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火災保険の保険金請求権の時効とは。過ぎたらどうなる?請求手続きの流れも説明

公開日:2026年7月14日

火災保険の保険金請求権の時効とは。過ぎたらどうなる?請求手続きの流れも説明

火災や台風などで建物や家財に損害が生じたとき、「保険金はいつまで請求できるのだろう?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。火災保険の保険金請求権には期限があり、一定期間を過ぎると時効となって、その権利が消滅します。

火災保険の保険金請求権の時効の考え方や、期限を過ぎた場合の対応、保険金請求の流れをわかりやすくご説明します。

ポイント

  • 保険法では、保険金請求権は3年で時効により消滅すると定められています。
  • 時効到来前であれば、修繕後でも過去の被害に対する保険金であっても支払われます。
  • 火災保険を解約した後でも、契約期間中に発生した事故であれば、事故発生から3年以内は保険金請求権があります。

目次

火災保険の保険金請求権の時効は「3年」

火災保険の請求期限は「3年」

火災保険の保険金請求権には時効があり、3年を経過すると時効により消滅することが保険法または保険約款に定められています。

事故や災害から長期間が経過すると、被害状況や事故原因を正確に確認することが難しくなります。その結果、火災保険の補償対象かどうかの判断が困難になることからも、保険金請求権には時効が設けられています。

3年の起算日はいつ?

火災保険においては、保険金請求権は保険金支払いの対象となる事故が発生した時から発生し、行使できます。その日の翌日から起算して3年が経過すると、時効によって保険金請求権が消滅することが保険約款に規定されているのが一般的です。
なお、特約によっては、保険金請求権の発生日が異なる場合があるので、保険約款で確認しましょう。

修繕後でも時効到来前であれば保険金は支払われる

保険金請求権の時効到来前であれば、修繕後であっても保険金請求権は有効です。過去の被害であっても、その火災保険契約で支払われるべき保険金なら、保険金は支払われます。

ただし、保険金を請求するには、被害発生当時の損害状況を確認できる資料の提出が必要です。提出が求められる資料は、修理業者の見積書や請求書、警察へ届け出を行った際の証明書、罹災証明書、被害箇所の写真などがあります。

被害から時間が経過し、すでに修理が完了している場合は、当時の損害状況を確認できず、保険金が支払われるべき事故であると判断できずに支払われない可能性もあります。そのため、損害が発生した際は、保険金請求権の時効までに余裕がある場合でも、早めに保険会社へ連絡し、請求手続きを進めることが大切です。

火災保険の保険金請求権の時効を過ぎたらどうなる?

3年の時効を過ぎると保険金請求権は消滅します。時効を過ぎても保険金の請求は可能ですが、権利がないため、保険会社が保険金の支払いを断ることがあります。

しかし、災害の規模が大きく、被害確認や手続きに時間がかかる場合など、やむを得ない事情があるケースでは保険金を支払うことがあります。実際に、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、被害の規模が非常に大きかったことから、時効を過ぎていても保険金を支払った事例がありました。

保険金請求権の時効(3年)を経過している場合であっても、絶対に保険会社が保険金を支払わないとは限りません。そのため、保険金請求権の時効を過ぎている場合でも、まずは保険会社へ相談するとよいでしょう。

解約・満了した火災保険でも請求できる?

保険金請求権は、その火災保険契約の解約や満了で消滅することはありません。そのため、契約期間中に発生した事故による損害であれば、火災保険を解約した後や契約が満了した後であっても、保険金請求権は事故発生から3年以内であれば有効です。

火災保険の保険金請求権は、現在契約しているかどうかではなく、事故発生時に保険契約が有効であったかどうかを基準に判断されます。

火災保険の時効期間内でも保険金が支払われないケース

火災保険は、時効期間内であっても、損害の内容や契約条件によっては保険金が支払われないことがあります。
保険金を請求する前に、以下の点を確認しておきましょう。

火災保険の補償対象外の損害

火災保険は、火災の他、風災・水災・雪災などを補償します。ただし、補償範囲は契約内容によって異なります。
たとえば、水災補償を付けていない場合は、洪水や高潮、土砂崩れによる損害は対象外です。地震保険を付帯していない場合は、地震や噴火、津波による損害は補償されません。

経年劣化による損害

火災や自然災害が原因ではなく、建物や家財の経年劣化による損害は保険金の支払対象外です。たとえば、以下のような損害は経年劣化と判断される可能性が高いです。

  • 自然消耗や劣化、変色、変質、さび、ひび割れ
  • 保険の対象そのものの欠陥に起因する損害
  • 通常の使用や管理のなかで生じる外観上の損傷や汚損 など

故意・重大な過失・法令違反による損害

故意に損害を発生させた場合や著しい注意不足、法令違反が原因と判断された損害は、保険金の支払対象となりません。
たとえば、保険金を受け取る目的で意図的に損害を発生させた場合や著しく不注意な行為、法令に違反する行為が原因となった損害などが該当します。

修繕費が免責金額を下回る損害

火災保険では、契約時に免責金額が設定されていることがあります。免責金額とは、損害が発生した際に被保険者が自己負担するものとして、保険契約時に定めた金額のことです。
損害額が免責金額を下回る場合は、支払われる保険金の額が0円となるため、保険金は受け取れません。

※チューリッヒのネット火災保険は、基本補償では免責金額は0円です。一方、「破損・汚損損害等補償特約(住総用)」の免責金額は5万円です。このように特約によっては免責金額が異なります。

火災保険の保険金を請求する流れ

火災保険の保険金請求は、事故や損害が発生した時点から行えます。補償対象となる損害が生じた場合は、早めに手続きを進めましょう。
たとえば、火災により家財に損害が発生した場合の一般的な保険金請求の流れは、以下のとおりです。

火災保険の保険金を請求する流れ

1. 保険会社に連絡をする

事故や損害が発生したら、まずは保険会社へ連絡します。多くの保険会社では、ウェブサイトや電話で事故受付を行っています。

2. 必要書類を提出する

次に、保険金請求に必要な書類を提出します。保険金請求書や修理見積書の他、被害状況を確認できる写真などが必要となります。保険会社の案内に沿って準備しましょう。

3. 必要に応じて事実確認の協力を行う

書類や写真だけでの損害状況の確認が難しい場合は、火災保険の調査員による現地調査が行われることがあります。調査が必要な場合は、保険会社から事前に連絡があります。

4. 損害額が確定する

現地調査や提出書類をもとに保険会社が損害の程度や内容を確認し、損害額および保険金が確定します。その後、保険会社の担当者から保険金の説明を受けます。不明な点があれば、このタイミングで確認しておきましょう。

5. 実際に復旧(修理)する

保険の対象が建物の場合、損害額が確定したら、見積りを依頼した業者などに修理を依頼し、実際に復旧工事を行います。工事の内容や日程などについては、事前に業者としっかり打ち合わせをしておくと安心です。

保険の対象が家財の場合、復旧(修理)なしで次のステップ「6.保険金が支払われる」に進みます。

6. 保険金が支払われる

保険金請求完了時から原則30日以内に保険金が支払われます。保険金の支払い時期や方法は保険会社によって異なるため、請求した保険会社に確認してください。

火災保険の保険金請求に関するトラブルに注意

近年、火災保険の保険金請求をめぐり、「自宅を無料で点検できる」「火災保険を使って修理できる」などと勧誘し、修理契約や保険金請求を持ちかける業者とのトラブルが報告されています。

経年劣化による損害と認識しながら、自然災害による損害として申請した場合は、保険金の返還請求や契約解除につながるおそれがあります。内容によっては、法的責任を問われる可能性があるため注意が必要です。

また、保険金請求をサポートすると称して高額な手数料を請求されるケースも確認されています。国民生活センターでも注意喚起が行われていますので、不審な勧誘を受けた場合は安易に応じず、そのような業者と契約する前に国民生活センターや加入している保険会社へ相談しましょう。

火災保険を悪用したトラブル事例。防ぐポイントと被害増加の背景

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金子 賢司
金子 賢司

火災保険の保険金請求権には3年の時効があります。被害発生から時間が経つほど損害の証明が難しくなり、請求が認められないリスクも高まります。損害が発生したら写真で記録を残し、後回しにせず速やかに保険会社へ連絡しましょう。

火災保険の請求期限に関するよくあるご質問

Q火災保険の保険金請求権に時効が設けられているのはなぜですか?
A

事故や災害から長期間が経過すると、被害状況や原因を正確に確認することが難しくなるためです。適正な調査と円滑な保険金支払いを行う目的で、保険法では保険金請求権に時効が定められており、一定期間を過ぎると請求できなくなります。

Q火災保険はいつまでに請求したらよいですか?
A

保険の対象について損害が生じたことを知った場合は、そのことを保険会社に速やかに通知しなければなりません。
その通知を行った後に、保険会社とやりとりをしつつ、保険金の請求を行います。被害状況や事故原因の確認が適切に行われ、スムーズに保険金を受け取るために、保険金請求の準備ができ次第、早めに手続きを進めましょう。
なお、火災保険の保険金請求権は事故発生から3年経つと時効により消滅します。保険金請求権が消滅すると、保険金が支払われない可能性があります。

Q火災保険の保険金を請求したら、いつ支払われますか?
A

保険金請求手続きが完了した日から、その日を含めて原則30日以内に保険金が支払われます。実際の保険金の支払い時期や方法は保険会社によって異なるため、請求した保険会社に確認してください。

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