公開日:2025年11月27日
「雨漏りは火災保険で補償されるのか」と気になる方もいらっしゃるでしょう。実際には、雨漏りによる損害は原因によって補償の可否が異なります。
たとえば、雨漏りによって天井や壁紙にシミや剥がれが生じた場合、火災保険の対象となることがありますが、経年劣化や施工不良、地震が原因の場合は補償対象外です。
そこで、火災保険で雨漏りの損害が補償されるケースと補償されないケースをご説明します。火災保険を利用する際の流れや利用するときのポイントや注意点などもご説明しますので、ご参考にしてください。
強風や建物外部からの落下物などで屋根や壁が破損し、その破損が原因で、雨漏りが発生して天井や壁紙などにシミや剥がれが生じた場合、これらの修繕にかかる費用について火災保険で補償を受けられる可能性があります。
また、家財も保険の対象に含まれている場合は、家具や家電、衣類といった家財も補償の対象になる場合があります。
以下のケースでは、雨漏りで火災保険の補償が適用されることがあります。
自然災害が原因で雨漏りが発生した場合は、火災保険の補償対象となる可能性が高いでしょう。
例として、以下の自然災害による雨漏りが挙げられます。
| 雨漏りの原因となる自然災害 | 雨漏りの原因となる具体例 |
|---|---|
| 風災 |
|
| 雹(ひょう)災 | 雹(ひょう)が当たって屋根材が割れた |
| 雪災 |
|
自然災害ではなくても、建物の外部からの「飛来物、落下物、衝突物」などによって建物が破損し、その結果、雨漏りするようになったときも補償対象となる場合があります。
たとえば、外部から自動車が衝突して家屋や外壁が壊れ、雨漏りが生じたケースなどです。
以下のケースでは、雨漏りが生じたとしても火災保険では補償されません。
雨漏りの原因が屋根や外壁の経年劣化による場合は、火災保険では保険金を受け取ることはできません。
たとえば、長年の使用により屋根や外壁に腐食やひび割れ、剥がれが発生したことで雨漏りが生じている場合は、補償対象外です。
新築や築浅の住宅で、自然災害なども起きていないときに雨漏りが発生した場合、施工不良が原因の可能性があります。施工不良が原因の場合は、火災保険で修理費用の補償を受けることはできません。
家を建てた業者または管理会社や大家などに連絡し、保証やアフターサービスの対象となるかを確認しましょう。
リフォーム工事の不具合や施工ミスが原因で雨漏りが発生した場合、火災保険の補償を受けることはできません。
リフォーム後に強風や外部からの物体の衝突などがないにもかかわらず雨漏りが発生するようになったのであれば、施工不良の可能性があります。リフォームを行った業者に連絡し、原因の確認および修理の対応をしてもらいましょう。
火災保険に加入していても、地震保険に加入していなければ、地震が原因による損害は補償されません。
たとえば、地震によって屋根瓦がずれた場合や、雨どいが破損した場合、外壁にひびが入った場合なども、火災保険の補償対象外です。
また、雨漏りに限らず、地震によって火災が発生し、建物や家財が燃えてしまった場合でも、火災保険だけでは補償を受けられないので注意しましょう。地震による火災や災害に備えるには、別途、地震保険への加入が必要です。
その他にも、以下のようなケースでは火災保険の補償対象外となります。
強風や建物外部からの落下物などで屋根や壁が破損し、その破損が原因で雨漏りが生じた場合は、以下の手順で火災保険を利用しましょう。
雨漏りが発生したら、加入している保険会社にすみやかに連絡しましょう。
被害状況が目視で確認できる場合は、スマートフォンなどで写真撮影しておくと証拠になる可能性があります。
保険会社への連絡後は、修理業者に依頼して修理費用の見積りをとります。
受け取った見積書や、保険会社から指定された書類を提出することで、請求手続きが完了します。
書類や写真だけでは被害状況がわからないときは、保険会社の調査員が自宅を訪問する場合があります。調査員は、公正・公平な立場から被害状況を確認します。
必要書類を提出し、必要に応じた事実確認が済んだら、保険会社から支払い可能な保険金の金額について説明があります。
不明点がある場合は、保険金を受け取る前に質問をしておくことが大切です。
保険金の金額の確定後は修理業者などに依頼し、実際に復旧作業を行いましょう。復旧が完了次第、保険金が支払われます。特に雨漏りにより屋根が損傷した場合は、原則として元の状態に修復する「復旧義務」が適用されます。
すべての手続きが完了次第、指定した口座に保険金が振り込まれます。
雨漏りで火災保険を利用する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
免責金額とは、自己負担額のことです。火災保険では、損害額から免責金額が引かれた金額が保険金として支払われることが一般的です。
たとえば、雨漏りが生じて屋根の修理費用が50万円で免責金額が10万円の場合、40万円が保険金として支払われることになります。一方、修理費用が10万円以下で、免責金額を超えない場合は、保険金が支払われません。
免責金額を設定できるかどうかは、保険会社によって異なります。免責金額が自己負担なしの0円の保険会社もあれば、10万円など保険会社が設定している免責金額から選択できる場合もあります。
※ チューリッヒのネット火災保険では、風災・雹(ひょう)災・雪災の補償に関する免責金額はありません。
雨漏りを放置すると、建物や家財に影響があるだけではなく、原因の特定が難しくなったり、保険金を請求できなくなったりしてしまいます。
火災保険には、建物の復旧に関する特約が付帯されている場合があります。この特約では、建物に損害が生じた日から、一定の期間内(※1)に「事故発生直前の状態(※2)」に復旧した場合に限り、保険金が支払われます。
ただし、例外として、やむを得ない事情がある場合や、復旧を確約したうえで保険会社の承認を得られた場合は、復旧前に保険金が支払われます。
また、全損の場合や、法令による規制などで復旧できない場合には、復旧の事実または復旧の確約がなくても保険金が支払われます。
※1 チューリッヒのネット火災保険では、3年です。
※2 構造、質、用途、規模、型、能力などにおいて事故の発生の直前と同一の状態をいい、同等以上の状態を含みます。
雨漏りに気づいたら、保険会社に早めに連絡し、補償対象かを確認しましょう。
雨漏りの原因と考えられる部分が目視で確認できる場合は、スマートフォンなどで写真を撮影し、データとして残しておくと安心です。撮影しておくことで、保険金を請求する際の証拠になる可能性があります。
ただし、屋根や雨どいは高所にあるため、撮影が困難になることもあるでしょう。無理に撮影しようとするとケガをする可能性もあるので、可能な範囲で撮影しましょう。
火災保険の申請を代行する業者が存在しますが、保険金から業者が手数料を差し引いて、契約者が受け取れる金額が減ってしまったり、悪質な業者の詐欺行為に加担させられたりするといったトラブルが多く報告されているため注意が必要です。国民生活センターでも、不正な請求を勧める業者に関する注意喚起を行っています。
台風や大雨といった災害のあとは、火災保険を悪用する申請代行業者とのトラブルに注意が必要です。不当な高額修理の契約を迫られたり、破損していない部分を壊して修理を勧められたりする事案が発生しています。
火災保険を悪用する業者は、災害で屋根や外壁、雨どいが損傷した住宅に「火災保険で修理できる」と持ちかけたうえで、保険金申請の代行契約を結ばせ、あとから高額な手数料を請求してくることがあります。
その他にも、実際に雨漏りが発生し修理業者に見積りのみを依頼した段階で、勝手に作業が行われ、高額な作業料金を請求された事例もあるため、充分に気をつけましょう。
トラブルにあったときは、家族や消費生活センターなどに早めに相談しましょう。
なお、火災保険で保険金を請求できるのは原則として被保険者本人であり、申請代行業者などが間に入ることは原則できません。悪徳業者が近づいてきても毅然とした態度で断るようにしましょう。
強風や建物外部からの落下物などによって建物が破損したことで、雨漏りが生じ、畳や建具、電気やガスといった設備が損害を受けた場合は、火災保険の補償対象です。また、家財も保険対象としている場合は、家電製品や家具、書籍なども補償対象となります。
すでに火災保険に加入している方で、強風や建物外部からの落下物などによる建物の破損で雨漏りの被害にあった場合は、保険会社へすみやかに連絡しましょう。
火災保険では、雨漏りの原因となった建物の破損が自然災害によるものであった場合だけではなく、外部からの物体の衝突の場合も補償されます。火災保険に未加入の方は、加入を検討しましょう。
自然災害による建物の損壊が原因で雨漏りが発生した場合、保険金が支払われる可能性がありますが、経年劣化による雨漏りは補償の対象外です。
また大規模な台風や洪水などの災害後は、悪質な業者が修理を勧誘するケースが増える傾向があるため、充分ご注意ください。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災保険では、経年劣化による破損が原因で発生した雨漏りは、補償対象外です。
強風や建物外部からの落下物などで屋根や壁が破損し、その破損が原因で雨漏りが発生したのであれば、補償を受けられます。
火災保険で修理費用が全額補償されるかどうかは、設定されている免責金額によって異なります。
免責金額とは自己負担額のことで、設定された免責金額が0円だった場合は、自己負担なしで全額が保険金から支払われます。
ただし、免責金額が10万円などと設定されている場合は、その金額を超えた分が、保険金として支払われます。そのため、修理費用が免責金額を超えない場合は、保険金が支払われず、契約者自身が負担することになります。
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