更新日:2024年6月14日
公開日:2020年3月25日
街中を走る小型のバイクやスクーターのなかに、ピンク色のナンバープレートの車両があるのはご存じでしょうか。
50ccよりひと回り大きな125ccの自動二輪車は原付二種と呼ばれ、ナンバープレートがピンク色となります。125ccのバイク・スクーターのメリットや、運転免許の取得方法、維持費についてご説明します。
バイクの車両の規定などを定めている「道路運送車両法」では、バイクを4つに分類しています。原付二種とは、排気量50cc超125cc以下のバイクですが、ピンクナンバーはそのなかでも排気量90cc超125cc以下のバイクを指します。
また、交通法規などを定めている「道路交通法」では、バイクを排気量によって3つに分類しています。
運転免許に関しては、「道路交通法」の排気量による区分で、大きく3つに分類され、限定条件を含めると原付バイクを含めた7種類に分けられています。
排気量 | 50cc以下 | 50cc超90cc以下 | 90cc超125cc以下 | 125cc超250cc以下 | 250cc超400cc以下 | 400cc超 | |
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道路運送車両法 | 第一種原動機付自転車(原付一種) | 第二種原動機付自転車(原付二種) | 軽自動車(軽二輪) | 小型自動車(小型二輪) | |||
道路交通法 | 車両の区分 | 原動機付自転車 | 普通自動二輪車 | 大型自動二輪車 | |||
免許の種類 | 原付免許 | 小型限定普通二輪免許 | 普通自動二輪免許 | 大型自動二輪免許 | |||
小型限定普通二輪免許(AT限定) | 普通自動二輪免許(AT限定) | 大型自動二輪免許(AT限定) |
※出典:日本自動車工業会「自動車の分類」
※2024年6月執筆現在
125ccのバイクに乗るには、小型限定普通二輪免許以上が必要です。
普通二輪免許のなかに、125ccまでに限定した小型限定普通二輪免許と小型限定普通二輪免許(AT限定)が用意されています。
普通自動車免許に付帯されるのは、排気量50ccまでの原付免許です。排気量125ccの原付二種は普通自動車免許では運転できないため、注意が必要です。
50cc超125cc以下のバイクは、道路運送車両法では原付二種という分類です。
原付二種のバイクのメリットは以下の通りです。
以上のようなメリットがありますが、高速道路と自動車専用道路は通行することはできません。
50cc超125cc以下のバイクについて、税金や保険などでは経済的にはどのくらいメリットがあるのかご説明します。
軽自動車税は、毎年4月1日現在の軽自動車などの所有者に納税義務があります。
原付から大型バイクまで、それぞれの排気量によって金額が変わります。
50cc超90cc以下の原付二種は、50cc以下の原付一種と同額の年間2,000円ですが、ピンクナンバーの90cc超125cc以下の車両でも、2,400円とわずかな差しかありません。
125cc超の軽二輪になると3,600円と若干の開きがあります。
参照:横浜市ウェブサイト
※記載の情報は、2024年6月時点の内容です。
自動車重量税は、排気量125cc以下では非課税です。そのため、原付二種には、自動車重量税は課せられません。
まず、自賠責保険(強制保険)の保険料は、125ccの原付二種であっても50cc以下の原付一種と同額の12ヵ月で6,910円です。まとめて支払ったほうが保険料は安くなり、24ヵ月契約の場合の保険料は8,560円となります。
※記載の情報は、2024年6月時点の内容です。
任意保険に関しては通常のバイク保険だけでなく、四輪車と併用の場合、原付二種は原付特約(ファミリーバイク特約)の対象にもなります。
車を所有して自動車保険に加入しているなら、原付特約を付帯したほうが、単独でバイクに自動車保険をかけるより保険料が抑えられる傾向があります。ただし原付特約の補償範囲は人身傷害補償タイプや自損事故補償タイプに分けられているので、補償の適用範囲を事前に調べておくことが大事です。
50cc超125cc以下のバイクの免許の取得方法には、大きく分けて2つの方法があります。
一つは公安委員会指定の自動車教習所に通う方法です。
教習所の卒業検定に合格したのち、運転免許試験場で学科試験を受けます。
指定自動車教習所を卒業していれば、学科試験のみで、技能試験は免除されます。
既に普通自動車免許を所持している場合は学科試験も免除となり、試験場では免許証の交付を受けるだけとなります。
普通自動車免許等所有者の場合、小型限定普通二輪免許(AT限定)の教習所での技能教習時間の上限が見直され、最短2日での教習修了が可能となりました(2024年6月現在)。
これにより、ATの125ccのスクーターの免許がこれまで以上に取得しやすくなりました。
教習所によっては最短2日で教習を行っていないところもあるので、入所を希望する教習所に事前にお問合わせください。
もう一つは教習所に通わず直接運転免許試験場に行き、試験を受けて取得する方法で、通称「一発試験」と呼ばれています。
学科/技能ともに試験の受験のみで教習はありません。
この場合も四輪の普通自動車免許を持っていれば学科試験が免除となります。
試験合格後に、取得時講習と応急救護講習を受けてから免許が交付されます。
どちらの場合も受験資格は満16歳以上で両眼での視力が0.7以上(メガネ、コンタクト使用可)などの条件があります。
原付二種の登録手続き、ナンバープレートの交付は居住地のある市区町村の役所で交付されます。
名義変更の場合は、新所有者が住んでいる管轄の役所でナンバーの交付を受けることができます。手続きで必要になる書類は以下のようなものです(横浜市の例)。
また、市外から市内へ転入した場合は、ナンバープレートが変わります。いずれも役所の納税関連の課の窓口に行き手続きをすることができます。
通常、販売証明書は購入店が用意してくれます。譲渡証明書などの書類は、市役所などで受け取れます。さらに、国土交通省の公式ウェブサイトからダウンロードし印刷することも可能です。
自賠責保険はすべての車両に対して加入が義務付けられている強制保険です。
しかし、実際に事故を起こした場合、自賠責保険は人身事故の被害者に対し最低限の補償をするものです。物損事故や運転者自身、同乗者に対する補償はありません。
自賠責保険では賄えない補償のための保険がバイク保険(任意保険)です。幅広い補償範囲のなかからご自身に合った保険に加入することができます。
原付一種と二種に関しては、50cc超125cc以下のバイクの経済的メリットの項目でふれた「原付特約(ファミリーバイク特約)」もあります。
チューリッヒの原付特約は、原付を運転中に相手の方にケガを負わせてしまったり、相手の物を壊してしまった場合や、ご自身がケガをされた場合の補償です。
またご契約者自身ではなく、家族が友人に借りた原付で事故を起こした場合にも適用されます。
自動車保険の特約なのでその加入が条件となります。
チューリッヒの原付特約はこちら軽量でコンパクトな車体をいかして走る125cc以下のバイクは、利便性に優れているだけでなく、バイクとしての性能も十分に備えています。
この車格でライディングの基本を身に付けることで、バイクの楽しさをより感じることができます。
また、原付二種以上のバイクでは免許取得後1年が過ぎるとタンデム走行(二人乗り)をすることが可能になります。
安全装備を整え、タンデム走行を楽しむのもまた、バイクの世界に広がりをもたせてくれます。
バイクの楽しみの基本要素が詰まった125ccのバイクで、充実したバイクライフを楽しみましょう。
駐車場に余裕があるご家庭は、車を複数台所有されていることも多いですが、1台でも原付二種に置き換えると維持費の節約や駐車スペースの有効活用につながります。高速道路は走れませんが、機動性が高く大人二人での移動も可能なので、天候などによって使い分けることができます。安全に注意してバイクライフを楽しんでください。
原付二種は、排気量50cc超125cc以下のバイクです。ピンクナンバーは原付二種のなかでも、排気量が90cc超125cc以下のもので、軽量でコンパクトなボディが特徴です。
原付二種の運転には、小型限定普通二輪免許(AT限定含む)が必要です。原付一種と異なり、普通自動車免許では運転できないためご注意ください。
※記載の情報は、2024年6月14日時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒのバイク保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒのバイク保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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