公開日:2025年10月30日
火災保険は火災や自然災害だけでなく、契約内容によっては盗難も対象になります。ただし、盗まれた物や発生場所によっては保険金が支払われないこともあるため、補償の有無や対象範囲を事前に確認しておくことが大切です。
火災保険で補償される盗難被害の範囲や、保険金請求の流れなどをわかりやすくご説明しています。
警視庁が発表した「
侵入窃盗の認知状況の推移」によると、2024年の住宅への侵入窃盗の認知件数は1万6,000件でした。
前年比-8.4%と前年よりも減少しているものの、1日あたり約44件発生しており、誰にでも起こりうるリスクといえるでしょう。
特に、住宅を狙った空き巣や、侵入に伴う建物の損壊、家財の盗難などは、金銭的な損失だけでなく、精神的な不安につながるため、事前の備えが重要です。
盗難被害に備える手段のひとつに、火災保険の盗難補償があります。火災保険というと火事や自然災害への補償をイメージしがちですが、契約によっては盗難被害も補償対象に含まれる場合があります。
ここでは、火災保険で補償される盗難被害の具体例と、補償を受けるための条件を説明します。
自宅に駐輪していた自転車が盗まれた場合、条件を満たせば火災保険の補償対象となります。ただし、駅の駐輪場やマンションの共用駐輪場など、保険の対象となる敷地外での盗難は補償されません。
補償される条件
パソコンやタブレットなどの電子機器の盗難も、火災保険の補償対象となります。ただし、補償の対象となるのは自宅に保管していた場合に限られます。外出先や職場など、自宅以外での盗難は補償対象外です。
補償される条件
自宅に保管していた現金や通帳の盗難も火災保険の補償対象です。ただし、保険会社ごとに補償対象・範囲などが異なるため確認が必要です。
チューリッヒのネット火災保険では、以下の条件を満たした場合に限り、保険金が支払われます。
補償される条件
保険会社によって補償される金額※が異なりますので、火災保険のパンフレットや約款などで確認してみましょう。
※チューリッヒでは、現金の場合は20万円、通帳の場合は200万円が上限です。
火災保険の盗難補償では、盗まれた物だけでなく、盗難にともなって建物が損壊された場合も補償の対象となります。具体的なケースを見ていきましょう。
※共同住宅(マンション、アパートなど)の共用部分は、補償の対象外となります。
「塀」は火災保険の「建物」の補償対象に含まれます。たとえば空き巣が敷地内へ侵入する際に塀を壊した場合は、火災保険の保険金が支払われます。
補償される条件
空き巣が侵入する際に壊した窓ガラスや扉も、火災保険の「建物」の補償対象です。盗難が未遂に終わった場合でも、建物に破損があれば補償される可能性があります。
補償される条件
火災保険に盗難補償が付いていても、盗まれたものや場所などの条件によっては、保険金が支払われないことがあります。
高額な貴金属や美術品は、盗難の補償対象外となることがあります。補償対象とするには、高額貴金属などを補償する契約にしておくのが一般的です。
たとえば、チューリッヒのネット火災保険では、1個または1組の価額が100万円※を超える貴金属、宝玉、宝石、書画、骨董、彫刻物などは、保険の対象に含まれません。
※2024年9月30日始期以前の契約では、上限は30万円となります。また、高額貴金属などを補償対象にする契約はできません。
火災保険で補償されるのは、契約している建物内に収容されている家財(現金を含む)に限られます。そのため、たとえば職場など、自宅以外に持ち出していた物や現金などの盗難も補償されません。
ただし、保険会社によっては、契約している建物外での携行品の損害を補償する特約を扱っている商品があり、その特約を付帯している場合には、盗難を補償しているのが一般的です。
火災保険で補償される盗難被害は、契約した建物の敷地内に保管されていた場合に限られます。たとえば、自宅の敷地内に駐輪していた自転車の盗難は補償されますが、外出先の駐輪場やマンションの共用駐輪場など、契約した建物の敷地外での盗難は補償の対象外です。
家族や同居人による盗難は、原則として火災保険の補償対象となりません。
保険会社によっては、火災・風災・水災などの自然災害、水濡れや外部からの物体の飛来・衝突、地震火災などの際における盗難や紛失は補償対象となりません。
※チューリッヒは、上記の場合の盗難や紛失は補償対象外です。
盗難によって建物や家財に損害が生じた際の保険金は、盗まれた家財と同等のものを再取得するために必要な費用(再調達価額)をもとに算出されます。ただし、支払額は契約時に設定された保険金額が上限です。
建物に損傷があったときも、損害額は修理費用を基準に算出されます。修理によって建物の価値が上がる場合や、残存物(使用可能な部品など)がある場合には、その分が差し引かれて保険金が支払われます。
保険会社や契約内容によっては、火災保険の契約時に「免責金額」を設定している場合があります。免責金額とは、保険金が支払われる際に契約者が自己負担する金額のことです。
※チューリッヒの場合は、免責金額なしのみです。
たとえば、免責金額が1万円で建物や家財の再取得費用が5万円の場合、支払われる保険金は、免責金額を差し引いた4万円となります。
盗難被害にあった際の対処法と、火災保険で保険金を請求するまでの流れを見ていきましょう。
盗難被害にあったら、まずは110番通報しましょう。部屋が荒らされている場合は、犯人の指紋や足跡などの証拠を残すため、できる限りそのままの状態にしておきます。
警察に届け出を行う際に必要なものは以下のとおりです。
被害届が受理されると、「受理番号」が発行されます。保険金請求時に必要となるため、必ず控えておきましょう。
また、通帳が盗まれた場合はすみやかに金融機関に連絡し、口座の利用停止手続きなどを行う必要があります。
被害届を提出したら、加入している火災保険に盗難補償が含まれているかを確認します。補償対象であることがわかったら、保険会社に連絡し、被害の内容を伝えてください。
盗難にともなって建物が損壊された場合においては、建物の復旧義務が規定されている商品※においては、原則建物の修理をすることが保険金支払いの条件となります。そのため、建物の修理の手配も必要となります。
※チューリッヒでは、2024年10月1日始期以降の契約に「建物の復旧に関する特約」が付帯されており、建物の修理が条件となります。
保険金を請求するには、保険会社から案内された必要書類を提出します。
必要書類の例
書類を提出したあと、保険会社から支払われる保険金に関する説明を受けます。不明な点があれば、このタイミングで確認しておきましょう。
手続きが完了すると、契約者の指定口座に保険金が支払われます。
保険金の請求が完了してから30日以内に保険金をお支払いします。ただし、警察の捜査などの事情があると、30日よりも日数がかかることがあり、そのような場合には、その事情や日数の見込みを連絡します。
盗難にあったものが後日発見されたら、できるだけ早く保険会社にその旨を連絡しましょう。発見場所や状態、警察への届出状況などもあわせて報告します。
その後の対応や保険金の取扱いは、保険金が支払われる前か後かで異なります。
保険会社がまだ保険金を支払っていない段階で盗難品が見つかった場合は、盗難による損害はなかったものとみなされるため、原則として保険金は支払われません。
ただし、盗難品を回収するためにかかった輸送費や修理費などの費用は、契約内容に応じて、保険金額の範囲内で補償されることがあります。
保険金が支払われた場合、原則としてその盗難品の所有権は保険会社に移ります。そのため、保険金を受け取った後に、盗難品が見つかっても、盗難品が契約者に返されることはありません。
ただし、被保険者(契約者)が受け取った保険金相当額を保険会社に返還することで、盗難品の所有権を取り戻すことが可能です。
盗難被害にあった場合は、まず警察に被害届を提出することが重要です。火災保険の保険金を請求するには、警察署で発行される「受理番号」が必要になります。
チューリッヒのネット火災保険では、基本補償に盗難に関する補償が含まれています。家財の盗難被害に加え、空き巣によって建物に損害が生じた場合も補償を受けられるため、万が一の際に心強い備えとなるでしょう。
盗難にあわれた際、建物のみを補償対象とする火災保険では、家財の損害は補償されません。盗難によって、建物だけでなく家財にも損害が出るのが心配な場合は、建物と家財の両方を補償対象とする火災保険への加入をご検討ください。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災保険の盗難補償が必要かどうかは、住環境や所有する家財の内容によって異なります。たとえば、セキュリティ対策が整ったマンションに住んでいる方や、高額な家財を所有していない方にとっては、必要性が低いと感じる場合もあります。
一方で、防犯面に不安がある住まいにお住まいの方や、高額な家財を所有している方、盗難被害が多い地域にお住まいの方などは、盗難補償を付けておくと安心です。
クレジットカードの盗難は、火災保険の補償対象外です。カード会社にご相談ください。
火災保険では外出中など屋外での盗難被害は補償されません。
しかし、携行品の損害を補償する特約を扱っている火災保険において、その特約を付帯している場合には、盗難被害が補償されます。ただし、盗難された物によっては補償対象外であることがあります。
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