公開日:2026年1月7日
火災保険は法律上の加入義務がないため、加入の必要性があるか悩む方も多いでしょう。ただし、保険に入っていないと、他人が起こした火事が原因で自宅が燃えても補償を受けられない可能性があり、その場合は建物の修理費用や家財の購入費用を自費で払わなければなりません。
また、火災保険は自然災害や盗難などの被害にも備えられます。万が一の災害やトラブルに備えるためにも、加入を検討しましょう。
火災保険は法律上の加入義務はなく、保険に入るかどうかは自分で選択できます。
ただし、未加入の状態では、自宅が火災で被害を受けても補償を受けられません。これは、自宅が失火の原因である場合に限らず、隣家からの火災によって被害を受けた際も同様です。
火災保険に入っていなければ、「他人が起こした火事で自宅が被害を受けても、失火元からの補償を受けられない」ということが起こる可能性があります。このようなリスクに備えるには、火災保険に加入しておくことが望ましいといえるでしょう。
火災保険に加入していない方のなかには、「自分は火の元に充分注意している」「保険料が高い」など、さまざまな理由で加入をためらっている方もいるかもしれません。
しかし、以下の理由から加入が必要であるといえます。
隣家からのもらい火で、自宅が焼失した場合でも、火元の住人から補償を受けられない可能性があります。これは「失火の責任に関する法律(失火責任法)」により、「失火者に故意または重大な過失がない場合は、失火元は損害賠償の責任を負わない」と定められているためです。
そのため、火災保険に加入していなければ、第三者が原因の失火であっても建物や家財の修理・再購入費用は、自己負担となる可能性があります。
一方で、火災保険に加入していれば、このようなもらい火による損害も補償対象となります。
火災保険は、火災のみならず自然災害や盗難などの被害も補償対象です。建物や家財が損害を受けた以下のような場面でも補償を受けられます。
建物の損害例
家財の損害例
また、自然災害以外にも以下のようなケースでも補償される場合があります。
火災以外にもさまざまな災害や事故の補償が受けられるため、万が一のトラブルに備えて火災保険に加入しておくことがおすすめです。
地震保険とは、地震や噴火、これらによる津波によって被った建物や家財の損害を補償する保険のことです。
地震保険は火災保険とセットで加入できる保険であり、地震保険のみに加入することができません。地震に関連する損害の補償を受けたい場合は、火災保険とともに地震保険にも加入する必要があります。
自然災害により住宅が被害を受けたときは公的支援制度を利用できます。
たとえば、「被災者生活再建支援制度」は、災害によって住宅が全壊するなど大きな被害を受けた世帯を支援する制度で、最大300万円が支給されます。
支給額は、住宅の被害程度に応じて支給される「基礎支援金」と、住宅の再建方法に応じて支給される「加算支援金」の合計額です。
<基礎支援金>
| 支給額 | |
|---|---|
| 全壊 | 100万円 |
| 大規模半壊 | 50万円 |
<加算支援金>
| 支給額 | |
|---|---|
| 建築・購入 | 200万円 |
| 補修 | 100万円 |
|
賃借 (公営住宅除く) |
50万円 |
なお、単身世帯の場合は、支給される金額がそれぞれ上記の4分の3となります。
その他にも「住宅の応急修理(災害救助法)」「災害復興住宅融資(住宅金融支援機構)」などの公的支援が利用可能です。
自宅が被害を受けたときの補償として上記のような公的支援はありますが、小規模の被害では補償を受けられない可能性があります。また、支援金のみでは住宅の建て直しや家財の買い直しに足りないことも考えられるでしょう。公的支援で賄えない補償に備えるためにも、火災保険と地震保険に加入しておくことが重要です。
2025年5月に総務省消防庁が発表した2024年のデータによると、この年の総出火件数は約37,000件でした。平均すると、1日あたり約101件、単純計算で約14分に1件の火災が発生していることになります。
出火原因で最も多いのはたばこ、次いでたき火、コンロ、電気機器、放火です。自分は気をつけていても、第三者が原因で自宅が火災の被害を受けてしまうことは考えられます。
損害保険料率算出機構の統計によると、2018年度以降は自然災害(風災・ひょう災・雪災・水災)の支払いが増えてきており、2022年度の自然災害の保険金は約1,490億円でした。自然災害に備えるためにも、火災保険に加入しておくことは大切です。
※記載の情報は、2025年8月執筆時点の内容です。
内閣府が公表した、損害保険料率算出機構の資料(2015年度 損害保険料率算出機構統計集)をもとにしたデータによると、火災保険や火災共済に加入している持ち家世帯の割合は、約82%となっています。
この数字から、多くの世帯が火災による損害に備える必要性を認識し、生活に欠かせない備えとして火災保険を選択していることがわかります。
※出典:内閣府 「参考資料 保険・共済による災害への備えの促進に関する検討会 報告」よりグラフ作成
※2025年10月時点
火災保険のプランによっては水災補償を外す特約を付帯することで保険料を抑えることができるのでマンションの高層階に住んでいる場合は「洪水などの水災による被害を受けにくいから補償を外そう」と考える方がいるかもしれません。
確かにマンションの高層階に住居がある場合、河川の氾濫や内水氾濫などが起こったとしても、自宅が被害にあう可能性は低いと考えられます。ただ、マンションであっても低層階の場合は、氾濫や土砂崩れによる被害を受ける可能性はゼロではありません。
水災補償を外す場合は、自宅の階層やハザードマップ上のリスク度合い、過去の水災の記録などさまざまなことを確認したうえで慎重に検討しましょう。
オール電化はガスと比較して火災が起こりにくいと想定されるため、「火災保険に加入しなくてもよい」と考える方がいるかもしれません。
確かにガスを原因とする火災は発生しないかもしれませんが、電気機器のトラブルや配線の不具合など、ガス以外の原因で火災が発生することもあります。また、自宅がオール電化であっても隣家からのもらい火で自宅が被害を受けることも考えられるでしょう。
その他、自然災害による被害も考慮すると「オール電化だから火災保険に加入する必要がない」とはいえないため、加入を検討することをおすすめします。
空き家の場合、「住んでいる人がいないから火災が発生しない」と思うかもしれません。しかし、放火や漏電による火災のリスクは高くなります。
火災保険に未加入の状態で火災が発生した場合、必要であれば建物や家財をすべて自費で買い直さなければなりません。また、空き家が燃えてしまったあとの建物の解体やがれきの撤去にも費用が発生し、自費で支払うことになります。
このような理由から、空き家であっても火災保険に加入する必要性があるといえますが、火災保険によっては、空き家は対象外となるケースもあります。その場合は、定期的な管理を行ったり、空き家の管理代行サービスを利用したりするなど、管理不足による火災や犯罪のリスクを軽減できるようにしましょう。
火災保険が必要かどうかを考えるとき、火災のみではなく第三者による失火のリスクや自然災害のリスクについても考えることが大切です。自宅が失火元にならなくても、隣家の失火で自宅や家財が被害を受けることが考えられます。
また、昨今は大雨による被害もあり、水災をはじめとする自然災害のリスクもあります。火災以外による被害も考慮したうえで、火災保険への加入を検討することをおすすめします。
気候変動などを背景に、自然災害の頻度が増加しているだけでなく、その規模も拡大傾向にあります。火災保険に加入して、火災以外のさまざまな自然災害のリスクから、大切な資産を守りましょう。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災保険に加入していない場合、以下のような事象が発生します。
火災や自然災害によって建物や家財が被害にあっても補償を受けられず、建て替えや買い替えの費用はすべて自分で支払わなければなりません。
法律上、火災保険に加入する義務はありませんが、火災保険への加入が入居条件になっている賃貸物件もあります。
マンションでも戸建てでも、火災保険への加入は法律上の義務ではありません。しかし、火災保険に加入していれば自宅からの失火による被害が補償できる他、隣家からの失火によって自宅に被害があった場合でも補償を受けられるため加入することをおすすめします。
火災以外にも、以下のような災害やトラブルにも備えられます。
マンションでも起こりうる自然災害やトラブルの補償も対象になるため、火災保険への加入をおすすめします。
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