更新日:2022年9月5日
公開日:2016年3月19日
自動車事故で人身傷害を負っても、過失割合によって相手側から十分な補償が受けられないこともあります。
こうしたことをカバーできるのが「人身傷害保険」です。
「搭乗者傷害保険」との比較を交えて「人身傷害保険」についてご説明します。
人身傷害保険とはご契約の車に搭乗中の事故で死傷事故に遭遇した場合、治療費や休業損害などの補償が支払われる保険です。
搭乗者全員に保険金が支払われたり、損害額全額が補償されるなどのメリットがあります。
人身傷害保険には「車内のみ補償」と「車内・車外補償」の2つのタイプがあります。
「車内のみ補償」は、ご契約の車に、乗車中の事故が対象で、事故時の搭乗者全員が補償を受けられます。
「車内・車外補償」は、ご契約の車に乗車中の事故のほか、ご契約以外の車を運転中の事故や、歩行中などの自動車事故も補償対象となります。
ご契約以外の車を運転中の事故や歩行中などの自動車事故では、契約者とそのご家族※が補償を受けることができます。
自分のクルマに乗車中以外でもカバーしてくれる車外補償の人身障害保険は、1つは入っておきたい保険です。
人身傷害保険では事故で死傷した際の慰謝料や治療費、休業損害、看護料、介護料、葬祭費用などが保険料として支払われます。
以下のような場合は補償対象外となります。
保険金額は、3,000万円〜1億円(1,000万円刻み)または無制限で付帯できます。
死亡時、または後遺障害を負ってしまった場合、総損害額(※1)は1億円近くなる場合があります。
年代 | 扶養家族 | 死亡の場合 | 重度後遺症害の場合 |
---|---|---|---|
25歳 年収360万円 | 有(妻) | 5,500万円 | 1億1,000万円 |
無 | 5,000万円 | ||
35歳 年収500万円 | 有(妻、子1人) | 7,000万円 | 1億2,000万円 |
無 | 6,000万円 | ||
45歳 年収600万円 | 有(妻、子2人) | 7,500万円 | 1億2,000万円 |
無 | 6,000万円 | ||
55歳 年収800万円 | 有(妻、子2人) | 7,000万円 | 1億1,000万円 |
無 | 5,500万円 |
人身傷害保険では事故の過失割合に関係なく、実際の損害額が示談交渉の結果を待たずに支払われます。
実際に人身傷害保険ではいくら支払われるのか、以下でシミュレートしてみましょう。
たとえば
の場合、以下の支払いとなります。
相手の過失分60% | ご自身の過失分40% |
相手側の対人賠償保険のみの場合 相手からの賠償金 3600万円 |
自己負担 2400万円 |
人身傷害保険加入なら過失に関係なく補償される※ |
ご自身の過失が大きかったり、相手が無保険車でも、損害額の全額が補償されるので、人身傷害保険に加入していれば安心といえます。
もらい事故でも、チューリッヒの場合はスピーディにお支払いします。
人身傷害保険は、治療費や休業損害、精神的損害金など実際に被る総損害額が支払われる補償です。
一方、人身傷害定額払保険は、自動車事故により傷害を被ったり死亡した場合に、あらかじめ定めた死亡保険金・後遺障害保険金・医療保険金をお支払いする「定額払い」の補償です。
人身傷害定額払保険には、人身傷害保険の補償タイプと同様の補償範囲が適用されます。
(人身傷害保険・人身傷害定額払保険のそれぞれに対してお選びいただくことはできません。)
ご契約の車に搭乗中の方を対象に、保険金が支払われる保険です。
たとえば、家族旅行中、他の車と衝突し、家族全員がケガをしてしまった場合、搭乗者全員のケガを補償する保険です。
その他支払われる主なケースとしては以下のケースとなります。
保険金額は定額制なので、過失割合で保険金額が変動することはありません。
人身傷害保険と同様、被保険者の重大な過失・酒気帯び運転・自然災害などにおける自動車事故は補償対象外となるケースがあります。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険のいずれも、交通事故によってお客さまや同乗者が死傷をした場合に補償する保険です。
両方付帯していれば、万が一の際には、片方だけの補償ではなく双方から保険金が支払われます。
搭乗者傷害保険は人身傷害保険と同じく自動車事故での「ヒト」への補償を目的とした保険です。
それぞれの違いを確認して、ご自身は人身傷害保険と搭乗者傷害保険のどちらが必要かの判断材料としてください。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違いのひとつに、保険金の支払い時期が挙げられます。
それぞれの保険金が支払われるタイミングについて確認しておきましょう。
人身傷害保険 |
|
---|---|
搭乗者傷害保険※ |
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以上を比較すると、人身傷害保険は総損害額を確定するまでに多少の日数を必要としますが、搭乗者傷害保険は医師の診断に基づいた入院および通院の日数が4日以下でお支払いすることが可能です。
後者のほうがお支払いのタイミングはスピーディだと言えます。
どちらの保険に加入していても、事故の過失割合には関係なく補償を受けられるのは安心ですね。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険のもうひとつの違いは、支払われる金額です。それぞれを比較してみましょう。
人身傷害保険 |
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搭乗者傷害保険 |
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人身傷害保険の「車内・車外補償」の補償内容には、ご契約の車に搭乗中の事故を補償する「車内の補償」と、他の車に搭乗中や歩行中などの自動車事故も補償する「車外の補償」があります。
記名被保険者およびそのご家族が、人身傷害保険を付帯した自動車保険契約をすでにご契約の場合「車外の補償」が重複し、必要ないことがあります。
この場合、一方のご契約に「人身傷害(搭乗中のみ補償)特約」を付帯することで、「車外の補償」の重複を避けることができます。
「人身傷害(搭乗中のみ補償)特約」とは、人身傷害保険の補償をご契約の車に搭乗中の方のみに限定する特約です。
この特約を付帯すると補償の範囲が狭くなる分、人身傷害保険の保険料は安くなりますので、運転者の条件や使用状況によっては保険料を節約できる場合があります。
ご自身が加入されている他の自動車保険の人身傷害保険や、同居のご家族の人身傷害保険のご契約がある場合は、見直しをされることをおすすめします。
ただし、もう一方のご契約を解約された場合など、いずれの契約にも「車外の補償」がなくなってしまいますのでご注意ください。
チューリッヒは、お客さまご自身のお身体の損害を補償する「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険※」または「人身傷害定額払保険※」が基本補償となっています。
なお人身傷害保険、「搭乗者傷害保険※」または「人身傷害定額払保険※」と異なる補償内容となるのが、対物賠償保険、対人賠償保険です。
対物賠償保険、対人賠償保険は自動車事故の際に他人を死傷させてしまったり、他人の車や物などを壊してしまったりした場合の補償です。
車両保険や
特約などから
自由に
組み合わせられます
まずはお見積りで費用と補償内容をご確認ください。
クルマを複数所有されている方は、人身障害特約と搭乗者保険、人身傷害保険を上手く使い分けることが、保険料節約のポイントの1つです。
ご契約の車で死傷事故の際、搭乗者全員に医療費・休業補償などが支払われる保険です。
「車内・車外補償」は契約者とご家族の歩行中の自動車事故なども補償されます。
事故の過失割合に関係なく、実際の損害額が示談交渉を待たずに保険金として支払われます。
搭乗者傷害保険は人身傷害保険同様、搭乗者全員を対象にした保険ですが、保険金の仕組み、支払われるタイミングが違います。
※記載の情報は、2022年7月時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌のほかエンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
人身傷害保険・・・お支払いする保険金は、定額払いではなく、治療費や休業損害、精神的損害金など「実際に被る総損害額」となります。(損害額はご契約の保険金額の範囲で、当社規定の損害額算定基準により算定いたします。)
※搭乗者傷害保険は、保険始期日が2021年12月31日以前のご契約で付帯が可能です。
※ご契約車両が原動機付自転車の場合は、人身傷害保険の付帯ができません。
人身傷害保険・・・お支払いする保険金は、定額払いではなく、治療費や休業損害、精神的損害金など「実際に被る総損害額」となります。(損害額はご契約の保険金額の範囲で、当社規定の損害額算定基準により算定いたします。)
※人身傷害定額払特約は、保険始期日が2022年1月1日以降のご契約で付帯が可能です。
※ご契約車両が原動機付自転車の場合は、人身傷害保険の付帯ができません。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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