更新日:2026年10月14日
公開日:2025年8月20日
地震保険の保険料や補償内容を決める基準は法律で定められているため、保険会社による違いはありません。政府と民間の保険会社が「地震保険に関する法律」に基づき、共同で運営しているためです。
ただし、実際の保険料は、設定する保険金額や建物の構造、所在地、割引制度、保険期間など、さまざまな要素によって変わります。地震保険の保険料を決める要素や保険料を抑えるポイント、保険金額の決まり方などをご説明します。
地震保険は火災保険とセットで加入するしくみです。そのため、正確な保険料を知りたい場合は、契約する保険会社の見積りページなどで、火災保険とあわせた保険料を試算することになります。
なお、一般的には全体の合計保険料の他に地震保険の保険料が表示されるので、地震保険の保険料を把握できます。
全体の合計保険料しか表示されない場合には、地震保険を付けた場合と付けない場合の保険料の差から、地震保険料を把握できます。
構造級別に、保険期間5年の地震保険の保険料例を見てみましょう。
| 構造級別 | M構造(マンション構造) T構造(耐火構造) |
H構造(非耐火構造) |
|---|---|---|
| 地震保険の構造 | イ構造 | ロ構造 |
| 所在地 | 東京都 | 東京都 |
| 地震保険の保険金額 | 建物:1,000万円 家財: 400万円 |
建物:1,000万円 家財: 400万円 |
| 地震保険の保険料 | 建物:116,300円 家財: 46,520円 (1年あたり 32,564円) |
建物:173,900円 家財: 69,560円 (1年あたり 48,692円) |
[ 表に記載のない契約内容・条件等(共通)]
保険始期日:2026年8月1日│保険期間:5年│保険料払込方法:一括払い│建築年月:2023年12月(建築年割引適用)│
地震保険の保険料は、建物の構造や所在地などによって大きく異なります。地震保険の保険料の決まり方については、「地震保険の保険料を決める要素」で詳しくご説明しています。
チューリッヒのネット火災保険では、建物の状況にあわせた保険料の見積りが可能です。
地震保険の保険料の目安はシミュレーションで確認できますが、提示された金額の根拠や負担を抑えるポイントを理解するためには、まず地震保険のしくみを把握しておきましょう。
地震保険とは、地震や噴火、またはこれらによる津波を原因とする火災や損壊、埋没、流失による被害を補償する保険です。補償対象は「建物」と「家財」であり、万が一の甚大な被害に備えられます。
地震や噴火、津波による損害は原則として火災保険の補償対象外となるため、これらのリスクに備えるには地震保険への加入が必要です。
地震保険は火災保険に付帯する形で加入する保険であり、「火災保険はA社、地震保険はB社」や「地震保険のみを単独で契約する」といった契約はできません。すでに火災保険に加入している場合でも、契約期間の途中で地震保険を付帯することは可能です。その場合、保険期間は火災保険の満期日にあわせて設定されます。
見積書や保険証券では、火災保険料と地震保険料それぞれの保険料が表示されますが、請求や支払いは火災保険とあわせて行われるのが一般的です。
地震保険は「地震保険に関する法律」に基づいて運営されており、保険会社による補償内容や保険料の違いはありません。
また、地震は予測が難しく、損害が巨額となるおそれがあることから、民間の保険会社の負担を超える部分を政府が引き受ける「再保険」というしくみが採用されており、大規模災害にも対応できるようになっています。
地震保険の保険料は、契約する保険金額に、建物の構造や所在地で決まる地震保険の料率を掛けて算出されます。なお、地震保険の料率には、免震・耐震性能に応じた割引や、長期一括払契約(2〜5年)に適用される長期係数が反映されます。
このように、地震保険料は複数の要素によって決まります。ここでは、保険料に影響する以下4つの要素についてご説明します。
地震保険では、建物の構造区分は「イ構造」と「ロ構造」の2つに分けられ、この区分はセットで契約する火災保険の構造級別に基づいて決まります。
たとえば、火災保険の構造区分がM構造やT構造の場合は地震保険で「イ構造」に、H構造の場合は「ロ構造」に該当します。木造住宅であっても、建築基準法上の耐火建築物・準耐火建築物、または住宅金融支援機構が定める基準に適合する省令準耐火建物に該当する場合は、火災保険でM・T構造などに分類され、その結果「イ構造」となります。
なお、木造住宅は地震による損壊や火災による焼失のリスクが高いため、鉄骨造やコンクリート造に比べて保険料が高くなるのが一般的です。一方、マンション(共同住宅)は鉄筋コンクリート造などの非木造が多く、一般的に一戸建てよりも地震保険料が抑えられる傾向があります。
建物の構造区分は、設計仕様書・設計図面・住宅性能評価書・建築確認申請書などで確認できます。不明な場合は施工業者や住宅メーカーなどに確認してください。
地震が発生するリスクは地域によって異なります。そのため、地震保険ではリスクの違いを保険料率に反映させるため、以下の図のようにリスクに応じて3つの等地に区分しています。
※保険始期日が2022年10月1日以降の契約に適用されます。
出典:損害保険料率算出機構「2024年度_火災保険・地震保険の概況」をもとに作成
※2026年4月執筆時点
たとえば、北海道や福岡県、広島県などの1等地に分類される地域は、東京都や静岡県、高知県などの3等地に分類される地域に比べて、保険料が抑えられる傾向があります。
都道府県・建物構造ごとの地震保険の保険料は、以下のとおりです。
保険金額1,000万円あたり保険期間1年につき
| 等地 | 都道府県例 | イ構造 (主として鉄骨・コンクリート造建物等) |
ロ構造 (主として木造建物等※) |
|---|---|---|---|
| 1等地 | 北海道 | 7,300円 | 11,200円 |
| 1等地 | 栃木県 | 7,300円 | 11,200円 |
| 1等地 | 京都府 | 7,300円 | 11,200円 |
| 1等地 | 福岡県 | 7,300円 | 11,200円 |
| 2等地 | 宮城県 | 11,600円 | 19,500円 |
| 2等地 | 愛知県 | 11,600円 | 19,500円 |
| 2等地 | 大阪府 | 11,600円 | 19,500円 |
| 2等地 | 沖縄県 | 11,600円 | 19,500円 |
| 3等地 | 茨城県 | 23,000円 | 41,100円 |
| 3等地 | 埼玉県 | 26,500円 | 41,100円 |
| 3等地 | 東京都 | 27,500円 | 41,100円 |
| 3等地 | 神奈川県 | 27,500円 | 41,100円 |
| 3等地 | 静岡県 | 27,500円 | 41,100円 |
※「耐火建築物」、「準耐火建築物」および「省令準耐火建物」等に該当する場合は「イ構造」となります。
※2022年10月1日以降保険始期の地震保険契約
※出典:財務省「地震保険の基本料率(令和4年10月1日以降保険始期の地震保険契約)」
※2026年4月執筆時点
地震保険では、一定の基準に基づく建築年または耐震性能を満たしている場合、対象となる建物およびこれに収容される家財に割引が適用されます。
各割引の適用条件は以下のとおりです。
| 割引制度 | 割引率 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 免震建築物割引 | 50% | 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の 「免震建築物」に該当している |
| 耐震等級割引 | 耐震等級3:50% 耐震等級2:30% 耐震等級1:10% |
日本住宅性能表示基準に定められた耐震等級1、2、3に該当している または、国土交通省の指針に基づく耐震等級を有している |
| 耐震診断割引 | 10% | 耐震診断または耐震改修により、建築基準法の耐震基準を満たしている |
| 建築年割引 | 10% | 1981年6月1日以降に新築されたものである |
※財務省「地震保険制度の概要」内「割引制度」をもとに作成
※2026年4月執筆時点
割引制度を受けるには、「住宅性能評価書」など、適用条件を満たしていることが確認できる書類の提出が必要です。建物の免震・耐震性能は、以下のような書類で確認できます。
これらの書類に記載された耐震等級や評価内容をもとに、割引の適用可否が判断されます。
なお、複数の割引に該当した場合、それぞれの割引が重複して適用されることはなく、最も割引率が大きい割引のみが適用されます。
地震保険の保険期間は、短期(1年)または長期(2〜5年)のいずれかとなります。火災保険契約が長期一括払である場合、地震保険について、同じ長期一括払にするか、1年ごとの自動継続にするかを選択できることがあります。ここで長期一括払を選択した場合は、保険期間に応じた長期係数が適用されます。
| 保険期間 | 長期係数 |
|---|---|
| 2年 | 1.90 |
| 3年 | 2.85 |
| 4年 | 3.75 |
| 5年 | 4.70 |
※出典:財務省「地震保険制度の概要」
※2026年4月執筆時点
たとえば、保険期間5年の場合、1年ごとの自動継続ではトータル(5年分)で年間保険料の5倍の金額がかかりますが、長期一括払の場合は概ね年間保険料の4.7倍の金額ですみます。
このように、設定する保険金額や建物の構造、所在地、適用される割引が同じ場合は、長期契約一括払いにすることで1年あたりの保険料は割安になります。
地震保険の保険料は、割引制度や契約方法を工夫することで負担を抑えられます。
ここでは、保険料を抑えるために知っておきたい方法をご説明します。
地震保険には、建物の耐震性能などに応じて適用される割引制度があります。代表的なものとして、免震建築物割引や耐震等級割引、耐震診断割引などがあり、それぞれ条件を満たすことで保険料の軽減が可能です。
たとえば、耐震診断や耐震改修によって一定の耐震基準を満たした住宅では、耐震診断割引が適用され、保険料が10%割引になるケースもあります。耐震基準を満たすことで地震による被害を受けにくくなるだけでなく、保険料を抑えられる点もメリットといえるでしょう。
地震保険を長期契約して保険期間分の保険料を一括払いする場合、長期係数が適用されるため、1年あたりの保険料は割安になります。そのため、同じ条件で契約する場合でも、毎年更新するより長期契約を選んだほうが、保険料の総額を抑えられる可能性があります。
長期間同じ住まいに住む予定がある場合は、長期契約も検討するとよいでしょう。
地震保険料控除制度とは、その年の1月1日から12月31日までに支払った保険料の金額に応じて、所得税や住民税の計算に用いる課税所得を減らせる制度です。
地震保険料控除の控除額は、年間の支払保険料に応じて異なり、所得税では最大50,000円、住民税では最大25,000円の控除が適用されます。
なお、地震保険料控除の対象となるのは、地震や津波などによる損害を補償する保険や共済の契約です。地震保険を付帯していない火災保険のみの契約の場合は、控除の対象になりません。
また、控除を受ける際は「地震保険料控除証明書」などが必要です。チューリッヒで地震保険をご契約いただいている方には、毎年10月中旬以降に「地震保険料控除証明書」を自宅住所に郵送しています。
地震保険の保険金は、契約時に設定した保険金額を上限として、建物と家財それぞれの損害の程度に応じて支払われます。
なお、地震保険の補償内容や保険金の支払基準は法律で定められているため、保険会社による違いはありません。
契約時に設定する地震保険の保険金額は、あわせて契約する火災保険の保険金額の30〜50%の範囲内で設定する必要があります。
たとえば、火災保険で建物3,000万円、家財500万円で契約している場合、建物の保険金額は900万円から1,500万円、家財は150万円から250万円の範囲で設定できます。ただし、設定できる保険金額の上限は、建物5,000万円、家財1,000万円です。
地震保険の保険金は、建物や家財の損害の区分に応じて支払われます。建物の場合は、柱や壁、基礎、屋根といった主要構造部(構造躯体)の被害状況を基準に判定されます。
損害の区分と支払われる保険金は、以下のとおりです。
| 損害の程度 | 支払われる保険金 |
|---|---|
| 全損 | 地震保険の保険金額の100% (時価額が限度) |
| 大半損 | 地震保険の保険金額の60% (時価額の60%が限度) |
| 小半損 | 地震保険の保険金額の30% (時価額の30%が限度) |
| 一部損 | 地震保険の保険金額の5% (時価額の5%が限度) |
※財務省「地震保険制度の概要 」内「保険金の支払」をもとに表作成
※2026年4月執筆時点
たとえば、地震保険で建物の保険金額を5,000万円に設定している場合、地震によって建物が「全損」と認定されると、保険金額5,000万円の範囲内で時価額の全額が支払われます。
ただし、一部損にも該当しない軽微な損害の場合は、保険金は支払われません。
火災保険では、設定した保険金額の範囲で修理費用をまかなえる場合があります。一方で、地震保険の保険金額は火災保険の30〜50%の範囲内で設定するため、住宅の再建費用をすべてまかなうことは難しいとされています。
地震保険の保険金額は、被災後の生活再建に必要な資金をどの程度カバーしたいかを基準に考えることが大切です。たとえば、当面の生活費や仮住まいの費用、住宅ローンの返済負担の軽減など、優先したい支出を踏まえて設定するとよいでしょう。
なお、保険金額が高くなるほど保険料も高くなるため、家計への負担とのバランスを見て設定することが重要です。
過去の地震では、地震保険によって多くの保険金が支払われています。
たとえば、2011年の東日本大震災では、津波や建物の倒壊などにより甚大な被害が発生しました。この震災では、地震保険の保険金支払件数が80万件以上にのぼり、支払総額は約1兆2,896億円に達しています。
また、2016年の熊本地震でも、21万件超の支払件数※に対して約3,913億円の保険金が支払われました。
地震保険は大規模な災害時でも実際に保険金が支払われており、被災後の生活再建を支える役割を果たしていることがわかります。
※参照:日本地震再保険株式会社「地震再保険金支払状況」
※2026年7月執筆時点
地震保険は、地震による直接的な被害だけでなく、被災後の生活再建に役立つ保険です。
日本では、今後30年間に震度6弱以上の揺れが発生する確率が高く、ほとんどの地域で地震のリスクがあるといわれています。そのため、住宅を持つ方にとっては、被害時の経済的な備えとして地震保険を検討することが重要です。
なお、損害保険料率算出機構によると、火災保険を契約している方のうち、地震保険を契約している方の割合は年々増加傾向にあり、2024年度では70.4%とされています。(※)
7割以上の方が地震保険を付帯している点からも、地震リスクに対する備えへの関心の高さや、必要性の高さがうかがえます。
※参考:損害保険料率算出機構「火災保険契約のうち70.4%が地震保険を付帯(2024年度地震保険付帯率)」
マンションの場合は、分譲か賃貸かといった権利形態、地域の地震リスク、経済状況などによって、地震保険の必要性は異なります。分譲マンション(持ち家)には専有部分と共用部分があり、共用部分は管理組合が加入する保険で補償されるケースが一般的です。
「共用部分は補償されるため、地震保険はいらないのでは」と考える方もいるかもしれません。
しかし、専有部分の建物部分や家財への損害は、個人の火災保険と地震保険で備える必要があります。
マンションでも地震による被害が生じる可能性はあります。専有部分や家財への損害、被災後の生活再建の経済リスクを軽減するために、地震保険への加入を検討することが大切です。
地震による建物の火災や倒壊、津波による流失などの被害は、火災保険だけでは補償されません。被災後の生活をいち早く立て直すためにも、地震保険で備えることが重要です。
地震保険は火災保険とセットで加入するしくみであり、火災保険の補償内容や保険料は保険会社によって異なります。そのため、地震保険を検討する際は、火災保険の補償内容や保険料もあわせて確認することが大切です。
チューリッヒのネット火災保険では、簡単な質問に答えるだけで保険料の目安を確認できます。まずは、以下のシミュレーションで保険料をチェックしてください。
チューリッヒのネット火災保険のサクッと保険料見積り
地震保険の保険金額は、火災保険の30〜50%の範囲で設定するため、再建費用の全額を賄うのは難しい場合があります。被災後の生活費や住宅ローンの返済負担など、優先したい支出を踏まえて保険金額を検討してみてください。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
いいえ。地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営する保険であり、保険会社による保険料率の違いはありません。
家財の場合、保険の対象である家財全体の時価額に対して損害額が何%かによって、保険金額の所定の割合が保険金として支払われます。たとえば、損害額が家財全体の時価額の80%以上となった場合は「全損」と認定され、設定した保険金額の全額(100%)が支払われます。
一方、損害額が家財全体の時価額の10%以上30%未満となった場合は「一部損」となるため、保険金支払額は保険金額の5%です。軽微な損傷でいずれの区分にも該当しない場合は、原則として支払われません。
地震による基礎のひび割れでも、必ずしも保険金が支払われるとは限りません。地震保険は、建物全体の損害の程度に応じて保険金が支払われるしくみです。
たとえば、「一部損」と認定された場合は、設定した保険金額の5%が支払われます。ただし、基礎のひび割れが軽微で、主要構造部の損害割合が基準に満たない場合は、保険金は支払われません。
ダイレクト型だからお手頃な保険料