更新日:2024年1月19日
公開日:2020年7月31日
排気量400cc以下のバイクを運転できる免許はかつて中型二輪免許という名称だったため「中型二輪」「中型免許」「中免」と呼ばれることもありますが、現在の「普通自動二輪免許」のことです。
中型バイクとはどのようなバイクか、「普通自動二輪免許」で運転できるバイクと免許取得費用、車検などの維持費、名義変更の方法についてもご説明します。
中型バイクとは、普通自動二輪免許で運転できるバイクで125cc超400cc以下のバイクのことを指します。
そのなかでも車検のない125cc超〜250cc以下と、2年ごとに(新車購入の場合は初回のみ3年)車検が必要になる250cc超〜400t以下の2つに分けられます。
この中型バイクに乗るためには400cc以下のバイクが運転可能な普通自動二輪免許が必要です。普通自動二輪免許は、かつて「中型免許」「中免」と呼ばれていました。
排気量 | 50cc以下 | 50cc超 125cc以下 |
125cc超 250cc以下 |
250cc超 400cc以下 |
400cc超 | |
---|---|---|---|---|---|---|
道路交通法 | 車両の区分 | 原動機付自転車(原付) | 普通自動二輪車(普通二輪) | 普通自動二輪車(普通二輪) | 大型自動二輪車(大型二輪) | |
免許の種類 | 原動機付自転車免許(原付免許) | 小型限定 | 普通自動二輪免許(普通二輪免許) | 大型自動二輪免許(大型二輪免許) | ||
普通自動二輪免許(普通二輪免許) | ||||||
道路運送車両法 | 第一種原動機付自転車(原付第一種) | 第二種原動機付自転車(原付第二種) | 二輪の軽自動車(軽二輪) | 二輪の小型自動車(小型二輪) |
中型バイクのなかでも、250cc以下のバイクは車検がないため、維持費が安くなることや、選べる車種も豊富のため人気があります。
排気量400t以下の中型バイクを運転するため必要な普通自動二輪免許を取得できる年齢や視力などの条件は以下のとおりです。
普通自動二輪免許 | 取得可能年齢 | 視力・深視力 | 聴力 | 色彩識別 |
---|---|---|---|---|
16歳以上 | 左右それぞれの視力が0.3以上で、両眼の視力が0.7以上あること。片方の視力が0.3に達しない場合は、よく見える方の視力が0.7以上かつ視野が150度以上あること。(いずれの場合でも眼鏡などによる矯正視力でも可) | 聴力基準なし | 赤色・青色および黄色の識別ができること。 |
中型バイクに乗ることができる普通自動二輪免許の取得方法には、指定自動車教習所に通う、直接運転免許試験場で受験する(いわゆる一発試験)という方法があり、取得方法によって費用は異なります。
バイクの免許の取り方で、最も一般的なのが公安委員会から指定を受けている指定自動車教習所に通う方法です。
指定自動車教習所で学科教習と技能教習を修了した後、卒業検定に合格して、運転免許試験場で本試験を受けます。教習所の卒業証明書により技能試験が免除されるので、適性検査、学科試験のみ受験し、合格すれば免許証が交付されます。
なお、すでに普通自動車免許を持っている方は学科試験も免除されます。
一発試験とは、指定自動車教習所に通わずに運転免許試験場で、直接試験を受けて免許を取得する方法です。
本試験では、適性検査、学科試験、技能試験に合格し、さらに取得時講習を受講すると免許証が交付されます。
一発試験は、免許の取得費用を抑えられますが、指定自動車教習所に通う場合と比較して、一発試験の技能試験は難易度が高いといわれています。合格するまでに、複数回受験するようなことになったら、受験費用もかさみます。
教習所卒業者の費用例 | 一発受験者 | ||
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教習所の料金(普通自動車免許がない場合) | 普通自動二輪免許(MT車) | 約16万〜17万円(所持免許なしの場合) ※ただし、教習所によって異なります |
- |
運転免許試験場で必要な費用 | 受験料 | 1,750円 | 2,600円 |
免許証交付料 | 2,050円 | 2,050円 | |
試験車使用料 | - | 1,450円 | |
取得時講習受講料 | - | 16,200円 | |
費用合計 | 教習所料金約16万〜17万円 +免許の申請手続き3,800円 |
22,300円 |
中型バイクに乗れる普通自動二輪免許を取得する際、すでに普通自動車免許(四輪)を所持していると、教習所で学科教習の一部が免除され、教習時間が大幅に短縮されるため、普通自動二輪免許取得もスムーズです。
普通自動二輪免許(MT)免許の場合、技能教習17時限、学科教習1時限です。また学科試験は免除されます。
現在は大型二輪免許も教習所で取得できますが、大型バイクの取り回し、不安なく乗りこなすには、かなりの体力とスキルが必要です。その点、中型バイクであれば一回り小さく軽量なので、初心者でもすぐに慣れて乗り回せるようになるでしょう。大型バイクを目指す人も普通自動二輪免許を取得してしばらく中型バイクに乗って、教習所で大型への限定解除をする方が無理なく取得できて、運転も安全に楽しめると思います。
バイクを維持するにはさまざまな費用がかかります。
毎年4月1日時点のバイクの所有者に課税されます。バイクの登録がある市区町村より5月中旬頃納税通知書が届き、5月末日までに納税します。軽自動車税(種別割)には月割課税制度がなく、4月2日以降に譲渡や廃車をされても、年税額を全額納めることが必要です。
125cc超250cc以下のバイク(二輪の軽自動車) | 3,600円 |
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250cc超のバイク(二輪の小型自動車) | 6,000円 |
125cc超〜250cc以下のバイクは、新車登録時の1回のみ重量税がかかります。250cc超のバイクの場合は車検ごとにかかり、新車登録からの経過年数に応じて税額が異なります。
排気量と区分 | 自動車重量税 | 車検 |
---|---|---|
125cc超250cc以下のバイク(二輪の軽自動車) 検査対象外 |
新車新規登録時に4,900円 | なし |
250cc超のバイク(二輪の小型自動車) | 年1,900円(登録後12年目まで) 2年分:3,800円 |
有(排気量を問わず初回3年、以降2年ごと) |
年2,300円(登録後13〜17年目まで) 2年分:4,600円 |
||
年2,500円(登録後18年以上) 2年分:5,000円 |
バイクや原付を所有する誰もが加入しなくてはならない保険が、自賠責保険です。中型バイクに該当する自賠責保険料(2年)は以下のとおりです。
自賠責保険の保険料(保険金額)は政令で定められており(自動車損害賠償保障法第13条)、どこの保険会社で加入しても同じです。
排気量125cc超250cc以下のバイク(二輪の軽自動車) | 24ヵ月 | 8,920円 |
---|---|---|
排気量250cc超のバイク(二輪の小型自動車) | 24ヵ月 | 8,760円 |
自賠責保険で補償されるのは、バイクの運行によって他人をケガさせたり、死亡させたりした場合の対人賠償だけです。任意保険は自賠責保険だけではカバーできない、自分のケガや物損事故も補償されます。
保険料は補償内容によって異なりますので、保険会社のウェブサイトで見積りをとることをおすすめします。
中型バイクのうち、排気量250cc超の車両については2年に1度(新車は3年有効)車検が必要となります。
車検時の法定費用は前述した自賠責保険料、自動車重量税と印紙代(二輪の小型自動車1,100円)ですが、ディーラーなどに車検を依頼した場合は以下の費用がかかります。
具体的な費用については、整備内容や車検の依頼先によって異なります。
その他に以下を維持費として見ておきましょう。
道路運送車両法第13条の規定により、名義変更(移転登録)は15日以内に申請を行う必要があります。
名義変更は、バイクの排気量によって申請先や必要な書類が異なります。原付・50cc超〜125cc以下のバイクは市区町村役場で申請します。中型バイクに該当する125cc超のバイクは運輸支局または自動車検査登録事務所で申請します。
中型バイクに該当する125cc超400cc以下のバイクの名義変更の必要書類などを以下にまとめました。
排気量 | 125cc超〜250cc以下 | 250cc超〜400cc以下 |
---|---|---|
道路運送車両法 | 軽二輪 | 小型二輪 |
旧所有者が用意する書類 |
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新所有者が用意する書類 |
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手続きを行う場所で記入する書類 |
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自動車検査証変更記録申請書(OCR申請書第1号様式)
|
詳しくは国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト内「売買等により譲渡、譲受する手続き」をご確認ください。
2023年11月執筆現在
バイクは排気量が大きくなると車両そのものの値段はもちろん維持費も上がります。250cc以下のバイクは車検がなく維持費が抑えられること、また各メーカーからも車種が豊富に揃うため人気です。欲しいバイクのスペックだけでなく必要な維持費なども考慮して選ぶようにしましょう。
中型バイクと呼ばれる400cc以下のバイクは各社の豊富なラインアップが特徴です。
中型バイクに乗るにはかつて、中型二輪免許・中型免許・中免と呼ばれていた普通自動二輪免許を取得する必要があり、その方法は指定自動車教習所に通う、または直接運転免許試験場で受験するいわゆる一発試験の2つがあります。
中型バイクの免許取得にあたってはその取得費用だけでなく、中型バイクにかかる税金や保険などの維持費も把握しておくとよいでしょう。
※記載の情報は、2023年11月時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒのバイク保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒのバイク保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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