公開日:2026年7月14日
大きな地震が発生し、住まいに被害がおよんだ場合、「何から始めればよいのか」と迷う方も少なくないでしょう。まずは身の安全を確保し、被害状況を確認したうえで加入している保険会社へ連絡することが大切です。
修理や建て直しを円滑に進めるためにも、落ち着いた段階で、できるだけ早めに申請の準備を進めましょう。
地震で損害を受けたとき、地震保険の保険金の請求をするために2つのことを行いましょう。
片付けや修理をする前に、建物や家財にどのような被害が出ているかスマートフォンなどで撮影し、データを残しておきましょう。
ただし、大きな被害が出ている場合、屋根や外壁が崩れ、ケガをするおそれがあります。高所に登るなど無理な撮影は控え、自身の安全確保を最優先に、できる範囲で記録を残しましょう。
その後は、保険会社へ連絡し、地震保険の保険金の請求を行います。
地震保険の保険金を請求する流れは、以下のとおりです。
まずは加入している保険会社に連絡します。自宅の建て直しや修理をスムーズに行うためにも、すみやかに保険会社に連絡しましょう。
連絡先は保険証券や重要事項説明書などで確認できます。加入している保険会社のウェブサイトにあるフォームからの申請、または電話で連絡しましょう。
必要書類は、地震保険申請時に保険会社から伝えられます。
なお、被災時に自治体から発行される「罹災(りさい)証明書」は、地震保険の請求においては原則として必須ではありません。地震保険金の請求では、保険会社共通の基準で損害状況の確認が行われます。
地震によりどの程度の被害を受けたかによって、支払われる保険金が異なります。
そのため、被害状況を確認する目的で、保険会社の担当者が自宅に訪問する場合があります。
事実確認が行われ、被害状況が認定されたあと、保険金が決定します。
保険金に関する説明が行われるため、不明点があるときは確認しておきましょう。
銀行口座に保険金が振り込まれ、地震保険の保険金の請求手続きが完了します。
地震保険は地震等(地震・噴火またはこれらによる津波)を原因とする建物の倒壊や損壊、火災、津波によって建物や家財が流出したときなどに補償が受けられます。
たとえば、次のような損害が該当します。
火災保険では、損害の額そのものが保険金として支払われるのが一般的ですが、地震保険では損害の程度に応じて4つの区分(全損、大半損、小半損、一部損)に分けられ、その区分に応じて保険金額の一定の割合が保険金として支払われます。
損害の程度を判定する基準は、下表のとおりです。
| 建物 | 家財 | |
|---|---|---|
| 全損 | 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の50%以上となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上となった場合 | 地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の80%以上となった場合 |
| 大半損 | 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の40%以上50%未満となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の50%以上70%未満となった場合 | 地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の60%以上80%未満となった場合 |
| 小半損 | 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の20%以上40%未満となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上50%未満となった場合 | 地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の30%以上60%未満となった場合 |
| 一部損 | 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の3%以上20%未満となった場合、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmをこえる浸水を受け、建物の損害が全損・大半損・小半損・一部損に至らない場合 | 地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の10%以上30%未満となった場合 |
次の場合には、地震等による損害があっても地震保険での保険金は支払われません。
地震保険のしくみは法令等によって決められており、保険会社による違いはありません。
地震保険で設定できる保険金額は、「火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲内」です。さらに建物は5,000万円、家財は1,000万円が保険金の上限と決まっています。
地震保険の保険金の支払額は、損害の程度によって以下の4段階に分かれています。
| 保険金の支払額 | |
|---|---|
| 全損 | 地震保険の保険金額の100% (時価額が限度) |
| 大半損 | 地震保険の保険金額の60% (時価額の60%が限度) |
| 小半損 | 地震保険の保険金額の30% (時価額の30%が限度) |
| 一部損 | 地震保険の保険金額の5% (時価額の5%が限度) |
どの程度の損害を受けたかは、地震保険損害認定基準に従って決定し、保険会社の担当者が訪問をすることもあります。被害状況の判断は保険会社が行いますが、基準は各社で共通です。
たとえば、火災保険で建物の保険金額を2,500万円に設定した場合、地震保険の保険金額は最大で1,250万円です。
このような契約において、地震により建物の損害が「大半損」と認定された場合、保険金の支払いは「地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)」となります。
地震保険の保険金額1,250万円の60%は750万円であるため、750万円の保険金が支払われます。ただし、築年数が経過した建物など、時価額が750万円を下回る場合は実際の支払額が750万円より少なくなるため注意しましょう。
火災保険や地震保険は、保険の対象である建物・家財が存在することが前提となっています。そのため、建物・家財が全焼、全壊、流失し、存在しなくなった場合や、建物・家財を他人に売却した場合には、契約が有効に存続しなくなります。
なお、地震保険は、火災保険にセットして契約しますが、火災保険契約と地震保険契約はそれぞれ分けて扱うことになります。
地震保険契約に関しては、以下のとおりです。
| 地震保険契約が存続しなくなるケース | 地震保険契約の扱い |
|---|---|
| 地震等による損害で、地震保険が「全損」となった場合 | 全損となる損害が生じた時点で、地震保険契約は終了します。終了後に別の地震等の損害が発生しても、保険金は支払われません。 |
| 火災や洪水などの地震以外の損害で、建物・家財が全焼、全壊、流失して存在しなくなった場合 建物・家財を他人に売却した場合 |
左記の場合に該当した時点で、地震保険契約は失効します。失効後に地震等の損害が発生しても、保険金は支払われません。 |
いずれのケースにおいても、新たに住宅を建築または購入したり、賃貸物件に入居したりした場合には、その建物・家財について、地震保険をセットした火災保険契約にあらためて加入する必要があります。
地震で被害を受けたときは、まずは加入している保険会社に電話連絡、またはウェブサイトから保険金の請求を行いましょう。
連絡をすることで申請に必要な書類や、申請の流れが伝えられます。担当者が自宅に訪問し、被害状況を確認する場合もあります。そして被害状況の確認・決定後、保険金が振り込まれるといった流れで保険金を請求できます。
地震の被害対応をきっかけに、今の住まいや家族構成に補償内容が合っているかを見直しておくことも大切です。
地震保険は火災保険とセットで加入する保険のため、火災保険の契約内容によって、火災保険と地震保険を合計した保険料が変わります。今後におこりうる災害に備えて、補償内容の見直しや加入の検討・見積りを行いましょう。
チューリッヒのネット火災保険では、3つの質問に答えるだけで保険料の見積りができます。まずは見積りで保険料の目安を確認してみましょう。
地震で被害を受けたとき、まず行いたいのが被害状況の撮影と保険会社への連絡です。自宅の修理や建て直しをスムーズに進めるためにも、できるだけ早い段階で申請を行いましょう。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
地震により被害を受けたときは、保険会社に連絡しましょう。連絡先は、保険証券または加入する火災保険、地震保険の公式ウェブサイトに記載されています。
請求の流れは、以下のとおりです。
1. 保険会社に連絡する
2. 必要書類を提出する
3. 事実確認の協力を行う
4. 保険金の説明を受ける
5. 保険金が支払われる
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