公開日:2025年9月4日
機能性の向上やデザインの変更など、住まいをよりよくするためのリフォームに、火災保険が使えるのでは?と考える方もいるかもしれません。しかし、火災保険はあくまで損害に対する補償を目的とした保険であり、適用には条件があります。
そのため、「火災保険を使えば無料でリフォームできる」と勧誘してくる業者には注意が必要です。トラブルを避けるには、火災保険の補償対象となる損害を把握しておくことが重要です。実際に補償されるケースを挙げながら、詳細にご説明します。
火災保険を使って住宅のリフォームをすることはできません。火災保険は、火災や風災、雪災、水災などの自然災害の他、水漏れ・水濡れや盗難など偶発的におきた事故による損害を補償する保険です。
「火災保険を使ってリフォームできる」といった情報は誤りで、住宅の機能を向上させることを目的としたリフォーム費用は、火災保険の補償対象となりません。
| リフォーム | 修理 | |
|---|---|---|
| 定義 | 機能性向上やデザイン変更など、住まいをよりよくするための改修全般 | 破損、損傷した部分を再び使用できるようにすること |
| 例 | 住宅の増築・改築、経年劣化したクロスの張り替え、水回りの設備交換、バリアフリー化、外壁や屋根のデザイン変更 など | 台風で壊れた屋根の修理、床上浸水で傷んだ床の修理、火災で焼けた壁の再建、雨漏りがおきた屋根の補修 など |
リフォームは、住宅の機能向上やデザイン変更などを目的とした工事であり、自然災害や事故を原因としないため、火災保険の補償対象外です。一方、修理に該当する場合では、その損害の原因が火災や台風などの自然災害や突発的な事故であれば、火災保険の補償対象となります。
住宅に損害が生じた場合、火災保険が適用するかを判断するために、補償内容を理解しておく必要があります。以下の自然災害や事故により、建物や家財に損害が生じた際に補償を受けられます。
ただし、契約内容によっては、水災や水漏れが補償対象外の場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。なお、地震による損害の補償を受けるためには、地震保険への加入が別途必要です。
火災保険は、住宅の機能向上や外観の刷新を目的としたリフォームには適用されません。
一方、自然災害や突発的な事故によって建物が損害を受けた場合の修理であれば、火災保険の補償対象です。
火災保険が適用される修理の例についてご説明します。
台風による強風や飛来物などで屋根の瓦が飛んだり、屋根材が破損したりした場合は「風災」として補償されます。屋根の損傷を放置すると、雨漏りやカビの発生、小動物の侵入など二次被害に発展する可能性もあるため、被害に気づいたら早めに保険会社へ連絡しましょう。
台風や集中豪雨で床上浸水が発生し、フローリングや畳の張り替えが必要になった場合は「水災」として補償されます。ただし、水災補償を付帯していないケースでは対象外となるため、契約内容を事前に確認しておきましょう。
マンションなどの集合住宅で、上の階からの水漏れによって天井や壁、床が損傷した場合には、「水濡れ」の事故として火災保険の補償対象になることがあります。
ただし、契約内容によっては水濡れ補償が付帯されていないケースもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
リフォームではなく「修理」に該当する場合でも、火災保険が適用されないケースがあります。
長年の使用による劣化や老朽化により生じた損傷は、火災保険の補償対象外です。
屋根や外壁の色あせ・ひび割れ、雨漏りなどが経年劣化によるものであれば、保険金は支払われません。
火災保険はあくまで突発的な事故や災害による損害に限定されているため、日常的な消耗や老朽化による修理費用は自己負担となります。
保険契約者やその家族が故意に建物を壊した場合や、重大な過失によって損害が生じた場合も、火災保険の補償対象外です。
たとえば、故意にガラスを割ったり、明らかに不注意な行動で火災をおこしたりしたケースなどが該当します。台風や大雨の際に窓を閉め忘れてしまい、雨水が浸入した場合も補償されません。
ねずみ食いやシロアリなどの害虫・害獣による被害も、火災保険では補償されません。
ただし、ねずみが配線をかじったことが原因でショートして火災が生じた場合、配線自体は補償対象外ですが、火災による建物・家財の損害は補償対象となります。
火災保険で支払われる保険金は、実際の損害額から免責金額を差し引いた金額となります。
免責金額とは、保険会社が保険金を支払う際に契約者が自己負担する金額のことです。
修理費用が免責金額以下の場合は補償の対象外となります。たとえば、免責金額を10万円に設定している場合、修理費用が10万円以下であれば保険金は支払われません。
過去に実施したリフォームの施工不良による損害も、自然災害や事故が原因ではないため、補償対象外です。戸建て住宅のリフォーム時の施工不良による外壁や屋根のはがれ、性能不足、雨漏りなども補償対象外となります。
火災保険で保険金を請求する際は、以下の点に注意しましょう。
火災保険の保険金請求は、原則として被保険者本人が行う必要があります。
被保険者が請求できない事情がある場合は、被保険者と同居または生計をともにする配偶者や3親等内の親族などが請求できることもありますが、いずれも保険会社の承認が必要です。
火災保険の保険金請求は、損害が発生した日の翌日から3年以内に行う必要があります。たとえ補償対象の損害であっても、請求期限を過ぎてしまうと時効となり、保険金は支払われません。
自然災害や事故による損害を確認できた場合は、早めに保険会社や修理業者へ相談しましょう。
火災や自然災害などによって被害を受けた際、火災保険に加入していれば、一定の条件を満たすことで保険金を受け取れます。保険金の請求時に必要となる書類や、支払われるタイミングについて、チューリッヒのネット火災保険を例にご説明します。
チューリッヒのネット火災保険の場合、保険金を請求する際は以下の書類の提出が必要です。
火災保険の保険金は、請求が完了してから30日以内に支払われます。
ただし、保険金の支払いにあたり、事故の原因や発生状況の確認、損害額の算定などの調査が必要となるケースでは、30日を超える場合もあります。
住宅をリフォームした場合、建物の条件が変わることで契約内容も変更になるため、保険会社への連絡は必須です。
リフォームにより延床面積や構造、耐火性能などの変更がある場合や、増築・改築・一部取り壊しで建物の価値が変わった際は保険金額が変更となる可能性があるためです。
チューリッヒのネット火災保険を契約中で自宅をリフォームした場合は、お客さま専用ページのお問合わせフォームよりご連絡ください。
近年、「火災保険を使えばリフォームが無料でできる」と勧誘する業者とのトラブルが増えています。「自宅を無料で点検できる」などと電話や訪問で持ちかけ、点検の結果、修理が必要であると説明し、契約を締結させるといった手口です。
こういった業者を利用すると、保険金が支払われずに修理費用を自己負担することになったり、解約時に高額な手数料を請求されたりするなどのトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
安易に契約せず、不安に思ったら早めに保険会社や消費生活センターなどに相談しましょう。
火災保険の保険金請求は、突発的な災害による損害の修理に限定され、経年劣化や機能向上のためのリフォームは対象外です。リフォーム後は建物の構造や価値が変わる可能性があるため、忘れずに保険会社へ連絡し、契約内容を見直してください。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災保険で補償対象となるのは、自然災害や偶然の事故による損害に限られるため、住宅の機能向上などを目的としたリフォームは補償対象外です。
自治体の補助金は一定の要件を満たせば申請できる場合があります。お住まいの自治体のウェブサイトなどで確認しましょう。
リフォームの内容によっては保険内容の変更が生じるため、保険会社に連絡する必要があります。
そもそも火災保険は住宅の機能向上などを目的としたリフォームで利用することはできません。
火災保険が適用されるのは、自然災害や偶然の事故を原因とする損害の修理費用に限られています。
ダイレクト型だからお手頃な保険料