更新日:2024年4月8日
公開日:2020年8月26日
バイクで出かけた際に、バイクをどこに停めればよいか困ったことはありませんか。
大型のショッピングセンターなどにはバイクの駐車スペースが用意されている場合がありますが、「この駐車場はバイクを停めてよいのだろうか?」「自転車駐輪場でもよいのだろうか?」と悩んだ経験もあるのではないでしょうか。
バイクや原付は駐車場、駐輪場のどちらに停めるべきかについてご説明します。
バイクが駐車できる場所は、バイクの排気量によって決められています。
法令を確認しながら、バイクを停める場所について見ていきましょう。
路外駐車場は、道路の路面外にある自動車の駐車のための施設で、公共のためにあるものです。
そして「自動車」は駐車場法第1章第2条第4項で「道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第九号に規定する自動車」としています。
道路交通法第1章第2条第9項では、「自動車」を以下のように定義づけています。
原動機を用い、なおかつレールまたは架線によらないで運転する車です。
たとえば、原動機付自転車、自転車および身体障害者用の車いす、歩行補助車その他の小型の車で政令において定めるもの(「歩行補助車」など)以外となります。
道路交通法の車両区分では、原動機付自転車は50cc以下のバイクです。
つまり原動機付自転車は自動車に含まれないため、50cc以下の原付は(路外)駐車場には停められません。駐車場に停められるのは、50cc超のバイクということになります。
駐輪場について定めた「自転車の安全利用の促進および自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」(以下自転車法)第2条2項では、自転車等の定義を「自転車または原動機付自転車(道路交通法第二条第一項第十号に規定する原動機付自転車をいう」としています。
「内閣府令で定める大きさ以下の総排気量または定格出力のある原動機を用い、なおかつレールまたは架線によらないで運転する車。自転車、身体障害者用の車いすおよび歩行補助車など以外のもの」と「原動機付自転車」を定義づけています。
内閣府令で定める大きさは、道路交通法施行規則第1条の2に記載があり、50cc以下が原付です。
先の自転車法で、50cc以下のバイクは道路交通法における「原動機付自転車」の扱いとなり、駐輪場に停めるということになります。
排気量 | 50cc以下 | 50cc超〜125cc以下 | 125cc超〜250cc以下 | 250cc超〜400cc以下 | 400cc超 |
---|---|---|---|---|---|
道路運送車両法 | 原付一種 | 原付二種 | 軽二輪 | 小型二輪 | |
道路交通法 | 原付 | 普通自動二輪 | 大型自動二輪 | ||
法律上停める場所 | 駐輪場 | 駐車場※ | 駐車場 |
道路交通法第3条で、400ccを超えるバイクは「大型自動二輪」とされており、自動車と同様の扱いとなります。そのため、駐車場に停めることができます。
50cc超〜400cc以下のバイクは「普通自動二輪」と呼ばれます。駐車場に停めるのが原則です。
※道路運送車両法で「第二種原動機付自転車」と定められている50cc超〜125cc以下のバイクは、原付のような扱いで駐輪場に誘導される場合もあるようです。
道路交通法で50ccを超えるバイクは自動車に区分され、駐輪場(自治体の条例改正により駐輪が許可された駐輪場を除く)ではなく、駐車場に停めるのが正しいのです。
バイクの駐車場所は、「駐車場法」や「自転車法」によって定められています。
自転車法により駐輪場には、これまで50cc以下の原付しか停めることができませんでした。
特に需要の高い125cc以下のバイクに関しては駐輪場に関する条例改正を自治体に促しました。また、積極的に公営駐輪場を使用するように国は自治体に呼び掛け、バイクの受入れを推進してきました。
それにより、125cc以下のバイクが駐輪可能な公営駐輪場の整備が自治体でも進み、近年はバイクを受け入れる駐車場が増えています。
バイクで出かけるときは、事前に駐車場を探しておきましょう。
車(四輪車)用のコインパーキングには、基本的にバイクを駐車することはできません。駐車できる車両は、コインパーキングごとに利用規約にて定められています。
ほとんどのコインパーキングでは利用約款に、バイクは駐車できないことが明記されています。これは原付だけでなく、普通自動二輪・大型自動二輪の場合も同様です。
しかし、数は少ないですが二輪車も駐車可能としているコインパーキングは存在しています。どうしても利用したい場合は、バイクを駐車できるコインパーキングを探しましょう。
バイク駐車がNGのコインパーキングなのに駐車してしまった場合は、不正駐車となります。違約金・損害賠償を請求される恐れがあるので、バイクが駐車できるかを確認してから利用しましょう。
都市部の路上に設置されているパーキングメーターの場合は、バイクの駐車が可能です。パーキングメーターにバイクを駐車する場合は、以下の点に注意しましょう。
手数料は原則として、四輪車と同じです。ただし、パーキングメーターには二輪車用のものもあり、その場合は手数料が異なりますので確認しましょう。
バイクの月極駐車場を探すには、インターネットの活用や、不動産会社やバイクショップで情報を得るといった方法があります。
たとえば一般社団法人「日本二輪車普及安全協会」が運営する「全国バイク駐車場案内」では、全国の時間貸・月極の駐車場を検索できます。都道府県・市町村や目的地、排気量から検索できるため、自分に合った駐車場をスムーズに探すことが可能です。
地元の不動産屋に相談するのもよいでしょう。地域密着型の不動産会社の場合、インターネット非掲載のバイク駐車場情報を教えてもらえる場合もあります。
また、地元のバイクショップもよい情報源です。業界関係者ならではの情報を聞き出せるだけでなく、ショップによっては敷地内にバイク駐車場を併設しており、月極で貸し出してくれる場合もあります。
マンションの駐車場も、検討してみましょう。入居しているマンションにバイク駐車場がある場合、空きがあれば駐車可能です。
大型バイクなどはバイク駐車場を利用するだけでなく、シャッター付きのレンタルガレージを利用するという方法もあります。いたずらや盗難からもバイクを守れ、風雨も防げるとバイクも傷みにくいのでおすすめです。
インターネットを活用すれば、バイク駐車場を簡単に検索できます。
一般社団法人「日本二輪車普及安全協会」が運営する「全国バイク駐車場・駐輪場案内」では、バイク駐車場が検索可能です。
住所・駅・地名・施設名から検索できるだけでなく、50cc、51cc〜125cc、126cc以上と排気量ごとに検索できます。日々更新されていますので、最新の駐車場情報を入手可能です。
たとえば、「新宿」、「51cc〜125cc」で検索すれば、新宿付近で該当排気量のバイクを駐車できる場所が地図付きで表示されます。利用時間・利用料金も確認でき、駐車場によっては予約サイトからそのまま予約できます。
また都内であれば、公益財団法人「東京都道路整備保全公社」の「s-park」でも、都内の時間貸しバイク駐車場の検索が可能です。ご自身に合った駐車場検索サイトを、活用してみてください。
外出先や引越しなどで、バイク駐車場を利用したい場合は、駐車場予約サービスを利用するとより確実です。
駐車場予約サービスとは、住所や施設名などを入力して駐車場をインターネット検索し、駐車スペースを事前に確保できるサービスです。バイクを停められる駐車場予約サービスには「タイムズのB」「akippa」など複数あります。
スマホを使用する方には、駐車場検索機能が付いたポータルサイトもおすすめです。
ルート検索機能やナビゲーション機能が付きツーリングなどに適したポータルサイト「ツーリングサポーター」や、バイクの給油・燃費記録の「My YAMAHA Motor Web」など、さまざまな特長を持ったウェブサイトがあります。
自分の用途に応じて、最適なウェブサイトを選択することをおすすめします。
バイクや原付は、駐輪場・駐車場どちらに停めるべきかについてご説明しました。
バイクを駐車できるスペースは排気量によって変わります。50cc以下の原付であれば駐輪場、50cc超であれば駐車場に停めるのが原則です。
しかし、駐車場や駐輪場によって運用ルールが異なり、バイクを停められないケースもあります。たとえばコインパーキングは、原則としてバイクを駐車できません。一方で、都市部の路上に設置されたパーキングメーターであればバイクを駐車できます。
バイクを駐車する際には、法律で定められたルールを念頭に置いたうえで、各駐輪場・駐車場のルールに従いましょう。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
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