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干ばつは、現代における最も重要な気候リスクのひとつですが、それは、しばしば過小評価されている。
政府や企業は、その影響を管理するための計画について真剣に考える必要があるのだ。
出典:Drought will impose growing costs on companies and communities | Zurich Insurance
*本記事はチューリッヒ・インシュアランス・グループのニュースレターを日本語に訳したものです
世界気象機関(World Meteorological Organization: WMO)によると、2000年以降、世界的に干ばつの発生回数と期間は約29%増加。国連の「世界干ばつアトラス」のデータによると、2030年までに推定7億人が干ばつにより移住を余儀なくされるリスクに直面し、2050年までには世界の4人に3人が何らかの形で干ばつの影響を受けると予測されている。
「干ばつは最も過小評価されている災害です」と、チューリッヒ・インシュアランス・グループのベネルクス(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)で気候レジリエンス担当責任者を務めるタベア・ミュラーは語る。
「極端な気象現象で最も危険なのは何かと尋ねると、人々は洪水を挙げることが多いのですが、干ばつも同じくらい多くの人々に影響を及ぼし、さらに山火事など他の自然災害のリスクも高めるのです」
EU(欧州連合)加盟国とイギリスでは、現在の干ばつによる経済損失は年間90億ユーロにのぼる。地球温暖化が産業革命前より2~3℃上昇した場合(現状ではパリ協定の目標である1.5℃未満の達成よりも現実的なシナリオ)には、この損失額はほぼ倍の173億ユーロに達する可能性があるのだ。
主な影響は農業部門で、全体の50%以上を占めており、次いでエネルギー部門が深刻だ。他にもインフラ(道路、鉄道、橋など)の沈下や交通・水供給の混乱などが挙げられる。
ミュラーは「多くの人は食料をスーパーで手に入れるため、全体のバリューチェーンについて意識しないことが多い」と指摘する。
「干ばつの進行が遅いことが、特に危険なのです」と、チューリッヒの気候データスペシャリストのバラクリシュナン・ソララジュ=ムラリは語る。
「強風やひょう嵐のような急激な災害とは異なり、干ばつは数ヵ月から数年かけて徐々に進行します。報道される頃にはすでに大きな被害が出ていることも多く、水不足や作物の損失、生態系バランスの悪化などの影響は何年も続く可能性があります」
地域社会への影響は今後さらに拡大
この記事の執筆時点(2025年5月)、ヨーロッパの多くの地域では夏前にもかかわらず長期間の少雨が続いた。ミュラーは、2022年の北・中央ヨーロッパの干ばつを振り返り「夏の終わりには、あたり一面が茶色くなり、木の葉が秋になるよりもかなり早く落ち始めていました。宇宙からもその影響を見て取れたほどです」と語る。
干ばつによる地域社会への影響は幅広い。バルセロナ在住の社員、ソララジュ=ムラリは「カタルーニャでは2021年から3年間干ばつが続き、市内は乾燥し茶色く見え、有名な噴水も止まりました。貯水池の水位は16%以下となり、政府が干ばつ時の緊急対応策を発動しましたが、夏の観光シーズンの水使用制限は非常に困難でした」と振り返る。
将来は、2018年のケープタウンのように「デイゼロ」(水道が完全に止まる日)に直面する都市が増える可能性がある。アフリカ、オーストラリア、南ヨーロッパ、北アメリカ南部・中部、中央アメリカ、中国北西部などが特にリスクの高い地域だ。
また、オランダでは気候変動の影響で、今後「より乾燥し、より湿潤になる」という一見矛盾した状況が予測されている。これはジェット気流の変化により、乾燥や降雨の極端な期間が長引くためだ。
保険会社にとっての課題
保険は干ばつリスク管理に役立つ一方で、降水パターンの急激な変化は大きな課題だ。
「保険料は通常、過去のデータに基づいたアクチュアリー・モデルで将来リスクを評価しますが、今や100年に一度だった干ばつが、特定地域では2~5年ごとに起きる可能性があり、過去のデータが通用しなくなっています」とソララジュ=ムラリは説明する。現在、保険会社は将来の干ばつ条件や損失をシミュレーションできる高度なモデルを活用するようになっている。また、パラメトリック保険*という新しいアプローチも作られた。これは、公に利用可能な干ばつ指標が一定水準に達した時点で保険金が支払われる仕組みだ。チューリッヒ・インシュアランス・グループは「ブルーマーブル」イニシアチブに参画しており、グループ内では、このような保険商品への問合わせも増えている。
チューリッヒ・インシュアランス・グループは、自治体や企業などの顧客と連携し、保険商品にとどまらず、より広範な気候リスクへの対応策やレジリエンス構築を支援している。例えば、干ばつリスクの高い地域の自動車産業の顧客では、分析結果をもとに、雨水を貯めて生産継続を可能にする貯水タンクを導入した。
セクター横断の連携が不可欠
多くの都市や国が干ばつの脅威に目を向け、水資源の節約に取り組み始めている。オランダのインフラ・水管理省は、家庭の水使用量削減を促すナショナルプランを策定し、多量の水を使う企業には直接支援を開始した。このプランでは、2035年までに一人あたりの平均水使用量を現在の約130ℓから100ℓに減らすことを目指している。ちなみに、ベルギーではすでに80ℓ強まで削減されており、グレーウォーター*のリサイクルや雨水活用を義務付けていることが背景にある。
「オランダとベルギーという、地理や環境などが非常に似た2ヵ国で水消費に違いがあることは、多くの地域で節水努力の余地があることを示しています」とミュラーは語る。
節水型水栓やシャワー、トイレの設置、グレーウォーターの再利用など、家庭・企業・自治体・国のあらゆるレベルで協力し合うことが重要だ。こうした投資の回収期間が太陽光発電など他のグリーン技術より長いため、家庭への普及が遅れている現状もあるのだ。
*グレーウォーターとは、家庭や施設から出る「比較的きれいな生活排水」のことで、具体的には、台所、洗面所、シャワー、浴槽、洗濯機などから出る排水を指す。トイレからの排水(ブラックウォーター)は含まない。
学び合うことの大切さ
幸いにも、各国が互いに学び合う余地は大いにある。例えばケープタウンでは、テレビやラジオ、ポスターによるメッセージキャンペーンで住民の節水意識を高め、デイゼロの脅威を雨期到来まで回避することができた。
ミュラーは「ケープタウンでの経験は、3つの柱に基づく適応戦略を採用することの重要性を示しています。初めに、水の供給量と使用量、それぞれどこで使われているかを把握し、次に、データを分析して現状を理解し、最後に脅威を緩和するためのアクションを取ることです」とまとめている。
A-250707-03
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