更新日:2024年7月22日
公開日:2019年12月27日
自動車保険の車両保険は、自分の車の損害を補償するための保険です。車両保険なしで事故を起こした場合は自分の車の修理は自己負担となるため、万が一に備えて車両保険に加入しておくのが安心です。
車両保険に加入していて事故にあった際に支払われる保険金を、「車両保険金額」といいます。
車両保険金額は車種や型式、年式などによって決まっており、基本的には市場販売価格相当額での設定となります。
車両保険の補償内容や、車両保険の保険金額の計算方法、加入すべきかの判断基準をご説明しています。車両保険の加入に悩んでいる方は、確認してください。
自動車保険の車両保険は、自分の車の損害を補償するための保険です。たとえば以下のような事故やトラブルの際に、保険金が支払われます。
車両保険は、自動車保険(任意保険)の補償の一種です。契約者は、車両保険に加入するかしないかを選択できます。ただし、対人対物などの基本補償なしで「車両保険だけ加入する」ことはできません。
自動車保険の契約時に車両保険に加入していなくても、あとから加入することもできます。また、加入したあとに車両保険だけ解約することも可能です。
車両保険への加入は任意であるため、「加入しない」という選択も可能です。しかし、加入しない場合は自分の車の修理代や買い替え費用が自己負担となります。相手がいる事故の場合は、自分の過失割合分が自己負担になります。
破損の具合や車種によって異なりますが、車の修理費用は高額になりやすく、車の買い替えとなれば、数百万円以上になることもあります。全額自分で支払うのは負担が大きいでしょう。
修理や買い替え費用の支払いができる状況であれば問題ありませんが、車両保険に加入していれば予期しない大きな出費に備えられるため「車両保険があってよかった」と感じられるでしょう。
車両保険の保険金額は、以下の要素から決まります。
車両保険に加入していて事故にあった際に支払われる保険金を、「車両保険金額」といいます。車両保険金額は市場販売価格相当額での設定となります。設定できる金額は、車種や型式、年式などによって決まっており、基本的にはその金額の範囲内で設定します。
これは、購入から1年未満の新車でも中古車でも同様です。
新車購入から年月が経過している車は時価額が下がっているため、車両保険金額が抑えられる傾向があります。
車両保険に加入するにあたって、どのくらいの保険金額が妥当なのかと悩む方もいるかもしれません。現在自動車保険にご契約のお車の場合、保険証券に記載された車両保険金額の90%を目安に設定することをおすすめします。これはお車の時価が年月の経過で下がっていくためで、1年で10%ほど下がることを考慮しています。
購入したばかりの車で初めて保険を契約する場合は、カーナビなどの車両に固定されるオプションも含めた新車購入時の金額を目安に設定するとよいでしょう。
チューリッヒの場合、見積りの際は、画面で選択できる範囲で車両保険金額の変更が可能です。車両保険金額を下げたとしても、保険料算出基準の変更や型式・項目別の料率クラスの見直しによっては保険料が上がる場合があることを認識しておきましょう。
チューリッヒの場合、車の損害に応じて、それぞれ次の金額をお支払いします。
全損※の場合
ご契約の保険金額の全額。さらに保険金額の5%(10万円を限度)を臨時費用保険金としてお支払いします。
分損の場合
修理費(損害額)から自己負担額(免責金額)を差し引いた金額をお支払いします。
※全損とは次のいずれかの場合をいいます。
1. 車の修理費が保険金額以上となる場合
2. 盗難によりお車が発見されない場合
3. 車が修理不可能の状態まで損傷してしまった場合
車両保険の種類は保険会社によって名称が異なり、チューリッヒの車両保険では「ワイドカバー型(一般条件)」と「限定カバー型」の2つのタイプにわかれています。
タイプによって補償内容が異なるため、「どれくらいの補償が必要か」「保険料はいくらになるか」を考えながら選択するとよいでしょう。
車両損傷や被害の原因 |
ワイドカバー型 (一般条件) |
限定カバー型 |
---|---|---|
台風・竜巻・洪水・高潮 | ○ | ○ |
火災・爆発 | ○ | ○ |
飛来物・落下物の接触 ※1 | ○ | ○ |
盗難 | ○ | ○ |
いたずら ※2・落書き・窓ガラスの破損 | ○ | ○ |
他の車 ※3との接触で相手がわかる場合 | ○ | ○ |
他の車 ※3との接触で相手がわからない場合(当て逃げ) | ○ | × |
車以外の物・動物・人との接触 | ○ | × |
自転車との接触 | ○ | × |
墜落・転覆 | ○ | × |
地震、噴火、それらによる津波 | × ※4 | × |
※1 雹(ひょう)や霰(あられ)などによる自然災害を含みます。
※2 ご契約のお車の運行中の損害や、他の自動車との衝突・接触による損害を除きます。
※3 他の車は二輪自動車および原付自転車含みます。
※4 「地震等による車両全損一時金特約」を付帯いただくと、「全損」となった場合に一時金をお支払いします。ワイドカバー型(一般条件)に付帯いただけます。
車両保険の盗難補償について、ご契約のお車本体の補償はもちろん、定着されているカーナビ(据え置き型)や、タイヤやカーステレオなどの付属品の盗難も補償の対象です。また、車体やガラスに施されているコーディングも補償期限内かつ必要なメンテナンスが実施されている場合は補償対象となります。
チューリッヒの場合、「全損のみカバー型」といって、「全損」の事故のみ保険金が支払われるタイプもあります。全損とは、次のいずれかの場合をいいます。
「全損のみカバー型」に加入している方は、上記以外の「分損」の場合は保険金を受け取れません。
ワイドカバー型(一般条件)は、幅広い事故に対応したタイプです。チューリッヒの場合、半数以上が車両保険を付けており、補償範囲の手厚い「ワイドカバー型」を選ぶ方が多くなっています。
※当社での車両保険の加入率(2023年12月当社調べ)
※全損のみカバー型は0.4%
ワイドカバー型(一般条件)の保険料は限定カバー型と比較すると高めになりますが、補償を充実させたい方におすすめです。チューリッヒでは、地震や噴火・津波による損害以外のほとんどの損害が補償対象となります。限定カバー型では補償されない当て逃げやガードレールなど車以外の物との接触事故にも備えられます。
限定カバー型は、補償内容を限定的にしたタイプです。補償範囲は狭まりますが、ワイドカバー型(一般条件)と比較すると保険料を抑えやすくなります。「車両保険に加入したいけど、保険料を抑えたい」という方におすすめです。
限定カバー型では、たとえば「台風で車が水没してしまった」「物が落下して車が壊れた」といった場合に補償されます。当て逃げやモノとの衝突、相手のいない単独事故は補償されません。
「車を他人にぶつけられた」「自然災害にあって車が故障した」といった場合でも、すべての事故やトラブルが車両保険で補償されるわけではありません。車両保険が適用されない例もあるので、車両保険に加入する前に把握しておきましょう。
チューリッヒの場合、以下のような場合は車両保険で補償されません。
チューリッヒの場合、タイヤ(チューブを含む)に生じた損害は補償対象外となります。ただし、被保険自動車の他の部分と同時に損害を被った場合や、火災もしくは盗難によって損害が生じた場合は補償の対象となります。
車両保険に加入する前に、補償範囲を確認しておきましょう。
車の状態や契約条件によっては、車両保険に加入できないこともあるかもしれません。
車両保険の見積りは、車名や型式といった車の情報などをもとに判断されています。車両保険に加入できない条件や理由は、開示されていないケースもあります。
たとえばチューリッヒの場合、以下の場合は車両保険を付けられません。
※1.用途車種が自家用普通乗用車および自家用小型乗用車の場合となります。上記2車種以外の場合は1,000万円を超えるお車とします。
※2.初度登録年月から保険始期が1ヵ月以内の場合など例外的に付帯可能な場合があります。
その他にも車両保険を付けられない規定があるため、申し込む前に確認するとよいでしょう。
ここでは、実際に車両保険を付けたときの保険料例を見てみましょう。
契約内容・詳細条件はこちら
保険料および契約内容・条件などは、保険始期日により異なります。
車両保険の保険料は、車種や付帯される特約などによって異なります。目安として参考にしてください。
車両保険に加入すると、保険料が高くなります。特に新車など時価額が高い車の場合は、想像以上の保険料になることもあるかもしれません。
一方で「車両保険に加入しない」という選択肢では、万が一の事故が起きたときに充分な補償を受けられないことから、不安になる方もいるでしょう。ここでは、車両保険を付けたうえでできるだけ保険料を抑えるための手段を説明します。
チューリッヒの場合、車両保険には「ワイドカバー型(一般条件)」と「限定カバー型」の2タイプがあります。
限定カバー型は補償範囲が狭まりますが、ワイドカバー型(一般条件)と比較して保険料を抑えやすくなります。
必要な補償を受けられることを確認したうえで、限定カバー型を選ぶのもよいでしょう。
保険料を抑えたい場合は、免責金額(自己負担の金額)を増やす方法があります。
免責金額は、車の修理代を始めとした、損害額の総額のうち自己負担する金額のことです。免責金額5万円、10万円などと設定でき、免責金額なしの設定も可能です。たとえば40万円の修理代が発生したとき、免責金額を10万円に設定していたら10万円は自己負担、残りの30万円が保険金として支払われます。
チューリッヒでは、以下のように適用の等級と事故の回数によって免責金額(自己負担額)の設定が異なります。
等級 | 事故の回数 |
免責金額 (自己負担額) |
免責ゼロ特約 付帯の可否 |
---|---|---|---|
7〜20等級 | 1回目の車両事故 | 5万円 | ○ |
2回目以降の車両事故 | 10万円 | × | |
1〜6等級 | 1回目の車両事故 | 7万円 | × |
2回目以降の車両事故 | 10万円 | × |
免責金額(自己負担の金額)が多いほど、自動車保険料は安く抑えられます。保険金額は損害額から免責金額を差し引いて支払われるため、免責金額が大きい分保険料が抑えられるしくみです。月々の保険料を抑えたい方は、免責金額を増やすことも考えてみましょう。
万が一事故にあって免責金額を払う際は、修理工場などに支払い先を確認して支払います。
運転に自信がある方でも、事故に巻き込まれる可能性があります。また突然の事故で走行不能になるなど、修理せざるを得ない損害を被ることもあるため、一時的な出費を避けたい方は、車両保険に加入しておくことをおすすめします。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
車両保険は、以下のような事故において利用できます。
・人や車と衝突したときの修理(相手のいる事故)
・モノに衝突したときの修理(自損事故)
・事故やトラブルで廃車になったときの買い替え費用
・当て逃げ
・火災・爆発・台風・洪水・高潮被害
・盗難、飛び石、いたずら
補償内容の詳細は「車両保険(ワイドカバー型・限定カバー型)の補償範囲・内容」をご確認ください。
自損事故の場合、自分の車の修理費用や買い替え費用は全額自己負担となります。
相手がある事故では、自分の過失割合の分は自己負担になります。たとえば「自分3:相手7」の事故であれば、3割は自己負担です。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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