公開日:2025年5月15日
地震保険の保険料は、設定する保険金額や建物の構造、建物の所在地、割引制度、保険期間などさまざまな要素によって決まります。保険料を決める要素や保険料を抑えるポイント、保険金額の決まり方についてもあわせてご説明しますので、ぜひ参考にしてください。
地震保険とは、地震や噴火、またはこれらによる津波を原因とする火災や損壊、埋没、流失による被害を補償する保険です。
補償対象は「建物」と「家財」で、地震による建物の倒壊や火災、津波による建物や家財の流失などのリスクに備えられます。地震による建物や家財の損害は、予測が困難で想定外の大規模な損害となる可能性があるため、火災保険では補償されません。そのため、リスクに備えるには、地震保険への加入が必要です。
地震保険は火災保険とセットで加入する保険であり、「火災保険はA社、地震保険はB社」といったように地震保険のみを契約できません。なお、火災保険に加入していれば、契約期間中でも地震保険に加入できます。
地震による直接的な被害だけでなく被災後の生活再建のためにも、地震保険は必要です。
日本では、今後30年間に震度6弱以上の揺れが発生する確率が高く、ほとんどの地域で地震のリスクがあるといわれています。特に、一戸建てやマンションを住宅ローンで購入し、ローンの残債が多く残っている場合は必要性が高いといえるでしょう。
地震で住宅が損壊して住めなくなっても、住宅ローンの返済がなくなるわけではありません。さらに、住宅を建て直す場合は、地震発生前の住宅ローンと新たな住宅ローンの両方を負担することになります。地震保険に加入していれば、保険金を住宅ローンの返済に充てることが可能です。
なお、損害保険料率算出機構によると、火災保険を契約している方のうち、地震保険を契約している方の割合は年々増加傾向にあり、2023年時点では69.7%とされています。
地震保険は、政府と民間の保険会社が共同で運営している公共性の高い保険で、地震などによる被災者の生活の安定に寄与することを目的としています。
地震は予測が難しく、損害が非常に大きくなることから、保険会社が引受けた契約の一部または全部の補償を政府が負う「再保険」というしくみになっています。
地震保険は「地震保険に関する法律」に基づいて運営されており、保険会社による補償内容や保険料の違いはありません。
以下で、さまざまなシミュレーション結果をご説明します。
【共通の試算条件】
| 地域 | 構造 | 割引 | 保険料(5年間) | |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | ロ構造 (主として木造建物※1) |
建築年割引 (10%) |
建物 | 260,850円 |
| 家財 | 43,480円 | |||
| 大阪府 |
イ構造 (主として鉄骨・コンクリート造建物) |
耐震診断割引 (10%) |
建物 | 73,650円 |
| 家財 | 12,280円 | |||
| 福岡県 |
イ構造 (主として鉄骨・コンクリート造建物) |
免震建築物割引 (50%) |
建物 | 25,800円 |
| 家財 | 4,300円 | |||
| 宮城県 |
ロ構造 (主として木造建物※1) |
耐震等級割引 耐震等級2 (30%) |
建物 | 96,300円 |
| 家財 | 16,050円 | |||
| 愛知県 |
ロ構造 (主として木造建物※1) |
割引なし | 建物 | 137,550円 |
| 家財 | 22,930円 | |||
※1 「耐火建築物」、「準耐火建築物」および「省令準耐火建物」などに該当する場合は「イ構造」となります。
※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の保険料は異なります。
このように、地震保険の保険料は、地震保険の保険金額や建物の構造、住んでいる地域、契約期間などによって異なります。金額は、日本損害保険協会などが提供するシミュレーションツールで試算が可能です。
地震保険の保険料は、以下の要素から算出されます。
地震保険の保険料は、建物の構造や所在地(都道府県)ごとに定められた「基本料率」をもとに計算されます。免震・耐震性能に応じた割引が適用される場合はその割引率が反映され、長期契約(2〜5年)の場合は年数に応じて割引かれる長期係数が適用されるしくみです。
地震保険では、建物の構造区分を「イ構造」と「ロ構造」の2つに区分します。
木造住宅は、地震の揺れによる損壊や火災による焼失のリスクが高いため、鉄骨造やコンクリート造の建物に比べて保険料が高くなります。なお、木造住宅であっても、耐火建築物、準耐火建築物、省令準耐火建物などに該当する場合は「イ構造」に分類されます。
地震が発生するリスクは地域によって異なります。そこで、地震保険では地震発生リスクの違いを保険料率に反映させるため、以下の図のように、リスクに応じて3つの等地に区分しています。
※保険始期日が2022年10月1日以降の契約に適用されます。
出典:損害保険料率算出機構「2023年度_火災保険・地震保険の概況」をもとに作成
※2025年1月執筆時点
たとえば、北海道や福岡県、広島県など1等地に分類される地域は、東京都や静岡県、高知県など3等地に分類される地域に比べて保険料が安くなる傾向です。都道府県・建物構造ごとの地震保険の保険料は、以下のとおりです。
| 都道府県 |
イ構造 (主として鉄骨・コンクリート造建物等) |
ロ構造 (主として木造建物等※) |
|---|---|---|
| 北海道 | 7,300 | 11,200 |
| 青森県 | 7,300 | 11,200 |
| 岩手県 | 7,300 | 11,200 |
| 宮城県 | 11,600 | 19,500 |
| 秋田県 | 7,300 | 11,200 |
| 山形県 | 7,300 | 11,200 |
| 福島県 | 11,600 | 19,500 |
| 茨城県 | 23,000 | 41,100 |
| 栃木県 | 7,300 | 11,200 |
| 群馬県 | 7,300 | 11,200 |
| 埼玉県 | 26,500 | 41,100 |
| 千葉県 | 27,500 | 41,100 |
| 東京都 | 27,500 | 41,100 |
| 神奈川県 | 27,500 | 41,100 |
| 新潟県 | 7,300 | 11,200 |
| 富山県 | 7,300 | 11,200 |
| 石川県 | 7,300 | 11,200 |
| 福井県 | 7,300 | 11,200 |
| 山梨県 | 11,600 | 19,500 |
| 長野県 | 7,300 | 11,200 |
| 岐阜県 | 7,300 | 11,200 |
| 静岡県 | 27,500 | 41,100 |
| 愛知県 | 11,600 | 19,500 |
| 三重県 | 11,600 | 19,500 |
| 滋賀県 | 7,300 | 11,200 |
| 京都府 | 7,300 | 11,200 |
| 大阪府 | 11,600 | 19,500 |
| 兵庫県 | 7,300 | 11,200 |
| 奈良県 | 7,300 | 11,200 |
| 和歌山県 | 11,600 | 19,500 |
| 鳥取県 | 7,300 | 11,200 |
| 島根県 | 7,300 | 11,200 |
| 岡山県 | 7,300 | 11,200 |
| 広島県 | 7,300 | 11,200 |
| 山口県 | 7,300 | 11,200 |
| 徳島県 | 23,000 | 41,100 |
| 香川県 | 11,600 | 19,500 |
| 愛媛県 | 11,600 | 19,500 |
| 高知県 | 23,000 | 41,100 |
| 福岡県 | 7,300 | 11,200 |
| 佐賀県 | 7,300 | 11,200 |
| 長崎県 | 7,300 | 11,200 |
| 熊本県 | 7,300 | 11,200 |
| 大分県 | 7,300 | 11,200 |
| 宮崎県 | 11,600 | 19,500 |
| 鹿児島県 | 7,300 | 11,200 |
| 沖縄県 | 11,600 | 19,500 |
※2022年10月1日以降保険始期の地震保険契約
※出典:財務省「地震保険の基本料率(令和4年10月1日以降保険始期の地震保険契約)」
※2025年1月執筆時点
地震保険では、一定の基準に基づく建築年または耐震性能を満たしている場合、耐震性能を備えた建物とこれに収容される家財に割引が適用されます。割引制度を受けるには、「住宅性能評価書」などの適用条件を満たしていることがわかる書類の提出が必要です。
地震保険の割引制度と割引率は、以下のとおりです。
| 割引制度 | 割引率 | 適用条件 | |
|---|---|---|---|
| 免震建築物割引 | 50% | 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の「免震建築物」に該当している | |
| 耐震等級割引 | 耐震等級3 | 50% |
|
| 耐震等級2 | 30% | ||
| 耐震等級1 | 10% | ||
| 耐震診断割引 | 10% | 耐震診断または耐震改修により、建築基準法の耐震基準を満たしている | |
| 建築年割引 | 10% | 1981年6月1日以降に新築されたものである | |
※財務省「地震保険制度の概要」内「割引制度」をもとに作成
※2025年1月執筆時点
なお、それぞれの割引を重複して利用することはできません。
地震保険の保険期間は短期(1年)または長期(2〜5年)を選べます。長期契約で保険期間分の保険料を一括払いする場合は、保険期間に応じた長期係数が適用されます。
| 保険期間 | 長期係数 |
|---|---|
| 2年 | 1.90 |
| 3年 | 2.85 |
| 4年 | 3.75 |
| 5年 | 4.70 |
※出典:財務省「地震保険制度の概要」
※2025年1月執筆時点
設定する保険金額や建物の構造、所在地、適用される割引が同じ場合、保険期間が長くなるほど保険料が安くなります。
割引制度を活用したり、長期契約で一括払いをしたりすることで、地震保険の保険料を抑えることが可能です。
たとえば築年数の古い住宅に住んでいる方は、耐震診断または耐震改修により建築基準法の耐震基準を満たすことができた場合、耐震診断割引が適用され、保険料が10%割引になります。また、地震保険は1年契約を繰り返すよりも、長期契約で一括払いするほうが保険料の総額を抑えられます。
「地震保険料控除制度」とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に支払った保険料の金額に応じて、5万円を上限に課税所得から控除できる制度のことです。地震保険料控除を活用すれば、節税効果が期待できます。
チューリッヒで地震保険をご契約いただいている方には、毎年10月中旬以降に「地震保険料控除証明書」を自宅住所に郵送しています。「給与所得者の保険料控除申告書」に添付し、勤務先に提出してください(年末調整)。
地震保険の保険金額は、契約時に設定した金額を上限に、建物と家財それぞれの損害の程度によって決まります。
契約時に設定する地震保険の保険金額は、あわせて契約する火災保険の保険金額の30〜50%の範囲内で設定しなければなりません。
たとえば、火災保険で建物3,000万円、家財500万円で契約している場合、建物の保険金額は900万円から1,500万円、家財は150万円から250万円の範囲で設定できます。
ただし、設定できる保険金額には上限があり、建物は5,000万円、家財は1,000万円までとなっています。
地震保険の保険金は、建物や家財の損害の区分に応じて支払われます。損害の区分と支払われる保険金額は、以下のとおりです。
| 損害の程度 | 支払われる保険金額 |
|---|---|
| 全損 |
地震保険の保険金額の100% (時価額が限度) |
| 大半損 |
地震保険の保険金額の60% (時価額の60%が限度) |
| 小半損 |
地震保険の保険金額の30% (時価額の30%が限度) |
| 一部損 |
地震保険の保険金額の5% (時価額の5%が限度) |
※財務省「地震保険制度の概要 」内「保険金の支払」をもとに表作成
たとえば、地震保険で建物の保険金額を5,000万円で契約している場合に、地震によって建物が「全損」と認定されると、保険金額の範囲内で時価額全額が支払われます。
ただし、いずれの区分にも該当しない場合、保険金は支払われません。
以下のケースで保険金が支払われます。
| 建物の補償例 | 家財の補償例 |
|---|---|
|
|
地震による建物の火災や倒壊、津波による建物の流失などの被害にあった場合、火災保険では補償されません。地震による被害を受けた際、保険金を受け取っていち早く生活を建て直すためにも、地震保険に加入しておくと安心です。
地震保険の保険料は、できる限り低く設定するよう法律で定められており、保険会社による保険料や補償内容の違いはありません。なお、地震保険は火災保険とセットで加入する必要があります。地震保険、火災保険の加入を希望される方は、チューリッヒのネット火災保険をご検討ください。
地震保険も火災保険と同様、建物と家財のそれぞれに加入する必要があります。仮に建物の地震保険のみ加入している状態で地震が発生し、建物が全壊した場合、建物は補償されますが家財は補償されません。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
地震による建物の損害が「全損」と認定された場合は、保険金額の範囲内で時価額全額が支払われます。たとえば、地震保険の契約金額が建物1,000万円の場合、1,000万円を保険金として受け取れます。
地震保険の保険料は、建物の構造や住んでいる地域、適用する割引制度などにより異なります。たとえば、東京の木造建物で、建物の保険金額を1,500万円に設定し、建築年割引を適用して5年分一括払いで契約した場合の地震保険料は260,850円です。
一般的に、地震保険は月払いができず、年間払いまたは一括払いとなります。
ダイレクト型だからお手頃な保険料