更新日:2023年12月28日
公開日:2020年4月7日
「原付自転車」「原チャリ」などともいわれる「原付」は、正しくは「原動機付自転車」といいます。
四輪車の免許に付帯される原付免許で運転できるのが、50ccまでの原付です。
原付には、特有の交通ルールがあり、運転する際にはルールに従って運転する必要があります。
普段は四輪車に乗っている人が原付を運転するときは、ルールに戸惑うことがあるかもしれませんが、原付の正しい乗り方や運転方法を覚え、安全に運転するようにしましょう。
また、原付一種と呼ばれる排気量50ccまでの原付は二人乗りができませんが、原付二種と呼ばれる排気量125ccまでのバイクは二人乗りも可能です。
原付バイクの乗り方や運転方法・交通ルール、いきなり乗ることはできるのかなどについてご説明します。
原付バイクの乗り方の基本として、まずは乗車姿勢から確認していきましょう。バイクに乗るときは、運転操作がしやすく、疲れにくい乗車姿勢をとることが大切です。視界を広く確保するために、しっかり背筋を伸ばして座りましょう。
肩の力は抜き、ひじは外に突っ張らず、ハンドルを持って無理のない運転操作ができる位置に座ります。
スクータータイプのAT車では、自転車と同じように右が前輪ブレーキ、左が後輪ブレーキです。
ブレーキをかけるのは、車体がまっすぐの状態のときです。カーブを曲がっているなど、車体が傾いているときにブレーキをかけるとバランスを崩しやすくなります。
ブレーキ操作をするときは前後のブレーキを同時にゆっくりとかけましょう。また、後ろに続く車両に停まることを知らせるため、ブレーキは2〜3回に分けてかけるようにします。
安全にカーブを曲がるにはスピードコントロールが重要です。
前述のように、車体が傾いているときにブレーキをかけるとバランスを崩しやすく、また、減速が不十分だと遠心力によって外側に飛び出してしまう可能性もあります。
カーブを曲がるときにはカーブに入る手前でしっかり減速することが大切です。
また、車体と身体を傾けながら、車体と一体になって曲がります。
このとき、身体は傾けても視線は水平に保ち、カーブの先の安全もしっかり確認しておくようにしましょう。
参照元:一般社団法人日本二輪車普及安全協会
2023年10月執筆現在
50cc以下の原付バイク(原付一種)を運転するにあたっては、特有の交通ルールがあるので、確認しておきましょう。
道路の制限速度がそれ以上であっても、原付の最高速度は時速30kmです。
道路では左側通行です。道路に中央線がある場合は、中央線から左側でなおかつ道路
の左寄りを通行します
道路に複数の車両通行帯がある場合、原則的に追い越しや右折など止むを得ない状況を除き、いちばん左側の車両通行帯(第一通行帯)を通行しなければなりません。
信号のある三車線以上(片側、一方通行とも)の交差点で右折する際は、道路の左側端に寄り、早めに右ウインカーを出しながら直進し渡ります。
渡った先で方向を右に変え、正面の信号が青になったら直進して進みます。
ただし、その交差点の手前に原動機付自転車の右折方法(小回り)の標識がある場合は、他の車両と同じように小回り右折(右折レーンがあれば右折レーンを、なければ右の車線を使用して右折すること)をすることができます。
※詳しくはこちらをご覧ください
乗車定員は一名のみです。
久しぶりに原付を運転する際は、これらの四輪車とは違うルールに戸惑う場合もあるので、あらためて確認しておきましょう。
排気量50cc超125cc以下の原付は、道路運送車両法では原付二種に分類されます(道路交通法の車両分類・免許分類では普通自動二輪車)。
原付二種は法定速度が時速60km以下、二段階右折が不要、二人乗りも可能です。ただし、高速道路は走行できません。
50cc以下の原付一種には道路交通法の特有のルールがありますが、運転操作は他のバイクと大きな違いはありません。
原付免許には技能試験がなく、運転免許試験場・運転免許センターで適性検査と学科試験に合格して、原付講習を受けることで免許証を取得できます。
原付を運転する前に、以下のことをおさらいしておきましょう。
原付に乗る場合、たとえ近所に行くだけであっても、ヘルメットの着用は義務です(道路交通法第71条の4第2項)。また、グローブをする習慣を身につけましょう。
ヘルメットは頭部を守る大切なものです。バイク用で、サイズが自分にしっかりフィットしたものを選びましょう。
また、風切音が少なく、通気性に優れたヘルメットを選ぶと快適です。
被るときはあごひもをしっかりしめ、万が一のときに脱げないようにしましょう。
グローブは指先まで保護し、指を動かしやすいサイズを選びましょう。プロテクター付きなど安全性が高いものを選ぶと安心です。
原付などバイクに乗る際のウェアは、身体を保護する意味があります。
季節を問わず、上着は長袖のもの、ライディング・パンツは長ズボン、ライディング・シューズはくるぶしの隠れる靴が理想です。
夜間走行では、少しでも目立つような色合いを選んだり、反射材などを付けたりすると事故防止に効果的です。
原付の場合、車体が小さいため、大型トラックなどから発見されやすい服装をしているだけで事故防止につながります。
バイクショップではライディング用の各種ウェアを取り扱っており、各部に身体を守るパッドが入っているものもあります。
動きやすくしっくりフィットするものを選びましょう。また、風通しや防寒、雨対策も考慮する必要があります。
原付には車検がありません。
しかし、ブレーキ、タイヤ、ライト類、燃料などの日常点検と整備は、運転者の責任として行わなくてはいけません。
また、このときにナンバープレートに貼られている自賠責保険の有効期限ステッカーをチェックし、期限切れになっていないことを確認する習慣をつけましょう。
原付バイクは、普通免許を取得している人であれば運転が可能です。ルール上は練習などをしなくてもいきなり乗れることになります。
スクータータイプの原付はギアチェンジなどが不要で操作が簡単なため、気軽に乗れるバイクです。
安全性にも配慮した性能で、初心者でも快適に運転を楽しめるでしょう。
ただ実際に運転する際には四輪車とは違うコツが必要です。
初めて原付に乗る人は、最初はエンジンをかけずに、原付を押しながら自由に動かせる(押し歩き)練習などから始めます。
次に、安全な場所でまっすぐ走る、ブレーキのかけ方、カーブの曲がり方などを練習していくとよいでしょう。
50ccの原付一種ではタンデム走行、つまり二人乗りはできません。車体自体も一人乗り用に設計されています。
しかし、原付二種の場合は免許取得後1年以上が過ぎればタンデム走行ができます。
タンデム走行には、一人で走る場合とは違う楽しみがあります。
2018年7月に、「AT小型限定普通自動二輪免許」の技能教習時間の上限などの見直しが行われました。
これにより、1日に技能教習を受けられる上限時限が増え、すでに普通自動車免許を持っている人は、最短2日での教習終了も可能です。
二人乗りのできるスクータータイプの原付二種を運転してみたい人は、AT限定免許の取得を検討してみるとよいでしょう。
バイクの二人乗りについては、こちらで詳しくご説明しています。
50ccの原付バイクは、通勤や通学、買い物などで活躍してくれる便利な乗り物です。
軽量でコンパクトなボディを持ち、免許取得に関しても学科試験のみで取得できるなど、気軽さを特徴とした乗り物です。
また、原付免許は普通自動車免許に付帯されるので、車の免許を持っていればあらためて免許を取りに行かなくても運転することができます。しかし、原付と呼ばれるバイクには、原付免許では運転できない種類もあります。
一概に原付といっても、種類があります。
以下の表を参照してください。原付バイクは2つの法律によって区分されています。
道路交通法で見ると、原付は排気量50cc以下であり、免許はAT/マニュアル(MT)の区別のない原付免許です。
もう一つの法律、道路運送車両法では排気量50cc以下の原付一種と排気量50cc超〜125cc以下の原付二種という区分があります。
さらに、その二種の中で税金(軽自動車税)は、排気量ごとに50cc超〜90cc以下の原付二種と、90cc超〜125cc以下の原付二種とに分けられています。
排気量(cc) | 〜50cc | 50cc超〜90cc | 90cc超〜125cc | 125cc超〜250cc | 250cc超〜400cc | 400超cc〜 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
道路運送車両法 | 第一種 原動機付自転車 (原付一種) |
第二種 原動機付自転車 (原付二種) |
二輪の軽自動車 (軽二輪) |
二輪の小型自動車 (小型二輪) |
|||
道路交通法 | 車両の区分 | 原付 | 普通自動二輪 | 大型自動二輪 | |||
免許の種類 | 原付 | 小型限定普通二輪免許(AT限定も含む) |
普通二輪免許(AT限定も含む) | 大型二輪免許(AT限定も含む) |
表にあるように、原付二種は道路交通法上、普通自動二輪車に区分される125cc以下のバイクとなります。
そのため、小型限定普通二輪免許以上の免許を取得していないと運転できません。
たとえば、原付免許や普通自動車免許のみで90ccのスクーターに乗ってしまった場合は、無免許運転となります。
2年以上の免許取消し・欠格期間と、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第117条の2の2)。
排気量50cc以下の原付は、学科試験のみで免許を取得できるため、比較的免許を取りやすい乗り物です。
しかし、原付バイクには原付特有の交通ルールがあります。
正しい姿勢で、適切にブレーキ操作などを行いながら、原付の交通ルールに従って走行しないと大事故につながる恐れもあります。
気軽に乗れるバイクですが、原付に乗る際にはしっかりと正しい乗り方を覚え、交通ルールを守り、安全に走行するようにしましょう。また、排気量50cc超〜125ccの原付二種であれば二人乗りができるなど、バイクとしての別の楽しみ方もできるでしょう。
ただし、原付二種は原付免許や普通自動車免許では運転ができないため注意が必要です。
最後に、原付を所有されている方は、チューリッヒのバイク保険をぜひご検討ください。
万が一のバイクの事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2023年10月18日時点の内容です。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒのバイク保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒのバイク保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
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