公開日:2026年1月21日
「マンションだから加入しなくてもよい」「保険料が高額で負担が大きい」などの理由から、地震保険に入るべきかを迷っている方もいるでしょう。しかし、地震保険に加入していなければ、自宅の倒壊だけではなく、地震による火災などの補償も受けられません。
いつ発生するかわからない地震に備え、被害を受けた後の生活を立て直すためにも、地震保険への加入を検討してみてください。
地震保険は、地震や噴火、これらによる津波によって被った建物や家財の損害を補償する保険です。たとえば、以下のような被害を受けた際に補償を受けることができます。
【建物の補償例】
【家財の補償例】
火災保険に加入している場合、自宅での火災や隣家が失火元の火災による損害に対する補償を受けることができます。
しかし、地震によって火災が発生し自宅が焼失してしまった場合、火災保険の基本補償だけでは建物や家財の損害をカバーできません。ただし例外として、火災保険には「地震火災費用保険金」が付帯されているケースがあり、地震が原因で臨時に生じた費用については一定額の補償を受けられる場合があります。
建物や家財そのものの損害を充分にカバーするには、地震保険への加入が必要であることを把握しておきましょう。
地震保険に入るべき理由として、以下の点が挙げられます。
日本は世界有数の地震大国であり、世界で発生する地震の約18%が日本で起きています。そのため、日本に住んでいる以上、以下のような被害を受ける可能性が高いといえます。
いつ発生するかわからない地震に備えるためにも、地震保険に加入しておいたほうがよいでしょう。
国土交通省や自治体が提供しているハザードマップを確認することで、自宅付近の災害リスクを把握できます。
ハザードマップでは、過去の地震被害や地盤被害、液状化といったリスクをマップ上で確認できます。過去に大きな地震があったことや沿岸部の被害などは把握できていても、液状化によるリスクなどは知らない方もいるかもしれません。ハザードマップを見て、今一度自宅近辺のリスクを把握しておきましょう。
リスクが高い場合は、地震保険に加入したほうがよいといえます。
なお、自治体によって閲覧できるハザードマップの種類が異なる場合があります。
多額の住宅ローンが残っている状態で自宅が被害にあい、住めなくなった場合でも、住宅ローンは返済しなければなりません。さらに、自宅の再建、生活を立て直すための費用も必要になります。住宅ローンの残高が多いほど、負担は大きくなるでしょう。
地震保険に加入していれば、保険金を住宅ローンの返済や引越し・仮住まい費用などにあてられるため、地震による経済的負担が軽減されます。
住宅ローンを完済していても、充分な貯蓄がない場合は、地震保険に加入する必要性が高くなります。地震保険に加入していれば、保険金を建物の修理費や当面の生活費、引越し・仮住まい費用などにあてられるため、地震による経済的負担が軽減されます。
貯蓄が充分であれば生活を再建しやすいですが、充分ではない場合、被害にあうことで経済的に困難な状況に陥る可能性があります。
損害保険料率算出機構のデータによると、2024年度における地震保険の加入率(付帯率)は70.4%となっています。付帯率とは、火災保険(住宅物件)の件数のうち、地震保険を付帯している件数の割合を指します。
契約件数は、2025年度6月末現在で2,184万件となっており、前年比では1.3%の増加です。このように、地震に備え地震保険に加入する方が増えています。
地震保険における保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で設定する必要があります。ただし、建物5,000万円・家財1,000万円が地震保険の保険金額の上限です。
たとえば火災保険で、建物2,000万円・家財300万円で契約している場合、地震保険では建物は600万円から1,000万円、家財は90万円から150万円の範囲で設定します。
そして、地震による被害があった場合には、以下の損害区分に応じた保険金が支払われることになります。
なお、損害の程度が一部損よりも小さい場合は、保険金が支払われません。
地震の被害に対しては、民間の保険会社が提供する火災保険・地震保険以外にも、公的な「被災者生活再建支援制度」があります。この制度は、自然災害で大きな被害を受けた際に、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するものです。
この制度により、最大で300万円の支援金を受け取ることができますが、被害の程度や住宅の再建方法次第では300万円未満になります。
仮に満額の支援金を受け取った場合でも、生活を立て直すために必要な金額としては不充分な可能性もあるため、地震保険に加入して備えておくことが必要です。
ここでは保険料の例として、都道府県や建物の構造別のシミュレーション結果をご説明します。保険料は、日本損害保険協会などが提供しているシミュレーションツールで試算可能です。
【共通の試算条件】
| 地域 | 構造 | 割引 | 保険料(5年間) | |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | ロ構造 (主として木造建物※1) |
建築年割引 (10%) |
建物 | 260,850円 |
| 家財 | 43,480円 | |||
| 大阪府 |
イ構造 (主として鉄骨・コンクリート造建物) |
耐震診断割引 (10%) |
建物 | 73,650円 |
| 家財 | 12,280円 | |||
| 福岡県 |
イ構造 (主として鉄骨・コンクリート造建物) |
免震建築物割引 (50%) |
建物 | 25,800円 |
| 家財 | 4,300円 | |||
| 宮城県 |
ロ構造 (主として木造建物※1) |
耐震等級割引 耐震等級2 (30%) |
建物 | 96,300円 |
| 家財 | 16,050円 | |||
| 愛知県 |
ロ構造 (主として木造建物※1) |
割引なし | 建物 | 137,550円 |
| 家財 | 22,930円 |
※1 「耐火建築物」、「準耐火建築物」または「省令準耐火建物」などに該当する場合は「イ構造」となります。
※ 上記の試算条件と異なる場合には、保険料も異なります。
地震保険料は、「建物の構造」「建物の所在地」「建物の免震・耐震性能」「保険期間」などの要素で決まります。
| 保険料を決める要素 | 概要 |
|---|---|
| 建物の構造 |
イ構造(鉄筋・コンクリート造):損壊の程度が比較的低く、保険料が安価 ロ構造(木造など):損壊の程度が比較的高く、保険料が高額 |
| 建物の所在地 |
都道府県によって1等地・2等地・3等地に区分 1等地はリスクが比較的低いとされ、保険料が安価 3等地はリスクが比較的高いとされ、保険料が高額 |
| 建物の免震・耐震性能 | 免震・耐震性能に応じて割引がある |
| 保険期間 |
通常、1〜5年で選択できる(保険期間の中途で付帯する場合は、1年未満とするのが一般的) 長期契約かつ一括払いの場合、保険料が安くなる |
地震保険料が決まる要素のうち、「建物の免震・耐震性能」に関する割引には以下の4つがあります。
割引を受ける際には、建設住宅性能評価書などの所定書類の提出が必要で、複数の割引を重複して適用することはできません。複数の割引に該当する場合は、最も割引率の大きい割引が適用されます。
なお、地震保険料の具体的な割引率や金額の目安については、以下の記事で詳しくご説明しています。
地震によって被害を受けた場合、建物や家財は補償対象になりますが、以下は補償対象外になります。
想定できない自然災害には、豪雨や台風だけでなく、地震によるリスクもあります。
今後、これまでに経験したことがない災害が発生する可能性はゼロではないため、火災保険に加え地震保険に加入することも検討してみましょう。
地震保険には「建築年割引」や「耐震等級割引」などの制度があり、適用されれば保険料が大幅に安くなる場合があります。まずはご自宅の耐震性能を確認し、どれくらい割引になるかを調べてみましょう。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災保険に加入していても、地震保険に加入する必要性はあります。地震や噴火によって自宅が焼失、倒壊してしまった場合、火災保険では補償を受けられません。
地震をはじめとする自然災害は、いつ、どの規模で発生するのか予測するのは難しいものです。地震リスクに備えるためには、地震保険への加入を検討しましょう。
マンションであっても、地震保険に加入する必要性はあります。
分譲マンションの場合、マンションの専有部分(自宅の天井・床・壁など)は、自身で加入している火災保険・地震保険で修理をする必要があります。そのため、地震による被害に備えるためには地震保険への加入が必要です
賃貸マンションの場合は、建物は大家さんなどのものであるため修理は不要ですが、家具や家電などの家財は火災保険・地震保険に加入していなければ、補償を受けられません。
耐震性が高いマンションでは、地震保険料の割引を受けられる場合があります。保険料で加入するかどうか迷っている方は、見積りをして実際にどれくらいの保険料になるか確かめてみましょう。
地震保険に加入していない場合、地震による建物の倒壊、建物の火災、津波による建物の流失、家財の焼失、破損、津波による流失といった被害では、補償を受けられません。
日本は世界的に見て地震大国であり、都道府県に関係なく、いつ大規模な地震が発生するかわからないのが現状です。
火災保険だけでは地震の被害は補償されないため、地震保険への加入も必要といえるでしょう。
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