更新日:2025年3月10日
公開日:2019年10月18日
ファミリーバイク特約(原付特約)は、自動車保険(任意保険)で加入できる特約です。
125cc以下のバイクに対する事故をカバー可能です。
ファミリーバイク特約は、補償範囲の対象内であれば年齢条件に関係なく補償が受けられます。
ファミリーバイク特約(原付特約)と一般的なバイク保険の補償内容がどのように異なるかをご説明します。
ファミリーバイク特約は、自動車保険の任意保険で加入できる特約です。特約は、自動車保険の基本補償に付帯するものであるため、ファミリーバイク特約だけに加入することはできません。
ファミリーバイク特約に加入すると、エンジンの排気量が125cc以下の原動機付自転車(一般的に「原付」または「バイク」と呼ばれるもの)を運転中に事故を起こし、他人を死傷させたり、他人のモノを壊したりした場合に保険金が支払われます。
ファミリーバイク特約は、保険会社によって名称が異なる場合があります。チューリッヒでは「原動機付自転車に関する特約(人傷型・自損型)」という名称です。
※原動機付自転車は、エンジンの排気量が125cc以下(サイドカー付きの場合は50cc以下)が対象です。
※薄青色のナンバープレートのミニカーも含みます。
ファミリーバイク特約(原付特約)には「自損事故タイプ」と「人身事故タイプ」の2種類があり、加入の際に契約者自身が選択できます。チューリッヒでは「自損型」「人傷型」と呼んでいます。それぞれの補償内容は以下のとおりです。
相手方への補償 | 自分の補償 | ||
---|---|---|---|
対人賠償 | 対物賠償 | ケガ・死亡など | |
自損型 | ◯ | ◯ | △※ |
人傷型 | ◯ | ◯ | ◯ |
※自損事故の場合に補償
人傷型と自損型は、どちらも相手の方への補償である対人・対物賠償がある点は共通しますが、運転中のケガを補償するかどうかが異なります。
自損型は、単独事故や、相手方に過失がない事故(自損事故)を補償するものです。自分自身のケガについては補償されないため、人傷型よりも保険料が安くなります。
人傷型は、自損事故の範囲に加えて、相手方にも過失があるときの事故と、運転中の自分自身のケガも補償してくれるものです。自損型と比べて保険料は高くなりますが、その分補償内容が充実しています。
チューリッヒの場合、ファミリーバイク特約(原付特約)の補償範囲は以下のとおりです。
補償対象 | ・記名被保険者 ・記名被保険者の配偶者 ・記名被保険者と配偶者の同居の家族 ・記名被保険者と配偶者の別居の未婚の子ども※ |
---|---|
補償されるおもなケース | ・自宅の原動機付自転車で事故を起こした ・他人に借りた原動機付自転車で事故を起こした |
※未婚とは婚姻歴がないことをいいます。
ファミリーバイク特約(原付特約)では、記名被保険者(本人)だけでなく、配偶者や同居の家族、別居の未婚の子どもまでが補償範囲となります。さらに、自分や家族が他人のバイクを借りている際に起こした事故でも、同様の補償が受けられます。
自動車保険のファミリーバイク特約(原付特約)だけでなく、バイク保険でもバイク運転時の事故に対する補償を受けられます。一般的な自動車保険のファミリーバイク特約とバイク保険の特徴を比較してみましょう。
補償対象車種 | 以下いずれかに該当する車種 @原動機の総排気量(定格出力)が125cc(1.00kW)以下の二輪自動車 A総排気量(定格出力)が50cc(0.6kW)以下の三輪以上の自動車 |
---|---|
台数制限 | なし |
対人賠償保険 | 無制限 |
対物賠償保険 | 任意設定 |
自損事故 | 死亡:1,500万円 後遺障害:50万〜2,000万円 |
人身傷害保険 | 人傷型のみ |
無保険車傷害特約 | 無制限※ |
※ 自損型:無保険車傷害特約が適用 人傷型:人身傷害保険より無制限で補償
一般的なファミリーバイク特約は、原付を所有していなくても付帯できる特約です。本人だけでなく、同居の親族が原付を運転した場合も補償されます。ファミリーバイク特約の対人・対物賠償は自動車保険の保険金額と同額で、運転者のケガについては主契約の人身傷害保険金額を限度として保険金が支払われます。
ただし、ロードサービスの対象外で、年齢条件特約や運転者限定特約は適用されません。また、ファミリーバイク特約はノーカウント事故となり、翌年度の等級への影響はありません。
補償対象車種 ※1 ※2 | ・自家用二輪自動車 ・原動機付自転車 |
---|---|
台数制限 | 1台 |
対人賠償保険 | 無制限 |
対物賠償保険 | 無制限 |
対物超過特約 | 50万円または無制限 |
自損事故 | 死亡:1,500万円 後遺障害:50万〜2,000万円 |
人身傷害保険 | 3,000万円 |
人身傷害定額払特約 | ケガ:1万円または10万円 死亡:全額 ※3 後遺障害:保険金額の4〜100% ※4 |
無保険車傷害特約 | 無制限※5 |
車両保険 | 任意設定 |
盗難時の臨時費用特約 | 5万円 |
※1 お引受けできないお車の例:レンタカー、教習車など
※2 使用目的などにより、お引受けできない場合があります。(有償で貨物を運送するお車など)
※3 事故発生の日を含めて180日以内に死亡した場合
※4 事故発生の日を含めて180日以内に後遺障害が生じた場合
※5 対人賠償と同額、対人賠償が無制限であれば2億円
バイク保険は、原付の所有が前提となります。運転者の範囲は運転者限定や年齢条件などで細かく設定可能です。対人・対物賠償は保険金額を選べます。※1
その他、携行品特約や弁護士費用等補償特約など、多様な補償が用意されています。また、バイク保険は、ノンフリート等級制度を採用していることや、ロードサービスを無料で利用できる点も、原付特約と異なる点です。※2
※1 人身傷害保険は付帯いただけません。
※2 無料での利用回数について
利用回数に制限がないサービスと、制限があるサービスがあります。
なお、バイク保険はファミリーバイク特約(原付特約)と比べて保険料が高い傾向があります。バイク保険は車両保険を付けると補償内容が充実しますが、さらに保険料は高くなるためファミリーバイク特約との保険料の差が大きくなります。
ファミリーバイク特約には以下のようなメリットがあります。
保険会社にもよりますが、ファミリーバイク特約は、バイク保険と比較してリーズナブルであることが特長です。そのため、少しでも保険料を抑えながら補償を受けたい方に向いています。
一般的なファミリーバイク特約には自動車保険のような年齢条件がないため、誕生日を迎えたときでも年齢条件を変更する必要がありません。
また、ファミリーバイク特約を取り扱う保険会社によっては、本人だけでなく配偶者や同居する家族も補償対象となる場合があります。自分が所有するバイクに家族が乗る場合でも、年齢条件などの契約内容を変更せずに補償されることは、メリットといえるでしょう。
一般的なファミリーバイク特約には、補償対象となるバイクの台数制限がありません。自分と家族が複数台のバイクを所有していても、条件を満たしていればすべて補償対象となります。一方で、バイク保険は所有しているバイクの台数分、契約が必要です。
そのため、一般的に複数台のバイクを所有している場合は、1台ずつバイク保険を契約するより、ファミリーバイク特約を契約するほうが保険料を抑えられます。
通常、自動車保険を利用して保険金を受け取ると、等級が下がり翌年度の保険料が高くなります。
しかし、チューリッヒの原付特約の場合は、事故を起こして保険金を受け取ったとしても、等級に影響はありません。等級や保険料の増加を心配することなく、補償を受けられます。
メリットの多いファミリーバイク特約ですが、どのようなデメリットがあるかも押さえておきましょう。
チューリッヒの場合、前提として、原付特約の補償対象は「排気量が125cc以下のバイク」であり、125ccを超えるバイクは、原付特約の補償対象となりません。125cc以下のバイクを改良し、排気量を125cc以上にした場合も補償対象外であることを覚えておきましょう。
125ccを超えるバイクで補償を付けるためには、バイク保険に加入する必要があります。
チューリッヒの場合、バイク保険にはバイクの修理費用などを補償する車両保険がありますが、原付特約には車両保険がなく、追加で付帯することもできません。
車両保険を付けていれば、事故によりバイクの修理が必要になったときに、車両保険金額の範囲内で補償を受けられます。
車両保険を付けたいのであれば、バイク保険に加入する必要があります。ただし、車両保険を付けるとその分保険料は高くなるため、保険料と補償内容のバランスを考慮して保険を選択することが重要です。
自動車保険には事故やトラブルの際にロードサービスを利用できる場合があります。しかし、ロードサービスは「車」のみが対象となるため、バイクの事故では利用できません。
バイク保険であれば、ロードサービスが付帯している保険もあるので、ロードサービスを利用したい場合はバイク保険への加入を検討してみましょう。
以下のような方は、バイク保険よりもファミリーバイク特約を選ぶほうが、保険料を抑えられる可能性があります。
「バイクに乗る機会が週末だけ」など、月に数回程度しか乗らない方は、保険料がリーズナブルなファミリーバイク特約がおすすめです。
ファミリーバイク特約はバイク保険と比較して補償内容の範囲は限られますが、保険料を抑えられます。バイクに乗る機会が少なく、補償内容よりも保険料を重視したい方は、ファミリーバイク特約を選ぶとよいでしょう。
「大学に通う4年間だけ」「単身赴任している1〜2年間だけ」のように、バイクに乗るのが短期間だと決まっている方にはファミリーバイク特約がおすすめです。
一定期間の契約においては、バイク保険に加入するよりも、ファミリーバイク特約のほうが、より保険料を抑えられる可能性が高いです。
自分だけでなく、子どもがバイクに乗る可能性があるなら、ファミリーバイク特約が便利です。ファミリーバイク特約は年齢条件がなく、子どもが事故を起こしたときでも補償対象となります。
ただし、補償の範囲は保険会社によって異なるので、加入時に確認する必要があります。
一般的なファミリーバイク特約は、所有しているバイクの台数に関係なく補償対象となり、保険料も台数によって変動しません。一方、バイク保険ではバイク1台につき個別の契約が必要となり、その分保険料も高くなります。
従って、125cc以下のバイクを複数台所有している方なら、ファミリーバイク特約を選択することで保険料を抑えられます。
以下のような方は、ファミリーバイク特約よりも、バイク保険が向いています。
ファミリーバイク特約は自動車保険に付帯できる保険であるため、自動車を所有しておらず、自動車保険に加入していない場合は選択肢になりません。自動車を所有していない方は、バイク保険に加入しましょう。
125ccを超えるバイクの場合は、ファミリーバイク特約に加入できません。個人から譲り受けた場合など、自分のバイクの排気量がわからない場合は、車検証を見るなどして排気量の区分を確認しておきましょう。排気量が125ccを超える場合は、バイク保険への加入が必要です。
通勤や通学でバイクに乗る場合は、運転頻度が高く、走行距離も増えるため、休日だけ運転する方と比較して事故にあう可能性は高くなると考えられます。そのため、ファミリーバイク特約よりも補償が充実しているバイク保険に加入するほうが、安心感を得られるでしょう。
なお、自動車保険の加入時に設定する「車の使用目的」は、ファミリーバイク特約で補償されるバイクの使用目的は考慮しません。たとえば、通勤・通学でバイクに乗る場合でも、自動車保険の補償対象である車を週末のみ使用しているのであれば、使用目的は「日常・レジャー」となります。
チューリッヒの場合、原付特約には車両保険がないため、事故の際にバイクが破損しても、修理費用などの補償を受けられません。
事故の際にバイクが破損し、修理や買い替えの費用を補償してほしいときは、バイク保険に加入することを検討しましょう。
現時点で所有しているバイクだけではなく、今後も複数台を買い替えながら長く乗ることを想定している人であれば、バイク保険がおすすめです。
バイク保険には等級制度があるため、長期間契約していることで、結果的にファミリーバイク特約よりも保険料が安くなる可能性が高いです。
バイク保険には「125cc以下」「125cc超」の2つの区分があり、今後バイクを買い替えた場合でも、同じ排気量の区分であれば等級の引き継ぎが可能です。ただし、125cc以下から400ccのバイクに買い替えた場合など、排気量の区分が異なるバイクでは等級の引き継ぎができない点は覚えておきましょう。
ファミリーバイク特約に加入するためには、自動車保険に加入していることが前提です。すでに自動車保険に加入している方は、保険会社のウェブサイトまたは電話で相談してみましょう。
チューリッヒの原付特約の場合は、自動車保険の保険期間中でもインターネットまたはお電話にて手続きが可能です。インターネットであれば、お客さま専用ページ(My Zurich)より24時間お手続きいただけます。
なお、原付特約の加入によって保険料が変わる場合があります。
ファミリーバイク特約(原付特約)はバイク保険と比べて保険料がリーズナブルで、補償を受けられるバイクの台数に制限がないことが魅力です。ただし、自分自身と愛車を守るためには、保険料だけでなく、補償内容も重要なポイントとなります。
バイクを長期的に所有する場合や、遠出する機会が多いなど、状況によってはバイク保険のほうがよいケースもあります。125ccを超えるバイクを使用している場合や、補償内容を充実させたい方は、チューリッヒのバイク保険も検討してみましょう。
ファミリーバイク特約は複数台の原付バイクを保有している、あるいはバイクにのる機会が少ない人に向いています。一方、趣味や通勤などでバイクにのる頻度が多い人はバイク保険がおすすめです。用途に分けて上手に使い分けましょう。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
一般的には、ファミリーバイク特約のほうが保険料はリーズナブルな傾向にあります。
加入している自動車保険のウェブサイトまたは電話で手続きができます。
125ccを超える排気量のバイクは、ファミリーバイク特約の補償対象外となります。250ccのバイクを持っている場合は、バイク保険に加入することを検討しましょう。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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