不意のバッテリーあがりの対処法として、他の車から電気を分けてもらう方法があります。
そのときに役に立つのがブースターケーブルです。
バッテリーあがりの場合、基本的にはロードサービスなどに依頼するのが一般的ですが、もしもの備えのために、ブースターケーブルの役割を知っていると安心です。
本記事では、ブースターケーブルの車とのつなぎ方や使い方、選び方、注意点などをご説明します。
車のヘッドライトやルームランプなどの消し忘れで、バッテリーが上がり、エンジンがかからなくなってしまうことがあります。
そのような場合にブースターケーブルがあれば、他の車から電気を分けてもらい、エンジンを始動させることができます。
バッテリーが上がってしまった車(故障車)と正常な車(救援車)のバッテリーをつなぎ、エンジンを始動させることをジャンピングスタートとよびます。
その際、両車のバッテリーをつなぐコードが、ブースターケーブルです。
ブースターケーブルは、2台のバッテリーの+(プラス)端子をつなぐ赤いコードと、−(マイナス)端子をつなぐ黒いコードの2本セットになっています。
銅線が被膜で覆われ、コードの両端は、バッテリーの端子などをガッチリと挟めるワニ口のクリップ状になっています。
いざというときのために、トランクに備えておくと便利な道具です。
ブースターケーブルはシンプルな道具ですが、使用する車に合ったものを選ぶ必要があります。
バッテリーあがりで困った際は、基本的にロードサービスなどにお願いするのがおすすめです。
しかし、もしもの備えにブースターケーブルを購入する場合、どのような種類があり、選ぶ際は何に気をつければよいかを確認しましょう。
同じ銅線であれば、細いケーブルより太いケーブルの方がより多くの電流を流すことができます。
ブースターケーブルのパッケージなどにはケーブルの太さではなく、流すことのできる電流量(アンペア)の最大値が表示されていますので参考にしましょう。
選ぶ際に迷った場合は、販売店のスタッフに車種を告げ、アドバイスをしてもらうのがよいでしょう。
参考までに、エンジン始動に必要な電流量の車種別の目安は、
軽自動車から1,500ccクラスの車 50A
2,500ccクラスまでの車 80A
ワンボックス車、大型車、外車など 100A
となります。
電流量が120Aのブースターケーブルであれば、ほとんどの乗用車には対応できるでしょう。
必要なブースターケーブルの長さは、使用する車のバッテリーの位置を確認しておくとよいでしょう。
バッテリーの場所がわからない場合は、車の取扱説明書などで確認しましょう。
故障車と救援車をつなぐ際、せっかくブースターケーブルを持っていても両車のバッテリーをつなぐ際に届かなくては意味がありません。
救援の状況によっては両車が近づけない場合もあるので、余裕のある長さを選びましょう。
ブースターケーブルのワニ口のクリップ部は、通電するために金属でできています。
手で握るグリップ部は、ショートを防止するために絶縁のラバーなどで覆われています。クリップが小さすぎると端子をしっかり挟めない場合がありますので、挟む力と大きさが使用する車に合うものを選びましょう。
ブースターケーブルはシンプルな道具ですが、故障車と救援車のバッテリーのつなぎ方、外し方にはルールがあります。
専門知識がないまま、ブースターケーブルを使用するのは危険です。
基本的には、保険会社のロードサービスなどに依頼できる場合は、そちらをおすすめします。
自分でブースターケーブルを使用しなければいけないもしもの場合に備え、注意点や手順をご説明します。
まずは救援車の準備をします。
救援車は、故障車とバッテリーの電圧が同じで、同等以上の車格であることが望ましいです。
両車のバッテリーの位置を確認し、作業をしやすい位置に救援車を置きます。
乗用車のバッテリーの電圧は、軽自動車や普通車、または外車でも12V(ボルト)です。
トラックやバスなどの大型車の場合の多くが24V、バイクは車種により6Vか12Vとなります。
故障車、救援車ともに、できる限り安全な場所に置いて作業をしましょう。
やむを得ず路上で作業をする場合は、三角表示板などを使用し、他車に注意を促し、未然に事故を防止しましょう。
最初に使用するブースターケーブルの点検を行いましょう。
ブースターケーブルの被膜(コーティング)の破損がないか、または断線していないかをチェックします。さらにクリップ部も故障がないかどうか確認します。
問題のあるブースターケーブルは危険なので使用するのはやめましょう。
ブースターケーブルの確認ができたら、救援車のエンジンを止め、両車のボンネットを開けます。
故障車は、ライトやルームランプ、エアコンなど、すべてのスイッチがオフになっていることを確認します。
オフにしておくことで電気が急に流れることを防ぎ、機器の余計なトラブルを予防します。
両車ともに、ギアはAT車であればPレンジに、MT車ではニュートラルにしておきます。
故障車のバッテリーの+−の端子の位置を確認します。バッテリーによって+−の端子の位置が違うためです。
バッテリーの+端子には、ショートを防止する樹脂やゴムのカバーが付いていることがあるのでそれを外し、+端子の金属部分に赤いケーブルのクリップをつなげます。
赤いケーブルのもう一方を救援車の+端子に同様につなげます。
次に救援車の−端子に黒いケーブルのクリップをつなげます。
このとき、黒いケーブルのもう片方がボディなどに触れていないことを確認しておきます。
最後に、残りの黒いケーブルのクリップを故障車のエンジンの金属部やバッテリーの−端子につなぎます。
つなぎ終ったことを確認し、救援車のエンジンのみを始動して5分ほど待ちます。
この間に故障車のバッテリーが少々充電されます。
その後、故障車のエンジンをスタートさせます。
エンジンが始動できたら、つなげたときの逆の順序、4→3→2→1の手順でケーブルを外していきます。
ケーブルを外したら救援車のエンジンは止めても構いませんが、故障車のエンジンはしばらく止めず、車の発電機によって充電させます。
すぐにエンジンを止めてしまうと、エンジン再始動の際、電気の消費量の多いスターターモーターを再度回さなくてはなりません。
再始動ができないことがあるので気をつけましょう。
ケーブルを外す際は、かかったエンジンのファンやベルトなどの動く部分に気をつけましょう。
衣服がはさまったり、巻き込まれないように気をつけてください。
ブースターケーブルがあれば、不意のバッテリー上がりに対処できます。
ブースターケーブルの使用方法には、赤と黒のケーブルをつなぐ順番があることや、赤いコードはプラスにしかつながないなど、ショートトラブルを防ぐ注意点もあります。
ブースターケーブルの使用は、基本的には専門家に依頼する事柄ですが、もしもの備えに、以上の点をおさえておきましょう。
不意のバッテリー上がりでは、基本的にロードサービスなどにお任せすることをおすすめします。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2020年6月時点の内容です。
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