公開日:2026年10月1日
子どもがボール遊び中に窓ガラスを割ってしまったなど、思わぬトラブルで修理が必要になり、「火災保険は使えるのだろうか」と気になる方もいるでしょう。窓ガラスが割れた際の修理費用には、火災保険が適用される可能性があります。ただし、火災保険の契約内容や破損の原因によっては、補償されないケースもあります。自身の状況を踏まえて、補償対象になるかどうかを確認することが大切です。
火災保険の保険金の支払対象となる条件や対象外となるケース、保険金の支払額の目安や請求の流れなどをわかりやすくご説明します。
窓ガラスの修理費用が火災保険などの補償対象になるかどうかは、住まいの種類や窓ガラスの場所、破損原因、加入している保険の補償内容によって異なります。以下のポイントを確認しましょう。
戸建ての場合は、主に以下の流れで確認します。
火災保険に加入していても、補償対象外の原因による破損や、免責金額以下の修理費用については、保険金が支払われない場合があります。まずは契約内容を確認し、判断に迷う場合は保険会社へ相談しましょう。
分譲マンションの窓ガラスは、区分所有者が専用で使用できる「専用使用権付き共用部分」にあたるのが一般的です。修繕義務や費用負担が管理組合と区分所有者のどちらにあるかは管理規約によって異なるため、確認先や対応も変わります。
まずは、以下の点を確認しましょう。
分譲マンションの窓ガラスは、自己判断で修理を進める前に管理会社や管理組合へ連絡し、対応方法を確認しておくと安心です。
窓ガラスの割れに火災保険を使うには、以下の条件をどちらも満たしている必要があります。
窓ガラスは建物の一部に該当するため、建物を補償対象としている火災保険に加入していることが前提です。家財ではないため、家財のみを補償対象としている契約では補償されません。
建物が補償対象であり、かつその損害の原因が火災保険の補償対象に該当する場合には、補償される可能性があります。たとえば、台風による飛来物の衝突で割れた場合は「風災」の補償対象です。泥棒に窓ガラスを割られた場合は、盗難補償を付けていれば補償されます。
なお、分譲マンションの場合、建物の火災保険に関する取扱いが一戸建てとは異なります。
分譲マンション(区分所有建物)の窓ガラスは「専有部分」ではなく、「専用使用権付き共用部分」に該当します。専用使用権付き共用部分とは、区分所有者が専用で使用できる共用部分のことです。
専用使用権付き共用部分の損害について、その修繕を管理組合が行うことになっているのか、区分所有者が行うことになっているのかをはっきりさせる必要があります。それは、マンションの管理規約に書かれているため、分譲マンションで窓ガラスが割れた場合は、マンションの管理規約を確認しましょう。
専用使用権付き共用部分の損害は管理組合が修繕することになっている場合には、管理組合に修繕の依頼をしましょう。管理組合が加入している火災保険(共用部分を対象とする保険)で、修繕費用をまかなえるかもしれません。
一方、管理規約で「窓ガラスの修繕義務は区分所有者が負う」と定められている場合は、区分所有者が修理費用を負担します。この場合の費用を、自身が加入している火災保険でまかなえる可能性があるため、以下の点を確認します。
専用使用権付き共用部分の損害が補償対象となるかどうかは、保険会社および契約内容によって異なります。窓ガラスに損害が生じた場合は、加入している火災保険の契約内容を確認しましょう。確認してもわからない場合には、代理店または保険会社に問い合わせましょう。
※チューリッヒのネット火災保険では、「専用使用権付き共用部分」は補償対象外です。
火災保険の補償対象となる事故や火災、自然災害などにより窓ガラスが破損した場合は、保険金が支払われる可能性があります。具体的には、以下のようなケースが該当します。
なお、自然災害による窓ガラスの破損であっても、すべてが補償対象となるわけではありません。補償対象となるのは、契約している火災保険の約款で担保危険として定められている事故に該当する場合に限られます。これらは契約内容によって異なるため、事前に保険会社へ確認しておきましょう。
自身の火災保険の建物の補償に「風災、雹(ひょう)災、雪災」が含まれている場合、台風や竜巻などによる強風、雹(ひょう)、雪などで窓ガラスが破損した際は、補償対象となる場合があります。
ただし、建物の外部からの風圧や飛来物、落雪などによる直接的な損害であることが前提です。たとえば、窓を開けている状態で強風が吹き込み、室内の建具が倒れて窓が破損した場合は、補償されません。また、雪の重みや落雪による損害は雪災の補償対象になりますが、雪かきや除雪作業中に誤って窓ガラスを破損した場合は、台風・強風・雹(ひょう)・雪などによる損害とは認められません。
補償される可能性があるケース
|
自身の火災保険の建物の補償に「建物外部からの物体の落下・飛来・衝突」(※)が含まれているときに、建物の外から物体が飛来・落下・衝突したことで窓ガラスが割れた場合も、補償対象となります。ただし、保険会社によっては、保険契約者や被保険者が所有または運転する車両による衝突は補償対象外としていることがあります。
加害者が特定できる場合は、相手側に損害賠償を請求できる可能性があります。この場合でも、まずは自身の火災保険から保険金を受け取り、その後、加害者への請求手続きを保険会社に任せることも可能です。
※「水濡れ等」の中に「建物外部からの物体の落下・飛来・衝突など」が入っていることが多いです。
補償される可能性があるケース
|
自身の火災保険の建物の補償に「不測かつ突発的な事故」が含まれているとき、または、「破損・汚損損害等補償特約」を付帯しているときに、不測かつ突発的な事故で窓ガラスが割れた場合も、補償対象となります。
不測かつ突発的な事故とは、基本補償(※)以外の偶然の事故を指します。たとえば、子どもがおもちゃを投げて窓ガラスが割れた場合などが該当します。
※ここでいう基本補償とは「火災、落雷、破裂・爆発」「風災、雹(ひょう)災、雪災」「水災」「盗難」「水濡れ」「建物外部からの物体の落下・飛来・衝突」「騒擾(じょう)・集団行動などを伴う暴力行為」です。
補償される可能性があるケース
|
自身の火災保険の建物の補償に「盗難」が含まれているときに、泥棒の侵入により窓ガラスが割られた場合も、補償対象となります。
空き巣は「ガラス破り」という手口で侵入することが多く、窓ガラスの破損はよくある被害です。物が盗まれていない場合でも、窓ガラスやドアが破損していれば補償対象となることがあるため、補償内容を確認しましょう。
補償される可能性があるケース
|
火災による損害は火災保険の基本補償に含まれます。火災では、高温の炎による急激な温度変化で窓ガラスが破損することがあります。
自宅が火元である場合だけでなく、隣家からの延焼や消火活動による損害も補償対象です。
補償される可能性があるケース
|
落雷による損害も火災保険の基本補償に含まれます。落雷が住宅に直撃するケースは少ないものの、近くに落ちた雷の衝撃で窓ガラスが割れたり、窓枠(サッシ)が変形したりした場合も補償対象です。
補償される可能性があるケース
|
「破裂または爆発」とは、気体や蒸気が急激に膨張することで起こる破壊現象を指します。ガス漏れによる爆発の他、カセットボンベやスプレー缶の破裂などによって窓ガラスが割れた場合も補償対象となります。
自宅だけでなく、隣家で発生した爆発による被害も補償対象です。
補償される可能性があるケース
|
原因や契約内容によっては、火災保険が使えないケースもあります。
地震・噴火・津波を原因とする損害は、火災保険の補償対象外です。たとえば、地震の揺れで窓ガラスが割れた場合や、地震による津波の衝撃で窓ガラスが破損した場合は、火災保険では補償されません。
火災保険とあわせて地震保険に加入している場合は、地震による損害が補償されます。ただし、地震保険は建物の主要構造部(柱・基礎・屋根・外壁など)に一定の損害が生じた場合に保険金が支払われるしくみであり、窓ガラスのみの損害では保険金の支払い対象となりません。
火災保険は、補償する旨が列挙されている事故のみが補償対象となります。そして、そこには経年劣化や老朽化は含まれていません。そのため、経年劣化や老朽化が直接の原因である損害は補償対象外です。たとえば、サッシや窓枠のパッキンの劣化によって破損した場合、保険金は支払われません。
火災保険の被保険者やその家族が故意に破損させた場合や、著しい不注意による損害も補償対象外です。たとえば、わざと物を投げて窓ガラスを割った場合や、明らかな危険行為により火災や爆発を発生させ、その結果窓ガラスに損害が生じた場合は、保険金の支払い対象となりません。
免責金額とは、損害発生時に自己負担する金額のことです。免責金額を設定している場合は、損害額から免責金額を差し引いた金額が保険金として支払われます。たとえば、免責金額が5万円で修理費用が4万円の場合は、全額自己負担となるため、保険金は支払われません。
窓ガラスは1万〜5万円程度で修理できるケースも多く、免責金額によっては火災保険を利用できない可能性があることを認識しておきましょう。
※チューリッヒのネット火災保険では、免責金額は「自己負担なし」のみを設定できます。一方、「破損・汚損損害等補償特約(住総用)」は免責金額が5万円です。このように特約によっては免責金額が設定されています。
窓ガラスの熱割れとは、太陽光で熱せられたガラス(高温部)と、サッシに隠れた冷たい部分(低温部)との温度差により生じる膨張・収縮のゆがみによって、自然にヒビが入る現象です。経年劣化とは異なり、急激な温度差によって発生する点が特徴です。
ガラスの端から直線的にヒビが入り、衝撃の跡が見られない場合は熱割れの可能性があります。
自身の火災保険の建物の補償に「不測かつ突発的な事故」が含まれているとき、または、「破損・汚損損害等補償特約」を付帯しているときは、窓ガラスの熱割れが補償対象になる可能性があります。
実際に熱割れが発生した場合には、保険会社に確認しましょう。
自身の火災保険に「個人賠償責任補償特約」を付帯しているときに、他人の家の窓ガラスを割ってしまった場合は、自身が加入している火災保険の個人賠償責任補償特約で補償される可能性があります。
個人賠償責任補償特約とは、被保険者本人(※)やその家族が日常生活のなかで他人にケガをさせたり、他人のものを壊したりしたことにより、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償する特約です。
個人賠償責任補償特約は、火災保険、自動車保険、傷害保険に付帯できる場合があります。チューリッヒのネット火災保険でも、個人賠償責任補償特約を付帯できます。
補償対象は被保険者本人(※)だけでなく、その家族も含まれるのが一般的です。たとえば、子どもが外でボール遊びをしていて近隣住宅の窓ガラスを割ってしまった場合でも、法律上の賠償責任を負えば保険金を請求できます。
窓ガラスの破損に限らず、日常生活における思わぬトラブルに備えたい場合は、個人賠償責任補償特約への加入も検討するとよいでしょう。
※火災保険の被保険者とは別に個人賠償責任補償特約の被保険者本人を設定することがあります。
すでに窓ガラスを修理している場合でも、火災保険の保険金を請求できます。ただし、事故発生(窓ガラスが割れたとき)から3年を経過すると、保険金を請求する権利(保険金請求権)が時効により消滅するので注意が必要です。
なお、火災保険の請求には、被害状況がわかる写真や修理会社に作成してもらった見積書などが必要です。修理後は被害状況を確認できる資料が残っていない場合があり、原因の特定が難しくなることがあります。
こうした点を踏まえ、窓ガラスが破損した場合は、できるだけ早く保険会社へ連絡しましょう。
窓ガラスの破損が火災保険の補償対象となる場合、契約時に設定された保険金額を上限に、修理・交換費用から免責金額を差し引いた金額が支払われます。たとえば、免責金額が5万円で修理費用が12万円の場合、保険金は7万円です。
※チューリッヒのネット火災保険では、免責金額は「自己負担なし」のみを設定できます。一方、「破損・汚損損害等補償特約(住総用)」は免責金額が5万円です。このように特約によっては免責金額が設定されています。
また、火災保険は契約内容によって補償額の算出方法が異なります。新価(再調達価額)を基準とする契約であれば、事故直前と同等の質・性能のガラスの修理・交換費用が補償されるしくみです。一方で、35年契約などの旧制度の火災保険では、時価額を基準とする契約となっていることがあります。
窓ガラスのみの損害では、新価・時価による影響は小さいと考えられます。ただし、自然災害などで建物全体に大きな損害が生じた場合は、時価基準では受け取れる保険金額が新価基準より少なくなるため、定期的に契約内容を見直すことが大切です。
窓ガラスが割れたときは、まず安全確保を優先したうえで保険会社へ連絡し、保険金請求の手続きを進めましょう。修理や撤去作業に伴って発生するガラス片の回収・処分費用などは、火災保険の「残存物取片づけ費用」として補償される場合があります。
また、空き巣による窓ガラスの破損で盗難被害を伴う場合は、事前に警察へ被害届を提出し、受理番号を控えておくことも必要です。
ここからは、具体的な手順をご説明します。
割れたガラスの破片でケガをしないよう、まずは周囲の安全を確保します。割れた窓ガラスは素手や素足で触れず、厚手の手袋や履物を着用して作業しましょう。可能であれば、段ボールやブルーシートなどで開口部を覆い、雨風の吹き込みを防ぎます。
チューリッヒのネット火災保険では、ガラス片の回収・処分などの撤去作業にかかった費用について、損害保険金の10%を限度に「残存物取片づけ費用保険金」として支払われます。さらに「住まいのアシスタンスサービス」では、窓ガラスが破損した場合に、提携業者による養生作業などの対応を受けられます。
保険金請求時には被害状況がわかる写真の提出を求められることがあります。窓全体がわかる写真や破損部分のアップ写真、飛来物など原因が推測できる写真を複数枚撮影しておきましょう。
安全確保のために先に片付けた場合は、まとめたガラス片の写真も撮っておくか、処分したものをメモしておきます。
加入している火災保険会社に連絡し、事故内容の詳細を伝えましょう。補償対象かどうかの確認や、今後の手続きについて案内を受けられます。
分譲マンションの場合は、事前に管理組合の火災保険や管理規約を確認し、修繕義務が誰にあるのかを把握しておきます。修繕義務が自身(区分所有者)にある場合は、加入している保険会社へ連絡しましょう。
保険会社へ連絡した後は、窓ガラスの修理業者に依頼し、修理見積書を作成してもらいます。
修理業者が作成した修理見積書を含め、保険会社から案内された必要書類を提出しましょう。
必要書類の例
盗難を伴う場合は、警察の受理番号を控えておきましょう。
書類や写真だけでは被害状況の判断が難しい場合、保険会社の調査員が現地調査を行うことがあります。
調査員は公正・中立な立場から建物の状態を確認し、その調査結果をもとに、保険会社が保険金の支払い可否を判断します。調査後は、見積りを依頼した業者などに修理を依頼しましょう。
損害額が確定したら、修理業者と日程や作業内容を確認し、実際に復旧(修理)を行います。窓ガラスの修理を行う際は、工事範囲や費用、修理後の状態について業者とすり合わせておきましょう。
書類の確認後、支払われる保険金について保険会社から説明があります。内容に同意して手続きが完了すると、指定口座に保険金が支払われます。保険金の支払い時期は、保険会社や損害の内容によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
保険金の請求手続きが完了した日から原則30日以内に保険金が支払われます。
窓ガラスが破損したときは、被害の拡大を防ぐためにも早めに対応することが大切です。加入している火災保険によっては、緊急時のサポートサービスを利用できる場合があります。
チューリッヒのネット火災保険には「住まいのアシスタンスサービス」が自動付帯されており、トラブル発生時にサポートを受けることが可能です。窓ガラスやベランダのガラスが破損した場合は、提携業者を手配し、応急的な養生作業を行います。ガラスの除去や取り付け作業は無料で対応しています。
また、事故対応や修理・復旧が落ち着いたら、状況に合った補償内容になっているかを確認し、今後に備えて契約内容を見直しておくことも大切です。火災保険は契約内容によって補償範囲が異なるため、定期的に見直すことで万が一の事故や自然災害に備えやすくなるでしょう。
窓ガラスの破損は、原因や契約内容によって火災保険の補償対象となる場合があります。風災や盗難だけでなく、破損・汚損の特約で対応できるケースもあるため、まずは加入中の保険内容を確認し、早めに保険会社へ連絡することが大切です。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
火災保険の保険金を受け取った場合でも、継続契約の保険料は変わりません。
ただし、窓ガラスが割れることで何度も保険金請求をした場合には、不正請求や家屋の管理に問題があるとして、継続契約を断られることがあります。
家財を対象とする火災保険に加入している場合、窓ガラスの破損によって生じた家財の損害も補償対象となることがあります。ただし、火災保険の補償対象となる事故や自然災害による破損であることが前提です。
たとえば、台風で壊れた外壁が飛来して窓ガラスを割り、家電が破損した場合は風災の補償対象です。雹(ひょう)で窓ガラスが割れ、風が吹き込んで家具が傷ついた場合は雹(ひょう)災の補償対象となります。
加入している火災保険の契約内容によって異なります。賃貸物件の場合、建物部分の火災保険は大家または管理会社が加入し、借主は「家財を対象とする火災保険」に「借家人賠償責任補償」と「修理費用補償」と「個人賠償責任補償」がセットになった保険に加入することが一般的です。
窓ガラスの損害が「借家人賠償責任補償」または「修理費用補償」の対象となる事故であれば、補償される可能性があります。まずは大家または管理会社に状況を伝え、加入している保険の代理店または保険会社に確認してみるとよいでしょう。
ダイレクト型だからお手頃な保険料