更新日:2024年11月13日
公開日:2019年10月18日
ファミリーバイク特約(原付特約)とは、原動機付自転車を運転中に相手の方にケガを負わせてしまったり、相手の物を壊してしまった場合や、ご自身がケガをされた場合の補償です。
すでに自動車保険に加入しているのであれば「ファミリーバイク特約(原付特約)」を付帯することで、125cc以下の原付バイクに対する事故をカバー可能です。原付バイクの台数や運転する方の年齢の制限なく、家族の分まで補償でき、バイク保険よりも保険料がリーズナブルな傾向があります。なおチューリッヒの場合は、原付特約となります。
ファミリーバイク特約(原付特約)と一般的なバイク保険の補償内容がどのように異なるか保険金額はいくらなのか、ファミリーバイク特約のメリット・デメリットもご説明します。
ファミリーバイク特約(原付特約)は、自動車保険の任意保険で付帯できる特約です。ファミリーバイク特約のみ契約することはできません。
相手方への補償については自動車保険の「対人賠償」または「対物賠償」、自身のケガへの補償については補償タイプに応じて「自損事故保険」または「人身傷害保険」の、それぞれの保険金額と同額を上限金額として支払います。
以下のような場合に補償されます。
・自分の原付を運転中に人身事故を起こしてしまった。
・借りた原付を運転中に車に追突事故を起こしてしまった。
ファミリーバイク特約は、保険会社によって名称が異なる場合があります。チューリッヒの自動車保険では「原動機付自転車に関する特約(人傷型・自損型)」という名称です。
一般的なファミリーバイク特約は、原付を所有していなくても付帯できる特約です。本人だけでなく、同居の親族が原付を運転した場合も補償されます。
ファミリーバイク特約の対人・対物賠償は自動車保険の保険金額と同額で、運転者のケガについては主契約の人身傷害保険金額を限度として保険金が支払われます。
ただし、ロードサービスの対象外で、年齢条件特約や運転者限定特約は適用されません。また、ファミリーバイク特約はノーカウント事故となり、翌年度の等級への影響はありません。
補償対象車種 | 以下いずれかに該当する車種 @原動機の総排気量(定格出力)が125cc(1.00kW)以下の二輪自動車 A総排気量(定格出力)が50cc(0.6kW)以下の三輪以上の自動車 |
---|---|
台数制限 | なし |
対人賠償保険 | 無制限 |
対物賠償保険 | 任意設定 |
自損事故 | 死亡:1,500万円 後遺障害:50万〜2,000万円 |
人身傷害保険 | 人傷型のみ |
無保険車傷害特約 | 無制限※ |
※ 自損型:無保険車傷害特約が適用 人傷型:人身傷害保険より無制限で補償
ファミリーバイク特約(原付特約)には「自損事故タイプ」と「人身事故タイプ」の2種類があり、付帯の際に契約者自身が選択できます。チューリッヒの原付特約では「自損型」「人傷型」と呼んでいます。それぞれの補償内容は以下のとおりです。
相手方への補償 | 自分の補償 | ||
---|---|---|---|
対人賠償 | 対物賠償 | ケガ・死亡など | |
自損型 | ◯ | ◯ | △※ |
人傷型 | ◯ | ◯ | ◯ |
※自損事故の場合に補償
人傷型と自損型は、どちらも相手の方への補償である対人・対物賠償がある点は共通しますが、運転中のケガを補償するかどうかが異なります。自身のおケガの補償が自損事故※に限定される「自損型」は、「人傷型」に比べて保険料がお安くなります。
※ 自損事故とは、相手のいない単独事故や相手に過失がない事故等で、自賠責保険では補償されない事故をいいます。
自損型は、単独事故や、相手方に過失がない事故(自損事故)を補償するもので、人傷型よりも保険料が安くなります。
人傷型は、自損事故の範囲に加えて、相手方にも過失があるときの事故と、運転中の自分自身のケガも補償してくれるものです。自損型と比べて保険料は高くなりますが、その分補償内容が充実しています。
チューリッヒの場合、原付特約の補償範囲は以下のとおりです。
補償対象 | ・記名被保険者 ・記名被保険者の配偶者 ・記名被保険者と配偶者の同居の家族 ・記名被保険者と配偶者の別居の未婚の子ども※ |
---|---|
補償されるおもなケース | ・自宅の原動機付自転車で事故を起こした ・他人に借りた原動機付自転車で事故を起こした |
※未婚とは婚姻歴がないことをいいます。
ファミリーバイク特約(原付特約)では、記名被保険者(本人)だけでなく、配偶者や同居の家族、別居の未婚の子どもまでが補償範囲となります。さらに、自分や家族が他人のバイクを借りている際に起こした事故でも、同様の補償が受けられます。
ファミリーバイク特約(原付特約)だけでなく、バイク保険でもバイク運転時の事故に対する補償を受けられます。一般的なファミリーバイク特約とバイク保険の特徴を比較してみましょう。
チューリッヒのバイク保険の場合、原付のバイク保険の加入は、原付の所有が前提となります。
なお盗難時の臨時費用特約は、原動機付自転車への契約には付帯できません。
また、バイク保険は、ノンフリート等級制度を採用していることや、ロードサービスを無料で利用できる点も、原付特約と異なる点です。※1
※1 無料での利用回数について
利用回数に制限がないサービスと、制限があるサービスがあります。
原付特約とバイク保険との主な違いは以下の比較表をご参考ください。
原付特約 | スーパーバイク保険 | |
---|---|---|
対象の車種 | 125cc以下の原付のみ | 原付以外のバイクも対象 |
運転者の範囲 | 記名被保険者またはその配偶者およびそれぞれの同居のご家族(別居の未婚の子を含む) | 個別に設定可能 |
相手への補償 | 自動車保険の対人賠償・対物賠償保険から補償 | 個別に設定可能 |
ご自身のお体への補償 | 自動車保険の自損事故保険、または人身傷害保険から補償 | 個別に設定可能 |
車両保険 | なし | 個別に設定可能 |
その他の補償・特約 | なし | 個別に設定可能 |
ロードサービス | なし | あり |
保険金請求時の等級への影響 | なし | あり |
なお、バイク保険はファミリーバイク特約と比べて保険料が高い傾向があります。バイク保険は車両保険を付けると補償内容が充実しますが、さらに保険料は高くなるためファミリーバイク特約との保険料の差が大きくなります。
ファミリーバイク特約(原付特約)には以下のようなメリットがあります。バイク保険と比べて保険料が安いこと、保険金を請求しても等級に影響がないこと、年齢条件の制限が無いことです。
保険会社にもよりますが、ファミリーバイク特約は、バイク保険と比較してリーズナブルであることが特長です。そのため、少しでも保険料を抑えながら補償を受けたい方に向いています。
一般的なファミリーバイク特約には自動車保険のような年齢条件がないため、誕生日を迎えたときでも年齢条件を変更する必要がありません。
また、ファミリーバイク特約を取り扱う保険会社によっては、本人だけでなく配偶者や同居する家族も補償対象となる場合があります。自分が所有するバイクに家族が乗る場合でも、年齢条件などの契約内容を変更せずに補償されることは、メリットといえるでしょう。
一般的なファミリーバイク特約には、補償対象となる原付バイクの台数制限がありません。自分と家族が複数台のバイクを所有していても、条件を満たしていればすべて補償対象となります。一方で、バイク保険は所有しているバイクの台数分、契約が必要です。
そのため、一般的に複数台のバイクを所有している場合は、1台ずつバイク保険を契約するより、ファミリーバイク特約を契約するほうが保険料を抑えられます。
通常、自動車保険を利用して保険金を受け取ると、等級が下がり翌年度の保険料が高くなります。
しかし、チューリッヒの原付特約の場合は、事故を起こして保険金を受け取ったとしても、等級に影響はありません。等級や保険料の増加を心配することなく、補償を受けられます。
メリットの多いファミリーバイク特約ですが、どのようなデメリットがあるかも押さえておきましょう。
チューリッヒの場合、前提として、原付特約の補償対象は「排気量が125cc以下のバイク」であり、125ccを超えるバイクは、原付特約の補償対象となりません。125cc以下のバイクを改良し、排気量を125cc超にした場合も補償対象外であることを覚えておきましょう。
125ccを超えるバイクで補償を付けるためには、バイク保険に加入する必要があります。
チューリッヒの場合、バイク保険にはバイクの修理費用などを補償する車両保険がありますが、原付特約には車両保険がなく、追加で付帯することもできません。
車両保険を付けていれば、事故によりバイクの修理が必要になったときに、車両保険金額の範囲内で補償を受けられます。
車両保険を付けたいのであれば、バイク保険に加入する必要があります。ただし、車両保険を付けるとその分保険料は高くなるため、保険料と補償内容のバランスを考慮して保険を選択することが重要です。
自動車保険には事故やトラブルの際にロードサービスを利用できる場合があります。しかし、ロードサービスは「車」のみが対象となるため、バイクの事故では利用できません。
バイク保険であれば、ロードサービスが付帯している保険もあるので、ロードサービスを利用したい場合はバイク保険への加入を検討してみましょう。
以下のような方は、バイク保険よりもファミリーバイク特約(原付特約)を選ぶほうが、保険料を抑えられる可能性があります。
「バイクに乗る機会が週末だけ」など、月に数回程度しか乗らない方は、保険料がリーズナブルなファミリーバイク特約がおすすめです。
ファミリーバイク特約はバイク保険と比較して補償内容の範囲は限られますが、保険料を抑えられます。バイクに乗る機会が少なく、補償内容よりも保険料を重視したい方は、ファミリーバイク特約を選ぶとよいでしょう。
「大学に通う4年間だけ」「単身赴任している1〜2年間だけ」のように、バイクに乗るのが短期間だと決まっている方にはファミリーバイク特約がおすすめです。
一定期間の契約においては、バイク保険に加入するよりも、ファミリーバイク特約のほうが、より保険料を抑えられる可能性が高いです。
自分だけでなく、子どもがバイクに乗る可能性があるなら、ファミリーバイク特約が便利です。ファミリーバイク特約は年齢条件がなく、子どもが事故を起こしたときでも補償対象となります。
ただし、補償の範囲は保険会社によって異なるので、加入時に確認する必要があります。
一般的なファミリーバイク特約は、所有している原付バイクの台数に関係なく補償対象となり、保険料も台数によって変動しません。一方、バイク保険ではバイク1台につき個別の契約が必要となり、その分保険料も高くなります。
従って、125cc以下のバイクを複数台所有している方なら、ファミリーバイク特約を選択することで保険料を抑えられます。
ファミリーバイク特約(原付特約)を付帯するためには、自動車保険に加入していることが前提となります。すでに自動車保険に加入している方は、保険会社のウェブサイトまたは電話で相談してみましょう。
チューリッヒの原付特約の場合は、自動車保険の保険期間中でもインターネットまたはお電話にて手続きが可能です。インターネットであれば、お客さま専用ページ(My Zurich)より24時間お手続きいただけます。
なお、原付特約の付帯によって保険料が変わる場合があります。
ファミリーバイク特約(原付特約)はバイク保険と比べて保険料がリーズナブルで、補償を受けられる原付バイクの台数に制限がないことが魅力です。ただし、自分自身と愛車を守るためには、保険料だけでなく、補償内容も重要なポイントとなります。
バイクを長期的に所有する場合や、遠出する機会が多いなど、状況によってはバイク保険のほうがよいケースもあります。125ccを超えるバイクを使用している場合や、補償内容を充実させたい方は、チューリッヒのバイク保険も検討してみましょう。
ファミリーバイク特約は複数台の原付バイクを保有している、あるいはバイクに乗る機会が少ない方に向いています。一方、趣味や通勤などでバイクに乗る頻度が多い方はバイク保険がおすすめです。用途に分けて上手に使い分けましょう。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
一般的には、ファミリーバイク特約のほうが保険料はリーズナブルな傾向にあります。
加入している自動車保険のウェブサイトまたは電話で手続きができます。
125ccを超える排気量のバイクは、ファミリーバイク特約の補償対象外となります。250ccのバイクを持っている場合は、バイク保険に加入することを検討しましょう。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒのバイク保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒのバイク保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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