公開日:2026年6月3日
昨今は大雨などの自然災害の多発に伴い、火災保険を利用した悪質なトラブルが増加しています。例として、「保険金の申請手続き支援を口実に高額な費用を請求される」「修理する必要がないのに、不具合があると言われて修理費を請求される」といったものがあります。
こうしたトラブルにあわないようにするためにも、火災保険の正しい使い方を知っておくことが大切です。「詐欺かもしれない」と思ったときは、消費者庁や専門の相談先に連絡しましょう。
消費生活センターなどには、火災保険を悪用した相談が多く寄せられています。ここでは、代表的な例を3つご説明します。
「火災保険の申請手続きを手助けするとして、高額な費用を請求する」という例です。この例では多くの場合、問題のある業者が古い家を訪問して無料点検を行い、住人に「改修をしたほうがよい」「火災保険を使えば無料で修理ができる」などと言って修理を持ちかけます。
その際、業者がサポート費用として高額な費用を請求することがあります。キャンセルしたいと伝えると高額な違約金が発生する場合もあり、支払いを避けられなくなります。
火災保険では、経年劣化による損傷は補償されません。しかし、火災保険を悪用したトラブルには、修理業者が「経年劣化も保険金が支払われるので、修理費は保険金でまかなうことができる」とうたって保険金を請求するようにそそのかす例があります。
火災保険の被保険者が経年劣化による損傷と知りながら、自然災害による損傷であると虚偽の理由で保険会社に保険金を請求した場合、火災保険の不正利用にあたります。不正利用が発覚すると、保険会社から契約解除や支払われた保険金の返金の請求をされる可能性があります。
悪質な業者にそそのかされていたとしても、最終的な責任は被保険者本人にあるため、注意が必要です。
被保険者自身が虚偽の理由で保険金を請求しようとするトラブルです。たとえば、意図的に家具を破損させたにもかかわらず、「自然災害による損害」として申告する例があります。
その他にも、「故意に建物や家財を壊した」「経年劣化であるとわかっている」状態にもかかわらず自然災害によって破損したと偽るケースなども不正請求にあたります。
業者が火災保険を悪用した事例では、「保険金が受け取れる」「火災保険が使える」などと、言葉巧みに誘導して行われるものがあります。その手口は、以下のとおりです。
悪質なトラブルにあわないためにも、火災保険の正しい利用方法を知っておくことが大切です。
火災保険に関連したトラブルが増えている背景として、異常気象の増加や自然災害の多発があります。
昨今は大雨などの自然災害や、それに伴う被害の発生頻度が高まっています。台風や大雨など、大規模な災害によって建物や家財が壊れたときは、修理をしなければなりません。トラブルを引き起こす悪質な業者は、災害時の混乱や「支援してほしい」という気持ちに付け込んで、火災保険の不正請求を持ちかけたり、不当なサポート料を請求したりします。
火災保険の利用が必要となる場面が増えるにつれて、業者による悪質商法のトラブルも増える傾向があります。
ここでは、火災保険に関するトラブルにあわないよう事前にできる対策をご説明します。
保険金の請求は、原則として、被保険者本人が行わなければなりません。
保険金請求に関する不明点があれば、サポート業者ではなく加入している保険の担当者または代理店に質問するようにしてください。
火災保険に関連するトラブルや、災害に便乗した悪質商法においては、面識のない修理業者などが自宅に突然訪問し「修理をさせてほしい」「屋根を見せてほしい」などという場合があります。
もしこのような訪問があっても、断ることが大切です。
災害時に被害があったときに修理する場合は、すでに付き合いのある業者に依頼するのがおすすめです。また、「住まい再建事業者検索サイト」(※)では、災害にあった住宅の補修工事に対応してくれる事業者を検索できます。災害時に修理業者を探す際は、公的機関や信頼性のあるサイト、サービスを活用しましょう。
※国土交通省の協力のもと、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会により、開設された検索サイトです。
「火災保険を使えば無料で修理できる」「自己負担なしで修理できる」というウェブ広告やチラシを見ると、「自宅を無料で修理できるかもしれない」と思うかもしれません。
災害で建物や家財に被害が出た場合、被保険者は自己負担なく保険会社に保険金を請求することが可能です。この場合、サポート業者を仲介する必要はなく、被保険者が直接保険会社に保険金を請求できます。
また、サポート業者は手数料などを得るために、不当に高額な保険金を請求させたり、支払われた保険金から中抜きを行ったりする可能性があります。
「無料」「自己負担なし」といった言葉を強調している場合は、「あやしいかもしれない」と疑うようにしましょう。
自宅に修理業者が訪問し、「火災保険を使って無料で修理できる」などと言ってきた場合は、まずは加入している保険会社または代理店に相談しましょう。
そのまま契約してしまうと、詐欺の被害にあったり、保険金の不正請求をしてしまったりする可能性があります。また、両親が高齢の方の場合は、「突然修理業者が家に来ても、契約してはいけない」「もし修理業者から電話や訪問があったら、『子どもに相談する』と伝えてほしい」と注意喚起しておきましょう。
怪しい業者を見分ける点として、「修理を急がせてくる」「契約書を作らない」などがあります。適切な修理であっても、業者に依頼する際は、口約束で決めるのではなく書面で契約を交わすことが大切です。特に大雨などの災害があったあとは、悪質な業者によるトラブルが増えやすいため注意しましょう。
「これって詐欺かも」と思ったときや「すでに契約をしてしまった」というときは、すみやかに適切な機関に相談することが大切です。
相談先としては消費者庁の「消費生活相談窓口」、日本損害保険協会の「保険金に関する災害便乗商法 相談ダイヤル」、「国民生活センター」などがあります。怪しいと思ったときは、これらの相談先に連絡しましょう。
火災保険を悪用したトラブルにあわないためにも、火災保険の正しい使い方を知っておきましょう。災害にあったときの保険金請求は、原則として被保険者本人が行います。火災保険を利用するときは、以下の流れで保険金の請求〜受け取りを行ってください。
※家財の場合は、復旧(修理)は不要です。また、建物でも、全壊などの場合は、復旧(修理)は不要です。
災害にあって建物や家財が壊れたときは、すみやかに保険会社に連絡しましょう。被害の状況を正確に伝えるために、損害を受けた部分の写真を残しておくのがおすすめです。なお、屋根や雨どい、外壁など高所で、ケガにつながるおそれがある場合には、無理に写真を撮影する必要はありません。
火災保険に関連するトラブルには、「悪質な修理業者などに高額な費用を不正に請求される」といったものの他、「火災保険の請求にあたって業者から虚偽の申請を促され、そのとおり保険会社に請求して保険金を受け取ってしまった」というものがあります。災害の増加に伴って自然災害と火災保険を関連させたトラブルが増加しているため、注意が必要です。
「このような詐欺が存在している」と知っておくだけでも、トラブルを防止できる可能性が高まります。また、高齢の家族などにこのようなトラブルがあることを知らせておくことも大切です。
特に災害後は「保険で無料修理できる」という勧誘が増える傾向があります。しかし、保険金請求は被保険者が直接行えるため、業者を介する必要はありません。怪しいと感じたら、保険会社にご相談ください。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災保険にまつわるトラブルには、以下のようなものがあります。
詳細は、「火災保険に関連した主なトラブルの種類」をご参照してください。
消費者庁の「消費生活相談窓口」や日本損害保険協会の「保険金に関する災害便乗商法 相談ダイヤル」、「国民生活センター」といった窓口では、電話による相談が可能です。
まだ被害にあっていなくても「詐欺かもしれない」と思ったときや、不安なことがあったときは、誰かに相談をすることで、そのときできる対策や今後トラブルにあわないための対策ができます。
不正請求があった場合、保険金は支払われません。すでに保険金が支払われているときは、保険会社に返還しなければなりません。また、契約を解除されることがあります。
悪質な場合は、保険会社から保険金詐欺で訴えられることもあります。
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