更新日:2024年4月9日
公開日:2023年9月13日
電動バイクは駆動用のバッテリーを搭載し、モーターに電力を供給して走行するバイクです。電動バイクはガソリンを使用しないため走行中にCO2が発生せず、環境負荷が少ないことから、国や一部の自治体では電動バイク購入時の費用を補助する補助金制度があります。
また電動バイクには、「電動スクーター」や「折りたたみ式電動バイク」、「ペダル付き電動バイク」などいくつかの種類があります。
電動バイクを運転する際には、定格出力に応じた免許が必要になりますが、2023年7月1日以降、道路交通法の改正によって免許が不要となる特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボードなど)もあるため、購入時には販売店で必要な免許を確認することが大切です。電動バイクの種類や補助金の制度、必要な免許などについてご説明します。
電動バイクとは、文字通り電気で動くバイクです。
通常のバイクはガソリンを燃料にしたエンジンで走行しますが、電動バイクは充電式バッテリーからモーターに電気が流れ、モーターの動力により動きます。
近年は、環境に優しい電気自動車の普及が進んでいます。
電動バイクも走行中のCO2排出がゼロであり、環境負荷が少ないバイクとして期待されています。
電動バイクには、主に次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
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電動バイク単体で捉えると環境負荷の小さい乗り物に思えますが、走行用のバッテリーは製造時にCO2をたくさん排出しますし、走行に使う電力を火力発電でつくっていてはCO2の削減にはつながりません。そのあたりにも、注目して選びたいですね。
電動バイクは通常のバイク同様、公道を走らせるには運転免許が必要です。
ガソリンエンジンのバイクは、排気量によって免許の種類が変わります。
一方、電動モーターが原動源のバイクは、定格出力で免許区分が定められています。定格出力とは、安定した出力を連続発生することができる電力量です。
電動バイクでは、定格電力が0.6kW以下のものを原付一種としています。
原付一種の運転には、原付免許が必要です。また、普通自動車免許で原付一種の運転も可能です。
定格電力が0.6KW超〜1.0KW以下の電動バイクは、原付二種に該当します。
原付二種の運転には、小型限定普通二輪免許(AT限定も含む)が必要です。
電動バイクのひとつに、電動スクーターがあります。
スクーターとは原動機が座席の下にあり、前方に足踏台のある、車輪の直径が22インチ以下のバイクのことです。電動スクーターは座席の下にモーターがあり、前方に足踏み台があるタイヤが22インチ以下のバイクであるといえます。
電動スクーターも、定格出力によって必要な免許があります。
前述のとおり、定格出力が600W以下であれば原付免許、定格電力が0.6kW超〜1.0kW以下であれば小型限定普通二輪免許(AT限定も含む)が必要になります。
免許については、以下の表をご覧ください。
免許の種類 | 電動バイク(定格出力) |
---|---|
原動機付自転車免許 | 0.6kW以下 |
小型限定普通二輪免許(AT限定も含む) | 1.0kW以下 |
普通二輪免許(AT限定も含む) | 20kW以下 |
大型二輪免許(AT限定も含む) | 20kW超 |
電動スクーターは電動バイクの一種であり、必要な免許を持っていれば公道で走行できます。
電動スクーターは環境性能のよいバイクであり、電動スクーターを購入する際の導入費用を補助する「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)」制度を利用できます。
個別車両ごとの補助金交付額については、「一般社団法人次世代自動車振興センターのウェブサイト」から確認できます。
電動バイクには、電動スクーター以外の種類もあります。その他の電動バイクについて、ご説明します。
電動バイクには、電動キックボードのように折りたたみ式もあります。折り畳みができれば、保管時や持ち運びの際も便利です。
2023年7月1日以降は、一定の基準に該当する電動キックボードなどの「特定小型原動機付自転車(速度20km/h以下)」と「特例特定小型原動機付自転車(速度6km/h以下)」の場合は、免許不要で運転できます。
特定小型原動機付自転車 |
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また、特例特定小型原動機付自転車は、特定小型原動機付自転車のうち以下の基準をすべて満たすものです。
特例特定小型原動機付自転車 |
(特定小型原動機付自転車のうち)
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子どもが楽しむことができる、子ども用電動バイクもあります。
子どものサイズに合わせてコンパクトに軽くつくられているので、デコボコ道、砂利道などでも安心してバイクの運転を楽しむことができます。
子ども用の電動バイクは、公道は走行できません。子どもがバイクの運転を楽しむ際は必ずヘルメットを着用し、専用コースで大人監視のもとで運転するようにしましょう。
「ペダル付き電動自転車」は、電動で自走する機能が備えられ、モーターのみでもペダルのみでも運転できるものです。
バッテリーが切れても、ペダルを踏めば自転車として利用できる点も魅力です。
ペダル付き電動自動車はモーターがアシストをする「電動アシスト自転車」とは違い、自転車ではなく道路交通法第2条第10項の原動機付自転車にあたります。
公道で運転するときは、ヘルメットの着用と免許証に加え、ナンバープレートの表示、自賠責保険への加入が必要です。
ペダル付き電動自動車のなかには、ナンバープレート部分を切り替えて自転車としても走行できる許可を受けた機種もあります。通常のペダル付き電動自動車はモーターで走行していなくても原付バイクと同じ扱いとなるので、走行時にはルールを守るよう注意しましょう。
種類 | 免許の要・不要 |
---|---|
折りたたみ式電動キックボードなど | 2023年7月1日以降は、一定の基準を満たしたものは免許不要 |
子供用電動バイク | 不要(ただし、公道の走行は不可) |
ペダル付き電動自転車 | 免許が必要(定格出力により車両や免許の区分が異なります) |
一部の電動バイクを除き、電動バイクを公道で運転する際には、運転免許証が必要です。
また、ナンバープレートを取得し、運転や搭乗する際は必ずヘルメットをかぶり、交通法規を遵守して安全に運転しなければいけません。さらに、自賠責保険への加入が必要になることも忘れないようにしましょう。
電動バイクは、電気で走行するバイクで、走行中にCO2を発生させないため環境にやさしい乗り物です。
電動バイクには、電動スクーターや折り畳み式電動バイク、ペダル付き電動バイクなどがあります。
電動バイクを運転する際には、定格出力に応じた免許が必要になります。
ただし、2023年7月1日から、一定の基準に達する電動キックボードなどについては、免許が不要になります。
電動バイクを購入する際には、免許が必要であるかどうかをしっかり確認し、交通ルールに則って安全に運転しましょう。
※記載の情報は、2024年4月9日時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
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