公開日:2025年9月30日
共済も火災保険も、万が一の火災のリスクに備えるためのものです。しかし、運営元や補償内容といった点で違いがあります。
それぞれに特徴が異なり、場合によっては火災共済のみでは必要な補償を受けられないということもあります。火災に備えるには、共済と火災保険の違いや特徴などを理解したうえで補償内容を選ぶことが大切です。
共済も火災保険も、万が一の火災のリスクへの備えという点は同じです。ただし、大きく以下の違いがあります。
共済を提供しているのは、営利を目的としない非営利団体である「組合」です。相互扶助の考え方に基づき、生活におけるさまざまなリスクに備えるため、保険のしくみを活用した事業を行っています。
一方、火災保険を提供しているのは、民間の保険会社です。営利を目的としている点が共済との違いのひとつです。
共済と火災保険では、使われる用語にも違いがあります。
共済では、加入する方が支払うお金を「掛け金」、万が一のときに受け取るお金を「共済金」といいます。一方、火災保険では、保険に加入する方が支払うお金は「保険料」、受け取るお金が「保険金」です。
共済に加入できるのは、原則として組合員やその家族のみです。組合員が日頃から一定の金額を出し合い、組合員の誰かが困ったときに助け合うというしくみになっています。そのため、共済を利用するには組合への加入が必要です。
一方、火災保険は住宅を所有しているなど一定の条件を満たしていれば、誰でも申し込めるのが特徴です。
共済には、火災の被害の補償に特化した「火災共済」と、自然災害や雑危険(水濡れや盗難など)の被害にも対応するプランがあります。広く販売されているのは、火災保険と同様に自然災害も補償するプランです。
火災保険は、火災に加えて、自然災害や雑危険も幅広く補償する商品が一般的であり、保険会社によってそれぞれ補償内容や保険料が異なります。なお、補償範囲を選べるタイプの商品では、火災、落雷、破裂・爆発のみなど補償内容を最小限にできるものがあります。
「火災への備えができればよい」という方は、火災共済のみでも問題ない場合があります。一方、「水災などの自然災害にも備えたい」という方は、自然災害まで補償するプランにしましょう。
火災保険と共済は重複して加入することはできます。両方に加入したからといって、罰則などはありません。ただし、万が一被害にあった場合でも、実際の損害額までしか保険金を受け取れないため、両方に加入するメリットはないといえるでしょう。
火災保険と共済のどちらか一方、自分に合うものを選択して加入してください。
ここでは、共済を選んだときのメリット・デメリットをご説明します。
共済には以下のようなメリットがあります。
共済で提供されている「火災共済」は、補償範囲が広い火災保険と比較すると保険料が安価な傾向があります。火災共済は補償対象が限定されているため、保険料も抑えられているのが特徴です。なお、火災保険においても補償範囲を選択できる商品では、補償を最小限にすることで保険料を抑えられます。
割戻金とは、共済を運営している組合で決算後に剰余金が生じたとき、組合員に還元されるお金です。剰余金は年間受入掛金から支払共済金や事業経費などを差し引いたもので、経済状況によって変動します。そのため、必ず支払われるとは限りません。
割戻金のしくみは、助け合いを目的とした共済ならではのシステムといえます。
共済は組合員(加入者)が出資し、運営の意思決定にも参加します。そのため、組合員の声やニーズが共済に反映されやすくなっています。たとえば、農家を主な組合員とする共済では、畜舎や堆肥舎などを保険の対象にできます。
一般的な火災保険と比較した場合、共済には以下のようなデメリットがあります。
共済の制度によっては、地震に対する共済金(保険金)の支払額が地震保険と比較して少額になります。また、大規模災害により共済金の総額が非常に大きくなった場合、1件あたりの支払額が削減されることがあります。
共済はパッケージ型の商品が多く、補償内容を自由に設計しにくい点もデメリットのひとつです。そのため、万が一の災害にしっかり備えるには、共済に加入する前に「自分が受けたい補償がきちんと含まれているか」「不要な補償を外せるか」を確認することが大切です。
火災保険は、保険期間を1〜5年の範囲で選択できるのが一般的です。一方、多くの共済制度における共済期間(保険期間)は1年のみとなっています。ただし、「共済のメリット」で挙げた農家を主な組合員とする共済の共済期間は原則10年です。
保険会社が提供する火災保険では、地震の被害の補償は対象外となっています。そのため火災保険のみでは、地震による建物の倒壊や、地震を原因とする火災で生じた損害の補償を受けられません。
地震への備えも十分にしたい場合は、火災保険に加えて地震保険にも加入しましょう。なお、地震保険だけに単独で加入することはできません。地震保険は火災保険とセットで契約する必要があります。
火災や自然災害に対して十分な備えをしたい方は、火災保険への加入をおすすめします。
チューリッヒのネット火災保険では、3つの質問に答えるだけで、簡単に保険料の見積りができます。より詳細な見積りでは、建物や家財の情報をもとに算出された再調達価額から、設定できる保険金額の目安を確認できます。
「保険料を抑えつつ、補償もしっかり受けたい」という方はチューリッヒのネット火災保険をご検討ください。
自宅に万が一のことが起きたときに備えて充実した補償を用意したい、あるいは必要最低限でよいなど、ニーズはさまざまです。
火災保険と共済のしくみを理解して自身に合ったものを選ぶことが大切です。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災に対する補償は、共済でも受けられます。
火災共済には、以下のようなデメリットがあります。
・支払われる共済金(保険金)が十分ではないことがある
・カスタマイズできる範囲が狭い
・共済期間(保険期間)を柔軟に選べない
火災保険と共済は、重複して加入することも可能です。ただし、万が一被害にあったとしても、保険金は実際の損害額までしか支払われないため、重複加入のメリットはないといえます。
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