公開日:2025年9月30日
自転車の盗難被害は年々増加傾向にあります。警察庁が発表した「令和6年の犯罪情勢」によると、2024年の自転車盗難は17万4,020件と、前年比6.0%の増加となりました。
交通手段として自転車を利用している方にとっては、盗難のリスクも決して他人事ではありません。
自転車の盗難は火災保険の「家財」の補償対象となります。ただし、すべての契約で補償されるわけではないため、まずは契約内容や条件を確認することが大切です。
火災保険は、火事や地震・台風などの自然被害だけでなく、盗難による被害の補償も受けられます。ただし、自転車の盗難に対する補償を受けるには、以下の条件を満たしている必要があります。
加入している火災保険が「家財」を補償対象としていることが前提です。火災保険の補償対象は「建物」と「家財」のいずれか、または両方を選べます。自転車は「家財」に含まれるため、家財への補償が付いていれば、盗難被害にあった際に補償を受けられる可能性があります。
自転車の盗難が補償されるのは、補償対象となる保管場所に駐輪していた場合に限られます。
たとえば、チューリッヒのネット火災保険では、自宅敷地内※での盗難や空き巣による被害は補償対象ですが、マンションの共用駐輪場や駅の駐輪場など、自宅敷地外での盗難は補償されません。
※車庫などの付属建物を含みます。
たとえ家財補償が含まれる火災保険に加入しており、施錠していた場合でも、自宅敷地外での盗難は補償対象外となります。補償対象となる保管場所は、火災保険のパンフレットや約款などで確認しておきましょう。
火災保険の補償対象となる自転車が盗難被害にあった場合、支払われる保険金の上限は、契約時に設定した「家財」の保険金額です。
実際の支払い額は、盗難による損害の補償にあたり、盗まれた自転車と同等の構造・質・用途・規模・型・能力を持つものを再取得するために必要な金額に基づいて算出されます。
また、火災保険には「免責金額」が設定されていることもあります。免責金額とは、保険金の支払い時に契約者が自己負担する金額のことです。たとえば、免責金額が1万円に設定されている場合、再取得費用が5万円であっても、支払われる保険金は4万円となります。
なお、チューリッヒの場合は免責金額の設定はありません。
自転車本体の盗難だけでなく、以下のような被害も火災保険の補償対象となる場合があります。
自転車のサドルやペダル、タイヤなど、パーツの一部だけが盗まれた場合でも、火災保険の補償対象となることがあります。
自転車だけでなく、原動機付自転車が盗まれた場合も、火災保険で補償されます。
自転車の盗難被害における火災保険の保険金請求の流れは以下のとおりです。
自転車の盗難被害にあった場合は、すみやかに最寄りの警察署や交番に被害届を出しましょう。届出には以下の書類などが必要です。
警察に被害届を提出すると、1週間程度で「受理番号」が発行されます。受理番号は保険金を請求する際に必要になるため、大切に保管しておきましょう。
警察への届出を行った後、加入している火災保険が家財(自転車)の盗難被害に対応しているかを確認します。補償の対象となっている場合は、保険会社に連絡し、自転車が盗難被害にあった旨と「受理番号」を伝えましょう。
警察への被害届の提出と「受理番号」をもって事実認定が行われます。
保険金の請求にあたって、保険会社から案内された必要書類を提出します。
自転車の型番が記載された書類がない場合でも、メーカー名や購入時期、購入金額などの情報を伝えることで金額認定が行われます。
必要書類提出後、保険会社から支払われる保険金についての説明を受けます。不明点がある場合は、このタイミングで確認しておきましょう。
請求手続きが完了したら、契約者の指定口座に保険金が支払われます。
盗難にあった自転車が見つかった場合は、まず警察へ連絡し、盗難手配の解除などの手続きを行いましょう。警察から発見の連絡を受けた際は、印鑑を持参のうえ、連絡のあった警察署へ出向いて返還手続きを行います。
火災保険の保険金を受け取った場合、自転車の所有権は通常、保険会社に移りますが、保険金を返還すれば、所有権を契約者に戻すことができます。
自転車の盗難リスクに備える方法のひとつとして、「自転車盗難保険」という専用の保険も存在します。盗難だけでなく、事故による損傷にも対応するプランもあるなど、自転車に関する補償の幅が広いことが特長です。ただし、こうした保険は比較的限られたケースで利用されており、自転車の盗難を特に懸念する方に向けた、やや特別な選択肢といえるでしょう。
火災保険に加入していない場合や、自転車の事故にも備えたいときは、選択肢のひとつになります。なお、チューリッヒでは自転車盗難保険の取扱いはありません。
自転車の盗難被害を防ぐためには、防犯登録をすることに加えて、日ごろからの対策も重要です。ここでは、効果的な盗難防止策をご説明します。
盗難被害にあった自転車は、鍵がかかっていないケースが多く見られます。自転車を駐輪する際は、鍵をかけることを徹底しましょう。ワイヤーロックやU字ロックなどを活用して、前輪と後輪の両方に鍵をかける対策も有効です。また、自宅敷地内であっても忘れずに施錠しておくことが大切です。
自宅で自転車を保管する際は、ガレージや外から見えにくい場所に駐輪するのが望ましいです。庭など外部から見える場所は盗難リスクが高まるため避けましょう。
外出時は路上ではなく、できるだけ駐輪場を利用しましょう。防犯カメラが設置されている駐輪場や、管理人が常駐している場所を選ぶことで、盗難のリスクを下げられます。
自宅で駐輪する場合、敷地内に柱などがあれば、自転車と柱をワイヤーロックなどで固定するのも有効です。これにより自転車をそのまま持ち去られるリスクを減らせます。
ただし、路上の標識やガードレール、フェンスなど、公共物や他人の所有物にくくり付けることはやめましょう。
サドルロックは、自転車のサドルと本体をワイヤーで結ぶものです。サドルだけを盗まれる被害も発生しているため、サドルロックを使用することでパーツの盗難を防げます。
自転車に紛失防止タグを取り付け、スマートフォンと連携しておくと、GPSによる位置情報の確認や、一定距離が離れた際の通知機能などが利用できます。
ただし、盗難者が紛失防止タグを取り外したり、バッテリーが切れて使えなくなったりすることも考えられます。そのため、盗難防止というよりも、万が一盗難にあった際の追跡手段のひとつとして有効な方法です。
自転車の盗難被害は火災保険で補償される場合がありますが、補償内容や自転車の保管状況などによって異なります。すべての火災保険で家財が補償対象となっているわけではないため、まずは自分が加入している保険の補償内容を確認してみましょう。
また、盗難被害にあった際には、警察への届け出も忘れずに行いましょう。保険金の請求には警察で発行された「受理番号」が必要なため、早めの対応が大切です。
チューリッヒのネット火災保険では、家財の盗難が基本補償に含まれています。自宅や敷地内で保管していた自転車が盗まれた場合など、万が一の際には補償を受けられるため、心強い備えとなるでしょう。
火災保険に加入していても、自転車が盗難されれば、警察や保険会社への連絡といった手間が発生します。そのため、まずは自転車が盗まれないよう、保管場所の工夫や強固な施錠など、盗難対策を合わせて行うことが大切です。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災保険で自転車の盗難補償を受けられる条件は、主に以下の2つです。
・「家財」が補償対象である
・補償対象となる保管場所に駐輪している
詳細は「火災保険で自転車の盗難が補償される2つの条件」をご覧ください。
まずは警察署や交番へ行き、被害届を提出しましょう。そのうえで、加入している火災保険が自転車の盗難に対応しているか、補償内容を確認します。補償対象となる場合は保険会社に連絡し、必要書類や今後の対応について確認してください。
ダイレクト型だからお手頃な保険料