更新日:2022年8月23日
公開日:2019年7月19日
事故で自動車保険を利用すると、多くの場合は等級が下がり保険料が上がります。損害額によっては保険を利用しないほうが保険料を安く抑えられることもあるので、判断が重要です。
事故を起こした際に、どの程度等級が下がるのか・保険を利用するかどうかの判断方法について詳しくご説明します。
事故が発生した際に自動車保険を使うと等級が下がる場合があります。等級が関連する事故のパターンは以下の3つです。
3等級と1等級ダウン事故はそれぞれ等級が下がりますが、ノーカウント事故は下がりません。
それぞれのパターンにはどのような事故が当てはまるのかをご説明します。
3等級ダウン事故とは、1件の事故で翌年度の等級が3つ下がる事故です。1等級ダウン事故とノーカウント事故に該当しない事故はすべて3等級事故が適用されるため、多くの事故は3等級ダウン事故に当てはまります。
3等級ダウン事故の主な例は以下のとおりです。
事故の内容によっては1等級ダウン事故扱いになることもあります。
1等級ダウン事故は車両保険・車内身の回り品補償特約のどちらか、もしくは両方に該当する場合に適用されます。
以下の原因に当てはまる事故は1等級ダウン事故です。
これらは翌年度に等級がひとつ下がりますが、さらに翌年になるまでに事故を起こさなければ、等級がひとつ上がり元に戻ります。
事故を起こしても、ノーカウント事故となることもあります。
ノーカウント事故は事故後に1年間無事故であれば、翌年度の等級は下がらず1等級上がります。
ノーカウント事故は、自分に過失がなく相手の保険で補償される場合と、以下のような補償にかかわる事故のことを言います。ノーカウント事故に当てはまる条件は保険会社や特約によって異なる場合もあるので、留意してください。
1等級・3等級事故で保険を使った場合、等級が下がることで翌年以降の保険料が上がります。なぜ等級が下がることで保険料が上がるのかについてご説明します。
自動車保険は等級によって割引・割増額が異なるため、事故によっては保険を使用しないほうが保険料を抑えられる場合があります。
等級とは、「ノンフリート等級制度」という事故歴に応じた保険料を算定するためのもので、1〜20等級までの20段階に区分されます。6等級からスタートし、等級が高いほど保険料の割引率が上がり、等級が低いほど割引率が下がるしくみです。
等級が下がることで、どの程度保険料が上がるのかは保険会社の窓口に確認しましょう。
ノンフリート等級の割増引率では、無事故と事故ありで割増引率が異なります。事故を起こして保険を使用すると、以下のように等級ダウン数と同じ年数が事故あり係数適用期間となり、割引率が下がります。
事故の種類 | 事故あり係数適用期間 |
---|---|
1等級ダウン事故 | 1年間 |
3等級ダウン事故 | 3年間 |
事故あり係数期間中に無事故で1年ごとに等級が上がり、事故前の等級に戻るとふたたび無事故扱いになります。
図のように、20等級で3等級ダウン事故を起こした場合、翌年度は17等級まで下がりますが、無事故であれば1年ごとに等級が上がり4年後に無事故の20等級になるということです。
事故あり係数適用期間は、等級が下がるだけでなく事故あり扱いでさらに保険料が上がることを覚えておきましょう。
事故を起こして自動車保険を使用する場合に覚えておくべき注意点についてご説明します。
1等級・3等級ダウン事故で自動車保険を使用した場合は等級が下がりますが、等級が極端に低いと保険契約の継続や新規契約ができなくなる可能性があります。
ノンフリート等級制度は6等級から始まるのが原則であるため、1等級や2等級になるということは、最低でも2回以上事故を起こしたことがわかります。「ひんぱんに事故を起こす契約者である」と保険会社が判断した場合、継続や新規契約に影響することもあることを覚えておきましょう。
保険を使用した際に給付される保険金は、免責金額を差し引いた金額です。
免責金額は一定金額以下の小損害は契約者や被保険者が自己負担するものとして設定されます。損害額が免責金額に達しない場合は全額契約者の自己負担になり、免責金額を超える場合は保険金から免責金額が差し引かれます。
チューリッヒでは、車両保険の「免責ゼロ特約」があり、この特約を付帯することでご契約期間中1回目の事故に限り、免責金額が0円になります。
免責ゼロ特約は7~20等級の方で、1回目の免責金額が5万円の車両保険をご契約いただいた場合に付帯することが可能です。
等級や事故歴は保険会社間で共有されており、保険会社を変更して新規契約する場合も下がった等級はリセットされません。たとえば、6等級で3等級ダウン事故を起こして翌年に保険会社を変更したとしても、等級・事故あり係数適用期間どちらも引き継がれ、事故あり3等級からの開始になります。
保険の満期日から13ヵ月は保険会社間で情報が共有されるため、保険未契約の状態で13ヵ月経過しなければ6等級から開始にはならないということです。
事故を起こして保険を使用した場合、等級や保険料に反映されるのは契約更新時です。保険を使用したからといって、すぐさま等級が下がるというわけではありません。
たとえば、1年契約で保険加入1ヵ月目に事故を起こした場合は1年間の保険料は変わらず、契約期間の更新時に事故の等級や事故あり係数適用期間が反映されます。
事故で保険を使用した場合、ノーカウント事故でなければ1等級もしくは3等級下がります。
事故で等級が下がると等級割引率も下がるだけでなく、等級が下がっている間の期間に事故あり係数が適用されるため、保険料が上がります。
損害額によっては、上がった保険料の支払いのほうが高額になることもあるため、事故あり係数適用期間の保険料を計算し、保険を使用した場合としない場合を計算して判断しましょう。
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 資格:CFP
1) 3等級ダウン事故
翌年のノンフリート等級は、事故1件につき3等級下がります。
2) 1等級ダウン事故
翌年のノンフリート等級は事故1件につき1等級下がります。
3) ノーカウント事故
事故件数としては数えず、翌年のノンフリート等級は1等級上がります(20等級が上限)。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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