更新日:2024年5月20日
公開日:2019年10月18日
バイクに乗る機会は、一般的に春から秋までに限られている傾向があります。特に、125cc以上の排気量のバイクの場合、冬はほぼ乗らないという方もいるでしょう。
そのため、バイクの任意保険の加入は必要なのか無駄なのかお悩みの方もいるかもしれません。
しかし、利用頻度が低く走行距離が短い場合でも、事故を起こすリスクはゼロにはなりません。万が一の事故に備えて任意保険へ加入することをおすすめします。
バイクの任意保険の加入の必要性や未加入のリスク、保険料を抑える方法をご説明します。
対人賠償 | 対物賠償 | 人身傷害定額払 | 人傷実損払 | 車両 |
---|---|---|---|---|
45.9% | 46.9% | 26.6% | 17.3% | 2.3% |
損害保険料率算出機構の「自動車保険の概況」によると、二輪車の任意保険加入率は上記の通りとなりました。つまり、バイクを運転する方のおよそ半数が任意保険に未加入です。
出典:損害保険料率算出機構 自動車保険の概況(2023年度版)
自宅から駅までの短距離のみバイクに乗る方や、月に数回ツーリングを楽しむ程度の方など、バイクの使用距離が短かったり、使用頻度が低かったりすると、保険の重要性を意識することが少ないかもしれません。
しかし、交通事故は予測不可能であるため、使用距離や頻度に限らず事故にあうリスクがあります。
任意保険に加入していない状態で事故を起こした場合、相手の車やバイク、物の補償をする際は自分で支払うことになります。損害の程度によっては非常に負担が大きくなるので、任意保険の重要性を知ったうえで加入しておくことが大切です。
バイクの任意保険の加入率は高くはありませんが、万が一の事故に備えて任意保険への加入をおすすめします。ここでは、バイクの任意保険の必要性を詳しく説明します。
バイク保険には、自賠責保険と任意保険の2種類があります。
自賠責保険は、すべてのバイク運転者に加入が義務付けられている強制保険です。被害者救済を目的とした保険であり、運転者自身のケガやバイクの損害は補償対象となりません。
また、自賠責保険未加入や期限切れの状態でバイクを運転した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。加えて無保険での運転は交通違反となり、違反点数6点が付されて免許停止処分となります。(2024年5月現在)
一方、任意保険は加入するか否かを運転者が決められる保険です。自賠責保険は補償範囲が狭いため、自賠責保険でカバーできない部分を補償するには任意保険の加入が必要です。
相手にケガをさせてしまった傷害による損害は、自賠責保険では限度額が最高120万円まで補償されます。しかし、治療費以外にも、休業損害や慰謝料も含まれての限度額が最高120万円のため、充分ではない可能性があります。(2024年5月現在)
自賠責保険の場合、事故による自分のバイクの損害や、自分のケガの治療費は補償されません。しかし、バイクの任意保険に加入し「車両保険」を付帯することで、事故によって破損したバイクの修理費用や買い替え費用の一部が補償されます。
また、自分のケガにおいても、任意保険の「人身傷害保険」などで保険金が支払われます。
万が一の事故の際にしっかり補償を受けるには、任意保険の補償内容を理解し、適切な保険を選ぶことが重要です。
バイクの事故は排気量に関係なく発生するため、原付バイクでも、任意保険の加入は必要です。
125cc以下バイクの原付二種の任意保険と自賠責保険について詳しくはこちら
排気量125cc以下の原付バイクである場合、バイクの任意保険ではなく、自動車保険の「ファミリーバイク特約(原付特約)」を付帯して補償を受けることも可能です。チューリッヒでは「原付特約」という名称でご提供しています。
ファミリーバイク特約については「自動車保険に加入している場合、原付はファミリーバイク特約を利用する」で詳しく説明しています。
バイクの任意保険と自賠責保険では、加入義務・補償範囲・保険料が以下のように異なります。
それぞれの補償内容を詳しく説明します。
自賠責保険の補償内容は以下の通りです。
補償されるケース |
|
---|---|
支払われる保険金(限度額) | 死亡:最高3,000万円 ケガ:最高120万円 後遺障害:最高75万円〜4,000万円※(後遺障害の程度に応じた等級によって異なる) |
※神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合は常時介護:4,000万円(第1級)、随時介護:3,000万円(第2級)
上記以外の後遺障害は3,000万円(第1級)〜75万円(第14級)
※2024年5月現在
参照:自賠責保険 日本損害保険協会
自賠責保険のより詳細な補償内容は次のとおりです。
損害の範囲 | 支払限度額 (被害者1名あたり) |
|
---|---|---|
傷害による損害 |
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最高120万円 |
後遺障害による損害 |
|
神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合 常時介護のとき:最高4,000万円 随時介護のとき:最高3,000万円 後遺障害の程度により 第1級:最高3,000万円〜 第14級:最高75万円まで |
死亡による損害 |
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最高3,000万円 |
死亡するまでの傷害による損害 |
|
最高120万円 |
参照:自賠責保険 日本損害保険協会
※2024年5月現在
上表によると、自賠責保険の保険金支払い限度額は、傷害による損害は限度額が最高120万円まで、後遺障害による損害は限度額が最高4,000万円とわかります。
なお、自賠責保険はバイクの事故により相手を死傷させてしまった場合が補償対象となるため、以下のようなケースでは保険金が支払われません。
バイクの任意保険では、以下のように相手のケガに対してだけでなく、自分のケガやバイクの損害に対して保険金を受け取れます。
チューリッヒのバイク保険を例にご説明します。
保険 | 補償内容 |
---|---|
対人賠償保険 | 他人のケガや死亡への補償 |
対物賠償保険 | 他人の車や物などの補償 |
対物超過特約 | 相手の車両に時価額を超える修理費用が発生したときの補償 |
人身傷害保険 | バイク搭乗中のケガや死亡の補償 |
人身傷害定額払特約※ | バイク搭乗中のケガや死亡の補償 (保険金が定額で支払われる) |
自損事故傷害特約 | 相手のいない単独事故や、相手に過失のない事故によって死傷した場合の補償 |
無保険車傷害 | 相手の車が不明、無保険の場合など、相手から充分な補償が得られないときの補償 |
車両保険 | バイク本体の損害に対する補償 |
盗難時の臨時費用特約 | バイクが盗難にあったときのための補償 |
相手への補償は、自賠責保険で一部補償されます。しかし、自賠責保険では相手の車やバイク、家や店舗などの「車両」や「物」の損害は補償されず、これらの修理費用は自身で負担することになります。
さらに、自賠責保険では自身のケガに対する治療費や入院費などは補償されないため、これらの費用も自分で負担することになるのです。
相手にケガを負わせた事故において、自賠責保険で補償可能な後遺障害による損害賠償額の限度額は4,000万円、死亡事故の場合は限度額3,000万円となります。しかし、以下の表にあるように、事故後の判決例などを見ると、この賠償額では不充分なケースも考えられます。(※2024年5月現在)
事例 | 認定 総損害額 |
裁判所 | 判決年 | 被害者の 職業・性別・年齢 |
被害態様 |
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ケース1 | 5億2,853万円 | 横浜地裁 | 2011年 | 開業医(男・41歳) | 死亡 |
ケース2 | 4億5,381万円 | 札幌地裁 | 2016年 | 公務員(男・30歳) | 後遺障害 |
ケース3 | 4億5,375万円 | 横浜地裁 | 2017年 | コンサルタント(男・50歳) | 後遺障害 |
ケース4 | 4億5,063万円 | 札幌地裁 | 2021年 | 大学生(男・19歳) | 後遺障害 |
ケース5 | 4億3,961万円 | 鹿児島地裁 | 2016年 | 専門学校教諭(女・58歳) | 後遺障害 |
出典:損害保険料率算出機構 自動車保険の概況(2022年度版)
※2024年5月現在
バイクの事故で相手を死亡させたり、後遺障害を負わせてしまったりすると、数億円もの非常に高額な損害賠償責任が発生する可能性があります。たとえば、3億4,000万円の後遺障害による損害賠償を求められた場合、3億円を自身で負担する必要が出てくるのです。
被害者への3億円の自己負担、さらに自身もケガをしてしまった場合の医療費の自己負担など、自賠責保険ではカバーしきれない保険金額を準備する必要があります。
自賠責保険は補償内容が細かく定められていますが、被害者のケガや後遺障害の程度によっては、提供される補償が不充分な場合があります。自賠責保険は、あくまで最低限の補償であると認識することが重要です。
※2024年5月現在
バイクの任意保険が「無駄」と感じる理由として、「保険料が高くて負担になるから」と考える方もいるでしょう。ここでは、バイクの任意保険料を少しでも抑える方法を説明します。
バイクの任意保険には、保険会社ごとに年齢条件が設けられ、いくつかの区分に分けられています。チューリッヒの場合は「全年齢」「21歳以上」「26歳以上」「30歳以上」の4つに分類されます。
バイクの任意保険料は、運転する方が若いほど高くなります。そのため、保険契約者や家族など、運転する方が誕生日を迎えた場合や運転する方が変わった場合は、年齢区分を見直すことで保険料を抑えられる可能性があります。
車両保険とは、事故により自分のバイクが破損したときに修理費用やバイクの買い替え費用を補う保険です。車両保険を付帯するとバイクの損害に対して補償が受けられますが、その分保険料が上がります。
購入したばかりのバイクや、ローンでバイクを購入した場合は、車両保険の必要性は高いと考えられます。しかし、そうではない場合は、車両保険の付帯を見直してみることで、保険料を節約できる可能性があります。
すでに自動車保険に加入していて、排気量125cc以下の原付を運転する方は、バイクの任意保険に新たに加入するのではなく、自動車保険のファミリーバイク特約(原付特約)を利用することも検討してみましょう。
特約とは、自動車保険に付けられるオプションのことを指します。なお、ファミリーバイク特約(原付特約)は自動車保険の一部であるため、単独での加入はできません。
またファミリーバイク特約には、車両保険がありませんのでご注意ください。
排気量125cc以下の原付を運転する方で、自動車保険に加入している場合は、この特約を利用することで、バイクの任意保険に加入するよりも保険料を抑えられる可能性があります。
バイクの任意保険はノンフリート等級制度を採用しています。1年間無事故であれば等級が上がり、保険料の割引率が上がります。
法令を遵守し、注意深く運転することは、事故を防止するだけでなく、保険料を抑えるうえでも重要です。何年も無事故で運転を続ければ、ノンフリート等級が上がり、よりリーズナブルな保険料でバイクライフを楽しめるでしょう。
バイクの廃車や譲渡、自身の海外渡航など、何らかの理由でバイクに乗らない期間が長年生じる場合は、保険の解約ではなく中断をすることがおすすめです。
保険を中断すると、保険会社から中断証明書が発行されます。中断証明書の発行後10年以内であれば、バイクに乗らない期間があっても以前の等級を引き継ぐことが可能となります。
任意保険は、一度解約して再度契約した場合、6等級からのスタートとなります。20等級などの高い等級で割引を受けている場合でも解約して再度契約すると6等級にリセットされ、以前の割引が適用されなくなります。
そのため、一時的にバイクに乗らなくなる場合でも、将来的に再度バイクに乗る可能性がある場合は、保険の中断を検討しましょう。
バイクの任意保険の保険会社には「代理店型」と「通販型(ダイレクト型)」の2種類があります。通販型の保険会社は実店舗を持たずにインターネット上でサービスを提供しています。店舗経費が省かれる分、代理店型に比べて保険料がリーズナブルな傾向があります。
代理店型の任意保険を契約していて、保険料が高いと感じている方は、通販型の任意保険に切り替えることを検討してみましょう。
チューリッヒのスーパーバイク保険は、ご契約の1年目からロードサービスを無料で利用可能です。※
旅先でバイクの事故やトラブルが発生した際は、24時間365日対応のロードサービスが全国の拠点から急行します。そのため、万が一の事故やトラブルにあった際に心強いサポートを受けられます。さらに、ロードサービスを利用しても等級に影響がないため、翌年度の保険料が上がらないことも大きなメリットです。
ロードサービスは、バイクの任意保険において重要なサービスであり、バイクライフのなかで心強い支えとなります。バイクの任意保険の加入が無駄か必要かお悩みの方は、ロードサービスの有無も確認しましょう。
※無料での利用回数について
利用回数に制限がないサービスと、制限があるサービスがあります。無料での利用回数の制限があるサービスは、バッテリー上がり・ガス欠・インロック・キー作成で、保険期間中それぞれ1回のみ無料でご利用いただけます。
バイクの任意保険の加入が無駄なのか、入らないとどうなるのかについてご説明してきました。まずはチューリッヒのバイク保険で見積りをし、保険料や補償内容を確認することをおすすめします。
自分がどれほど注意をしてバイクを運転していても、事故に巻き込まれるケースもあります。また事例でご説明しているように、賠償事故は非常に高額になる可能性があるため、万が一に備えて任意保険に加入しておくことを強くおすすめします。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
バイクの任意保険が無駄といわれる理由は以下が考えられます。
・保険料がかかる
・年間を通してバイクに乗らない時期が生じる
・少額の事故なら自分で支払いができる
・車両保険を付けていても充分にカバーできない可能性がある
しかし、事故によるケガの治療費や、相手を死傷させてしまった際の賠償金をカバーするためには、任意保険が必要です。
バイクの任意保険と自動車保険のファミリーバイク特約(原付特約)は、補償内容が異なるため、個々のライフスタイルによってどちらが適しているかが異なります。
たとえば、任意保険はバイク1台ごとに加入が必要ですが、ファミリーバイク特約(原付特約)はひとつのご契約で家族全員のバイクをカバーできます。ただし、補償内容は任意保険のほうが充実しています。
バイクの利用状況や家族構成、予算などを考慮し、補償内容と保険料を確認したうえで、自分に合うほうを選択することが大切です。
バイクの任意保険に未加入の状態で事故を起こすと、自賠責保険で補償されない範囲の費用を自己負担することになります。
自賠責保険では相手の車やバイク、家や店舗などの「車両」や「物」の損害は補償されません。また、交通事故による自身のケガに対する治療費や入院費なども補償されないため、これらの費用を自己負担することになります。
※2024年5月時点の情報です。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒのスーパーバイク保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒのスーパーバイク保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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