子がいるかもしれない。アーバンファーミングは僕らの世代だけで完成するものではないので、若い世代へバトンを繋いでいけたらと思っています」
植物が種を飛ばすかのように、アーバンファーミングはゆっくりと都市に広がっている。事実、渋谷リバーストリートには野菜を育てるコンテナやビオトープが増えた。これは地域の人々が「僕らもやってみようと思って」と自作したものだ。
「広がっていくことはシンプルに嬉しい。小さなプランターでオーガニック野菜を作ることは、自分の表現としてきっと楽しめる。失敗もすると思うけれど、恐れずにトライすれば、新しい発見が山のようにあるはずです」
アーバンファーミングは「目的」ではなく「手段」だと小倉さん。人と人が繋がったり、食への向き合い方が変わったり、環境問題について考えるきっかけにもなり得る。土に触れ、命が育つ瞬間に目を見張る。その体験は、個々の意識に変化を与え、それが社会全体へと波及していく。都市を耕す農には、そうした可能性が秘められている。
すくすくと育っている「渋谷茶」の苗。活動を始めた頃は「渋谷の在来種を育てるのが目標だった」と小倉さん。アーバンファーミングを通したチャレンジはこれからも続く。
*1農林水産省及び環境省「令和4年度推計」より
*2厚生労働省(2022)「2022(令和4年)国民生活基礎調査の概況」より
内田有佳
編集者・ライター。雑誌、書籍、Webを中心に、ライフスタイルをテーマとした企画・編集・執筆を行う。アートブックの制作にも関わり、編集を担当した図録に『いわさきちひろ生誕100年 Life
Chihiro Iwasaki 100』(ちひろ美術館・東京)がある。
関連動画
Chill Music - KizunaAIと一緒に聴く緑の静けさに包まれる癒しのチルBGM - Keita Kishimoto
今回、代々木公園を舞台とした本作品では、KizunaAIさんとのスペシャルコラボレーションが実現。ご本人からもコメントをいただきました。
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これまでリリースした「かもね」「まざる」「ホワイトバランス」の3曲を、よりゆったりしたエレクトロポップのテイストでアレンジしてもらいましたー!
作業のお供や移動中はもちろん、散歩中とか気分転換したいときにもピッタリな曲になってます!
あと、「気づいた人はすごい!」なポイントがあって、実は活動休止前の楽曲のメロディがマッシュアップされているんです!
そこにも注目して、いろんなシーンで聴いてくれると嬉しいです!
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あわせて、本作品の制作背景の絵コンテも特別に公開します。
アーティスト / バーチャルビーイング
KizunaAI
「それでもつながりたい、あなたを知るために」をテーマに活動するバーチャルビーイングにしてアーティスト。2016年にバーチャルYouTuberの先駆者として誕生し、マルチタレント活動を通じて活躍の幅を広げるも、2022年に無期限活動休止。3年間のスリープ期間を経て、音楽を通じた新たな表現を求めて、2025年2月26日より活動を再開した。休止前は日本のインターネットダンスミュージックを軸としたサウンドを展開。新たなステージでは、そのルーツを大切にしながらも、インディー・バンドサウンドやJ-POPのエッセンスを融合し、新しいJ-POPの形を世界へ提示していく。
A-250403-02
Photo:Tomoyo Yamazaki Text:Yuka Uchida
ご回答ありがとうございます
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