更新日:2024年6月18日
公開日:2022年10月1日
250cc以下のバイクでは、バイク保険(任意保険)に入らなくても問題ないと考えているバイクユーザーも多いようです。しかし、バイク保険に加入していなかった場合、万が一事故を起こしてしまったときの備えは充分でしょうか。
乗用車と比べると、バイクの任意保険加入率は低い状態が続いています。事故を起こした場合を想定すると、250cc以下のバイクにおいても保険の加入の重要性がわかります。
250cc以下のバイク保険の必要性や、保険に入らないときのリスクなどについてご説明します。
まず、250cc以下のバイクのメリットとデメリットをご説明します。
メリット |
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デメリット |
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250cc以下のバイクは車種も多く、車体も大型バイクより軽くできているため、バイクの身軽さをより実感できるのが特長です。もちろん大排気量のバイクよりスロットル(アクセル)全開時のパワーは違うものの、街中でも高速道路でも適度なパワーを発揮します。
ちなみに125cc超のバイクであれば、高速道路を走行できます。
さらに250cc以下のバイクは車検がなく、維持費が安いことも魅力の一つです。
しかし、車検がない代わりに、日ごろから自己管理が必要となります。ご自身でメンテナンスを日常的に行うことで安心できる車体の状態をキープできるでしょう。
そして、万が一のときに備えたバイク保険への加入を検討することも重要です。
自動車はもちろん、原付を含めすべてのバイクにも自賠責保険の加入は義務付けられています。しかし万が一事故が起こった場合、自賠責保険だけでは充分に補償することができません。このため任意保険の加入は大変重要となります。
損害保険料率算出機構の統計(2022年3月末)によると、バイクの任意保険の普及率は、対人賠償が45.9%、対物賠償が46.9%となっており、バイク保有者の半数以上が任意保険に加入していない状況です。
これは自家用普通乗用車の対人賠償・対物賠償の普及率がそれぞれ83.3%、83.2%であることと比較すると、その半分程度しかなく、バイクユーザーの任意保険加入率はかなり低いといえます。
任意保険種類 | 自家用普通乗用車 | バイク |
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対人賠償 | 83.3% | 45.9% |
対物賠償 | 83.2% | 46.9% |
搭乗者傷害 | 29.5% | 26.6% |
人身傷害 | 82.3% | 16.4% |
出典:損害保険料率算出機構「2022年度自動車保険の概況」P114〜P115
バイクの任意保険は未契約者が半数以上を占めるという現実があります。バイクユーザーの任意保険加入率が低い理由の一つには、125cc超250cc以下のバイクには車検が必要ないことが考えられます。維持費をできるだけ抑えたいという傾向が、任意保険加入率の低さに現れているのかもしれません。
もちろん、任意保険への加入は法律上義務付けられているわけではなく、あくまでも任意です。
そのため、加入義務のある自賠責保険に加入しているから大丈夫と考えている方も少なくないと思われます。
実際に事故を起こしてしまった場合、自賠責保険だけでは不充分です。
自賠責保険はバイクを運転中に他人を死傷させた場合に治療費などを補償します。
限度額が設定されているため、高額な慰謝料を請求された場合は、自賠責保険でカバーできない部分を自己負担で支払う必要があります。
また、物損やドライバー自身のケガなどは自賠責保険の対象外であり、治療費などは全額自己負担になってしまうのです。
被害者がケガした場合 | 限度額:120万円(被害者1名につき) |
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被害者に後遺障害が残った場合 | 限度額:75万円〜3,000万円(被害者1名につき)※神経系統などの障害で要介護の場合の限度額 常時介護:4,000万円、臨時介護:3,000万円 |
被害者が死亡した場合 | 限度額:3,000万円(被害者1名につき) ※他に治療費など死亡に至るまでの損害は「傷害による損害」の規定が準用されます。 |
自動車やバイクで死亡事故を起こした場合、その損害賠償額が1億円を超えることもありえます。しかし、自賠責保険の一人当たりの死亡保障の最高額は3,000万円のため、残りの賠償額は事故を起こしたドライバーが個人で支払う必要があるのです。
また物損事故でも店舗などにバイクが突っ込んだ場合は、修理費の他に失った営業利益など多額の損害賠償金が発生します。しかし自賠責保険では物損事故は補償されませんので、この場合もドライバーが個人で補償しなければなりません。
このように自賠責保険のみでバイク保険に加入せずにいると、バイクによる事故を起こした場合、日常生活に大きな影響が出てしまう可能性があります。
これまで説明したように自賠責保険は限られた金額しか補償されません。しかし任意のバイク保険では、契約内容によっては必要な保険金額すべてが補償されることもあります。
250cc以下のバイクのドライバーはもちろん、事故の相手のためにも充分な補償を得られるバイク保険の加入は重要なのです。
維持費を抑えるために車検のない250cc以下のバイクを利用するとしても、任意保険に加入することをおすすめします。排気量が小さくても事故のリスク、損害の大きさはさほど変わらず、加害者となってしまった場合の賠償額などを考えれば、未加入で公道を走るのは危険な考えです。
では、250ccのバイク保険にはどのような補償内容があり、どのように選べばよいのでしょうか。
保険会社によって若干の違いはありますがチューリッヒのバイク保険は対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害定額払特約、人身傷害保険が基本的な補償になります。それぞれの補償内容は次のとおりです。
対人賠償保険 | 契約をしているバイクによる事故で、他人を死傷させた場合の補償です。自賠責保険でカバーできない部分を補償します。保険金額は無制限にすることが可能です。 |
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対物賠償保険 | 契約をしているバイクによる事故で、他人の車や家屋、物を壊した場合の補償です。保険金額は無制限にすることが可能です。 |
人身傷害保険※ | 契約をしているバイクによる事故で、バイクに搭乗していた方が死傷した場合の補償です。人身傷害保険とは別に支払われます。 |
人身傷害保険 | 契約をしているバイクで事故を起こし搭乗していた方が死傷した場合の補償です。過失責任にかかわらず事故に関係する補償すべてが補償されます。 |
※ 原動機付自転車への契約には付帯できません。
または以下の補償もオプションで受けることができます。
自損事故傷害特約 | 契約をしているバイクによる単独事故で死傷事故を起こした場合などに補償されます。 |
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無保険車傷害保険 | 契約をしているバイクが保険に加入していない車・バイクなどとの事故で、バイクに搭乗していた方が死傷した場合の補償です。 |
車両保険 | 契約しているバイクが事故で損壊した場合に補償されます。 |
250ccのバイク保険の保険料の相場がどのくらいなのかも気になるところでしょう。
チューリッヒのバイク保険における250ccバイクの保険料の例をご紹介します。
契約内容・詳細条件はこちら
保険料および契約内容・条件などは、保険始期日により異なります。
バイク保険を選ぶ際は補償内容を軸に、ロードサービスなどのサービス内容も含めて検討するようにしましょう。
複数の保険会社の補償内容やサービス内容を見比べ、見積りを取り、比較検討することをおすすめします。通販型(ダイレクト型)のバイク保険はインターネットで簡単に見積りが取れ、保険料も比較的安くて便利です。
125cc以下のバイクの場合、ファミリーバイク特約(原付特約)を付帯することで、車の任意保険の補償対象になります。車の任意保険と一緒に補償を受けられるファミリーバイク特約は125cc以下のバイクであって、250ccバイクは対象にならない点に注意しましょう。
ファミリーバイク特約が適用されるのは、自動車保険の記名被保険者およびその配偶者、それぞれの同居の家族(別居の未婚の子を含む)です。
ファミリーバイク特約は、記名被保険者(主な運転者)の年齢で保険料が変わらない、保険を使っても等級が維持できるというメリットがあります。
普通二輪免許は16歳から取得が可能ですが、バイク保険の契約には年齢制限が設けられているので注意してください。保険会社によっては、未成年者はバイク保険に加入できません。
その場合、親などが保険契約者になり未成年者は記名被保険者として契約したり、親権者の同意が必要になったりなど、保険会社によってさまざまな条件が設けられているのが一般的です。
さらに未成年者のバイク保険料は年齢条件が全年齢補償になるので、他の運転者年齢に比べて高くなります。保険料が高くてもバイク保険の加入はとても重要です。
未成年のうちから多額の賠償金を抱え込み、親族が代わりに支払うことがないように、未成年者も任意のバイク保険に加入することをおすすめします。
バイクの購入費用や維持費の予算には、任意保険を含めることが大事です。もし予算が足りないのであれば、原付特約(ファミリーバイク特約)を利用できる原付二種にするなど、保険料と車両金額を調整するようにしたいですね。また任意保険にはさまざまな特約が用意されているので、保険料を抑えるだけでなく万が一の補償の際にも助かる特約を付帯するようにしましょう。
バイクの任意保険の加入率は乗用車に比べて格段に低いのが実情です。
しかしながら、バイクの事故でも高額な賠償金を請求される可能性もあります。
250cc以下のバイクの所有者であっても、任意のバイク保険へ加入しておくと安心です。
任意のバイク保険に加入する際には、補償内容をよく確認し、複数の保険会社から見積りを取り、補償内容と保険料のバランスを比較したうえで納得できるプランを選びましょう。
※記載の情報は、2024年6月18日時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒのバイク保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒのバイク保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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