更新日:2023年8月16日
公開日:2020年9月28日
自動車保険のノンフリート等級とは、契約している自動車の事故(保険金が支払われる事故)の有無によって、保険料の割引率、または割増率を定めるための区分です。
等級が上がるほど保険料が割引されます。一方で、事故があって保険金の支払いを受けた場合、原則として翌年の等級がダウンすることにより保険料が高くなります。
自動車保険の等級が上がる条件や、等級が下がる事故ケースをご説明します。自分の等級や事故あり係数を調べる手段や、等級の引き継ぎ方法もご説明しているので、等級のしくみや保険料との関係性を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ノンフリート等級とは、契約している自動車の事故(保険金が支払われる事故)の有無によって、保険料の割引率、または割増率を定めるための区分です。
チューリッヒでは1等級から20等級までの等級区分を採用しています。事故を起こさなければ、毎年1等級ずつ上がり、等級に応じて保険料が割り引かれます。原則として、自動車保険に初めて加入する場合は6等級(契約条件によっては7等級)からスタートします。
なお、ノンフリートは、契約者が所有・使用する自動車の台数が他社契約の自動車を含めて9台以下の自動車保険契約に適用される制度です。所有・使用する自動車が10台以上の自動車保険契約になると、割増引率の適用単位や保険料の算出方法が異なるフリート等級での契約となります。
等級が上がるには、以下の条件のいずれかに該当している必要があります。
原則として、保険期間1年間で保険を使った事故がなければ、翌年度に1等級上がります。
無事故のため保険を利用しなければ、翌年度に自動で等級が1等級上がります。6等級からスタートした場合、上限である20等級になるには、最短でも14年かかります。
事故を起こしても、事故の内容によっては、事故件数にカウントされない場合があります。そのような事故を「ノーカウント事故」といい、無事故扱いとなります。したがって、翌年度に等級が1等級上がります。
ノーカウント事故として扱われる事故は、以下のとおりです。
など
事故を起こしたとしても、自動車保険を使わなければ、無事故扱いとなり、翌年度に等級が1等級上がります。
自動車保険を利用して保険金を受け取ると、翌年度から数年間は保険料が割高になるため、損害額によっては、自分で修理費などを負担したほうが、結果的に支出を抑えられるケースもあります。
自動車保険を使わずに自己負担する場合の修理費用と、事故により等級が下がる場合の保険料の支払額を比較し、判断するとよいでしょう。
ただし、自己負担すると手元のお金が一気に減ってしまう可能性があるため、注意が必要です。
なお、バッテリー上がりやキー閉じ込みなどのトラブルによりロードサービスを使用した場合も、等級には影響はありません。
原則として、保険期間中に事故を起こし、かつ保険を使うと等級が下がります。等級が下がる事故は以下のとおりです。
事故を起こしても、事故の内容によっては、3等級ではなく1等級下がる場合があります。1等級ダウン事故とは、事故1件に対して翌年に1等級下がる事故のことです。盗難や台風、いたずら、飛来物との衝突、飛び石など、運転者が気をつけていても防ぐことが難しい事故が多く含まれます。
1等級ダウンに該当する事故の例は、以下のとおりです。
3等級ダウン事故とは、事故1件に対して翌年度の等級が3等級下がる事故のことです。
たとえば現在12等級の方が3等級ダウン事故を起こすと、翌年度は9等級になります。対人賠償保険や対物賠償保険、車両保険を利用する事故が、3等級ダウン事故に当てはまります。
3等級ダウン事故の例は以下のとおりです。
なお、1件の事故で複数の補償項目から支払うことになったとしても、等級ダウンするのは3等級までです。
たとえば、ぶつかって相手の車を傷つけただけでなく、相手にケガをさせてしまったとします。この場合は、相手の車に対して対物賠償保険金が、相手のケガに対して対人賠償保険金が支払われます。1件の事故で2種類の保険を使っていますが、下がるのは3等級です。
自動車保険の保険料は、等級によって異なり、等級が上がるほど保険料の割引率も上がります。保険を使わずに無事故の安全運転歴を重ねていけば、さらに割引が適用されるため、将来的に保険料を抑えられます。
事故を起こすと、翌年の等級が下がるだけでなく、等級が下がった分だけ「事故あり係数」が適用されるため、同じ等級の無事故の契約者に比べて保険料が割増となります。
事故あり係数とは、前契約(旧契約)に事故があった場合で、これから締結する新規契約または継続契約の等級が7等級以上の場合に適用する係数のことです。
これにより、同じノンフリート等級であっても、事故のあった契約者は無事故の契約者に比べて保険料が割増となります。この事故あり係数は、事故によって下がった等級分の年数が適用されます。これを、事故あり係数適用期間といいます。
たとえば、20等級で3等級ダウンの事故を起こすと、翌年度は17等級になると同時に事故あり係数が3年加算されます。翌年度以降は無事故であれば毎年1等級ずつ上がり、事故あり係数の年数は1年ずつ減っていくしくみです。
なお、事故あり係数適用期間は、1年間事故がないと「1年」減算されます。このとき、さらに等級が下がる事故があった場合には、「1年」減算した後に、下がった等級分の年数が新たに加算されます。ただし、事故あり係数適用期間は最大で6年までとなります。
自分のノンフリート等級や事故あり係数を調べるには、以下の3つの方法があります。
保険証券が手元にあればすぐに確認できますが、ない場合はマイページを確認したり、保険会社へ問合わせたりしてみましょう。
ちなみにチューリッヒの場合、「現在のノンフリート等級」とは、現在ご加入中の契約に適用されている等級のことで、保険証券などに記載されています。
現在の等級は「継続のご案内」などに表示されている「次回ご継続時の適用等級」ではありませんのでご注意ください。また、お見積りの際に、現在の等級が20等級以上の場合は「20等級」を選択してください。
ノンフリート等級は、保険会社を変更したり家族に継承したりすることで、等級を維持して保険料の割引率を保つことが可能です。
ここでは、以下それぞれの引き継ぎケース別に詳しくご説明します。
家族間で等級を引き継ぐことで、保険料を抑えられる場合があります。たとえば、親に適用されている20等級を同居の子どもに引き継ぐと、子どもは20等級からスタートできます。
チューリッヒの場合、通常、記名被保険者が変更になった場合は、等級の引継ぎはできませんが、記名被保険者の変更が以下の場合にかぎり、等級引き継ぎが可能となります。
等級を引き継ぎできる同居の親族の範囲は、以下のとおりです。
なお、親族であっても別居している場合は引き継ぎができません。
保険会社を乗り換える際も、等級を引き継ぐことが可能です。
自動車保険は、代理店や通販型(ダイレクト型)、外資系保険会社などさまざまな会社が取り扱っており、そのほぼすべての保険会社の間で、自動車保険の等級を引き継ぐことができます。
ただし、引き継ぐタイミングには注意が必要です。契約期間の途中で他社に切り替えると、無事故であっても等級は上がらず、同じ等級での契約となります。他社に切り替える際は、等級が1等級上がる満期日のタイミングで引き継ぐようにしましょう。
チューリッヒでは、以下の共済から等級を引き継ぐことも可能です。
ちなみに損害保険会社各社(JA共済、全労災、中小企業共済含む)の間では、契約者の前契約に関する情報を交換するしくみがあります。これを「ノンフリート等級確認制度(情報交換制度)」といいます。このネットワークにより、保険会社を変更しても以前の事故歴等を正しく保険料に反映することができます。
車を買い替えたときも等級を引き継ぐことが可能です。ただし、新しい車の納入までに変更手続きが必要です。
車の廃車や海外渡航などの理由で契約を一時中断したい場合は「中断証明書」の発行を申し出ることで、現在の等級を維持することが可能です。
「中断証明書」とは、自動車の廃車・譲渡や、契約者の海外渡航などに伴って、自動車保険を一時的に中断する場合に、保険会社に申請することにより発行される書類をいいます。一定の条件を満たせば、中断後、自動車保険に再加入するまで現在のノンフリート等級を維持しておくことができます(中断した日から最長10年維持することができます)。
中断せずに自動車保険の契約が途切れてしまうと、再契約したときに等級が引き継がれずに6等級からの再スタートとなってしまいます。しばらくしてまた保険に加入する場合は、等級を引き継げば保険料を抑えられるので、解約せずに中断を申し出ましょう。
チューリッヒの場合、中断証明書の発行申請期間は、原則として旧契約の保険期間の末日(解約の場合は解約日、保険期間満了の場合はその満期日)から13ヵ月以内です。お客さま専用ページから中断証明書の発行申請ができますのでぜひご利用ください。
原則として、初めて自動車保険を契約する場合は6等級からのスタートとなりますが、一定条件を満たせば、複数所有新規(セカンドカー割引)という扱いになり2台目以降の車の新規保険契約を7等級からスタートすることができます。
自動車保険を扱う多くの保険会社で適用されている割引制度で、1台目と2台目の保険会社が異なる場合にも適用されます(一部の保険会社を除く)。
自動車保険の等級は、安全運転を心がけて事故を起こさずにいれば自然と上がり、保険料を抑えることが可能です。落書きなどのいたずらや盗難など、自分の運転に起因しない事故であっても1等級ダウン事故として扱われるため、普段から防犯対策も実施しておくとよいでしょう。
※記載の情報は、2023年4月時点の内容です。
中断証明書を発行して等級を維持できる期間は最長10年です。解約当初は使う見込みがなくても、後々状況が変わるかもしれません。車の譲渡や廃車で自動車保険を解約するときは、念のため中断証明書を発行しておくことをおすすめします。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
事故を起こさない、もしくは事故を起こしても保険を適用せずに自己負担でまかなうことで、翌年の等級が上がります。安全運転を心がけましょう。
6等級スタートの場合は、最短でも14年かかります。等級がダウンする事故を起こしてしまうと、さらに時間がかかってしまいます。
いいえ、引き継ぎできません。ノンフリート等級は、記名被保険者の配偶者、記名被保険者の同居親族(6親等以内の血族)、記名被保険者の配偶者の同居親族での引き継ぎが可能です。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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