“読む気候変動対策”メディア、
Green
Timesについて
-
記事を“読む”だけで森林保全活動の支援につながります
- チューリッヒ保険会社は企業としての排出CO2削減などはもちろん行った上で、気候変動という全人的な問題へ対応するには一人ひとりの理解と参加も重要であると考え、多くの人が気候変動についてよりよく知り参加できる“きっかけ”作りを始めました。
-
- STEP 1
- 「Green Times」の
記事を読む
-
- STEP 2
- 気候変動を考えるきっかけになったか、ボタンで回答
-
- STEP 3
- きっかけになった数に応じて、チューリッヒ保険会社が森林保全活動へ寄付
秋の風物詩として親しまれる紅葉。山々を彩る美しい色づきは、多くの人にとって季節の楽しみの一つです。しかし近年、気候変動の影響などもあり、全国各地で紅葉の時期の遅れや色づきの悪さが見られ、気象庁の観測データでもその傾向が指摘されています。
そういった「秋の風景」に変化が起きているのは、何が原因なのでしょうか。そして、今後もこの美しい季節を楽しみ続けるために、私たちにできることは何があるのでしょうか。
今回は、天気の面白さや魅力を多くの人に知ってもらおうと活動している気象予報士の増田雅昭さんに、紅葉の仕組みや気候との関係をうかがいながら、「秋の風景」の変化について考えてみました。
気象予報士
増田雅昭
1977年、滋賀県甲賀市生まれ。TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業・自治体・個人などへの気象に関するアドバイザーを長年担当。2006年、気象情報会社である株式会社ウェザーマップに所属。より多くの人に、天気の面白さや気象情報の上手な使い方を知ってほしいと、全国各地で講演や出前授業なども積極的に行っている。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図』(ベレ出版)など。
ズバリ、今年の紅葉はいつ頃から始まる?
―まずは平年の紅葉の見頃について、地域別に教えてください。
増田:平年の紅葉の見頃を図にしてみました。
平年の紅葉の見頃
増田:「10月上旬〜12月上旬」と期間が長めに設定されているエリアがありますが、これは標高差や緯度差による影響です。同じエリア内でも「標高が高い場所、より北側に位置する場所」は、早く紅葉が見られます。
―平年と比べて、今年の紅葉の時期には、どのような変化がありそうですか?
増田:2025年の見頃は、まず間違いなくほとんどの地域で遅れるでしょう(※取材は8月中旬に実施)。今夏はかなり気温が高く、おそらく9月や10月初め頃もまだまだ残暑が厳しい状態なので、全体的に平年よりも1週間くらい遅れるのではないかと想定しています。
―たしかに地球温暖化の影響もあり、年々夏の暑さが厳しくなっているように感じます。たとえば10年前と比べると、紅葉の遅れはどれくらい進行しているのでしょうか?
増田:気象庁では「標本木」と呼ばれる観測用の木を各都道府県の気象台で定め、それが全体的に色づいたら「紅葉日」として長年観測しています。この紅葉日の全国平均を取ると、10年間で3日、色づきが遅くなっています(※1)。
私の実感でいうと、天気の仕事を始めた2000年頃は「今年の紅葉の色づきは平年並みです」とお伝えしていた頻度が高かったなと。一方で近年は毎年のように「平年より遅い」「かなり遅い」と言っていますね。そのため、近年に絞ると、色づきはじめはもっと遅くなっているでしょう。
―ちなみに、長年天気に携わっている増田さんの、おすすめの紅葉スポットがあれば、ぜひ教えてください。
増田:去年11月に電車で東北地方を縦断する機会があったのですが、そのときに車窓から見た紅葉の美しさがいまでも強く印象に残っています。
やはり秋に早く寒くなる地域の樹々は色づきがいいなと感じましたし、この季節に在来線で東北の山々のあいだを縫ってゆっくり走っていくのは、それだけで素晴らしい観光になるなと思いましたね。
特定のスポットとしては、群馬県の「東洋のナイアガラ」といわれる吹割の滝がオススメです。水辺の近くは葉っぱがつねに潤っているので、紅葉がきれいに見える傾向にあります。
増田:豪快な滝の音を楽しみながら、目の前には鮮やかな紅葉が広がるという、「静と動」を一緒に味わえる空間でとても見応えがありました。
台風も紅葉の見頃と関係がある?
―そもそも、紅葉の見頃は何が原因で変動しているのでしょうか?
増田:最も大きな要因は、気温の変化ですね。紅葉は秋の冷え込みによって色づきがスタートします。具体的には、最低気温が8℃以下になる日が数日現れると、樹々が色づく準備に入り、さらに気温が下がる日も増えてくるとどんどん鮮やかに色づいていく、というメカニズムです。ですから、気温の下がるタイミングが遅れるほど、紅葉の色づきも遅くなるんですね。
気温以外の要素でいうと、日照時間や降水量も影響します。夏のあいだに葉っぱが十分な光合成を行えていないと色づきにくくなるので、その年の夏の天気が不順だと紅葉は鮮やかさが減る傾向にあります。
増田:ただ、あまりに晴れの日が多すぎると、「葉焼け」を起こして色づかなくなったり、生長に必要な水分を確保するために葉っぱを落としたりするので、極端に雨が少ないと迫力に欠ける紅葉になってしまうかもしれません。
あと、じつは台風も紅葉に関連が深いんです。近年は日本に近づいても衰えにくい台風が増えていますが、これは温暖化による海水温の上昇が原因だと考えられています。
台風は海からの塩気を含んだ風や雨を内陸まで運び込みます。それが山や木にかかると葉っぱが枯れる原因になりますし、強風で枝が折れたり、葉が擦れてダメージを与えたりするので、紅葉にとってはマイナスに働くことが多いんです。
このまま温暖化が進むと、紅葉がなくなるかも……?
―このまま気候変動が進んでいくと、紅葉にどんな変化が出てくるでしょうか?
増田:ほぼ確実と言っていいと思いますが、紅葉の時期はさらに遅くなるでしょう。関東から西の各地では、「クリスマスに紅葉の見頃が来る」なんてことも現実的になってきますね。
先ほどもお話ししましたが、気象庁の観測データでは紅葉の見頃が「10年で3日」遅くなっているので、単純計算だと「50年で15日」です。ただ、近年の気温上昇の加速傾向を考えると、見頃の遅延はもっと早く進行するでしょう。
これは極端な話ですが、もし最低気温が8℃以下に下がる日がいまよりグッと少なくなったら、色づくタイミングがないまま葉っぱも枯れてしまいます。そうなると、場所によっては「今年は紅葉が見られなかったね」なんて話も出てくるかもしれません。
増田:紅葉が見られなくなるリスクは、気温が下がりやすい山間部よりも平野部のほうが高いです。また、日本で一番大きい関東平野、特に関東南部の海に近いエリアは比較的温暖ですし、東京の都市部は「ヒートアイランド現象」の影響で気温が下がりにくい場所になっています。
これらを踏まえると、将来的に「東京から紅葉が消えた!?」なんてニュースが出てくることもあり得ますね。そうならないことを祈るばかりですが……。
―紅葉は昔から「秋の象徴」として日本の文化に根ざしてきたものでしたが、それもこれから変わってきてしまいそうですね。
増田:おっしゃるとおりで、じつはそういった気候変動による文化の変化が「桜に関する楽曲」に顕著に現れているんですよ。
昭和の頃までは、桜の描写が入る歌では「出会い」を歌うものも多かったのですが、ここ最近では「別れ」を結びつけている歌のほうがヒットしています。これは、桜の開花時期が入学式など新しい環境に入る4月から、卒業式などが行われる3月へと早まったからこその変化なのでは……と私は推測しています。
同じような変化が、今後「紅葉」でも起こることは十分に考えられますね。20年後には「クリスマスに一緒に紅葉を見た」「紅葉とともに年越し」なんてことが歌われているかもしれません。
増田:大前提として、このまま温暖化が進んでいけば、基本的には夏が前にも後ろにも長くなります。そうすると、いままで私たちが当たり前に感じていた「四季」という区分けも、あまり意味がなくなってくる可能性もあります。それは少しもの寂しく感じますね。
紅葉を楽しみ続けるために、私たちができることは?
―今後も紅葉が楽しめるよう、増田さんが心がけている日々の行動はありますか?
増田:天気予報をフル活用することです。その日の天気・気温に的確に合わせた生活をすることが省エネにつながります。
たとえば、その日の時間ごとの気温に合わせた格好をすると、家の中にいるときも過度に冷暖房へ頼らないで過ごせます。暑い夜でも「今晩はこのあと23時以降に気温がグッと下がる」と知っていれば、エアコンをつけなくても済むわけです。
昨今の天気予報は1時間ごとの気温の変化も確認できますし、精度もかなり正確です。それを参考にして、服装選びやエアコンの調整をすると、よりエコな生活ができます。
―天気予報を見ることも、エコを意識するきっかけにつながるんですね! 最後に、「紅葉を見に行ったときに心がけるべきエコなアクション」についても教えてください。
増田:ぜひ、訪れた場所で「地産地消」を意識してみてください。現地の名産、現地でとれた農産物や水産物をいただくことで、輸送に使うエネルギーが軽減され、結果的にCO2の排出量削減、ひいては温暖化の防止につながります。
もう一つは「近場で紅葉スポットを発見して楽しむこと」です。近所を探してみると、きっと美しい紅葉スポットが見つかるはず。紅葉を見に遠出をするのもいいですが、身近なところで見る人が増えることで、社会全体の移動によるエネルギー消費も減って、結果的にCO2削減になります。
近場の紅葉スポットであれば、毎年の色づきを定点観察することもできて「今年の紅葉は早いな、遅いな」という変化にも気づけるでしょう。そうやって自然の変化に関心が持てるようになると、エコなアクションを取ろうというモチベーションもわきやすくなると思いますよ。
A-250904-02
取材・執筆:西山武志 イラスト:森優 編集:森谷美穂(CINRA, Inc.)
ご回答ありがとうございます
この記事は気候変動について
考える“きっかけ”になりましたか?
気候変動について考えるあなたへ
チューリッヒ保険会社のスーパー自動車保険は「カーボンニュートラル自動車保険」です。契約者数に応じて森林保全活動を行う団体へ寄付を行うほか、あなたのお車が排出するCO2をご自身で任意にオフセット(相殺)することもできます。
自動車保険をご検討の際には、“気候変動対策になる自動車保険”という選択肢も。
- カーボンニュートラル自動車保険
- 詳しくはこちら