更新日:2024年4月8日
公開日:2022年10月22日
これからバイク・原付に乗ろうと思う方にとって、バイクの年間維持費がどのくらい必要になるのかは気になるポイントでしょう。バイクの年間維持費は、原付から125cc、200cc、250cc、中型の400ccクラスやそれ以上の大型バイクまで、排気量によって差があります。車との併用や乗り換えを考えるために役立つ、バイクの維持費の情報をご説明します。
まず、バイクの維持費の種類を確認しておきましょう。主な費用は次の8種類となります。これらの中には排気量などによって費用がかからないものもありますが、一通り確認しておきましょう。
ナンバープレートと同様に5つに区分けされています。税率は排気量ごとに次のように設定されています。
種別 | 税率(年額) | |
---|---|---|
原動機付自転車 | 排気量50cc以下または定格出力600W以下 | 2,000円 |
排気量50cc超90cc以下または定格出力600W超800W以下 | 2,000円 | |
排気量90cc超125cc以下または定格出力800W超1,000W以下 | 2,400円 | |
軽二輪 | 排気量125cc超250cc以下 | 3,600円 |
二輪小型自動車 | 排気量250ccを超えるもの | 6,000円 |
出典:横浜市ウェブサイト
※2024年4月現在
市区町村によって若干異なりますが、軽自動車税(種別割)の納税通知書は、毎年5月上旬に所有者のもとに送付され、納期限は5月末日です。納税は銀行やコンビニなどで行うことができます。
軽自動車税(種別割)は、期限までに1年分の軽自動車税(種別割)の納付が求められます。自動車税(種別割)は登録の翌月から月割の税額が決まっており、翌年3月までの残り月によって納税義務があります。
しかし、軽自動車税(種別割)は月割計算ではなく4月1日時点での所有者が1年分を納付するしくみとなっている点に注意が必要です。
廃車/抹消登録をする場合も月割での税金の還付はありません。廃車/抹消登録をする場合は3月末までに手続きを済ませると、翌年度の税金を納める必要がなくなります。
ちなみに自動車税(種別割)は、総排気量1,000cc以下の乗用車でも25,000円/年が課されますが、軽自動車税(種別割)は10,800円/年と比較的低く設定されています。
バイクの場合、1,300ccでも6,000円/年なので割安です。また、バイクには四輪車のような、新規登録から13年を経過した車両に対する経年車重課(重課税率)はありません。
総排気量 | 税率(年額) | |
---|---|---|
自動車 | 1,000cc以下 | 25,000円 |
軽自動車 | 乗用(自家用) | 10,800円 |
軽自動車 | 二輪小型自動車(250cc超) | 6,000円 |
参照:ちば興銀ウェブサイト、横浜市ウェブサイト
※2024年4月現在
自動車重量税(以下重量税)は車両の重さ、新規登録からの経過年数に対して課税される税金です。車検のときにその有効期間分を納めます。
“重量税”という名称ですが普通自動車とは違い重量による税額の違いはなく、排気量による区分のみで税額が決まっています。125cc以下の原付には課税されません。
また、125cc超250cc以下のバイクは、新規登録時のみ4,900円の重量税が課されます。250cc超のバイクは新規登録から12年経過するまでは1,900円/年、13年以上経過すると2,300円/年、18年以上経過すると2,500円/年と金額が変化します。
総排気量 | 税率 |
---|---|
125cc以下 | なし |
125cc超〜250cc以下 | 4,900円(新規登録時のみ) |
250cc超 | 1,900円(登録後12年まで) |
2,300円(登録後13年〜17年) | |
2,500円(登録後18年以上) |
参照:総務省ウェブサイト、国交省/自動車重量税額について
※2024年4月現在
自動車損害賠償責任保険を縮めて自賠責保険といいます。自賠責保険は原動機付自転車(原付)を含むすべての自動車に加入が義務付けられていることから、強制保険とも呼ばれます。
国によって保険料が定められているので、どこの保険会社でも料金は同じです。保険料は、次の表を参照してください。長期で加入すると割安になります。もし、保険の有効期間が残っている間にバイクを廃車にしたりすると、保険料の還付を受けることもできます。
車検のない250cc以下のバイクと125cc以下の原付の自賠責保険はインターネット、郵便局、コンビニ、バイクショップ、保険を扱う修理工場、保険会社の窓口で加入することができます。
保険期間 | 自賠責保険料 |
---|---|
12ヵ月 | 6,910円 |
24ヵ月 | 8,560円 |
36ヵ月 | 10,170円 |
48ヵ月 | 11,760円 |
60ヵ月 | 13,310円 |
保険期間 | 自賠責保険料 |
---|---|
12ヵ月 | 7,100円 |
24ヵ月 | 8,920円 |
36ヵ月 | 10,710円 |
48ヵ月 | 12,470円 |
60ヵ月 | 14,200円 |
保険期間 | 自賠責保険料 |
---|---|
12ヵ月 | 7,010円 |
13ヵ月 | 7,150円 |
24ヵ月 | 8,760円 |
25ヵ月 | 8,910円 |
36ヵ月 | 10,490円 |
37ヵ月 | 10,630円 |
出典:損害保険料率算出機構/自賠責保険基準料率
※2024年4月現在
250cc以下のバイクと125cc以下の原付の場合、自賠責保険の期限切れには特に注意しましょう。ナンバープレートに貼られている保険の標章(ステッカー)で満期年月を確認しておいてください。
原付でもバイクでも、ついうっかり自賠責保険の期限が切れたまま運行した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、免許停止処分の対象となります。もし仮に保険未加入の状態で事故を起こしてしまったら、莫大な損害賠償金を自己負担しなければならない可能性があります。
自賠責保険の加入を車検時に確認される250cc超のバイクと違い、250cc以下のバイクや原付では自賠責保険の有効期限を自分で管理しなければなりませんので注意が必要です。
自賠責保険の期限が切れてしまった状態では、自賠責分の賠償金を自己負担する必要があります。任意保険に加入していたとしても、補償されるのは自賠責保険の補償限度額を超えた金額のみです。自賠責保険は絶対に切らさないようにしましょう。
強制保険である自賠責保険に対しバイク保険(任意保険)は任意で加入する保険です。搭乗者のケガ、破損してしまった物に対する補償などをカバーしてくれるのは、任意で加入する保険となります。
強制加入ではないというだけで、実際には必要不可欠な保険といえます。バイクの維持費として余裕を持って組み入れておきましょう。任意保険料は補償内容などによって大きく変わりますので、保険会社のウェブサイトなどで見積りをしてみるのもよいでしょう。
チューリッヒでは、自動車保険に加入している場合、原付特約を付けることができます。原付を運転中に事故を起こしケガをした場合や、相手の方がケガを負った、または物を破損してしまった場合などの補償です。排気量が125cc以下(側車付きの場合は50cc以下)が対象となります。
原付および、250cc以下のバイクには車検制度がありませんので、車検費用はかかりません。250cc超のバイクは、新車登録時の車検の有効期間は3年です。
それ以降は2年に1度の車検を受け、基準を満たさない場合は一般公道を走行できません。車検費用は法定費用と呼ばれる自賠責保険料、重量税、検査手数料(印紙代)が必要となります。
整備工場などに車検を依頼した場合は法定費用に加え、代行手数料、法定点検料、整備費用、部品代などが別途かかります。その額は整備内容や業者によっても価格の差があります。
事前に見積りをとってよく相談し、依頼する業者を選びましょう。法定費用を含め、およそ20,000円〜60,000円の費用が一般的には必要です。
バイクを走らせるのには当然燃料が必要です。ガソリン代は原付から大型バイクまですべてにかかります。レギュラーガソリンかハイオクガソリンかで燃料費が変わるばかりでなく、乗り方、使い方、バイクの特性によっても変わってきます。
1リットルのガソリンで50km以上走行可能なバイクもあれば、20kmほどのものもあります。
実燃費とカタログ燃費は違いがあるものですが、カタログ値を目安にしてガソリン代を計算してみてください。いずれにしても普通自動車と比べるとバイクは燃費のよい乗り物といえます。
駐輪場・駐車場の料金は地域によって大きく差があります。バイクの場合、登録時に自動車のような車庫証明の必要はありませんが、もちろん、違法駐車や放置をすることはできません。
自宅に置くことができれば駐輪場・駐車場代はかかりませんが、そうでない場合は駐輪場・駐車場代の準備が必要となりますので、維持費項目に入れましょう。
走行すれば消耗部品の交換やオイルの交換、不具合箇所の修理など、何らかのメンテナンスが必要となります。それらメンテナンス費用も考慮しておきましょう。
特に外国車や絶版車など、パーツの供給ルートが整っていない車種でトラブルを抱えた場合、修理に多くの時間と費用がかかることになりかねません。購入するお店、整備する工場選びも重要です。
排気量による税金などの違いやそれに伴う維持費の概要を大まかにシミュレーションすると以下のような概算となります。
年間10,000km走行でガソリン代が168円/1リットル※と仮定し、車検がある年のバイクの年間維持費を比較しました。
90cc超125cc以下 | 125cc超250cc以下 | 250cc超 | |
---|---|---|---|
軽自動車税(種別割) | 2,400円 | 3,600円 | 6,000円 |
重量税 | 0円 | 0円 (新車登録時のみ4,900円) |
1,900円 (車検時は2年分3,800円の支払いとなります) |
自賠責保険 | 6,910円 | 7,100円 | 7,010円 |
車検費用 | 0 | 0 | 20,000〜60,000円 |
ガソリン代 | 燃費50km/L時 33,600円 |
燃費40km/L時 42,000円 |
燃費30km/L時 56,000円 |
駐輪場・駐車場代 | 60,000円(月5,000円と想定) | ||
年間維持費 | 102,910円 | 112,700円 | 150,910〜190,910円 |
参照元:横浜市ウェブサイト、国交省/自動車重量税額について、損害保険料率算出機構/自賠責保険基準料率/、Honda Go BIKE LAB、調査の結果|石油製品価格調査|資源エネルギー庁|
※2024年4月現在
以上がおおよそのバイクの年間維持費です。ここに任意保険の保険料が加わることも忘れないようにしましょう。
バイクの維持費を節約するポイントをいくつかご紹介します。
ガソリン価格が高騰すれば、それだけ燃料費は上がります。急発進や急ブレーキ、無駄なアイドリングなどは燃費の悪化につながるため、燃費を意識した走行を心掛けるようにしましょう。
自賠責保険は、長期契約をするほど保険料が割安になります。保険料は一括で支払うため、一時的に出費は大きくなりますが、長い目で見ると維持費の節約につながります。
走行距離や使用目的、年齢、お住まいの地域など、一人ひとりにあわせた補償が適切に設定されているかなど、バイク保険(任意保険)の内容を見直すと、保険料を節約できる可能性があります。
また、代理店型のバイク保険よりも、ダイレクト型のバイク保険の保険料は安くなります。
車検のない250cc以下のバイクでも定期的な点検を受ける必要があります。安全のためにメンテナンスは欠かせません。大切なバイクであれば保管場所にも気を配り、防犯性の高い施設や設備を利用したいですね。
原付や125cc、200cc、250cc、400ccのバイクの年間維持費を比較すると、車検のある400ccバイクが最も高額になります。年間維持費を節約するポイントの一つに、バイク保険(任意保険)の見直しがあります。
走行距離や使用目的などの条件をきちんと見直すと保険料が安くなる可能性があり、代理店型よりもダイレクト型のバイク保険(任意保険)のほうが保険料は安くなる傾向にあります。また、四輪自動車の自動車保険の契約があれば、原付の場合は原付特約などでカバーできる可能性もあります。
※記載の情報は、2024年4月8日時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒのバイク保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒのバイク保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
インターネットから申し込むと、
初年度最大10,000円割引※