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マシンガンズ滝沢が向き合うハロウィンのごみ問題。気候変動対策の鍵を握るごみの分別

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毎年多くの人が訪れて注目される、渋谷ハロウィン後の大量のごみ投棄問題。そんなハロウィン明けの路上でごみ拾い活動を続けてきたのが、お笑いコンビ・マシンガンズの滝沢秀一さんです。

ごみ清掃員としての情報発信がSNSで注目を浴び、「滝沢ごみクラブ」としてごみの削減活動も行っています。「気候変動という観点からも、ごみを減らすことは重要」と語る滝沢さん。ハロウィン後のごみ拾いで実感した現状や、一人ひとりが意識すべき気候変動対策につながる意識と行動まで、たっぷりお話をうかがいました。

INDEX

お笑い芸人・ごみ清掃員

滝沢秀一(マシンガンズ)

新潟県生まれ、東京都育ち。1998年、相方の西堀亮さんとお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。『THE SECOND ~漫才トーナメント~2023』で準優勝して再び脚光を浴びる。芸人活動のかたわら、2012年からごみ収集会社に就職し、ごみの分別に関する情報をSNSで発信すると大きな反響を呼ぶ。2020年、環境省から任命され「サステナビリティ広報大使」に就任、同年消費者庁「食品ロス削減推進大賞審査委員会委員長賞」を受賞。「一般社団法人ごみプロジェクト」の代表を務めるほか、ごみ削減活動を中心にSNS発信、書籍の執筆、講演など多方面で活躍している。

街が「ごみ箱化」していく。責任者不在のハロウィンのごみ問題

―ハロウィン後のごみ拾い活動を毎年続けてこられた滝沢さんですが、昨年の渋谷の様子はいかがでしたか?

滝沢:昨年は傘のシェアリングサービス「アイカサ」さんと僕の「滝沢ごみクラブ」との共同でごみ拾い活動をしたんですけど、一時期と比べると路上に落ちているごみはずいぶん減りましたね。ポイ捨て自体が減ったかどうかはわからないですが、ごみ拾い活動をする人は確実に増えた印象です。

毎年のようにいろんなメディアで「渋谷ハロウィンのごみ問題」がたくさん取り上げられて、話題になったのは大きかったと思います。問題が周知されることで、解決に向けて動く人がこんなに増えるのかって驚きましたね。

ごみ清掃員として今もごみ回収を続けるマシンガンズ滝沢さん(画像提供:太田プロダクション)

ごみ清掃員として今もごみ回収を続けるマシンガンズ滝沢さん(画像提供:太田プロダクション)

―ごみが減った背景には、ハロウィンの日に渋谷へ訪れる人自体も減ったということでしょうか?

滝沢:渋谷区が「渋谷はハロウィンイベントの会場ではありません」と掲げた2023年から、明らかに減りましたね。逆に、渋谷ハロウィンを避けて新宿に流れた人が多かったようで、昨年は新宿のほうが状況は悲惨だったようです。人が動くとごみも動きますからね。渋谷ハロウィンは変わってきたけど、ほかの都市を見るとハロウィンのごみ問題自体は解決していないと感じます。

―花見や花火大会といったほかのイベントと比べても、ハロウィンで出るごみは問題視されているような印象があります。なにか理由があるのでしょうか。

滝沢:渋谷ハロウィンや新宿ハロウィンは自然発生的なイベントですから、主催者がいないんですよ。後始末の責任を取る人がいないので、一人がごみを道端に捨てると、そのごみがまたほかのごみを呼ぶので、街が「ごみ箱化」していく。監視の目が少ないというのは大きな要因だと思いますね。

たとえば、フジロックのような大型の音楽イベントなどでは、ごみ箱の横に分別を促すスタッフが必ずついていますよね。イベントを開催したり、人を集めたりするとなると、ごみの管理って本来はそこまでしないと成り立たないんです。一方で、ハロウィンは自然発生的に「街に人とごみが集まってしまう現象」で責任者がいない。だからこそ、有志でごみ拾い活動せざるを得ないのが現状ですね。

昨年のハロウィン明けの渋谷で行われた「滝沢ごみクラブ」によるごみ拾い活動の様子

昨年のハロウィン明けの渋谷で行われた「滝沢ごみクラブ」によるごみ拾い活動の様子

日常的に見かける路上のごみと、ハロウィンのごみの共通点

―ごみ拾いをするなかで、「ハロウィンならではのごみ」はありましたか?

滝沢:もちろん仮装の衣装や小道具が捨てられていることはありましたが、ほかは取り立ててハロウィン特有といえるようなごみはありません。どんなときでも路上に落ちているごみは、飲み食い関連とタバコがほとんどです。要はみんな自分の手元にごみを持ちたくないんですよ。

自動販売機の横のリサイクルボックスがいい例でしょう。回収対象ではないコーヒーのプラスチックカップがねじ込まれていて、入らなくなったら今度はボックスの下に置いていく。「そこら辺に置いとけば、誰かが何とかしてくれる」ってみんな思っているんです。ハロウィンのような人の監視の目がない大規模イベントでは、それと同じことが街全体の規模で起こるんだと思います。

また、イベント特有ということでいうと、イスのような粗大ごみが便乗して捨てられていることは結構ありますね。

路上にごみが散乱していた2021年の渋谷ハロウィンの様子(Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images)

路上にごみが散乱していた2021年の渋谷ハロウィンの様子(Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images)

―まさに「人が集まるところにごみは集まる」「ごみがごみを呼ぶ」ですね。こうしたごみ問題はハロウィンに限らず、大規模なイベントにはついてまわる問題といえそうですね。

滝沢:そうなんです。いくら主催者が参加者のごみを管理しても、イベントをするってことはそれに付随してポスターをつくったり、チラシを配ったりと、どうしてもごみが生まれますよね。ものを消費することやごみが出ること自体が悪いわけではないですが、「このごみは本当に必要で生まれたものなのか」「もっと減らすことはできないのか」を考えて社会のシステムをつくる必要があると思います。

ごみの分別は温暖化と気候変動に直結している

―ごみの分別に関する豆知識をSNSで積極的に発信している滝沢さんですが、そもそもごみの分別ってどうして必要なんでしょう?

滝沢:分別はごみを減らすためにあるんです。ごみと資源を区別して、資源は再利用することでごみを減らす。それが分別です。日本のごみの最終処分場の残余年数は、あと24.8年*だといわれています。つまり、約25年後にはごみを埋め立てる場所がなくなっちゃうんですよ。

とはいえ、もともとの試算では、あと十数年といわれていた。それが24.8年に伸びたんですよ。あと十数年しかないといわれていた時代に、全体のごみの中身を精査した結果、じつは一般ごみの約6割は容器か包装関連だったんですね。一般ごみのなかには、まだまだ使えるものがいっぱいあることがわかったんです。

そこで行政を中心に、瓶や缶、ペットボトルとかをきちんと分別してリサイクルしましょうということになった。燃やすと灰になってしまう紙ごみも、雑紙として古紙回収に回せばもう一度紙として生まれ変われる。だから、分別はごみを減らす手段なんです。行政が分別に力を入れるようになってから、日本のごみ処理能力の寿命は十数年から24.8年まで伸びたんです。

*環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度)について」による

滝沢さんはごみの分別や出し方についてのTipsを日々SNSで情報発信している

滝沢さんはごみの分別や出し方についてのTipsを日々SNSで情報発信している

―「分別することで、ごみを減らす」ってそういうことなんですね。では、ごみの削減が気候変動問題にどう影響してくるのでしょう?

滝沢:気候変動という観点からも、ごみを減らすことは重要です。ごみの大半は可燃ごみで、燃やすとCO2が排出されて地球温暖化に直結しますから。

でも、自分の手元から離れたごみがどこに行くかなんて、みんな普段はあまり考えないですよね。例えば、枯葉が可燃ごみとしてよく出されるんですけど、「これって本当に燃やさなきゃいけないのかな」ってたまに思うんですよね。そのまま土に還るものを可燃ごみで出すと灰になって最終処分場が圧迫されるし、エネルギー資源も消費する。

私たちが今日からできる気候変動に対する取組みは何かと言ったら、まずは「自分が出すごみの量を減らすこと」なんじゃないかな。個人でものを買うときにも、「これが要らなくなったとき、どんなごみになるだろうか」「分別や処理に手間がかかったり、焼却にエネルギーを使ったり、環境に負荷をかけるごみにならないだろうか」と、先のことを考える想像力を持ってみてほしいですね。

地道に同じ強さで発信し続ける。ごみ問題を多くの人に届けるために

―滝沢さんがごみに関する情報発信を始めたきっかけはなんですか?

滝沢:ごみの回収をするとき、「なんでこれ分別してくれないんだろう?」って思うことがよくあったんです。たとえば、シャンプーの空き容器。本来はプラスチック資源ごみか、汚れている場合は可燃ごみですが(自治体によっても異なるので要確認)、あるときペットボトル回収の日に捨ててあって。

でも、中を見たらきれいに洗ってあった。たぶん、それを出した人は分別する意思はあるんですよ。ただ知識として正しい分別を知らない。このごみを出した人は、知ってたら正しく分別してくれる気がするなって思ったんです。

もし意図して分別してないとかじゃなくて、知識が足りないだけの人が、ごみの仕組みを知ってくれたら、変わってくれる人もいるんじゃないのかなって思ったんです。それがSNSで発信を始めたきっかけですね。

―届く範囲の人に伝え続けていたら、その範囲が自然と広がっていったんですね。

滝沢:10年以上やってきて気づいたのは、同じレベルのことを同じ強さで継続して発信することが一番大事だということ。

「油がしみついたピザの空き箱は、資源ごみじゃなくて可燃ごみに出してください」という情報なんか、もう10回以上はSNSで言っているんですが、10回目でも「初めて聞きました」って人は必ずいるんですよね。飽きられても、同じ強さで同じことを言い続けていくことは決して無駄ではないんだなって。本当に社会全体に届けるには、地道に続けて、「進化しちゃいけない」というか。

滝沢さんはごみの分別や出し方についてのTipsを日々SNSで情報発信している

滝沢さんはごみの分別や出し方についてのTipsを日々SNSで情報発信している

―「進化しない」というのは?

滝沢:情報発信を続けている身からすると、「ここまでの話はもうみんな踏まえていて、みんな知ってるだろう」とつい思ってしまうから、次のステップの話をしたくなる。

でも、本当にみんなに届けたいなら、われわれがやらなきゃいけないのは同じレベルと同じ強さでずっと伝えていくことなんだと思います。渋谷のハロウィンでは、ごみ問題が周知されたことで実際に翌日に落ちているごみの量がかなり減ってきていますよね。地道でも問題が周知されるように活動を続けることで、実際に動いてくれる人も増えて、改善する問題もあると信じています。

気候変動に対する取組みもそうですけど、みんながちょっとずつやるのが一番いいんですよ。ペットボトル自体が悪いわけではないけど、もし一日1本ペットボトルを買うのをやめてマイボトルを使ったら、1年間で365本。10人集まれば3650本。100人で4万本近くのペットボトルごみを減らせる。削減する意識を持つだけでも違いますよね。

ごみ清掃員として伝えたい、気候変動対策につながる意識と行動

―ほかに、滝沢さんがごみ清掃員として訴えたい、一人ひとりができる「気候変動への取組み」はありますか?

滝沢:これはぜひみなさんに実行してもらいたいのが、生ごみの水分を切ってから捨てることですね。単純な話で、水気がある物を焼却するということは、火に水をぶっかけるようなものなので、火力を強くするために余分に重油を入れて焼かなきゃいけないんです。それに、水分は重いので運ぶときにもガソリンが無駄に消費されます。簡単なことだけど、積み重ねればCO2の削減につながっていくんです。

―ごみ問題は気候変動と構造的に関連する部分がたくさんありますね。社会のシステム全体としての取組みが大事な一方で、すぐに成果は出ないかもしれないけれど、一人ひとりの実践や行動が確実に大きな力につながっていくと、滝沢さんのお話を聞いてあらためて実感しました。

滝沢:そうなんですよね。地球は一つしかないし、資源には限りがある。自分の手放したごみがこのあとどうなるのか、自分の行動がどんな結果につながっていくのか、想像力を持つことがやっぱり大事だと思います。

A-250916-06

取材・執筆:小西麗  写真:鈴木大喜  編集:福田裕介(CINRA, Inc) 

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