公開日:2026年1月7日
火災保険の保険料が所得控除の対象になるかどうか、疑問に思う方も多いでしょう。火災保険料は、かつては控除の対象とされていましたが、制度改正を経て現在では扱いが変わっています。
火災保険が控除対象外となった背景や、地震保険料控除の対象となる契約条件、控除額の計算方法、地震保険料控除を受けるための手続きの流れまでをわかりやすく説明します。
原則として、火災保険の保険料は所得控除の対象外です。かつては火災保険を含む損害保険料も所得控除の対象でしたが、2006年の税制改正により「損害保険料控除」は廃止され、代わりに「地震保険料控除」が導入されました。
そのため、2025年10月時点では、原則として火災保険単体で所得控除を受けることはできません。
火災保険単体では所得控除の対象となりませんが、一定の要件を満たす火災保険契約(旧長期損害保険契約)は例外的に地震保険料控除を受けることができます。
地震保険料控除を受けられる火災保険契約(旧長期損害保険契約)の要件
※出典元:国税庁「No.1145 地震保険料控除」
つまり、2006年12月31日までに契約した「長期の火災保険(10年以上、満期返戻金付き)」を、2007年以降も変更せずに継続している方が対象となります。現在、新たに火災保険に加入してもこの要件に該当はしませんが、過去の契約を持ち続けている場合は地震保険料控除を適用できる可能性があるのです。
地震保険料控除によって軽減または還付される税額は、その年に支払った保険料や所得税率などによって変わります。
所得税における地震保険料控除額は、保険料の種類と金額によって以下のように異なります。
| 区分 | 年間の支払保険料の合計 | 控除額 |
|---|---|---|
| 地震保険料 | 50,000円以下 | 年間保険料の全額 |
| 50,000円超 | 50,000円 | |
| 旧長期損害保険料 | 10,000円以下 | 年間保険料の全額 |
|
10,000円超 20,000円以下 |
年間保険料×1/2+5,000円 | |
| 20,000円超 | 15,000円 | |
| 地震保険料と旧長期損害保険料の両方 |
− | それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高50,000円) |
※出典:国税庁「No.1145 地震保険料控除 」をもとに表作成
たとえば、年間に支払った地震保険料が50,000円以下の場合は全額が控除額となり、50,000円を超えると一律50,000円が控除額となります。
また、地震保険料と旧長期損害保険料の両方を支払った場合は、それぞれの控除額を計算した合計(最高50,000円)が控除額となります。
住民税における地震保険料控除額および控除額の計算式は以下のとおりです。
| 保険料の種類 | 支払保険料 | 控除額 |
|---|---|---|
| 地震保険料のみ | 50,000円以下 | 年間保険料×1/2 |
| 50,000円超 | 25,000円 | |
| 旧長期損害保険料のみ | 5,000円以下 | 年間保険料の全額 |
|
5,000円超 15,000円以下 |
年間保険料×1/2+2,500円 |
|
| 15,000円超 | 10,000円 | |
|
地震保険料と 旧長期損害保険料の両方 |
- |
それぞれの方法で 計算した金額の合計額 (最高25,000円) |
地震保険料と旧長期損害保険料の両方を支払った場合は、それぞれの控除額を合計し、最高25,000円までとなります。
長期契約の火災保険料を契約時に一括で支払った場合は、支払保険料の総額を保険期間の年数で割った金額(1年分の保険料)が、その年の控除対象保険料となります。
たとえば、契約期間5年分の地震保険料100,000円を一括で支払った場合、毎年の控除対象保険料は20,000円(100,000円 ÷ 5年)となります。支払保険料の全額をまとめて申告するわけではないので、覚えておきましょう。
なお、保険会社から発行される「地震保険料控除証明書」には、その年の控除対象となる金額が記載されているため、証明書に記載された金額をそのまま申告すれば問題ありません。
地震保険料控除を受ける一般的な流れは以下のとおりです。
地震保険料控除を受ける方法には、「年末調整で申請」と「確定申告で申請」の2パターンがあります。
会社に勤めている方は、年末調整で申請できます。一方、自営業やフリーランスの方、または、会社員であっても給与所得以外の所得がある方は、確定申告で申請するのが一般的です。どちらの場合も、保険会社から送付される「地震保険料控除証明書」が必要です。
年末調整での申請手続きの流れは以下のとおりです。
給与所得者の保険料控除申告書は、地震保険料控除証明書を見ながら、保険会社名・契約者名・保険期間・控除対象保険料などを記入しましょう。
提出後は勤務先が控除額を計算し、その年の所得税に還付や追徴として反映されます。住民税は翌年の税額に反映されます。
自営業の方や年末調整で申告できなかった方、または給与所得者でも自ら確定申告を行う場合は、以下の流れで申告します。
確定申告は原則として毎年2月16日から3月15日までの期間に行います。ただし、開始日や期限日が土・日・祝日にあたる場合は、翌平日に変更となるため、国税庁のウェブサイトなどで確認しましょう。
マイナンバーカードを使った電子申告(e-Tax)では証明書の提出を省略できますが、5年間の保管が必要です。
地震保険料控除証明書は、加入している保険会社から例年10月中旬以降に郵送されます。ただし、初年度は保険証券に地震保険料控除証明片として付けている保険会社があり、その場合は地震保険料控除証明書の郵送はなく、保険証券から切り離して使用します。
※チューリッヒは、地震保険料控除証明書のハガキを毎年10月中旬以降にご契約者さまの自宅住所へ郵送しています。
原則として、火災保険のみの契約は地震保険料控除の対象外となるため、証明書は発行されません。地震保険に加入しているにもかかわらず届かないときは、保険証券など、他の郵送物に同封されていないか確認してみましょう。
また、近年は保険料控除証明書を電子データ(XMLファイル)で交付する保険会社が増えてきています。電子データでの交付の条件に該当する場合には、地震保険料控除証明書のハガキは郵送されません。
※チューリッヒでは電子データによる保険料控除証明には対応していません。
それでも見当たらない場合は、保険会社に依頼すれば再発行が可能です。チューリッヒのネット火災保険では、お客さま専用ページから手続きができます。
また、証明書を電子データで取得できる保険会社もあるため、ウェブサイトのマイページもあわせて確認してみましょう。
原則として、火災保険単体では所得控除の対象になりませんが、地震保険をセットで契約している場合は、地震保険料控除を受けることができます。
地震保険は火災保険とセットで加入するものであり、単独での契約はできません。地震保険に加入すれば、地震による被害に備えられるとともに、支払った保険料が所得控除の対象となります。
チューリッヒのネット火災保険では、契約後でも地震保険に加入できます。控除の利用と災害への備えの両面から、地震保険の付帯を検討してみましょう。
火災保険単体では、原則として保険料の控除対象外です。ただし、地震保険を付帯すれば、地震保険で支払った保険料が控除されます。賃貸住宅でも、家財を目的とした火災保険に地震保険が付帯されていれば地震保険の保険料は控除対象です。長期契約で一括払いをした場合、1年あたりの保険料が毎年控除対象になる点も覚えておきましょう。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
会社員が年末調整で申請し忘れた場合は、確定申告で申請できます。また、確定申告の期限を過ぎても、5年以内であれば「更正の請求」により控除を受けられることがあります。
地震保険に関する契約内容を変更した場合、変更前に発行された地震保険料控除証明書は使用できないことがあります。その際は、控除対象保険料を反映した証明書を再発行してもらう必要があるため、加入している保険会社へ問合わせましょう。
「地震火災費用」は火災保険の特約の一つであり、地震保険料控除の対象にはなりません。
ダイレクト型だからお手頃な保険料